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公開番号
2025095735
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-26
出願番号
2023211996
出願日
2023-12-15
発明の名称
車両搭載または台座上載の津波シェルター
出願人
個人
代理人
主分類
B60R
21/00 20060101AFI20250619BHJP(車両一般)
要約
【課題】
南海トラフの巨大津波では、真冬、真夜中の来襲で32万人の死者、100万人の犠牲者が予測されている。内閣府発表から10年、火葬場の建設が進んでいると推測する。地域により10mの津波が5分で襲うとされ、避難の猶予さえない。通学、通勤の大人数移動、24時間の切れ目ない地域住民の日常生活、その時、いかに車を活用するか、さらには帰宅後もいかに多くの人を救うかが課題である。
【解決手段】
シェルターを搭載した車両で、学童の送迎、夜間は庭に駐車とすれば、生活の中で避難所を背負っているのと同じで、家族で瞬時の避難が可能。さらに台座に載せれば24時間安心。基礎工事も不要で格安。備えあれば患いなし。安全、安心に日々暮らせるということはなんと幸せなことか。
【選択図】図25
特許請求の範囲
【請求項1】
車両搭載または台座上載の津波シェルターは、津波で水没しても、水中で生存できる必要空気体積を有する気密性の上部閉塞で、下面部または側面部防水回転扉付あるいは側面部防水スライド扉付の側面部を出入り口とし、このことで下面部から天端部までの高さを空気保持高さの有効高さとして活かすことができるとともに、下面部に底版を特に必要としない非密閉形成体であって、シェルターの材料は、強化プラスチック、プラスチック、不織布、鋼鉄、ステンレス、アルミ、ゴム、シリコンまたはコンクリートの単体、合成体または重ね合わせで成り、津波時に浮き上がり、転倒、漂流することを阻止することとし、車両内側に搭載するシェルターは、津波外力に対して車体に守られ、かつ浮上が天井部までと制限されているものとし、シェルターは狭い空間に合わせてコンパクトまたは変形性能に優れたものとし、天井までの浮上による揺らぎ、空気塊逸脱防止、人の車両外逸脱防止のためにシェルターにアンカーを取ることとし、あるいは車両の天井高さまでを一体とした部屋囲いのシェルター、車体と合体、一体化したシェルターまたは連結する専用車両シェルターとし、車両移動中の津波遭遇時には扉、ドアまたは窓を開け津波水を車両内に導入することとし、浸水前にはシェルター内に避難を済ますこととし、導入水重量と車両重量の重量和がシェルターを含む車両内空気体積の総和に相当する浮力に勝ることとし、夜間を含む駐車中の津波遭遇時には車両またはシェルターにかかる浮力に勝るアンカーを車両自体に取ることができるとし、車両外側のトラック荷台に搭載、トレーラー被牽引車両に搭載または台座上載のシェルターは、いずれも地上から下面部への出入りとし、津波外力に抵抗するシェルター躯体の剛性を有し、シェルター躯体重量またはシェルター躯体上に上載する錘あるいは両外側にロープで結んだアンカー重量との重量和が、シェルター躯体にかかる浮力に勝るとしたことを特徴とする車両搭載または台座上載の津波シェルター。
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【請求項2】
前記車両内側に搭載するシェルターのうち、天井が低く、乗車定員の少ない乗用タイプの列車、バス以外の車両搭載のシェルターは、狭い車両用のコンパクトに圧縮したシェルター、天井部にはゴム長靴の先端に拡張したような形状で運転席ではハンドル部を避けた窪み形状も可能としたシェルター、ドアを開けた座席シートとの隙間から挿入できるように圧縮または変形性に富んだシェルター、横折りまたは縦折りで折りたたんだシェルター、天井収納で吊り降ろしできるシェルター、天井までの背丈が不足している場合は先細り形状とし2人掛け座席では2股に分岐した先細り形状としたシェルター、または全体を網囲いして下部をひもで袋とじまたはファスナー閉じで落下防止としたシェルターで、シェルター内部に入り手足や補助形枠または圧縮空気ボンベ、酸素ボンベで体積拡張し、必要に応じて漂流物からの保護板をセットし、または剛なシェルターで底部と床面とに侵入高さが確保できないときの側面部に防水回転扉付または防水スライド扉付としたシェルターで、いずれのシェルターも浮上時に水流の揺れによる空気塊、泡の逸脱防止を図る必要があり、シェルターを天井部に配した田の字のような定着枠組みに定着する方法または定着アンカーとして座席下の脚柱、定着部に配置したロープとシェルターの取っ手を結び、いずれも浮力で浮上し、天井部に密着しそれ以上の浮上を天井で物理的に制止でき、天井部との摩擦力あるいはアンカーロープで車外逸脱防止を図るとしたことを特徴とする請求項1に記載の列車、バス以外の乗用タイプの車両搭載のシェルター。
【請求項3】
前記車両搭載型のうち天井が高く乗車定員の多い列車、バスの内部搭載のシェルターは、天井部にパイプ、レールを敷設または座席横にポールを立てることで、シェルターの組み立て、引き降ろし時または浮上時のガイドとするもので、
浸水する津波に揺らぎが大きいので前記ポールまたは座席下の脚柱、定着部にアンカーを求めロープは長めとし、天井部に圧縮収納するシェルターは、縦長形状で下方への先細り形状、または網囲いとし、引き降ろして拡張し、天井までの背丈が足りないので座席上または床上から立位で入り、手足や補助形枠または圧縮空気ボンベ、酸素ボンベで体積拡張し、必要に応じて漂流物からの保護板をセットし、網囲いの下方は浮上時に人が落下しないようひも閉じまたはファスナー閉じとし、天井部に収納しないシェルターは、座席背もたれ部または座席下、床部収納とし、天井までの高さを浮上すること、足が届かず口元から息ができないことからシェルターの高さは概1mまでとし、座席シート上、床上で手足や補助形枠または圧縮空気ボンベ、酸素ボンベで体積拡張し、必要に応じて漂流物からの保護板をセットし、網囲いの下方は浮上時に人が落下しないようひも閉じまたはファスナー閉じとしたことを特徴とする請求項1に記載の列車、バスの車両搭載のシェルター。
【請求項4】
前記車両一体型シェルターは、乗用車、バスのような単独の車両では、車両後部に設け、列車のように通路が必要な車両では車両後部または中央部に通路を確保したアーチ形状とし、出入りは側面部防水回転扉またはスライド扉部からとし、シェルターと車両フレームの天井部、側面部または床面の一部とは溶接または接着剤で一体またはクッション材を介した分離とし、導入水重量と連結車両重量の重量和が個人用シェルターを含む車両内空気体積の総和に相当する浮力に勝ることとし、または水を導入する車両内空体積の半分以下としたことを特徴とする請求項1に記載の車両一体型シェルター。
【請求項5】
前記車両の外側のトラック荷台搭載、トレーラー被牽引車両に搭載または台座に上載するシェルターは、重量のあるコンクリ―ト製、型枠中詰めコンクリート製、鋼板合成コンクリート製あるいはシェルターに上載した錘またはアンカー反力を加えるとした鉄製で、シェルター内部保持空気量による浮力に勝る重量を確保することとし、立体形の高さを幅、長さのいずれかに比して低くし津波にかかる転倒モーメントを減少するとしたシェルターで、出入りは、車両荷台の後方に張り出したシェルター底部空間、荷台後部をくり抜いた穴、被牽引車両の縦はりの間隙、または台座上載では地域に予測される引き潮時の津波浸水高さ以上に嵩上げしたシェルター底部空間高さを確保した台座の空間からの出入りとしたことを特徴とする請求項1に記載の車両外側のトラック荷台に搭載、トレーラー被牽引車両に搭載または台座上載の津波シェルター。
【請求項6】
前記シェルターの側面部の防水回転扉付は、主に内開きで外開きにも対応できる回転式扉で、扉の頂部を回転の中心軸として、扉の両端に接する壁体との間には、防水性、柔軟性に優れた折りたたみの扇状の膜袋としシェルター中に避難した後は元に戻すこととし、扉の裏面または表面に取っ手をつけたことを特徴とする請求項1に記載の剛なシェルター側面部の防水回転扉、または前記シェルターの側面部のスライド扉付は、シェルター側面部に扉を横にスライドして出入り口を開閉できるとしたもので、扉の裏面とシェルター出入り口の縦横2辺に設けた防水ゴム付き戸袋にスライド収納し、残りの1辺は周辺に設けた嵌合パッキンと裏面側から取っ手による引っ張り力で嵌合するとした防水スライド扉で、扉の裏面または表面に取っ手をつけるとし、裏面の取っ手は後付けまたは突出を最小とした収納タイプとしたことを特徴とする請求項1に記載の剛なシェルター側面部の防水スライド扉。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動可能な車両搭載型または存置の台座上載型の津波シェルターに関する。
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【背景技術】
【0002】
来る南海トラフ巨大地震に伴う津波では32万人の死者が予測されているが対、策が進んでない。5分で高さ10mの津波が来襲するというのに、「逃げ切れ」との掛け声、住民を集めた高台に逃げる避難訓練など全く的外れといえる。特許情報プラットホームで検索したところ「シェルター 車」で188件あり、該当するのは5件であった。特許文献1は、「シェルター浮上装置」 で牽引車にシェルターを乗せシェルターに浮上装置を備えるものだが、本願のシェルターは浮上させないので異なる。特許文献2は、「車両水上浮上装置」 で車の下に浮上装置を有するものだが、本願は浮上させないので異なる。特許文献3は「水陸両用シェルター」で車の下の膨張装置で浮上するものだが、本願は浮上させないので異なる。特許文献4は「津波対応自働車」で乗務員室を気密室に保つものだが、本願は気密部屋でなく底部を開放している構造体としても異なる。特許文献5は「避難用シェルター」で車両と切り離しできる浮遊シェルターとしているが、本願は浮遊しないので異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6873527号
特許第6842791号
特許第6837687号
特開2015-217933
実登3187204号
【0004】
中川工業所論文
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内閣府発表で32万人の死者が予測される津波だが、この10年間の対策で何万人の命が助かることになったのか公表が待たれる。まさか東京電力第一原発の二の舞ではないと思うが、津波が来るまではバレない。いつもの想定外という常套の言い訳は聞き飽きた。イスラエルによるガザ地区住民の命の軽さ、死に晒された命に放置する現状に似ていないか。津波対策で一般に提唱されているのは、高台移転、高防潮堤、津波タワーがあるが、特に津波タワーでは、最大被害が予測される真冬真夜中の熟睡中の時間帯に32万人中何人がたどり着けるというのか。費用対効果は極度に低い、ゼロともいえる。最大被害が真冬真夜と予測されているのに、対策は最悪を想定してない。たどり着けない高齢者、妊婦、車いす使用者を置き去りにした対策でもあり税金を使う予算計上で著しく公平性を欠くといえる。来ない、来るはずがないという神頼み、おまじないは、この10年間は通じた。過去の事例、特に東日本大震災から学ばなくてはならない。そこで、多くの命を救うこと、身近にあり、廉価であり、地域生活に密着した車、その移動時間帯には人が中にいることを踏まえて対策するとし、さらには最大被害の深夜には多くは自宅にいることは明らかであり、駐車中、留守を預かる家族、車を保有しない住民の安全を含む切れ目のない24時間を通した人々の暮らし、地域生活の安全が図れるとした津波シェルターを実現化することこそが課題解決の一助となるといえる。津波は、いつどこでどの時間帯に来襲するかわからない。しかも、南海トラフ巨大地震では、地震後に最短2~5分、高さが10mで来襲すると予測されている。そのとき、身近な車は移動中である確率も高い。地方では社会生活、日常生活には欠かせない車で移動している時間帯、時間数は昼間の多くを占める。東日本大震災では多くの車が流された。列車も転覆し、多くの乗客が不明になった。車で遠くに逃げられればいいが、幹線道路に集中すると渋滞に巻き込まれる。車は特に地方では仕事、買い物、通院の足に欠かせない。通勤中、通学中には、バス、列車のマス交通が用いられ、その利用時間も長いので危険にさらされる時間数×人数も24時間のうちに占める割合はさらに大きい、全員の命が失われるので責任はかなり重い。マス交通には多くの乗客がいる。車内は閉じ込められた空間である。かといって外に逃げれば助かる可能性はゼロに近い。車の最大の特長は車体に囲まれていることと移動性といえる。しかし移動可能な車といえども、1日の半分以上の時間帯で家の駐車場にいる。そのことが分かった上で何とかならないか。小学校の校庭で学童の集団悲劇を見たくない。車自体を活用することができれば、車が休んでいる時間も活用できれば、派生的に何か活用できれば、多くの住民、学童を救える。そこで、人の24時間に着目、車が休んでいる時も避難に如何に幅広く、公平に活用できるかを課題とする。東日本大震災では、車は容易に浮き上がり、浮いた車同士がぶつかり、沖合へと流され、やがて海底に沈んだことは容易に想像できる。人間は生身では津波に呑み込まれた瞬間に助からない。幸いにして、乗用車は、運転手、乗客は車内で、まずは外力から車体に守られているといえる。そこでシェルターを守られた車内に搭載する。しかし、人体の占める空間を含めて車内空間が狭いので硬い形状のシェルターでは、設置に困難を伴う。まず、軽量で、圧縮してコンパクトにできること、折りたためること、そして形状自在を考える。天井部収納、座席シートの背もたれ後部、床置きでは邪魔にならない。ゴム長靴のように柔軟性があればあらゆる車内の余空間、天井部に曲げて沿わせるとさらなる空間を利用できる。荷物を載せる余裕のあるバン、ワゴンタイプでは硬い形状のままのシェルターでも載せるスペースがある。バス、列車のマス公共交通では、多くの命を救う義務がある。外側に荷台があるトラックでは、シェルターはむき出し、露出状態で考える。津波の横力の直撃に晒されているので、受圧面積とモーメントを少なくするために、より低く、より重く、より強度のあるシェルターを搭載することになる。留守を預かる家族や車を持たない人でも同様のシェルターを利用できることが公平であり我々の責務である。何時ともわからない津波であるが、来る南海トラフ巨大地震に伴う津波は、内閣府の発表で最大津波高さ34.4m、死者32万人、死傷者100万人が予測されている。沿岸部では高さ10mの津波が2~5分で急襲するとされ、最大被害は、真冬、真夜中の深夜である。外に出れば低体温症が待ち受ける。発表から10年、そのうちの何万人が助かるようになったのか。近年、関東大震災での大津波の映像が発見されたところ。警告ばかりで、膨大な命をどう救うのか本当の責任者の顔が見えないのも問題を解決しない根本原因。これを世間では小田原評定という。それでも、避難所は32万人の安置所に役立つ。人数分が足りているのか今さらながら検証、公表が必要だ。火葬場の用地取得、建設の進捗率の発表も待たれる。身元特定証明書がないと火葬もできない。DNA鑑定、歯形照合、指紋照合など事務手続きで1年待ち、腐敗しないよう冷凍倉庫の建設も急がれる。こういう非常時、大災害時を見据えて顔写真入りマイナンバーカードが身元特定に有効であることを政府は積極的にPRすべきだ。まさか何時までも放置するつもりではないと信じたいが。英知はないのか。早く対処すれば人々はそれだけ日々安心して暮らせるというのに。10年間放置した責任は軽くない。といっても責任者がいないのだからどこ吹く顔。先の東日本大震災の津波は、地震後最短で15分後、多くは1時間後の来襲で余裕があったといえるが、南海トラフ巨大地震、日本海巨大地震による津波では波形の立ち上がりが急峻で全くそうはならない。奥尻島沖津波のように1分の急襲では、外に避難する時間、猶予時間などさえない。6時間に及んで6波が繰り返し襲ってくる。1日のうちいつ来襲するか分からないので、24時間備えなくてはならない。でも、その予期不能の残酷な津波であるが、来襲は少なくとも地震の揺れの後で、という自然秩序、ルールを守り、引き潮、轟音などで事前予告をする正義感がある。これに活路を見出し答えなくてはならない。揺れが収まるのが地震発生後2、3分として、引き算で逆に逃げる猶予は2、3分あるといえばあるし、ないといえばない。正確とする地震の解析に時間と予算を費やし、それが仕事とする自己満足に浸り、避難警告が最速で地震発生後の4分後に出たのでは多くは時すでに遅しである。小学生にも分かる。沿岸地域の住民には何の役にも立たないことを知るべきである。最大級の大きな地震発生、とのけたたましいサイレン、アナウンスでもいい、イスラエル、パレスチナの数秒後のミサイル警報サイレンなど見習い、瞬時に自動発信されるべきである。被害の甚大さはミサイル空襲よりけた外れに大きいのだから。けたたましいサイレンが鳴らないと尻に火がつかない。即座に、地震の揺れの大きさから自己判断、自己防衛する覚悟、訓練を常々身に着けていなければならない。死ねば後悔することもないといえるが後悔しないためにも少なくとも1つは自分ならどうすると決めておく必要がある。外に出ては危険である。わずか30cmのさざ波でも足元をすくわれ沖にさらわれる。かといって、トンガ火山噴火による津波警報が出ても人々は逃げている気配がなかった。高知県の湾内の船舶が転覆したというのに。やはり、ゴーという轟音、地響き、高波が目前に迫らないことには我がこととして危機回避のスイッチが入らないようだ。寒い冬はあきらめが先立ち思考停止になる。入浴中とか就寝中ではパジャマを着替える暇はない。ぐずる子供に靴を履かせるだけでも5分はすぐ経過する。ともかく考えている猶予はない。本音かどうかわからないがあきらめているという人も多いのも確か。もちろん自分だけは何とかなる、大丈夫というバイアスから脱却しなければならない。瞬時の無条件反射、反復行動トレーニングが必要である。住宅事情も影響する。一般住宅では、木端みじん、ひとたまりもない。堅固なマンションでは、高い階であれば助かると考えられるが、津波高さが予想高さ以下である保証は一つもない。垂直避難、屋上避難で助かると考えがちだが、結果としてみれば津波高さより低い建物、その屋上では津波に丸呑みされる。押し寄せる津波の恐怖、容赦ない残酷さはいかほどであったか。国は何を考えているのか。「ともかく逃げ切る」との避難計画はいかがなものか。真冬真夜中の来襲で32万人のほとんどは家から出られず、逃げ切れてないと考えられる。外に出れば危ないというのに逃げ切れば助かるというまやかしでこれが国策というのか。24時間のうち、在宅は半分の時間として、マンション住まいでも、小学生などの通学途上、通勤途上、通院、日常の買い物途上、昼間の営業中など、生身で備えがない時、周辺に高く堅固な建物がない地域での避難は容易でない。それでも、在宅時、勤務時、学校なども含めて日常生活の24時間、真冬真夜中を含む四六時中、危険を予想していなければならない。
【0006】
そこで、避難場所は限られているので、自分自身が即、避難できるシェルターを携帯、用意することがベストであるという考えに至る。それが無理なら日常生活のあらゆる時間帯、場所で、今、津波に遭遇したらどう逃げるかを常に考える反復訓練が必要である。そうすることの繰り返しで、助かる確率が着実に上がる。散歩していても地域の高い建物を確認すればボケ防止にも役立つ。車運転なら、使用時間数が多くを占める車の活用が貢献度、寄与度が大きいと推察する。車と一緒に多くの人が津波にさらわれて犠牲になったが、まずはその車について、浮上しないことを考える。併せて、不特定の遭遇時間帯、遭遇場所に対して、人の移動と共にある車搭載のシェルターが望まれるところとなる。
それがかなえれば、小学生の通学、下校途上にも安全なように、津波シェルター搭載の車両で送迎する。これで少なくとも2人が助かる。家族の通勤も送迎する。仕事での営業も津波シェルター搭載車で巡回する。助手を連れれば2人助かる。通院、買い物にも自己防衛、自身で津波シェルター搭載車を運転する。シェルターとともにある日常生活、安全時間を1日のうちで占める時間数を増やす。このことで安全率が高まることを意識する。この積み重ねで、昼間の大半は危険な状況を回避できる。帰宅後は、一般住宅では庭にシェルター搭載車を駐車し、できればアンカーに結んで、転倒、漂流に備える。あるいは、トラック荷台に搭載するシェルター、その積み下ろしの段取り前後のシェルターは、クレーン付きのユニックトラックで上げ下ろしも容易で、受け台となる台座に上載、仮置きする。車の運転手ばかりでない、留守を預かる家族を忘れてはならない。1日のうち、仕事以外の時間帯、移動しない時間帯は多くを占める。荷台、台座にシェルターを載せたままとすることで、絶え間なく、逆に多くの時間帯、夜間の時間帯を家族分の安全避難シェルターとして活用することができる。シェルターの利用時間に絶え間があってはならない。人数分のシェルターを追加して台座に載せたままとすれば、昼間の留守を預かる残された家族用のシェルターとしても、そして夜間の襲来に備えて家族全員分のシェルターとして、車を持たない地域住民用としても絶え間なく活かすことができ、24時間を通した安全、安心時間数が増え、命を守る公平な成果、可能性の実効値が上がるといえる。このように地震、津波が24時間中のいつ来襲してもよいように家族として備える。家族でバラバラにならないことが大切。漂流してバラバラだと捜索費用も数倍となる。単に遭難するという個人の問題だけでなく、遭難すれば、膨大な国家費用が掛かることを認識すべきである。シェルターを生活に合わせて一緒に移動すること、移動できる車両に搭載して日常生活そのものとして活用すること、逆に、留守を預かる家族、夜間の家族の安全安心を守ることを考えることで、いつ、どこで襲われるか分からない津波、自分だけは大丈夫というバイアスに対して家族主体の24時間の発想トレーニングができる。単に運転、ドライブするだけの車では時間に切れ目がある、活用しきれてない。非常時の備えは日頃からの思考、訓練があってこそ役立つもの。いつどこで襲われるか分からない津波に対して、同じく不特定位置の移動性の車は相性がいい、役に立つ。長い時間を占める駐車中でも派生的な応用的知恵も考えなければならない。いつどこで襲われるか分からない津波に対して、切れ目があってはいけない。いつでもどこでも、24時間を途切れることなく対応できるという課題が解決できる。個人、家族単位で助かるとなれば、次は、バス、列車のマス交通の通勤通学時の集団避難、小学校学童の集団避難を考える。SNSの時代、悲劇のニュースは一瞬に世界中を駆け巡る。先生方の精神的負担は計り知れなく大きい。そうならないよう事前に考えておくことこそが負担を軽減できる。想定力、想像力が必要である。我々には東日本での貴重な事例があるのだから。他人任せでは同じ結果となることは容易に想定できる。立派な教育を受けていても、不作為で命を失ってはならない。命を預かる教員の責任は重い。避難訓練に参加している、テレビに映ったというばかばかしい自己満足、自己防衛、アリバイ作りは聞きたくない。この10年、何を考え、何を行動したのか、行動しようとしたのか。その避難方法、行動は逆に危険にさらしているのではないか。果たして何人の将来ある若い命を救うことができるようになったのか厳しい自己評価が求められる。忙しいとかのいつもの言い訳は聞きたくない。瞬時ともいえる津波から如何に救出するか、アリバイ作りばかりで自己保身し成果を見せない先生は、即刻、山奥の学校に転校させるべきだ。職場の避難も同様で社員を失ってはならない。サプライチェーンの喪失回避は会社の社会責務である。津波の外力には、車両自体の特性として、車両のタイヤの4個の距離、横幅によるテコの抵抗、弾力性、クッションと車両床下のスプリング、バネ効果で津波の衝突力の緩和、津波の横力による転倒防止に役立つ。ただし、先の東日本の事例で周知のことだが、車は容易に浮上し、抵抗力を失い、転倒、沖合まで流され沈没する。力学的には単純で、車の窓が閉まっていては、閉塞空間の内部空気量が浮力となり、車は転倒より先にウキの如く浮上し、漂流する。そこで、車が浮き上がらないように対策する。そのためには、浮力がかからないようにする。車が水中となると閉じ込められたままの空気体積で浮力が生じる。そこで、窓を開けて空気を放出するか、浮力に勝る重量を得ることを考える。窓を開ければ閉じ込められた浮力のもととなる空気が抜ける。そして、その空間に錘となる津波水を車内に導入することができればよいことが分かる。これを要領よく実施する。まず窓を全開とし、津波の水を車内に受け入れ浸水状態とし、空気と入れ替わった水を水荷重として活用する。窓を開けて車重量と水荷重の錘の和が、搭載シェルターの空気体積の総和、すなわち浮力以上とする。簡明な目安として、車の室内高さの半分を浸水とし説明上仮に素早く窓を閉めるとすれば、空気体積は残りの半分であり、1/2の空気体積による浮力と1/2の水体積の重量が、1対1で均衡する。大きな津波では窓から一瞬で浸水する。四の五の考える必要はない。浮力に抵抗するのは重量であり、もともとの車両重量だけでは足りないことは自明のことなので、水荷重に車両重量がプラスアルファとして加わり安全側となる。実際には窓を閉めずともシェルター内に空気を確保することで、窓を全開しても開放状態なのでいくらでも浸水し、空気と入れ替わって満水となり車は浮上しない。半開でも、10cmほど開けるにしても満水となり浮上しない。ただし、窓を大きく開けると漂流物が飛び込んでくる恐れがあるが、逆にわずかしか開けないと、窓ガラスが津波の波力その横力を受ける受圧面積が大となり、片持ち梁状態なので耐えられるかどうか。前後部座席のいずれかの両サイドの窓を全開するのがよさそうで、波圧は、筒抜けとなり、車体の転倒に働く横力を逃がすことができる。窓ガラスには飛散防止フィルムを張るのが望ましい。ここで肝心なことは、シェルターの出番は、浸水前に開いて生存に必要な空気量を入れておく必要がある、そしてその中に避難する。その後に浸水させるという段取り。ここで先に進むために、実験1、2をした。そして基本となる自然定理ほか救出参考例を紹介する。
【0007】
実験1、水槽で実験をした。幅10cm縦10cmのコップと幅10cm縦20cmの縦長コップを逆さにして潜らせた。いずれも8cmの深さで底部が浮き上がり傾き空気泡が塊となって逸脱し、コップは転倒した。次に縦10cmのコップを一個積重ねとすると安定した。指で上部を押さえても安定した。このことから、1m3立方体のシェルターは、高さ0.8mを超えると下へのアンカーを必要とすること、あるいは、頂点部で押さえること、重量を増やすことでもよいこと、さらには、シェルターの持ち上がりとなる浮力の影響を少なくする工夫として、下方部の空気体積を減らすとし先細り形状とすることが有効であると考えた。ここで、人の体重を100kg=0.1トンとしても、シェルター内の空気体積、1m3=1トンの浮力の大きさには絶対的に逆らえない。浮上するがまま、なすがままであることを理解しておくべきである。シェルターの中の人は浮上するかどうかは底部次第だが、まずは座席シートに着座した状態でよい。シェルターの下部の取っ手に足を引っ掛けて突っ張ることも揺れ防止、空気泡、塊の逸脱防止のために有効で、かつ座席下の脚柱、定着部にロープとかでアンカーを取る必然性が分かる。
【0008】
実験2、シェルター内に大人が避難するとその体積相当の空気体積が減少する。そこで、設計空気量が実質減ることになる内部避難の人の体積について実験した。人はプールで浮くとすれば比重は1.0で、体重100キロの人で0.1m3の体積で内空体積は1割を占める。すなわち1割の空気量が減る。また、自宅の65cm*110cmの浴槽で、半身浴して、水位の変化を計ると+7cmであった。全身なら+14cmで、体積計算すると0.65*1.1*0.14=0.1m3で、両者一致し、1m3のシェルター内では人の体が1割の体積を占め、厳密には生存必要空気量が1割減ることも承知しておく。説明するまでもなく0.5m3のシェルターでは2割減となる。子供はその半分でよさそう。
【0009】
自然定理ほか、アルキメデスの原理で、水に比して比重の軽い空気は水中で上昇する。シェルターには水を排除した体積相当の浮力がかかる。パスカルの原理で、シェルター内外の圧力は等しい。このことで、底部に出入り口のあるシェルターの全周の壁には密閉構造のような内外圧力差はかからない。紙1枚の厚みの壁でもよい。ボイルの法則で、シェルター底面にできる水平水面が密閉空間を形成し、津波高10mで水圧2気圧なので、シェルター内の空気は上に1/2に圧縮、20mでは1/3、30mでは1/4に圧縮されそれに伴って水位、水面も上がるので慌てないように。内部は閉塞空間であるので水位は、内水位0.5mに対して外水位10mが連動するので、上昇速度は1/20の速度でゆっくり上昇し、必ず空気は上の天井部に残る。口先を天井に向けていればよい。高さ34mの最大津波による水圧負担には、2013年にナイジェリア沖の水深30mで難破船の船底から62時間後に救出されたニュースがある。第一波が終われば、水位が下がるので新鮮な空気と入れ替わる。1m3/時の設計で、それほど心配する必要がない。まずはこれで四の五のいわずシェルターを作ることが先決である。いつまでも躊躇し行動しないと、何もない生身で津波の来襲を受ければ水没し、空気が一瞬でもなければ人は絶命なのだ。それこそ時間の無駄、この10年間の時間は戻ってこない。シェルターは、車内に浸水してからでは、容易に開かない。浸水前に開けばシェルターの下部は水中にあり、内側の水平水面とで空気を確保できている。この段階では、浮力はアルキメデスの定理で、排除した水体積、外水面以下部分なのであまり大きくない。さらに10mの津波が来るとボイルの法則で内部体積が1/2に圧縮されるので同時に浮力が半減する。シェルターの浮上も、車両天井で物理的に制限できる。車両外に放り出されないよう、また揺らぎ、傾きで空気の塊がシェルター下部から逸脱しないよう、シェルター下部に取っ手を設け、座席下の脚柱に回したロープでフック掛けとしアンカーとする。座席シート上では尻に敷くこともできる。
【0010】
(各種シェルター)
図1に車両の代表外観例を示す。シェルターへの出入りは、車両床面、座席面、あるいは地上、地面からとすることで、空気保持高さを下面から天端面までの側面高さの全高として確保でき無駄なく有効に取れる。津波時には車両自体またはシェルター自体の浮上を阻止しなければならない。車両が浮上すれば、少しの横力でも簡単に転倒し、沖へ流される。物体は中に空気があれば浮力を生じる。空気体積による浮力は大きい。鉄の船も浮かぶ。すなわち、窓を閉じたままの車両は空気を含み、車両重量に比して車両全体にかかる浮力は大きすぎる。浮力に勝る抵抗、それを上回る重量が必要である。車両重量は車体の鋼板重量なので不足は明らかである。2以上、3トン以上の錘を車内に入れるわけにはいかない。そこで図2に示す車両の窓を開け津波水を室内に導入し空気と入れ替えることで水荷重として加え、車両重量との合計が車両またはシェルターにかかる浮力に勝るとする方法を考えた。荷台搭載、台座上載ではシェルター自体を重量のある躯体、壁体とし内空体積による浮力に勝るとする方法、さらには車両、シェルターにかかる浮力以上の錘、アンカーを車体、シェルターにロープで回す方法が考えられる。車両内側搭載のシェルターでは、車体が漂流物の直撃を緩和する期待がある。図3のシェルターは、軽量で、強度に優れ、弾力性、狭い空間に対応できる変形性能が求められる。底板はないので圧縮、折りたたみが容易といえる。車両天井部に取り付け治具を備えておき、シェルターをカセット方式で装着すると収納もすっきりする。まず、シートベルトを外し、コンパクトに圧縮、縮小したシェルターの中に床上、座席上で入り、シェルターの外殻素材を手などで拡張することができ空気体積を確保する。内部の天端には、円板、方形板、下部には穴あきの円板、方形板を補助として張れば形状保持、体積確保ができやすい。天井高さの高い列車、バスの車両では、天井部には、レール、縦パイプがあればガイドに役立つ。浮上に邪魔な荷物棚は撤去する必要がある。天井までの浮上時にシェルターの中の人が落下しないよう、シェルター全体をあらかじめ図4に示すような網で覆っていると段取りは早い。あるいは図5の先細り形状とする。座席上に立ってシェルターの中に入る。シェルターの中から網の下部をひも閉じ、またはファスナー閉じの袋状とし、袋先端部は事前に座席下の脚柱、定着部に回したロープでアンカーを取っておくと避難が早い。ロープ、先端部は足を引っ掛けて突っ張ることも揺れ防止、空気泡、塊の逸失防止さらに車外逸脱防止のために有効で、図6に示すロープ長さに余裕を持たせる。天井部にある車両取っ手とシェルターを覆った網とをロープで結ぶとさらに揺れ防止となる。シェルター自体は、できるだけ車内空間に沿って、空気体積をできるだけ取り入れた形状が望ましい。例えば、乗用車ではシェルターの天端部は車内天井に沿うように図7に示すゴム長靴の足先形、縦側面は座席シートの傾斜に沿うように、運転席ではハンドル部を回避した窪み形状に、そして尻に敷くとして、座席シートの下まで立体形がミノ虫状、寝袋、人魚姫の如く延びるように変形自在にするとよい。天井部のゴム長靴のように先端を拡張した形状とすれば1m3足らずの運転席の空気体積を少しでも増やすことができる。後部座席では2人分入る断面形状としてもよい。列車、バスでは、隣が見知らぬ人、異性とも考えられるので図8の二股形が良い。天井部や、座席の背もたれの後部に収納できる。天井部収納でひもを引っ張ることで吊り下ろすことも可能である。牛乳容器をプレス機で押しつぶした状態にコンパクトに圧縮、縮小できる。硬い立方体、直方体そのものならドアから内部に入らないので、シリコンのような変形性のシェルターとする。折りたたみ式のシェルターは、1辺、2辺を面折りで折り返すことで縮小、平らにたたむことができる。図9の横折り、図10の縦折りでは特徴が異なる。縦折りは天端を柔軟材とする必要がある。その上に天端板を別置きとして後付けとするとよい。例えば頂点部の外殻4辺にフック、着脱自在テープとする。漂流物衝突防止のためなので、構造的には連続していなくてもよい。急ぐ時間の中で取り付けることになるが間に合わなければ省略もやむを得ない。天井部収納では、下部につけた取っ手で引っ張り下ろす。または穴を設けロープを通し、座席シート下の脚注に回す。あるいはその逆で、座席下のフック付きロープをシェルターの取っ手、穴に引っ掛ける。取っ手はシェルター内に避難後の手足、座席下のアンカーで浮き上がらないよう押さえ込むのに役立つ。水重量を付加するため窓を開けるのでシェルター自体を強い素材で作ることが考えられるが、別の独立した防護盾を用意しておくのも工夫だ。シェルターの高さは、空気塊逸脱の危惧があり1m程度が限度である、車両タイプごとに多少異なるので特徴を活かすことを考える。ハッチバック車では後方を開いた空間、バンタイプでは荷物用の床面が利用できる。天井が高いとあらかじめ図15に示す網付シェルターを重ね置きすると避難が早い。剛なシェルターとして図13に示す防水回転扉付、図14に示すスライド扉付とすることもできる。マイクロバス、通学通勤バス、列車では車内も広く、天井も高く、通路も利用できるがシェルターがすぐ天井まで浮上するので浮上対策、呼吸の口が届かないので対策が必要だ。重量は、車内設置が軽量を活かせる。乗用車ならシェルター高さが1mで車内高さが1.2m程度であれば、浮き上がる空間距離が20cmと少ないので取っ手を座席下のアンカーと結ぶ程度で浮上の厳しさに余裕があるが、列車のように天井が高いと、シェルターの浮上で人が取り残され、また同時に上昇するとしても落下の危険があるのでシェルターは図4の網掛けし、下端を結ぶかファスナー閉じとし、長さに余裕のあるアンカーロープを結んでおく。あるいは下方を図5の先細り形状としてもよい。津波はいつも大きいとは限らない。1m程度の小さい津波では小舟、ボートのように回遊する。外水圧で中からドアを開けることができない、そこで、素早く、楔、スパナ―、スペーサーをドアとの間に挟む機転、周知、用意も必要だ。それらはなくさないよう座席下の脚柱にひもで結んでおく。つぎに、シェルターは車両天井で浮上の上限があるというものの、車両内でも浮上、浮遊することによる揺れの不安、また津波水の直撃に恐怖感を覚える。すなわち、車両内でも小さな津波の揺さぶりに晒されているといえる。そこで、揺れ、直撃、衝撃ができるだけ少なくなるよう考える。最初からこれ以上の浮上の余地がないように天井と隙間のない天井高さのシェルターを考える。天井に嵌合して離れない。図11に車体内部に内接したボックス、部屋の様な比較的剛なシェルター、車体の薄い鉄板と同程度のシェルターに溶接、接着剤による一体化、クッション材を介することも考えられる。図12に断面図を示す。側面壁は車両のタイヤ部の凸断面は曲げて避け、中央のシャフト部もアーチ状円筒半割形で避けアーチの両端部面は鋼板側面壁と溶接する。出入り口は、図13の側面部防水回転扉、または図14の防水スライド扉からとすると、側面の全高さが空気保持に有効となり保持空気量が大きく取れる。津波外力を受けてシェルター部屋にひずみが出て、溶接部がひび割れては空気が漏れるので内部に気密性のポリ袋、ビニール袋の上を底とした配置が良い。図16の列車、図20のバスのマス交通でも車両の図17の中央部、または図18の車両後部と一体型、またはシェルター付き車体と入れ替え、合体する方法もある。図16のうち列車方向に10mの長いシェルターは3両編成、5mの短いシェルターは1両編成の重量バランスで仮定したものである。図17、図18、図19では天井部の縦方向に仕切り板を入れ、万が一の転倒時に空気が抜けるのを防ぐ。海岸側の走行が一定なら海岸側の底部に鋼板を溶接すると空気が抜けない。両側鋼板底部なら転倒してもさらに安心。ただし、密閉構造とならないよう回転扉、スライド扉は少し開けておく必要がある。転倒がどちらの方向、どちらの出入り口が上になるかで開閉動作が必要で訓練を要する。中に天井までの背丈を補う長椅子、脚立も準備する。図19のようにシェルター専用連結車両も考えられる。連結の前後車両の重量が伝わるかどうかチェックを要する。いずれも水荷重の導入に体積計算を要する。一体型は多人数分のシェルターを準備、訓練することよりも一か所だけなので効率的で、効果も高い。列車、バスのマス交通の多人数の未来ある若者の集団避難、救命の課題が解決できるので積極的検討が必要である。車両外側搭載のシェルターでは、トラック、トレーラー、台座上載で、トラックの荷台は床面なので直接侵入できない。図21のようにシェルターを荷台後方に張り出して、または荷台を切り欠いて地上、地面からの出入りとなる。図22のトレーラーでは地上、地面から屈んで下面に入る。直接、津波の横力に晒され漂流物の衝突にも転倒しない重量と抵抗する幅、強度があり躯体にかかる浮力に浮上しないことが求められ、まずは、シェルター躯体は重量体といえる。計算はいとも簡単で、4トントラックでは、内空4m3と設定すれば4人家族分の空気量となり、その浮力が4トンであり、シェルターの躯体重量を4トンとすればよい。ここで、シェルターを車両荷台に搭載する前後作業時に、仮置き、荷置きする台座の上載では、トラックはなくてもよいことに気付く。そこで台座上載のシェルターは、そのまま載せておくと24時間の家族の安全安心につながる。出入り口は、底版が特に必要でないので図23のように台座の穴開け、隙間からと任意位置に選べ、台座の高さは人の下からの侵入高さの確保のほか、新鮮な空気と入れ替わる効果を得るため地域で予測される引き潮時津波の2つの波形の合間に見られる浸水深さ以上の高さ、水に浸かったままとならないよう確保する。自然な空気入れ替えが期待でき、これにより設計の空気量も津波周期、1時間単位でよいことになる。極寒では低体温症の突然死防止のためにも飛行機のタラップのように覆われた風胴とした家の出入り口との接続通路設置、図24、図25のようにシェルターを家屋の窓への半分突入形とすれば温かい家の中で避難ができありがたい。介護者、高齢者のいる住宅では空き部屋活用が有効となる。命が一番大切と考えれば、木端みじんとなるであろう家の図26に示す一室の犠牲は大したことでない。安全安心に時間帯の途切れがあってはいけない。家族が安全なら地域住民も安全であり、台車上載のシェルターは車両を所有してない人にも朗報である。あらゆる人に公平に役立つシェルターといえる。まさしく地域住民全員の安全安心につながるといえる。あきらめていた多くの命、32万人、さらには犠牲が予測される100万人の数字提示された無機質な一人ひとりの命の塊に光明が見える。工場製作のプレキャストコンクリートとすれば、厚み0.20mで現場の作業は少なく設置も早い。構造補強となる底版付きもあるが、津波用としては特に必要でない。出入り口は底版の全部を省略する。一部分を省略するか穴あけとしてもよい。鉄製でシェルター自重が足らない場合は、シェルターの上にコンクリート板、鉄板を載せ、錘として加えるか、コンクリートブロックに結びロープでシェルターの上に回しアンカーとすると産業界への波及効果は大きい。図24の家の窓からの突入型では、片持ち形となる。図25のシェルターを鉄製とすれば重さが不足するので、家の外部の天井上に鉄板、またはコンクリート板を錘として載せ、さらにアンカーロープで回し浮上、転倒防止とした例を掲げる。鉄板の厚みが薄い分、家内への突入長は短くなり、窓へ影響も少なく圧迫感も少なくコンパクトにできる。鉄板は浮力に対して軽い。鉄の船が浮くほどで錘の追加が必要である。さらには、図22でトレーラーには長く重いシェルターの搭載ができる。出入りは下面からで地上、地面からとなる。津波用の需要があると思われるので、最初から一体車両もしくはトレーラー披牽引車のシェルター仕様カーも可能となる。この場合、重量を重くし、受ける津波外力、その転倒モーメントを減らすためにシェルター高さまたは車高を低くした津波シェルター付きも考えられる。長
期駐車を前提とするならば天井部にロープで回すことでシェルター自重を減らすこともできる。メーカーとしても多くの命を救うことの一役を担い、32万人には達しないものの救えた人命の累積カウントもでき、分かりやすい社会貢献になり期待も大きい。シェルターの体積では、車内空間で十分な空気体積が取れない場合、特に軽車両では、シェルター内部に小型酸素ボンベを準備することで、生存必要空気量を補充できるので有効な手段となる。また、津波水導入で車両の内空体積が制限を受けるときに生存空気量を確保できる。このことで逆に、意図的にシェルターを小さく設計できる。軽車両に限らず小型酸素ボンベは生存空気補充、安全性の向上、想定外の津波継続時間などに対しての2重の安心ためにも有効である。あるいは沿岸地域特性から津波の1波の引き潮までの継続時間が30分とすれば、半分の空気量でよい。さらには、肺活量から、高齢者、子供であれば0.5人とカウントすることも可能である。沿岸地域では現実的な設計で生存必要空気量とする課題が解決できる。夜間の駐車中の車の浮力対策は2つある。1つは、車両の窓を開けた状態、もう一つは窓を閉じた状態で浮力に勝るアンカーを取る。前者のアンカーは津波が水重量として入るので小さく、その時は車両もエンジンもダメになるが一生に1度のことと割り切るとよい。浸水前にシェルター内に入る必要がある。また命が助かると考えれば少しも惜しくはない、安いものだ、また買える。命は買えない。後者は車両全体の浮力が大なので図27のように車両天井の上に回すロープ、その先のアンカー重量も大きい。こうすると車内に時間的余裕を持って入れ、シェルターにも入れる。日々のことであり煩雑であるが自動化など工夫次第で迅速性、安全度が増す。図23、24、25、26でシェルターを荷物と考えると、別途台座に上載したままで手間いらず、である。躯体の重量シェルターでは、天井高さは長さや幅に比べて小さく、中に避難した人は、内空高さ1mであれば座位、高さ0.75m、0.5mなら横臥状態となる。図28には、鉄製のシェルターを示す。薄い鉄板では、浮力に抗せない。7cmの厚い鉄板では不経済。鉄の船は浮力で浮かぶ、それほどに浮力は大きい。そこで、天井上に錘を上載するかコンクリートブロックに結んだロープを天井上に回しアンカーとし浮上時の引っ張り力を受け持つ換算重量として、躯体重量と合わせて浮力に勝る必要がある。津波が来るまで足は下面より下に伸ばしていれば楽。空気を吸う口は当然上にして、頂板、天井あたりに圧縮されて上昇し溜まった空気を吸う。台座上のシェルターは車を持たない人にも救いとなる。小学校の校庭におけば未来ある学童の多くが救われる。我々はそれを妨げてはならない。3Dプリンターによる製作も容易である。
(【0011】以降は省略されています)
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