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公開番号2025102659
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2024195718
出願日2024-11-08
発明の名称無菌培養植物体を用いて絶対寄生菌を継代培養する方法
出願人キリンホールディングス株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 1/14 20060101AFI20250701BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】絶対寄生菌を継代培養できる技術の提供。
【解決手段】無菌培養植物体を用いて絶対寄生菌を継代培養する方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
無菌培養植物体を用いて絶対寄生菌を培養する工程を含んでなる、絶対寄生菌を継代培養する方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記絶対寄生菌が、ブドウおよび/またはホップに植物病害を引き起こす菌である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記絶対寄生菌が、べと病菌、うどんこ病菌、およびさび病菌からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記絶対寄生菌が、ブドウべと病菌(プラズモパラ・ビチコーラ(Plasmopara viticola))、ホップべと病菌(シュドペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli))、ブドウうどんこ病菌(エリシフェ・ネカトル・シュヴァイニッツ変種・ネカトル(Erysiphe necator Schweinitz var. necator))、ホップうどんこ病菌(オイジウム種,ポドスファエラ・マクラリス(Oidium sp., Podosphaera macularis))、およびブドウさび病菌(ファコプソラ・メリオスマエ-ミリアンタエ(Phakopsora meliosmae-myrianthae))からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記無菌培養植物体が、ブドウおよびホップから選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記無菌培養植物体が、葉および葉柄から選択される少なくとも1種の部位を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
無菌培養植物体の葉を準備する工程、
絶対寄生菌の分生子を含む懸濁液または絶対寄生菌の分生子を前記無菌培養植物体の葉に接種する工程、および
無菌培養植物体の葉に接種された絶対寄生菌を培養する工程
を含んでなる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記無菌培養植物体の葉の葉齢が90日以下である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記懸濁液または分生子の接種方法が、マイクロピペット滴下法、スプレー噴霧法および分生子払い落とし法からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の絶対寄生菌における、農薬に対する耐性を検出する方法であって、
請求項1に記載の方法で得られる、絶対寄生菌が継代培養された無菌培養植物体に農薬を施用する工程、および
絶対寄生菌および無菌培養植物体をさらに培養した後、前記絶対寄生菌の発病を確認する工程
を含んでなる、農薬に対する耐性を検出する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、無菌培養植物体を用いて絶対寄生菌を継代培養する方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ブドウ等の植物において病害を引き起こす菌には、生きた植物体上でしか生育できない絶対寄生菌が存在し、かかる絶対寄生菌としては、例えば、ブドウべと病菌が挙げられる。絶対寄生菌は、例えば、植物体の気孔から侵入するものであり、人工培地では培養できず、寄生植物の葉等が常に必要となる。このような理由から、絶対寄生菌の研究が進んでいない。
【0003】
特許文献1、2には、ブドウベと菌やキュウリうどんこ病菌といった絶対寄生菌を通常の植物の葉等で継代培養することが記載されている。
【0004】
しかしながら、通常の植物では、苗を増やすのに時間を要し、また、病気にかからずに植物を維持することも困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-095383号公報
特開2019-131613号公報
【発明の概要】
【0006】
本発明者らは、無菌培養植物体を用いることにより絶対寄生菌が継代培養できることを見出した。本発明は、この知見に基づくものである。
【0007】
従って、本発明は、無菌培養植物体を用いることにより絶対寄生菌を継代培養する方法を提供する。
【0008】
そして、本発明には、以下の発明が包含される。
(1)無菌培養植物体を用いて絶対寄生菌を培養する工程を含んでなる、絶対寄生菌を継代培養する方法。
(2)前記絶対寄生菌が、ブドウおよび/またはホップに植物病害を引き起こす菌である、(1)に記載の方法。
(3)前記絶対寄生菌が、べと病菌、うどんこ病菌、およびさび病菌からなる群から選択される少なくとも一種である、(1)または(2)に記載の方法。
(4)前記絶対寄生菌が、ブドウべと病菌(プラズモパラ・ビチコーラ(Plasmopara viticola))、ホップべと病菌(シュドペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli))、ブドウうどんこ病菌(エリシフェ・ネカトル・シュヴァイニッツ変種・ネカトル(Erysiphe necator Schweinitz var. necator))、ホップうどんこ病菌(オイジウム種,ポドスファエラ・マクラリス(Oidium sp., Podosphaera macularis))、およびブドウさび病菌(ファコプソラ・メリオスマエ-ミリアンタエ(Phakopsora meliosmae-myrianthae))からなる群から選択される少なくとも一種である、(1)~(3)のいずれか一つに記載の方法。
(5)前記無菌培養植物体が、ブドウおよびホップから選択される、(1)~(4)のいずれか一つに記載の方法。
(6)前記無菌培養植物体が、葉および葉柄から選択される少なくとも1種の部位を含む、(1)~(5)のいずれか一つに記載の方法。
(7)無菌培養植物体の葉を準備する工程、
絶対寄生菌の分生子を含む懸濁液または絶対寄生菌の分生子を前記無菌培養植物体の葉に接種する工程、および
無菌培養植物体の葉に接種された絶対寄生菌を培養する工程
を含んでなる、(1)~(6)のいずれか一つに記載の方法。
(8)前記無菌培養植物体の葉の葉齢が90日以下である、(7)に記載の方法。
(9)前記懸濁液または分生子の接種方法が、マイクロピペット滴下法、スプレー噴霧法および分生子払い落とし法からなる群から選択される、(7)または(8)に記載の方法。
(10)(1)~(9)のいずれか一つに記載の絶対寄生菌における、農薬に対する耐性を検出する方法であって、
(1)~(9)のいずれか一つに記載の方法で得られる、絶対寄生菌が継代培養された無菌培養植物体に農薬を施用する工程、および
絶対寄生菌および無菌培養植物体をさらに培養した後、前記絶対寄生菌の発病を確認する工程
を含んでなる、農薬に対する耐性を検出する方法。
(11)前記農薬が、QoI殺菌剤、チアゾールカルボキサミド、OSBPI殺菌剤、SDHI殺菌剤、CAA殺菌剤、シアノアセトアミド=オキシム、PA殺菌剤、クロロニトリル、QiI殺菌剤、DMI殺菌剤、およびジチオカーバメートからなる群から選択される少なくとも一つの農薬である、(10)に記載の方法。
【0009】
本発明によれば、絶対寄生菌を継代培養する方法が提供される。本発明は、継代培養された絶対寄生菌を種々の試験における試験サンプルとして常時供与できる上で有利である。本発明は、さらに、絶対寄生菌を無菌的に継代培養できる上で有利である。
【0010】
さらに、ブドウ等の植物の病害予防には農薬による防除が一般的であるが、農薬に対する耐性菌の出現が知られている。効果的な農薬防除を実施するためには、圃場における耐性菌の出現状況を正しく把握し、適切な農薬を選択する必要がある。耐性菌の把握にあたり、無菌でない植物体を用いたリーフディスク法やPCR-RFLP(Polymerase Chain Reaction-Restriction Fragment Length Polymorphism)法が知られている。ここで、無菌でない植物体としては、鉢植え苗および圃場の植物体等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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