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公開番号
2025106349
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-15
出願番号
2025060460,2023187032
出願日
2025-04-01,2018-12-21
発明の名称
リポソームの中にカプセル化されたトリテルペノイド抗真菌薬の注射可能な組成物
出願人
サイネクシス,インコーポレーテッド
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61K
31/4439 20060101AFI20250708BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】真菌感染症を治療する方法において使用される組成物及び治療する方法を提供する。
【解決手段】エンフマフンギンに由来するトリテルペノイド抗真菌薬化合物をカプセル化している単一二分子膜小胞の注射可能な組成物を静脈内投与して真菌感染症を治療又は予防することが可能であるが、該注射可能な組成物は、局所注射部位反応(ISR)が低減されている。該エンフマフンギンに由来するトリテルペノイド抗真菌薬化合物は、(1,3)-β-D-グルカン合成の阻害薬であり、真菌感染症(例えば、全身性真菌感染症、例えば、カンジダ属各種(Candida species)及びアスペルギルス属各種(Aspergillus species)によって引き起こされる真菌感染症)の治療又は予防において有用である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
注射可能な組成物であって、
水相;及び、
1以上の単層小胞[ここで、該単層小胞は、それぞれが、リン脂質及びコレステロ
ールを含んでおり、並びに、それぞれが、式(I)
TIFF
2025106349000013.tif
61
164
〔式中、
Xは、O又はH、Hであり;
R
e
は、C(O)NR
f
R
g
、又は、1個若しくは2個の窒素原子を含んでいる6員環
ヘテロアリール基(ここで、該ヘテロアリール基は、環炭素において、フルオロ若しくは
クロロで1置換されていてもよいか、又は、環窒素において、酸素で1置換されていても
よい)であり;
R
f
、R
g
、R
6
及びR
7
は、それぞれ独立して、水素又はC
1
-C
3
アルキルであり
;
R
8
は、C
1
-C
4
アルキル、C
3
-C
4
シクロアルキル又はC
4
-C
5
シクロアルキ
ル-アルキルであり;
R
9
は、メチル又はエチルであり;及び、
R
8
とR
9
は、一緒に、1個の酸素原子を含んでいる6員飽和環を形成してもよい〕
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物をカプセル化している]
;
を含んでおり;
ここで、前記1以上の単層小胞は、前記水相の中で水和している;
前記注射可能な組成物。
続きを表示(約 960 文字)
【請求項2】
前記注射可能な組成物の中の前記カプセル化された式(I)で表される化合物又はその
薬学的に許容される塩若しくは水和物の濃度が、約0.01~約50mg/mLである、
請求項1に記載の注射可能な組成物。
【請求項3】
前記水相が糖を含んでいる、請求項1に記載の注射可能な組成物。
【請求項4】
前記糖が、単糖類、二糖類及びそれらの組合せから選択される、請求項3に記載の注射
可能な組成物。
【請求項5】
前記糖が、スクロース、トレハロース、ラクトース、グルコース、フルクトース及びガ
ラクトース並びにそれらの組み合わせから選択される、請求項4に記載の注射可能な組成
物。
【請求項6】
前記水相のpHが、約5.0~約7.0の範囲内である、請求項3に記載の注射可能な
組成物。
【請求項7】
前記1以上の単層小胞が、ホスファチジルコリン、ホスファチジン酸、ホスファチジル
セリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール又はそれらの組
み合わせを含んでいる、請求項1に記載の注射可能な組成物。
【請求項8】
前記1以上の単層小胞が、ホスファチジルコリン及びホスファチジルグリセロールを含
んでいる、請求項1に記載の注射可能な組成物。
【請求項9】
前記ホスファチジルコリンが、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイル
ホスファチジルコリン、卵ホスファチジルコリン、ダイズホスファチジルコリン、ジラウ
ロイルホスファチジルコリン及びジミリストイルホスファチジルコリンから選択される、
請求項8に記載の注射可能な組成物。
【請求項10】
前記ホスファチジルグリセロールが、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジ
ステアロイルホスファチジルグリセロール、ジラウロイルホスファチジルグリセロール及
びジミリストイルホスファチジルグリセロールから選択される、請求項8に記載の注射可
能な組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンフマフンギンに由来するトリテルペノイド抗真菌薬化合物をカプセル化
しているリポソーム小胞を含んでいる組成物に関する。より詳細には、本発明は、(1,
3)-β-D-グルカン合成の阻害薬であるエンフマフンギン由来トリテルペノイド(又
は、その薬学的に許容される塩若しくは水和物)をカプセル化しているリン脂質二分子膜
小胞を含んでいる組成物に関し、それは、全身性真菌感染症を治療及び/又は予防するた
めに使用することができる。本発明の組成物は、良好な局所忍容性特性を有しており、注
射による投与によく適している。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
真菌感染症は、主要な医療問題であり、そして、最も一般的には、侵襲性真菌症(例え
ば、カンジダ症、侵襲性アスペルギルス症)、限局性真菌感染症(例えば、腹部、脳、肺
などに限局する胸膜膿胸及び膿瘍)及び粘膜皮膚感染症(例えば、口腔、食道及び外陰膣
のカンジダ症)として現れる。感染の種類及び範囲は、真菌病原体の病原性因子、宿主の
防御及び関与する解剖学的領域に依存する。
【0003】
重度の全身性真菌感染症は、免疫力が低下している患者において、例えば、悪性腫瘍を
治療するために化学療法を受けている患者、又は、慢性炎症状態を治療するために免疫調
節剤を投与されている患者、又は、後天的若しくは遺伝的障害による免疫不全を患ってい
る患者などにおいて、より一般的である。現在利用可能な抗真菌療法にもかかわらず、全
身性真菌感染症は、その病原体及びその患者の基礎症状に応じて、死亡率は最大で50%
である。
【0004】
エンフマフンギンは、セイヨウネズ(Juniperus communis)の生き
ている葉に付いているホルモネア属種(Hormonema spp.)の発酵において
生成されるヘミアセタールトリテルペン配糖体である(米国特許第5,756,472号
; Pelaez et al., Systematic and Applied
Microbiology, 23:333-343, 2000; Schwartz
et al., JACS, 122:4882-4886, 2000; Schw
artz, R.E., Expert Opinion on Therapeuti
c Patents, 11(11):1761-1772, 2001)。エンフマフ
ンギンは、インビトロの抗真菌活性を有する何種類かのトリテルペン配糖体のうち1つで
ある。エンフマフンギン及び別の抗真菌トリテルペノイド配糖体の抗真菌作用機序は、(
1,3)-β-D-グルカン合成酵素に対するその特異作的用による、真菌細胞壁グルカ
ン合成の阻害であると確認された(Onishi et al., Antimicro
bial Agents and Chemotherapy, 44:368-377
, 2000; Pelaez et al., Systematic and Ap
plied Microbiology, 23:333-343, 2000)。1,
3-β-D-グルカン合成酵素は、多くの種類の病原性真菌の中に存在し、従って、広範
な抗真菌スペクトルをもたらすので、抗真菌作用にとって依然として魅力的な標的である
。加えて、哺乳類には1,3-β-D-グルカン合成酵素に相当するものが存在しないの
で、その機序に基づく毒性は殆どないか又は全く無い。
【0005】
さまざまなエンフマフンギン誘導体が開示されており、例えば、国際特許公開第200
7/126900号及び国際特許公開第2007/127012号に開示されている。
【0006】
SCY-078は、本明細書中に記載されているエンフマフンギン誘導体の代表的な化
合物であり、薬物耐性株を包含する多くのカンジダ属各種(Candida speci
es)及びアスペルギルス属各種(Aspergillus species)に対して
活性を有する。SCY-078は、下記式:
TIFF
2025106349000001.tif
65
158
【0007】
で表される、カルボン酸とアルキルアミノエーテルで置換されたトリテルペノイド誘導体
である。
【0008】
理論に拘束されることは意図しないが: アミノ官能基及びカルボン酸官能基によって
、SCY-078は両親媒性分子であり、ミセル形成、表面及び血漿タンパク質への結合
などの界面活性剤のような挙動を示す。
【0009】
SCY-078の静脈内投与は、疼痛、刺激、炎症及び静脈炎などの局所注射部位反応
(以下、「ISR」と称する)を伴っており、これらが、末梢静脈を介したその投与を妨
げてきた。観察されたISRの根本的な機序は明確には理解されていないが、また、理論
拘束されることは意図しないが: 観察されたISRは、SCY-078が経静脈的に血
流に導入されたときのSCY-078と注射部位の血管内皮との局所的な直接的相互作用
に起因する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
米国特許第5,756,472号
国際特許公開第2007/126900号
国際特許公開第2007/127012号
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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