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公開番号2025098924
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2024164774,2024522513
出願日2024-09-24,2023-12-20
発明の名称半導体受光素子、光回線終端装置、多値強度変調送受信装置、デジタルコヒーレント受信装置、光ファイバ無線システム、SPADセンサーシステム、及びライダー装置
出願人三菱電機株式会社
代理人弁理士法人ぱるも特許事務所
主分類H10F 30/20 20250101AFI20250625BHJP()
要約【課題】広い応答帯域で動作し、かつ高い受信感度を有する半導体受光素子を得る。
【解決手段】本開示の半導体受光素子100は、InP基板1と、InP基板1上に形成されたn型半導体層2と、n型半導体層2上に形成された電子走行層3と、電子走行層3上に形成され、キャリア濃度が1×1017cm-3以下であり、InAs層及びGaAs層、InAlAs層及びInGaAs層、または、互いに組成比の異なるInAlGaAs層のいずれかの組み合わせで構成された2種類の半導体層が2原子層から6原子層の周期でそれぞれ交互に積層されたi型デジタルアロイ構造からなる光吸収層5と、を備える。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
InP基板と、
前記InP基板上に形成されたn型半導体層と、
前記n型半導体層上に形成された電子走行層と、
前記電子走行層上に形成され、キャリア濃度が1×10
17
cm
-3
以下であり、InAs層及びGaAs層、InAlAs層及びInGaAs層、または、互いに組成比の異なるInAlGaAs層のいずれかの組み合わせで構成された2種類の半導体層が2原子層から6原子層の周期でそれぞれ交互に積層されたi型デジタルアロイ構造からなる光吸収層と、
を備える半導体受光素子。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記光吸収層は、1周期の原子層数が互いに等しいInAs層及びGaAs層が交互に積層されたi型デジタルアロイ構造からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体受光素子。
【請求項3】
前記電子走行層は、キャリア濃度が5×10
17
cm
-3
以下であり、層厚が0.1μm以上1.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体受光素子。
【請求項4】
前記n型半導体層はn型導電層であり、前記InP基板上に形成された前記n型導電層が部分的に露出した部位にn型電極が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体受光素子。
【請求項5】
前記光吸収層上に、i型またはn型の窓層が形成され、少なくとも前記窓層の内部にp型不純物拡散領域が形成され、前記p型不純物拡散領域の上部にp型電極が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体受光素子。
【請求項6】
前記p型不純物拡散領域の外周部分に前記n型半導体層に達する分離溝が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の半導体受光素子。
【請求項7】
前記p型電極と相対する前記InP基板の裏面に、光の入射領域が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の半導体受光素子。
【請求項8】
前記光吸収層上にメサ型のp型導電層が形成され、前記p型導電層上にp型電極が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体受光素子。
【請求項9】
前記メサ型のp型導電層の外周部に、底部が少なくとも前記n型半導体層に達する分離溝が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の半導体受光素子。
【請求項10】
InP基板と、
前記InP基板上に形成されたp型半導体層と、
前記p型半導体層上に形成され、キャリア濃度が1×10
17
cm
-3
以下であり、InAs層及びGaAs層、InAlAs層及びInGaAs層、または、互いに組成比の異なるInAlGaAs層のいずれかの組み合わせで構成された2種類の半導体層が2原子層から6原子層の周期でそれぞれ交互に積層されたi型デジタルアロイ構造からなる光吸収層と、
前記光吸収層上に形成された電子走行層と、
を備える半導体受光素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体受光素子、光回線終端装置、多値強度変調送受信装置、デジタルコヒーレント受信装置、光ファイバ無線システム、SPADセンサーシステム、及びライダー装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
デジタル情報を活用するデジタルトランスフォーメーションの進展とともに、デジタル情報を相互に通信する通信ネットワークとデータの蓄積処理を行うデータセンタの発展が著しい。通信ネットワーク及びデータセンタ内通信には光通信が用いられる。光通信は、近年、高速化及び大容量化が目覚ましい進展を遂げている。光通信の進展の中で、光通信の受信器として、高い受信感度が得られるフォトダイオード(Photodiode:PD)及びアバランシェフォトダイオード(Avalanche Photodiode:APD)が必要とされる。
【0003】
光通信の加入者まで接続するアクセス網では、パッシブ光ネットワーク(Passive Optical Network:PON)が主たる方式として採用されている。PONシステムでは、1~2Gbpsの信号を伝送するG(E)-PONシステムから始まり、今後は10Gbpsの信号を伝送する10G-EPONシステム、XG-PONシステムが増加していくと予想される。
【0004】
さらに、ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)において、次世代高速PONシステムである50G-PONシステムが検討されており、アクセス網においても今後、50Gbps級の伝送が実用化されていくと期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平3-050875号公報
特開平1-255282号公報
特開平6-097483号公報
【非特許文献】
【0006】
Jiyuan Zheng et al.,“Digital Alloy InAlAs Avalanche Photodiodes”,JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY,VOL.36,NO.17,SEPTEMBER 1,pp.3580-3585,2018
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(1)PD及びAPDにおける光吸収層に関する課題
高速の光通信に用いられるPD及びAPDは、光吸収層として、光通信波長帯である1.3μm帯と1.55μm帯で吸収係数が高いInGaAsが用いられる。たとえば、1.3μm帯では、10000/cm以上の高い吸収係数が得られる。
【0008】
PD及びAPDの応答帯域を広帯域化するためには、光吸収層を構成するInGaAs層を薄膜化してキャリアの走行時間を短縮する必要がある。しかしながら、光吸収層の層厚を薄膜化すると、受光感度が低下するという問題が発生する。
【0009】
光吸収層の吸収係数をα、光吸収層の層厚をWとすると、量子効率η(=吸収される光子数/入射光子数)は、以下の式(1)で表される。
η=1-exp(-αW) (1)
【0010】
式(1)において、たとえば、α=10000/cm、W=1μmとすると、量子効率ηは63%となる。ちなみに、受光感度S(A/W)は、S=η・λ(nm)/1240で与えられるので、波長1.3μmの光の場合は、受光感度は0.66A/Wとなる。
(【0011】以降は省略されています)

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