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公開番号
2025103549
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-09
出願番号
2023221003
出願日
2023-12-27
発明の名称
合成皮革、及び該合成皮革の製造方法
出願人
スミノエ テイジン テクノ株式会社
代理人
主分類
D06N
3/00 20060101AFI20250702BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】表面に膨らみ感が十分にあり、凹部にテカリ(光沢)もなく、基層となる織物の組織を活かした微細な凹凸模様を合わせて有する合成皮革とその製造方法を提供する。
【解決手段】合成皮革1は、基層2と、基層2の表面に積層一体化された表皮層3と、を備え、基層2は重ね組織織物からなり、表皮層3の表面には、加熱処理によって形成された組織感のある凹凸意匠を有し、前記重ね組織織物を構成する2系列の経糸(タテ糸)並びに2系列の緯糸(ヨコ糸)において、次の(1)~(2)の何れかを満たすことを特徴とする。 (1)表皮層3に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)又は緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む (2)表皮層3に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)及び緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基層と、
前記基層の表面に積層一体化された表皮層と、を備え、
前記基層は重ね組織織物からなり、
前記表皮層の表面には、加熱処理によって形成された組織感のある凹凸意匠を有し、
前記重ね組織織物を構成する2系列の経糸(タテ糸)並びに2系列の緯糸(ヨコ糸)において、次の(1)~(2)の何れかを満たすことを特徴とする合成皮革。
(1)前記表皮層に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)又は緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
(2)前記表皮層に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)及び緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
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【請求項2】
前記重ね組織織物の表地と裏地の間にアンコ糸を有する請求項1に記載の合成皮革。
【請求項3】
前記表皮層が、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種の樹脂を含有する請求項1又は2に記載の合成皮革。
【請求項4】
基層と、前記基層の表面に積層一体化された表皮層とを備えた合成皮革の製造方法であって、
前記基層に前記接着層を介して表面層を積層する積層工程と、
前記積層工程によって得られた積層体を加熱する加熱工程と、を含み、
加熱処理によって形成された組織感のある凹凸意匠を有し、前記重ね組織織物を構成する2系列の経糸(タテ糸)並びに2系列の緯糸(ヨコ糸)において、次の(1)~(2)の何れかを満たすことを特徴とする合成皮革の製造方法。
(1)前記表皮層に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)又は緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
(2)前記表皮層に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)及び緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
【請求項5】
前記積層工程の前に、前記基層をプリセットするプリセット工程をさらに含む請求項4に記載の合成皮革の製造方法。
【請求項6】
前記基層は合成繊維を含んでなり、
前記プリセット工程では、温度110℃~160℃の範囲であり、
前記加熱工程では、前記プリセット工程の温度より高い温度範囲で処理する請求項4又は5に記載の合成皮革の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成皮革、及び該合成皮革の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
合成皮革は鞄から衣料、座席等に広く用いられている。このような合成皮革の表面には微細なシボ模様をはじめ凹凸形状が形成され、意匠性が高められている。合成皮革の表面にシボ模様を形成するには、予めシボ模様を有する離型紙に合成樹脂を塗布して離型紙のシボ模様を転写する方法(例えば特許文献1)や表面にシボ模様を彫刻等により施されたエンボスロールによって押圧(エンボス加工)することで合成樹脂の表面にシボ模様を形成する方法(例えば特許文献2)が知られている。なお、エンボス加工ではシボ模様よりもっと高低差のある凹凸模様を施したエンボスロールを用い、深いエンボス模様を形成することも行われている。また、離型紙とエンボスロールによる方法の他に、糸の熱収縮により合成皮革状物の表面に凹凸状の皴を生じさせ模様状にすることも行われている(例えば特許文献3)。
【0003】
引用文献1は、離型紙上に、合成樹脂溶液を塗布し、加熱乾燥したあと接着剤を介して基布を貼合させた、乾燥し離型紙を剥離し天然シボ模様の合成皮革の製造法を開示している。また、引用文献2は、人造皮革の表地とクッション材が積層一体化された積層シートを加熱エンボスロールと対向配置されるヒートロールの間を通過させて表地に凹みを形成する方法を開示している。また、引用文献3は、熱収縮の大なる糸を織り込んだ二重織物において熱収縮の大なる糸を含まない部分を模様状の表側に現出させた織物に染色性を有するフィルムを貼り合わせついでその織物を収縮させ凹凸のきわめて大きな皴を生じた部分を模様状に有し凸部は濃色に凹部は淡色に染色された合成皮革状物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭50-25703号公報
特開2016-147432号公報
実開昭49-98470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の合成皮革の製造法では、汎用性のあるシボ模様を有する離型紙を用いて表面にシボ模様を付与できるが、独自に新たなシボ模様を合成皮革の表面に形成するには新たに専用のシボ模様の離型紙を作成することになる。さらに、離型紙のシボ模様を転写する方法のため、合成皮革の表面の凹凸の高低差を大きくするのには限界があり、意匠性をさらに向上させることは難しい。また、特許文献2のエンボスロールを用いる方法は、凹凸柄を変更することで新たな意匠を付与できるが、当然高価なエンボスロールを用意しなければならない。そのうえ一般にエンボスロールの凸部で加熱・押圧された部分はテカリが発生しやすく、凸部が接しない部分とで望まない光沢差が生じる恐れがあることに加え、凸部の強度と押圧との関係で、繊細な柄を付与し難い。また、特許文献3の合成皮革状物は、凹凸の大きな皴のある部分が水玉模様にちりばめられ、凸部は濃く凹部は淡く染められた合成皮革状物であったが、意匠性に改善の余地があった。
【0006】
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであり、特許文献1及び特許文献2の技術を用いなくても、表面に凹凸模様を有する合成皮革を提供することであり、凹部のテカリ(光沢)もなく特許文献3の技術による凹凸のきわめて大きな皴模様だけでは得られない意匠として、表面に膨らみ感が十分にあり、基層となる織物の組織を活かした凹凸模様を有する合成皮革、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0008】
[1]基層と、
前記基層の表面に積層一体化された表皮層と、を備え、
前記基層は重ね組織織物からなり、
前記表皮層の表面には、加熱処理によって形成された組織感のある凹凸意匠を有し、
前記重ね組織織物を構成する2系列の経糸(タテ糸)並びに2系列の緯糸(ヨコ糸)において、次の(1)~(2)の何れかを満たすことを特徴とする合成皮革。
(1)前記表皮層に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)又は緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
(2)前記表皮層に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)及び緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
【0009】
[2]前記重ね組織織物の表地と裏地の間にアンコ糸を有する請求項1に記載の合成皮革。
【0010】
[3]前記表皮層が、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種の樹脂を含有する請求項1又は2に記載の合成皮革。
(【0011】以降は省略されています)
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