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公開番号2025099148
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023215581
出願日2023-12-21
発明の名称タイヤ
出願人住友ゴム工業株式会社
代理人弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
主分類B60C 11/00 20060101AFI20250626BHJP(車両一般)
要約【課題】ウェット性能の低下を抑えながら、転がり抵抗の低減を達成できる、タイヤ2の提供。
【解決手段】タイヤ2はトレッド4を備える。トレッド4は複数の層48を備える。複数の層48はキャップ層50と中間層52とベース層54とを含む。中間層52の30℃での損失正接はキャップ層50の30℃での損失正接よりも低い。ベース層54の30℃での損失正接は中間層52の30℃での損失正接よりも低い。トレッド4は第一トレッド60と第二トレッド62とを備える。第二トレッド62におけるキャップ層50の厚さの、トレッド4の厚さに対する比率は5%以上25%以下である。第一トレッド60におけるキャップ層50の厚さの、トレッド4の厚さに対する比率は35%以上55%以下である。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
一対のビードと、一対の前記ビードの間を架け渡すカーカスと、前記カーカスの径方向外側に位置し、路面と接地するトレッドと、前記カーカスと前記トレッドとの間に位置するベルトと、を備えるタイヤであって、
前記トレッドが、径方向に並ぶ、複数の層を備え、
複数の前記層が、最外側に位置するキャップ層と、最内側に位置するベース層と、前記キャップ層と前記ベース層との間に位置する中間層と、を含み、
前記中間層の30℃での損失正接が前記キャップ層の30℃での損失正接よりも低く、
前記ベース層の30℃での損失正接が前記中間層の30℃での損失正接よりも低く、
前記トレッドが、赤道面上に位置する第一トレッドと、前記第一トレッドの軸方向外側に位置する第二トレッドと、を備え、
前記第二トレッドにおける前記キャップ層の厚さの、前記トレッドの厚さに対する比率が5%以上25%以下であり、
前記第一トレッドにおける前記キャップ層の厚さの、前記トレッドの厚さに対する比率が35%以上55%以下である、
タイヤ。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記中間層の損失正接の、前記キャップ層の損失正接に対する比率が60%以上80%以下である、
請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記タイヤを正規リムに組み、前記タイヤの内圧を230kPaに調整し、前記タイヤのロードインデックスで示される荷重の70%の荷重を縦荷重として前記タイヤに負荷して、平面からなる路面に前記タイヤを接触させて得られる接地面が基準接地面であり、
前記基準接地面の接地幅の80%幅位置での接地長の、前記基準接地面の接地幅中心での接地長に対する比率が、65%以上95%以下である、
請求項1に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記トレッドが、前記第一トレッドと、前記第一トレッドの軸方向外側に位置する一対の前記第二トレッドと、を備える、
請求項1に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記ベルトの端に対応する前記トレッドの外面上の位置が基準端であり、
2つある前記基準端のうち、前記タイヤを車両に装着したときに前記車両の幅方向内側に配置される一方の基準端が第一基準端であり、他方が第二基準端であり、
前記タイヤの子午線断面において、前記トレッドのうち、前記タイヤの赤道面を挟んで前記第一基準端側がインサイドトレッドであり、前記第二基準端側がアウトサイドトレッドであり、
前記インサイドトレッドに含まれる中間層の面積が、前記アウトサイドトレッドに含まれる中間層の面積よりも大きい、
請求項1に記載のタイヤ。
【請求項6】
前記ベルトが、径方向に並ぶ複数のベルトプライを備え、
複数の前記ベルトプライが、最外側に位置する外側ベルトプライを含み、
前記外側ベルトプライの端における、前記キャップ層の厚さが前記トレッドの厚さの25%以下であり、
前記外側ベルトプライの端から軸方向距離で50mm離れた位置よりも軸方向内側において、前記キャップ層の厚さが前記トレッドの厚さの35%以上である、
請求項1に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記トレッドが、複数の周方向溝を含むトレッドパターンを備え、
前記タイヤを正規リムに組み、前記タイヤの内圧を230kPaに調整し、前記タイヤに縦荷重を負荷して、平面からなる路面に前記タイヤを接触させて得られる接地面が標準接地面であり、
前記タイヤに負荷される縦荷重が、前記タイヤのロードインデックスで示される荷重の60%以上80%以下であり、
前記標準接地面の接地幅が、前記タイヤの断面幅の70%以上80%以下であり、
前記標準接地面に含まれる複数の前記周方向溝の溝幅の合計の、前記標準接地面の接地幅に対する比率が、20%以上30%以下である、
請求項1に記載のタイヤ。
【請求項8】
前記ベルトの端に対応する前記トレッドの外面上の位置が基準端であり、
2つある前記基準端のうち、前記タイヤを車両に装着したときに前記車両の幅方向内側に配置される一方の基準端が第一基準端であり、他方が第二基準端であり、
前記トレッドパターンが4本の周方向溝を含み、
前記トレッドに5本の陸部が構成され、
5本の陸部が、赤道面上に位置するセンター陸部、前記センター陸部の軸方向外側に位置する一対のミドル陸部、及び、前記ミドル陸部の軸方向外側に位置する一対のショルダー陸部であり、
前記第一基準端側のショルダー陸部の幅が、前記センター陸部の幅の90%以上100%以下であり、
前記第一基準端側のミドル陸部の幅が、前記センター陸部の幅の90%以上100%以下であり、
前記第二基準端側のミドル陸部の幅が、前記センター陸部の幅の97%以上107%以下であり、
前記第二基準端側のショルダー陸部の幅が、前記センター陸部の幅の114%以上124%以下であり、
前記センター陸部を前記赤道面によって、前記第一基準端側の第一部分と、前記第二基準端側の第二部分とに区分したとき、前記第二部分の幅の前記センター陸部の幅に対する比率が51%以上55%以下である、
請求項7に記載のタイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はタイヤに関する。詳細には、本発明は乗用車に装着されるタイヤに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ゴムの発熱性は転がり抵抗とグリップ性能とに影響する。低発熱性のゴムをトレッドに使用すると、低い転がり抵抗を有するタイヤが得られる。低発熱性のゴムは、グリップ力の点で、高発熱性のゴムに比べて劣る。そのため、低発熱性のゴムをトレッドに使用すると、例えば、濡れた路面でのグリップ性能(以下、ウェット性能とも称される。)が低下する。
【0003】
トレッドは通常、径方向に並ぶ2つの層で構成される。最外側の層がキャップ層であり、最内側の層がベース層である。キャップ層は、ウェット性能が考慮され、高発熱性のゴム(以下、キャップゴム)で構成される。ベース層は、転がり抵抗が考慮され、低発熱性のゴム(以下、ベースゴム)で構成される。
環境への配慮から転がり抵抗のさらなる低減が求められており、キャップゴム及びベースゴムに、キャップゴムに比べて低発熱であり、ベースゴムに比べて高発熱なゴム(以下、中間ゴム)を加えた、3種類のゴムで構成した、トレッドの開発が進められている。
例えば、下記の特許文献1では、キャップゴムで構成されたキャップ層、中間ゴムで構成された中間層、そしてベースゴムで構成されたベース層が径方向に並ぶ、3層構造のトレッドの採用が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-2008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
中間ゴムの採用で、トレッド全体としての発熱性は低下する。そのため、タイヤは転がり抵抗を低減できる。しかし中間ゴムのグリップ力はキャップゴムのそれよりも劣る。そのため、キャップゴム、中間ゴム及びベースゴムでトレッドを構成する場合、ウェット性能が低下するという懸念がある。
本発明の目的は、ウェット性能の低下を抑えながら、転がり抵抗の低減を達成できる、タイヤの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るタイヤは、一対のビードと、一対の前記ビードの間を架け渡すカーカスと、前記カーカスの径方向外側に位置し、路面と接地するトレッドと、前記カーカスと前記トレッドとの間に位置するベルトと、を備える。前記トレッドは、径方向に並ぶ、複数の層を備える。複数の前記層は、最外側に位置するキャップ層と、最内側に位置するベース層と、前記キャップ層と前記ベース層との間に位置する中間層と、を含む。前記中間層の30℃での損失正接は前記キャップ層の30℃での損失正接よりも低い。前記ベース層の30℃での損失正接は前記中間層の30℃での損失正接よりも低い。前記トレッドは、赤道面上に位置する第一トレッドと、前記第一トレッドの軸方向外側に位置する第二トレッドと、を備える。前記第二トレッドにおける前記キャップ層の厚さの、前記トレッドの厚さに対する比率は5%以上25%以下である。前記第一トレッドにおける前記キャップ層の厚さの、前記トレッドの厚さに対する比率は35%以上55%以下である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ウェット性能の低下を抑えながら、転がり抵抗の低減を達成できる、タイヤが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施形態に係るタイヤの一部を示す断面図である。
トレッドパターンの一部を示す展開図である。
トレッド部の一部を示す拡大断面図である。
トレッドの構成を示す断面図である。
トレッドの構成の変形例を示す断面図である。
タイヤの接地面形状を示す模式図である。
タイヤの接地面形状を示す模式図である。
トレッドパターンの変形例を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のタイヤはリムに組まれる。タイヤの内側には空気が充填され、タイヤの内圧が調整される。リムに組まれたタイヤはタイヤ-リム組立体とも呼ばれる。タイヤ-リム組立体は、リムと、このリムに組まれたタイヤとを備える。
【0010】
本発明において、タイヤを正規リムに組み、タイヤの内圧を正規内圧に調整し、このタイヤに荷重をかけていない状態は、正規状態と呼ばれる。
(【0011】以降は省略されています)

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