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公開番号2025104969
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023223185
出願日2023-12-28
発明の名称アモルファス変圧器
出願人株式会社日立産機システム
代理人青稜弁理士法人
主分類H01F 27/26 20060101AFI20250703BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】巻鉄心を自立させて固定するアモルファス変圧器において、自立させる巻鉄心間に介在させる絶縁材の改良を図る。
【解決手段】積層方向及び並列方向に並べて配置される巻鉄心21~24の対向する面の間に、非磁性体の絶縁材を介在させる。絶縁材は、耐熱温度が異なる上側絶縁材30と下側絶縁材40、上側絶縁材60と下側絶縁材70にそれぞれに分けて形成し、それらはFRPの平板を用いてT字または十字に形成する。高い温度になりやすい上側絶縁材30、60は、下側絶縁材40、60より耐熱性が高い材料にて製造する。下側絶縁材40、70は、巻鉄心21~24を載せる鋼材べース50、80に固定されるので、巻鉄心21~24が良好に支持される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
積層方向及び並列方向に並べて配置されるアモルファス製の複数の巻鉄心と、前記巻鉄心を自立させる支持部材と、前記複数の巻鉄心のいずれかの脚部を跨ぐように巻回されて形成されるコイルと、前記巻鉄心を固定する上締金具と下締金具を備えたアモルファス変圧器であって、
積層方向に隣接する前記巻鉄心の脚部の端面の間が一定間隔にて保持されるようにし、並列方向に隣接する前記巻鉄心の脚部の側面の間が一定間隔にて保持されるようにするための絶縁材を設け、
前記絶縁材として、前記支持部材に固定される下側絶縁材と、前記下側絶縁材と耐熱温度が異なる上側絶縁材にて分割して形成したことを特徴とするアモルファス変圧器。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記絶縁材は樹脂製又は強化繊維を含む樹脂製であって、
前記上側絶縁材は、前記下側絶縁材とは隙間を隔てるようにして前記上締金具によって固定され、
前記上側絶縁材の耐熱温度が、前記下側絶縁材の耐熱温度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載のアモルファス変圧器。
【請求項3】
前記上側絶縁材と前記下側絶縁材は、強化繊維プラスチック製の平板を、上面視でT字状または十字状に形成したものであって、
前記コイルを貫通する磁脚に接する前記上側絶縁材と前記下側絶縁材は十字状の形状とされ、
前記コイルを貫通しない磁脚に接する前記上側絶縁材と前記下側絶縁材はT字状の形状とされることを特徴とする請求項2に記載のアモルファス変圧器。
【請求項4】
十字状の前記下側絶縁材の上端位置と、T字状の前記下側絶縁材の上端位置は、前記巻鉄心の上下方向にみた重心位置よりも上側に位置することを特徴とする請求項3に記載のアモルファス変圧器。
【請求項5】
十字状の前記上側絶縁材と十字状の前記下側絶縁材は、縦方向の長方形板材の一方の短辺の中心位置から縦方向に延びるスリットを形成したものを2枚準備して、それらを交差させた状態で2つの前記長方形板材のスリットが嵌合して十字状になるように組まれることを特徴とする請求項4に記載のアモルファス変圧器。
【請求項6】
T字状の前記上側絶縁材と十字状の前記下側絶縁材は、それぞれ2枚の板材を接着にて接合させることを特徴とする請求項5に記載のアモルファス変圧器。
【請求項7】
前記上側絶縁材は、耐熱温度が105℃以上の繊維強化プラスチックであることを特徴とする請求項6に記載のアモルファス変圧器。
【請求項8】
積層方向及び/又は並列方向に並べて配置されるアモルファス製の複数の巻鉄心と、前記巻鉄心を自立させる支持部材と、隣接する前記巻鉄心の磁脚部を跨ぐように巻回されて形成されるコイルと、前記巻鉄心の上側と下側を固定する上締金具と下締金具を備えたアモルファス変圧器であって、
前記コイルに巻回される複数の前記巻鉄心の隣接する面が一定の間隔にて保持されるように、板状の第1絶縁部材を対向する鉛直面に介在させ、
前記第1絶縁部材は強化繊維プラスチック製であって、前記巻鉄心の上側と接する第1上側絶縁材と、前記巻鉄心の下側と接する第1下側絶縁材にて分割して形成され、
前記分割する位置を前記巻鉄心の重心位置よりも上側になるように設定すると共に、前記第1上側絶縁材の耐熱温度が前記第1下側絶縁材の耐熱温度よりも高くなるようにしたことを特徴とするアモルファス変圧器。
【請求項9】
前記第1上側絶縁材は上締金具によって固定され、前記第1下側絶縁材は前記支持部材によって固定されることを特徴とする請求項8に記載のアモルファス変圧器。
【請求項10】
前記巻鉄心が積層方向及び並列方向に隣接するように配置されている磁脚部において、
前記コイルにて巻回される前記巻鉄心の磁脚部間にそれぞれ設けられる前記第1上側絶縁材が十字状に交差するように配置され、
前記コイルにて巻回される前記巻鉄心の磁脚部間にそれぞれ設けられる前記第1下側絶縁材が十字状に交差するように配置されることを特徴とする請求項9に記載のアモルファス変圧器。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アモルファス変圧器を提供する技術に関し、特にアモルファス鉄心を自立させて組み立てるときの支持部材の改良に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、変圧器において、非結晶磁性合金、アモルファス材を用いたものが開発されている。変圧器鉄心にアモルファス材を採用すると鉄心を自立するように組み立てるために、各鉄心に支持部材が必要になる。このような支持部材として特許文献1では、自立させたときの各鉄心のコーナ部の垂れ下がりを改善し、鉄心とコイルの組立をスムーズに行うためにコーナ部支持部材と、コーナ部支持部材に固定される板状の鉄心支持部材を用いることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-243401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、鉄心支持部材の材料については開示されていない。発明者らの検討によると、アモルファス鉄心を自立させる支持部材の材料の選定については以下の課題を有することが判明した。鉄心支持部材は鉄心を自立させるため強度が必要であり、鋼材の採用が考えられる。しかしながら、鉄心支持部材に鋼材(磁性体)を採用すると、コイルに発生した磁束により、渦電流が発生することで、局部加熱を起こし、可燃性ガスが発生し、変圧器が異常をきたす恐れがある。また、鉄心支持部材に採用する材料として、樹脂材が考えられるが、耐熱性の高い樹脂材は鋼材に比べ強度が低く、全体的に変圧器が大型化しコストが増加する恐れがある。
【0005】
近年の変圧器では大容量化が図られる一方で、据付スペース上の制約から変圧器の大型化を避けて、コンパクトに構成することも重要になる。鉄心の体積が大きくなると、鉄心自重が増大すると共に、コイル寸法及び重量が増加するため、鉄心にコイルを挿入する組立作業が困難になると予想される。また、組立作業時及び組み立て作業後に、鉄心を自立したまま良好に保持させる工夫が必要になる。
【0006】
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、複数の鉄心を、自立状態で適切な間隔を隔てながら良好に保持できるようにしたアモルファス変圧器を実現することにある。
本発明の他の目的は、複数の鉄心間の間に介在される絶縁板を上下分割して形成することで、鉄心とコイルの組立をスムーズに行うことができるようにしたアモルファス変圧器を実現することにある。
本発明の更に他の目的は、上下分割した絶縁板のうち温度が上昇しやすい側の絶縁板を、耐熱温度のより高い材料にて構成したアモルファス変圧器を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、代表的な特徴を説明すれば次のとおりである。
本発明の一つの特徴によれば、積層方向及び並列方向に並べて配置されるアモルファス製の複数の巻鉄心と、巻鉄心を自立させる支持部材と、複数の巻鉄心のいずれかの脚部を跨ぐように巻回されて形成されるコイルと、巻鉄心を固定する上締金具と下締金具を備えたアモルファス変圧器であって、積層方向に隣接する巻鉄心の脚部の端面の間が一定間隔にて保持されるようにし、並列方向に隣接する巻鉄心の脚部の側面の間が一定間隔にて保持されるようにするための絶縁材を設けた。この絶縁材は、支持部材に固定される下側絶縁材と、下側絶縁材とは耐熱温度が異なる上側絶縁材にて分割して形成する。絶縁材は樹脂製又は強化繊維を含む樹脂製であって、上側絶縁材の耐熱温度が、下側絶縁材の耐熱温度よりも高いように形成する。上側絶縁材は下側絶縁材とは隙間を隔てる位置において、2つの巻鉄心に挟まれるようにして上締金具にて固定される。
【0008】
本発明の他の特徴によれば、上側絶縁材と下側絶縁材は、FRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)製の平板であって、コイルを貫通する磁脚に接する上側絶縁材と下側絶縁材は十字状の形状とされ、コイルを貫通しない磁脚に接する上側絶縁材と下側絶縁材はT字状の形状とされる。十字状の下側絶縁材と、T字状の下側絶縁材の上端位置は、巻鉄心の上下方向にみた重心位置よりもそれぞれ上側に位置するようにすると良い。十字状の上側絶縁材と十字状の下側絶縁材は、縦方向の長方形板材の一方の短辺の中心位置から縦方向に延びるスリットを形成したものを2枚準備して、それらを交差させた状態で2つの長方形板材のスリットが嵌合して十字状になるように組み立てる。一方、T字状の上側絶縁材と十字状の下側絶縁材は、それぞれ2枚の板材を接着にて接合させるか、スリットにて嵌合させるようにして組み立てる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アモルファスの巻鉄心を自立させることが可能となり、上側絶縁材と下側絶縁材を併用することで、自立した状態にて複数の巻鉄心を所定の間隔にて保持することができる。また、支持部材に巻鉄心の下側部分と下側絶縁材を固定した状態にて、コイルの挿入と、巻鉄心のラップ部の接合を行うことができるので、鉄心にコイルを挿入する組立作業が容易になる。さらに、絶縁板に耐熱材を用いることで、変圧器冷却媒体(油)の温度上昇の制約を減らし、大容量変圧器においても冷却器低減によりコンパクト化を図ることが可能となった。特に、絶縁板を上下に分割して形成することで、変圧器運用時の温度分布に適した性質の材料を採用でき、製造コストを抑えることができる。これらにより、変圧器が大容量化しても、変圧器の特性を良好に維持することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施例に係るアモルファス変圧器1の斜視図である。
図1のアモルファス変圧器1の断面斜視図である。
図3Aは図2の絶縁材30、40と鋼材ベース50の斜視図であり、図3Bは絶縁材60、70と鋼材ベース80の斜視図である。
図4は図3Aで示した下側絶縁材40の展開図である。
図5Aは下側絶縁材40と鋼材ベース50の取り付け構造を示す展開図であり、図5Bは下側絶縁材70と鋼材ベース80の取り付け構造を示す展開図である。
上側絶縁材30、60と下側絶縁材40、70の材質の組み合わせ例を示す表である。
本発明の第2の実施例に係るアモルファス変圧器101の斜視図である。
本発明の第3の実施例に係るアモルファス変圧器201の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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