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公開番号2025099165
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023215604
出願日2023-12-21
発明の名称竹材含有樹脂組成物
出願人ポリマーアソシエイツ合同会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20250626BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 温水等に浸漬したのち分離し濾過乾燥を経る等の前処理をすることなく添加剤により竹に内在する臭気成分の低臭化が可能となる竹材含有樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 竹材(A)5~95重量%に対し熱可塑性樹脂(B)95~5重量%を配合した樹脂組成物100重量部に対してアルカリ土類(2族)酸化物(C)を0.1~10重量部含有してなる竹材含有樹脂組成物であり、樹脂組成物に対してさらに亜硫酸塩(D)0.05~2.0重量部を追加含有してなる竹材含有樹脂組成物である。
【選択図】 なし


特許請求の範囲【請求項1】
竹材(A)5~95重量%に対し熱可塑性樹脂(B)95~5重量%を配合した樹脂組成物100重量部に対して、アルカリ土類(2族)酸化物(C)を0.1~10重量部含有してなる竹材含有樹脂組成物。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
竹材(A)5~95重量%に対し熱可塑性樹脂(B)95~5重量%を配合した樹脂組成物100重量部に対して、アルカリ土類(2族)酸化物(C)を0.1~10重量部及び亜硫酸塩(D)0.05~2.0重量部を含有してなる竹材含有樹脂組成物。
【請求項3】
アルカリ土類(2族)酸化物(C)が、酸化マグネシウム又は酸化カルシウムである請求項1又は2のいずれかに記載の竹材含有樹脂組成物。
【請求項4】
亜硫酸塩(D)が、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム 、ピロ亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムから選択されるいずれか1又は2以上の組み合わせである請求項2又は3のいずれかに記載の竹材含有樹脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
竹は繁殖力が強くかつ成長速度が木材に比較して極めて速い。竹は傾斜地における地滑りの原因ともなっており、地滑りの結果として地中に存在していた炭酸ガスが放出される厄介な問題もある。古来、竹は籔、籠、和傘、弁当容器などの民生品や土壁補強材として利用されていた。しかし、現在では民生品や土壁補強剤は別の材料に置換されており、僅かに土地固有の土産物に利用されているに過ぎない。農林水産省の区分によれば竹は雑草として分類されていることもあり、木材における間伐、植林に対する補助政策とは一線を画されており不利な立場になっている。
続きを表示(約 2,100 文字)【0002】
しかしながら、竹材の繊維強度は高いことから天然繊維としての活用が求められている。この際、商品化には多くの障害がある。その一つが熱可塑性樹脂と溶融混合する場合内在する竹酢酸をはじめ異臭成分が多く存在し、溶融温度が高くなるにつれ異臭は全く受け入れらないレベルとなる。現在市販品の多くは低融点の樹脂に竹含有量が高くても10重量%程度であり、バイオ材料を謳うために、木粉、卵殻、貝殻の粉砕品もしくはセルロースパルプを混合しているのが現状である。その場合、バイオ率50%を超えても、曲げ弾性率など工業的に必要な強度を得るに至っていない。
【背景技術】
【0003】
竹を化粧柱として利用する場合は、竹は害虫や獣等から自らを守るために竹成分として強い臭いを発する忌避剤成分が内在している。竹を化粧柱として利用するには臭気忌避剤を除去する必要がある。そのために竹をアルカリ水溶液に浸漬したのち乾燥する、或いは竹を加熱して脱油することが民間では歴史的に利用されてきた。中和、もしくは脱油処理は理に適合しているが、高価な化粧柱は特別であり工業的な規模にいては量的にまた価格的に市場にマッチしない。
【0004】
特許文献1には、バイオマスナノ繊維の製造方法およびバイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体の製造方法が開示されている。ここでは竹酢酸を脱離するため過熱蒸気処理することが示されている。酢酸の沸点が118℃であること、過熱蒸気は竹の内部まで加熱することが可能であることから効率よく竹酢酸を得るには好適な製法ではある。しかし、残りの臭気成分は除去されない。過熱水蒸気処理により既存成分であるリグニンに加えヘミセルロースが分解することによる分解生成物が新規の臭気物質が生ずるからである。
【0005】
特許文献2にはバイオマスナノ繊維を含む高分子樹脂複合体及びバイオマスナノ繊維の製造方法並びに同高分子樹脂複合体の製造方法が開示されている。過熱蒸気処理により竹成分のヘミセルロースが分解されたことで、機械粉砕が容易であることを利用している。ただし、この場合は前記特許文献1の効果である酢酸は除去されるものの、その他の臭気成分は除去されることはなく、特許文献2記載の温度条件ではリグニンの分解も開始されることから複合材料は極めて臭気の強い材料・製品とならざるをえない不具合がある。
【0006】
特許文献3には木質燃料製造システム及び方法が開示されている。特許文献3に開示される発明の本来の目的は、木材・竹を燃焼させる場合リグニンが存在すると180℃以上では再結合しタール状になること、燃焼炉の内壁にタールが固着し燃焼効果が低下することを改善するためである。工業的に多く利用されているポリプロピレンの混練・成形温度は180~230℃であるから、混練・成形段階ではリグニンは分解や再結合をしながらタールを生成していることを示している。特許文献3に開示される発明の目的は竹を割り圧延することで水管から水溶性のリグニンを除去することにある。しかしながら油性リグニンは除去されない。
【0007】
竹に内在する成分は、ヘミセルロース、セルロース、リグニンが主成分であるが、竹は害虫・獣等から自らを守るための忌避剤として各種の臭気成分を含有している。代表的な臭気の化合物として、アセト酢酸, フルフラール, ギ酸, テトラヒドロフルフリルアルコール, プロピオン酸, 5-メチルフルフラール、 ブタン酸、4-ブタノリド、フルフリルアルコール 3-メチル-3ペンタエン-2-ワン、シクロテン、グアイアコール、クレゾール、マルトール、フェノール、4-エチルグアイアコール、パラクレゾール、オルソクレゾール、ユーゲノール、2,5. -ジメトキシフェノール、イソオイゲノール、2,6-ジヒドロキシ-4-メトキシアセトンフェノン、バニリン、 4-ヒドロキシ-3-メトキシアセトフェノン、グアイアキシルアセトンが知られている。
【0008】
上記化合物のうちアルコール性、酸性の水溶化が可能な化合物は、加水して温水またはエタノールに浸漬したのち、分離し濾過乾燥を経ることによってある程度の臭気改善は可能である。しかしながら、リグニン及びリグニン分解物は水やエタノールに難溶成分は除去されずに臭気は継続する。本発明によるとかかる前処理をすることなく添加剤により低臭化が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第5660513号公報
特許第6482543号公報
特開2022-35743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、温水等に浸漬したのち分離し濾過乾燥を経る等の前処理をすることなく添加剤により竹に内在する臭気成分の低臭化が可能となる竹材含有樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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