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公開番号2025098357
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023214438
出願日2023-12-20
発明の名称スイッチング電源装置
出願人ローム株式会社
代理人弁理士法人 佐野特許事務所
主分類H02M 3/155 20060101AFI20250625BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】DC/DCコンバータの作動チャネル数変化に抗して出力電圧を安定させる。
【解決手段】スイッチング電源装置(1A)は、各々にコイルを有するDC/DCコンバータを複数チャネル分備え、入力電圧に基づく1以上のチャネルのコイル電流(IL[i])により出力電圧を生成する。出力電圧に応じた帰還電圧と帰還基準電圧との誤差に基づく誤差信号を生成するエラーアンプ(110)を複数チャネル間で共有する。各チャネルのDC/DCコンバータにおいて、誤差信号(EOUT)及び基準信号(REF[i])間の差と、対応するコイル電流の検出結果と、に基づき、対応するコイル電流を制御する。基準チャネルのDC/DCコンバータにおいて、基準信号は基本信号(REF[1])である。他のチャネルのDC/DCコンバータにおいて、基準信号(REF[2])を誤差信号及び基本信号間で切り替え可能である。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
各々にコイルを有するDC/DCコンバータを複数チャネル分備え、入力電圧に基づく1以上のチャネルのコイル電流により出力電圧を生成するよう構成されたスイッチング電源装置であって、
前記出力電圧に応じた帰還電圧と帰還基準電圧との誤差に基づく誤差信号を生成するよう構成されたエラーアンプを備え、前記エラーアンプを前記複数チャネル間で共有し、
各チャネルのDC/DCコンバータにおいて、
前記誤差信号及び基準信号間の差と、対応するコイル電流の検出結果と、に基づき、又は、
前記誤差信号と、対応するコイル電流の検出結果を示す信号であって且つ前記基準信号の電位を基準に生成された電流検出信号と、の差に基づき、対応するコイル電流を制御し、
前記複数チャネルにおける基準チャネルのDC/DCコンバータにおいて、前記基準信号は基本信号であり、
前記複数チャネルにおける他のチャネルのDC/DCコンバータにおいて、前記基準信号を前記誤差信号及び前記基本信号間で切り替えるセレクタが設けられる
、スイッチング電源装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
フィルタを備え、
前記セレクタは前記誤差信号及び前記基本信号の何れかを選択し、
前記フィルタは前記セレクタによる選択信号に対しローパスフィルタ処理を施すことでフィルタ信号を生成し、
前記他のチャネルのDC/DCコンバータにおいて、前記フィルタ信号が前記基準信号として用いられる
、請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
各チャネルのDC/DCコンバータの作動又は停止を制御し且つ前記セレクタの状態を制御するよう構成された管理回路を備え、
前記管理回路は、前記他のチャネルのDC/DCコンバータが停止状態にて維持される期間において前記セレクタによる前記選択信号を前記誤差信号に設定し、その後、前記基準チャネルのDC/DCコンバータの作動期間中において前記他のチャネルのDC/DCコンバータを停止状態から作動状態に切り替えるとき、前記セレクタによる前記選択信号を前記誤差信号から前記基本信号に切り替える
、請求項2に記載のスイッチング電源装置。
【請求項4】
各チャネルのDC/DCコンバータの作動又は停止を制御し且つ前記セレクタの状態を制御するよう構成された管理回路を備え、
前記管理回路は、前記他のチャネルのDC/DCコンバータが作動状態にて維持される期間において前記セレクタによる前記選択信号を前記基本信号に設定し、その後、前記基準チャネルのDC/DCコンバータの作動期間中において前記他のチャネルのDC/DCコンバータを作動状態から停止状態に切り替えるとき、前記セレクタによる前記選択信号を前記基本信号より前記誤差信号に切り替えてから所定時間経過後に、前記他のチャネルのDC/DCコンバータを前記停止状態に切り替える
、請求項2に記載のスイッチング電源装置。
【請求項5】
各チャネルのDC/DCコンバータは、対応するコイルを用いて前記入力電圧を前記出力電圧に電力変換するための出力段と、前記出力段のスイッチング制御を行うよう構成されたスイッチング制御回路を有し、
各チャネルのDC/DCコンバータにおいて、前記スイッチング制御回路は、前記誤差信号及び前記基準信号間の差と、対応するコイル電流の検出結果と、に基づき、又は、前記誤差信号及び前記電流検出信号間の差に基づき、前記出力段をスイッチング制御することを通じて、対応するコイル電流を制御する
、請求項1~4の何れかに記載のスイッチング電源装置。
【請求項6】
各チャネルのDC/DCコンバータにおいて、前記スイッチング制御回路は、対応するコイル電流を、前記誤差信号及び前記基準信号間の差に比例させる
、請求項5に記載のスイッチング電源装置。
【請求項7】
各チャネルのDC/DCコンバータにおいて、前記スイッチング制御回路は、前記誤差信号と、前記基準信号と、対応するコイル電流の平均電流値を示す信号と、に基づき、前記出力段をスイッチング制御することにより、対応するコイル電流の平均電流値を制御する
、請求項5に記載のスイッチング電源装置。
【請求項8】
各チャネルのDC/DCコンバータにおいて、対応するコイル電流の平均電流値を示す信号は第1信号及び第2信号から成る差動信号であって、前記第1信号及び前記第2信号間の差により、対応するコイル電流の平均電流値が示され、
各チャネルのDC/DCコンバータにおいて、前記スイッチング制御回路は、前記誤差信号及び前記基準信号間の差と、前記第1信号及び前記第2信号の差と、の誤差を減ずるように前記出力段をスイッチング制御する
、請求項7に記載のスイッチング電源装置。
【請求項9】
各チャネルのDC/DCコンバータにおいて、前記スイッチング制御回路は、対応するコイル電流の平均電流値を示す信号を前記基準信号の電位を基準に前記電流検出信号として生成するよう構成された電流検出回路を有し、前記誤差信号及び前記電流検出信号に基づき前記出力段をスイッチング制御することにより、対応するコイル電流の平均電流値を制御する
、請求項5に記載のスイッチング電源装置。
【請求項10】
各チャネルのDC/DCコンバータにおいて、前記スイッチング制御回路は、前記誤差信号及び前記電流検出信号間の差を減ずるように前記出力段をスイッチング制御する
、請求項9に記載のスイッチング電源装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、スイッチング電源装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
DC/DCコンバータを複数チャネル分備えたスイッチング電源装置がある。この種のスイッチング電源装置においてマルチフェーズ制御を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-6829号公報
【0004】
[概要]
複数チャネルのDC/DCコンバータの内、作動させるDC/DCコンバータのチャネル数を負荷状態等に合わせて増減させる場合がある。当該増減を考慮した工夫が求められる。
【0005】
本開示の一態様に係るスイッチング電源装置は、各々にコイルを有するDC/DCコンバータを複数チャネル分備え、入力電圧に基づく1以上のチャネルのコイル電流により出力電圧を生成するよう構成されたスイッチング電源装置であって、前記出力電圧に応じた帰還電圧と帰還基準電圧との誤差に基づく誤差信号を生成するよう構成されたエラーアンプを備え、前記エラーアンプを前記複数チャネル間で共有し、各チャネルのDC/DCコンバータにおいて、前記誤差信号及び基準信号間の差と、対応するコイル電流の検出結果と、に基づき、又は、前記誤差信号と、対応するコイル電流の検出結果を示す信号であって且つ前記基準信号の電位を基準に生成された電流検出信号と、の差に基づき、対応するコイル電流を制御し、前記複数チャネルにおける基準チャネルのDC/DCコンバータにおいて、前記基準信号は基本信号であり、前記複数チャネルにおける他のチャネルのDC/DCコンバータにおいて、前記基準信号を前記誤差信号及び前記基本信号間で切り替えるセレクタが設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1は、本開示の実施形態に係るスイッチング電源装置の構成図である。
図2は、本開示の実施形態に係るスイッチング電源装置の構成図である。
図3は、参考スイッチング電源装置の構成図である。
図4は、参考スイッチング電源装置に係り、コイル電流の制御概念図である。
図5は、参考スイッチング電源装置において作動チャネル数を増大させるときのタイミングチャートである。
図6は、参考スイッチング電源装置において作動チャネル数を減少させるときのタイミングチャートである。
図7は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A1に係り、スイッチング電源装置の構成図である。
図8は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A1に係り、スイッチング制御に関わる動作説明図である。
図9は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A1に係り、コイル電流の制御概念図である。
図10は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A1に係り、フィルタの構成例を示す図である。
図11は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A1に係り、作動チャネル数を増大させるときのタイミングチャートである。
図12は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A1に係り、作動チャネル数を減少させるときのタイミングチャートである。
図13は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A2に係り、スイッチング電源装置の一部構成図である。
図14は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A2に係り、作動チャネル数を増大させる(2から3に増大させる)ときのタイミングチャートである。
図15は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A2に係り、作動チャネル数を減少させる(3から2に増大させる)ときのタイミングチャートである。
図16は、本開示の実施形態に属する実施例EX_B1に係り、スイッチング電源装置の構成図である。
図17は、本開示の実施形態に属する実施例EX_C1に係り、スイッチング電源装置の構成図である。
【0007】
[詳細な説明]
以下、本開示の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等の名称を省略又は略記することがある。
【0008】
まず、本開示の実施形態の記述にて用いられる幾つかの用語について説明を設ける。グランドとは、基準となる0V(ゼロボルト)の電位を有する基準導電部(reference conductor)を指す又は0Vの電位そのものを指す。基準導電部は金属等の導体を用いて形成されて良い。0Vの電位をグランド電位と称することもある。本開示の実施形態において、特に基準を設けずに示される電圧はグランドから見た電位を表す。
【0009】
レベルとは電位のレベルを指し、任意の注目した信号又は電圧についてハイレベルはローレベルよりも高い電位を有する。電圧信号として機能する任意の信号において、信号の上昇、低下とは、信号の電位の上昇、低下を意味する。他の類する表現についても同様である。
【0010】
MOSFETに例示されるFET(電界効果トランジスタ)として構成された任意のトランジスタについて、オン状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が導通している状態を指し、オフ状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が非導通となっている状態(遮断状態)を指す。FETに分類されないトランジスタについても同様である。MOSFETは、特に記述無き限り、エンハンスメント型のMOSFETであると解される。MOSFETは“metal-oxide-semiconductor field-effect transistor”の略称である。また、特に記述なき限り、任意のMOSFETにおいて、バックゲートはソースに短絡されていると考えて良い。
(【0011】以降は省略されています)

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