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公開番号2025104049
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023221875
出願日2023-12-27
発明の名称杭基礎構造、建築物、杭基礎構造の施工方法
出願人株式会社田中構造設計
代理人個人
主分類E02D 27/16 20060101AFI20250702BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】コンクリートの使用量を抑えた杭基礎構造を提供することをその課題とする。
【解決手段】建築物の上部構造を支持する基礎として用いられる杭基礎構造は、地盤10に打ち込まれた鋼管杭20と、鋼管杭20の上に載っている、鋼管杭20の上端の水平面と平行な水平面を底面とし、地盤中に埋設されるコンクリート製の独立基礎30と、を有する。鋼管杭20の杭頭は水平な平面であり、独立基礎30の底面はその平面と平行な平面である。独立基礎30は、鋼管杭20の杭頭を呑み込まない。
【選択図】図2(B)
特許請求の範囲【請求項1】
建築物の上部構造を支持する基礎として用いられる杭基礎構造であって、
地盤に打ち込まれた鋼管杭と、
前記鋼管杭の上に載っている、前記鋼管杭の上端の水平な端面と平行な水平面を底面とし、地盤中に埋設されるコンクリート製のコンクリート基礎と、
を有する、杭基礎構造。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記鋼管杭は複数本であり、
前記コンクリート基礎は、前記鋼管杭のそれぞれの上に載っている、他から独立した前記鋼管杭の本数と同数の独立基礎である、
請求項1記載の杭基礎構造。
【請求項3】
前記独立基礎は、直方体形状である、
請求項2記載の杭基礎構造。
【請求項4】
前記鋼管杭は複数本であり、
前記コンクリート基礎は、前記鋼管杭のうちの少なくとも2本の上に載っている、平面視した場合に線状の梁基礎である、
請求項1記載の杭基礎構造。
【請求項5】
前記梁基礎は、直方体形状である、
請求項4記載の杭基礎構造。
【請求項6】
前記梁基礎は、その下端に、所定の厚さとされ、前記梁基礎よりも幅広となっているフーチングを備えることで、断面略T字型の布基礎となっている、
請求項5記載の杭基礎構造。
【請求項7】
前記鋼管杭は複数本であり、
前記コンクリート基礎は、前記鋼管杭のすべての上に載っている、平面的な広がりを持ち且つ板状に一体化された底盤基礎である、
請求項1記載の杭基礎構造。
【請求項8】
前記鋼管杭の上端又は上端からの所定の範囲に、前記建築物の前記上部構造から前記鋼管杭を通って地盤に向かう軸力の伝達に寄与する補強構造が設けられている、
請求項1から7のいずれかに記載の杭基礎構造。
【請求項9】
前記補強構造は、前記鋼管杭の上端からの所定の範囲に設けられた、前記鋼管杭の内部空間を占めるコンクリートである、
請求項8記載の杭基礎構造。
【請求項10】
前記補強構造は、前記鋼管杭の上端から所定の距離だけ下の位置に設けられた、前記鋼管杭の内部空間を塞ぐ板と、前記鋼管杭内部の前記板よりも上の範囲に打設され、硬化されたコンクリートとからなる、
請求項9記載の杭基礎構造。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願発明は、建築物の上部構造を支える杭基礎構造に主に関し、杭基礎構造を含む建築物、杭基礎構造の施工方法にも関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
住宅その他の建築物において、上部構造を支える下部構造ともいわれる基礎は不可欠である。基礎には、直接基礎と杭基礎とがある。
直接基礎は、地盤の上に主にコンクリート製のコンクリート基礎を配したものであり、建築物の上部構造からの荷重を地盤に対して直接伝達する。他方、杭基礎は、長尺で柱状の杭と呼ばれる支持体を地盤に打込み、杭を介して建築物の上部構造からの荷重を地盤に対して伝達する。
直接基礎と杭基礎とは、地盤の性状や建築物の上部構造の重さなどによって選択して用いられる。
杭基礎は、直接基礎で用いられるのと同じようなコンクリート基礎と組合せて用いられる場合がある。
その場合、杭の上にコンクリート基礎を配するが、コンクリート基礎に杭の上端部分を呑み込ませるのが一般的であり、そうすることが古くから建築業界での常識となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
小規模建築物基礎設計指針,第1版,日本建築学会,2008年2月,p.180-181
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、杭の上端である杭頭には、例えば地震が生じたときに曲げ応力が作用する。杭は例えば10m程度或いはそれ以上と長尺であるのが通常であり、一般的には、杭の下端と杭頭のみが固定されている状態になっているからである。
杭頭に曲げ応力が作用したとき、杭頭を呑み込んでいるコンクリート基礎には大きな力がはたらく。したがって、コンクリート基礎に対してはたらく力に対抗する手立てをコンクリート基礎に対して与える必要がある。そのような観点から、杭頭を呑み込んでいるコンクリート基礎には、これもコンクリート製である地中梁を追加するのが一般的である。
しかしながら、上述の目的で設けられる地中梁は、コンクリート基礎に対して縦方向と横方向に設ける必要がある。しかしながら、縦方向と横方向に構築される地中梁には、上部構造の荷重を受けるためには本来不要ではあるものの、コンクリート基礎の強度を補償するためだけに必要となるものが混じることが多い。これでは、地中梁の構築の手間がかかるし、コンクリートの使用量が増える事によるコストの増大も避けられない。
また、地中梁を設けないのであれば、コンクリート基礎を縦横、或いは厚さについて大きくすることにより上述の目的を達成することが可能であるが、それでもやはり、コンクリートの使用量が増えるためコストが増大する。
【0005】
本願発明は、コンクリートの使用量を抑えた杭基礎構造を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本願発明は、以下のようなものである。
本願発明は、建築物の上部構造を支持する基礎として用いられる杭基礎構造であって、地盤に打ち込まれた鋼管杭と、前記鋼管杭の上に載っている、前記鋼管杭の上端の水平な端面と平行な水平面を底面とし、地盤中に埋設されるコンクリート製のコンクリート基礎と、を有する、杭基礎構造である。
この杭基礎構造は、鋼管杭とコンクリート基礎とを最小限の構成要素とする。
杭として鋼管杭を用いるのは安価であり、納期の面でも有利なことが多く、狭小地でも施工ができる場合が多い等、施工のし易さの面で有利なことが多いからである。鋼管杭は、通常の用い方で地盤に打ち込まれる。
コンクリート基礎は、鋼管杭の上に載っている。コンクリート基礎と鋼管杭との間には、捨てコンクリートが存在する場合もある。コンクリート基礎はコンクリート製であり、前記鋼管杭の上端の水平な端面と平行な水平面を底面とし、地盤中に埋設される。コンクリート基礎は、鋼管杭の上端の水平な端面と平行な水平面を底面とし、地盤中に埋設される。つまり、コンクリート基礎は、鋼管杭の杭頭を呑み込むことがない。
それにより、例えば地震等が生じた場合であっても、コンクリート基礎に対して鋼管杭から曲げ応力が作用することがないので、建築物の上部構造を支えるために不要な地中梁を無くすことができるし、或いはコンクリート基礎を従来よりも相対的に小さくすることが可能であるから、コンクリートの使用量を減らすことができるようになる。
【0007】
本願の杭基礎構造において、前記鋼管杭は複数本であり、前記コンクリート基礎は、前記鋼管杭のそれぞれの上に載っている、他から独立した前記鋼管杭の本数と同数の独立基礎であってもよい。
これは、杭基礎構造が、直接基礎における独立基礎と類似の構造を持つ場合である。
直接基礎における独立基礎は一般的に、平面視した場合に、建築物の上部構造における柱の下に配置される他から独立した基礎である。
本願発明による杭基礎構造が独立基礎を有する場合には、直接基礎の独立基礎と同じように、平面視した場合に他の基礎から独立した複数の独立基礎が配され、また、複数の独立基礎の下に鋼管杭が打込まれた構成となる。それにより、各独立基礎の真下に鋼管杭を位置させることが可能となるため、各独立基礎が建築物の上部構造から受ける荷重を、その真下に位置する鋼管杭に確実に伝達することができるようになるから、杭基礎構造の強度を高めることが可能となる。
なお、複数の独立基礎は、建築物の上部構造の柱の下に位置するとは限らない。これは、後述するように建築物の上部構造が壁式構造を採用するものである場合に特に関係する。
【0008】
本願発明における独立基礎は直方体形状とすることができる。
直接基礎における独立基礎は、フーチング(footing)基礎、或いは布基礎と呼ばれる逆T字型の構成、つまり、直方体形状の基礎の下方に、直方体形状の基礎よりも一回り大きい所定厚さのフーチングを設けたものである場合が多い。
本願発明における、独立基礎を備える杭基礎構造は、各独立基礎の真下に鋼管杭を備えるため、独立基礎にフーチングが不要である。
それにより、本願発明では、独立基礎を構築するのに必要なコンクリートの量を減らせる他、独立基礎を構築するのに先立って配置される型枠の形状を簡単なものとすることができるため、作業者の労力を削減することができる。
【0009】
本願の杭基礎構造において、前記鋼管杭は複数本であり、前記コンクリート基礎は、前記鋼管杭のうちの少なくとも2本の上に載っている、平面視した場合に線状の梁基礎であってもよい。
これは、杭基礎構造が、直接基礎における梁基礎と類似の構造を持つ場合である。
直接基礎における梁基礎は一般的に、平面視した場合に、建築物の上部構造における柱の下に配置される直線上の基礎である。直接基礎における梁基礎は、例えば、平面視した場合において矩形の4つの頂点に建築物の上部構造の柱が立てられる場合、その矩形の4辺に相当する位置に直線上に設けられる。矩形の各辺に相当する位置にある梁基礎は、その両端部分で、それぞれ柱を支持することになる。
本願発明による杭基礎構造が梁基礎を有する場合には、直接基礎の梁基礎と同じように、平面視した場合に線状の梁基礎が複数配され、また、複数の梁基礎の下にそれぞれ複数の鋼管杭が打込まれた構成となる。一本の鋼管杭が、複数の梁基礎の下に位置する(直線状の梁基礎の交点の下に一本の鋼管杭が位置する)ことも許容される。それにより、各梁基礎の真下に複数本の鋼管杭を位置させることが可能となるため、各梁基礎が建築物の上部構造から受ける荷重を、その真下に位置する鋼管杭に確実に伝達することができるようになるから杭基礎構造の強度を高めることが可能となる。
鋼管杭と組合せて梁基礎を採用することにより、コンクリートの使用量、使用する場合の鉄筋量を削減することができ、工期を短縮することができる。
なお、複数の梁基礎は、建築物の上部構造の柱の下に位置するとは限らない。これは、後述するように建築物の上部構造が壁式構造を採用するものである場合に特に関係する。
【0010】
前記梁基礎は、直方体形状であってもよい。直方体形状の梁基礎を採用すると、型枠を単純な形状とすることができるので、特に後述するようなフーチングを設ける場合と比較して型枠を構築するためのパネルの枚数を減らすことができるとともにコンクリートや使用する場合の鉄筋の量を減らすことができ、工期を短縮することが可能となる。
直接基礎における梁基礎は通常、フーチング基礎、或いは布基礎と呼ばれる逆T字型の構成、つまり、長い直方体形状の基礎の幅方向の下方に、梁基礎から幅方向に張り出す所定厚さのフーチングを設けたものである場合が多い。
本願発明における、独立基礎を備える杭基礎構造は、各梁基礎の真下に複数の鋼管杭を備えるため、梁基礎にフーチングを設けることが不要である。
それにより、本願発明では、独立基礎を構築するのに必要なコンクリートの両を減らせる他、独立基礎を構築するのに先立って配置される型枠の形状を簡単なものとすることができるため、作業者の労力を削減することができる。
他方、本願発明における杭基礎構造の前記梁基礎は、その下端に、所定の厚さとされ、前記梁基礎よりも幅広となっている所定厚さのフーチングを備えることで、断面略T字型の布基礎となっていてもよい。
これによれば、フーチングがある分だけ基礎の接地面積を増やすことが可能となり、接地面の耐力の存在により鋼管杭の本数を削減したり、鋼管杭の径を小さくしたりすることが可能となるので、鋼管杭に関するコストを抑制することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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