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公開番号
2025100005
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-03
出願番号
2023217073
出願日
2023-12-22
発明の名称
中性子捕捉療法設備
出願人
住友重機械工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61N
5/10 20060101AFI20250626BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】放射線の漏洩を抑制すると共に、省スペース化を図ることができる中性子捕捉療法設備を提供する。
【解決手段】地下階層102において、遮蔽室60の外側から当該遮蔽室60内へ延びるケーブル70が設けられる。ケーブル70は、遮蔽室60から加速器室9へ延びる。ケーブル70は、加速器室9内の加速器本体5Aなどと接続可能となる。遮蔽室60は、加速器室9より放射線量が少ない。遮蔽室60の壁部58に貫通孔を形成しても、加速器室9の壁部53に貫通孔を形成する場合に比して、放射線の漏洩を抑制することができる。また、加速器室9の壁部53に貫通孔を形成しなくてよいため、加速器室9の壁部53の厚みを抑制することができる。加速器室9の壁部53厚みを抑制することで、設備全体の面積を小さくしたり、同じ面積であれば壁部の厚みが小さくなった分のスペースを他の用途に有効に活用できる。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
被照射体に中性子線を照射する中性子捕捉療法設備であって、
第1の階層と、
前記第1の階層の下階または上階である第2の階層と、を備え、
前記第1の階層は、
粒子線を出射する加速器本体と、
前記粒子線を照射することで前記中性子線を発生させるターゲットと、
前記ターゲットで発生した前記中性子線を前記被照射体へ照射する照射部と、
少なくとも前記加速器本体を収容する第1の遮蔽室と、を備え、
前記第2の階層は、前記第1の遮蔽室の下側または上側に設けられた第2の遮蔽室を備え、
前記第2の階層において、前記第2の遮蔽室の外側から当該第2の遮蔽室内へ延びるケーブルが設けられ、
前記ケーブルは、前記第2の遮蔽室から前記第1の遮蔽室へ延びる、中性子捕捉療法設備。
続きを表示(約 310 文字)
【請求項2】
前記第2の遮蔽室には、前記第1の遮蔽室内の前記加速器本体に接続され、当該加速器本体へイオンを供給するイオン源が設けられる、請求項1に記載の中性子捕捉療法設備。
【請求項3】
前記第2の階層には、冷却装置が設けられる、請求項1に記載の中性子捕捉療法設備。
【請求項4】
前記ケーブルは、前記第2の遮蔽室の壁部の貫通孔に配置され、
前記貫通孔は、クランク状の形状を有する、請求項1に記載の中性子捕捉療法設備。
【請求項5】
前記イオン源は、上下方向から見て、少なくとも一部が前記加速器本体と重なる位置に設けられる、請求項2に記載の中性子捕捉療法設備。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、中性子捕捉療法設備に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
中性子線の照射によってがん細胞を死滅させる中性子捕捉療法として、硼素化合物を用いた硼素中性子捕捉療法(BNCT:Boron Neutron Capture Therapy)が知られている。このような硼素中性子捕捉療法で用いられる中性子捕捉療法装置として、特許文献1には、荷電粒子線を出射するサイクロトロンと、荷電粒子線が照射されることで中性子線を発生させるターゲットと、を備えた中性子捕捉療法装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-19692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のような中性子捕捉療法装置が設けられる中性子捕捉療法設備では、外部に放射線が漏れないように、加速器などを遮蔽室に収容する。このような遮蔽室の壁部は、外部に放射線が漏れないように厚みが大きく設定されている。このような遮蔽室に外部からケーブルを延ばす場合、遮蔽室の壁部に孔をあけ、当該孔にケーブルを配置する必要がある。しかし、当該孔からの放射線の漏洩の可能性があり、漏洩を抑制するために壁部の厚みを大きくした場合、設備が大きくなるという問題がある。
【0005】
そこで、本願発明は、放射線の漏洩を抑制すると共に、省スペース化を図ることができる中性子捕捉療法設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の中性子捕捉療法設備は、一実施形態において、被照射体に中性子線を照射する中性子捕捉療法設備であって、第1の階層と、第1の階層の下階または上階である第2の階層と、を備え、第1の階層は、粒子線を出射する加速器本体と、粒子線を照射することで中性子線を発生させるターゲットと、ターゲットで発生した中性子線を被照射体へ照射する照射部と、少なくとも加速器本体を収容する第1の遮蔽室と、を備え、第2の階層は、第1の遮蔽室の下側または上側に設けられた第2の遮蔽室を備え、第2の階層において、第2の遮蔽室の外側から当該第2の遮蔽室内へ延びるケーブルが設けられ、ケーブルは、第2の遮蔽室から第1の遮蔽室へ延びる。
【0007】
この中性子捕捉療法設備において、第1の階層の第1の遮蔽室は、少なくとも加速器本体を収容する。加速器本体は放射線を発する機器であるため、第1の遮蔽室内の放射線量は多い。例えば、第1の階層において、第1の遮蔽室の外側から当該第1の遮蔽室内にケーブルを延ばすとする。このとき、放射線量の多い第1の遮蔽室の壁部に、外側へ貫通する貫通孔を形成する必要がある。この場合、貫通孔から放射線が漏れる可能性が生じる。そして、放射線が漏れないように壁部の厚みを大きくしたら、設備が大型化する。これに対し、第2の階層において、第2の遮蔽室の外側から当該第2の遮蔽室内へ延びるケーブルが設けられる。そして、ケーブルは、第2の遮蔽室から第1の遮蔽室へ延びる。これにより、ケーブルは、第1の遮蔽室内の加速器本体などと接続可能となる。第2の遮蔽室は、第1の遮蔽室より放射線量が少ない。従って、第2の遮蔽室の壁部に貫通孔を形成しても、第1の遮蔽室の壁部に貫通孔を形成する場合に比して、放射線の漏洩を抑制することができる。また、第1の遮蔽室の壁部に貫通孔を形成しなくてよいため、第1の遮蔽室の壁部の厚みを抑制することができる。このように、第1の遮蔽室の厚みを抑制することで、設備全体の面積を小さくしたり、同じ面積であれば壁部の厚みが小さくなった分のスペースを他の用途に有効に活用できる。以上より、放射線の漏洩を抑制すると共に、省スペース化を図ることができる。
【0008】
第2の遮蔽室には、第1の遮蔽室内の加速器本体に接続され、当該加速器本体へイオンを供給するイオン源が設けられてよい。イオン源の放射線量は加速器本体よりも少ないため、第2の遮蔽室から外部に対する放射線の漏洩を抑制できる。
【0009】
第2の階層には、冷却装置が設けられてよい。この場合、2階層それぞれに機器を配置することができることから、面積を削減することができる。
【0010】
ケーブルは、第2の遮蔽室の壁部の貫通孔に配置され、貫通孔は、クランク状の形状を有してよい。この場合、放射線が、壁部の貫通孔を通過するときに、クランク状の形状で進行を阻害されることにより、外部へ漏洩しにくくなる。
(【0011】以降は省略されています)
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