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公開番号2025091435
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2023206556
出願日2023-12-07
発明の名称リサイクルフィルム及びその製造方法
出願人タキロンシーアイ株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類C08L 23/06 20060101AFI20250612BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】複雑な分別工程を経ずに回収された廃プラスチック混合物を用いたマテリアルリサイクルとしてのリサイクルフィルム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】リサイクルフィルムは、廃プラスチック混合物と、ポリエチレンと、相溶化剤とを含むリサイクルフィルムであり、前記廃プラスチック混合物は熱可塑性樹脂を主成分として含有し、前記相溶化剤は、アイオノマー樹脂及び無水マレイン酸変性ポリオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
廃プラスチック混合物と、ポリエチレンと、相溶化剤とを含むリサイクルフィルムであって、
前記廃プラスチック混合物は熱可塑性樹脂を主成分として含有し、
前記相溶化剤は、アイオノマー樹脂及び無水マレイン酸変性ポリオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含有することを特徴とするリサイクルフィルム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記廃プラスチック混合物は、ポリプロピレン、スチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリウレタン、紙パルプ及び炭酸成分からなる群より選択される少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1に記載のリサイクルフィルム。
【請求項3】
前記廃プラスチック混合物は、前記熱可塑性樹脂として、少なくともポリプロピレン及びスチレン系樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載のリサイクルフィルム。
【請求項4】
前記廃プラスチック混合物は吸収性物品からの回収物であることを特徴とする請求項1に記載のリサイクルフィルム。
【請求項5】
前記吸収性物品は使用済み品であることを特徴とする請求項4に記載のリサイクルフィルム。
【請求項6】
引張強度が11.8MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載のリサイクルフィルム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のリサイクルフィルムを用いたことを特徴とする物品。
【請求項8】
廃プラスチック混合物と、ポリエチレンと、相溶化剤とを含むリサイクルフィルムの製造方法であって、
前記廃プラスチック混合物と第1のポリエチレンと前記相溶化剤とを混錬しペレットを得るコンパウンド工程と、
前記ペレットと第2のポリエチレンとをドライブレンドした後にインフレーション成形するインフレーション工程とを含むことを特徴とするリサイクルフィルムの製造方法。
【請求項9】
廃プラスチック混合物と、ポリエチレンと、相溶化剤とを含むリサイクルフィルムの製造方法であって、
前記廃プラスチック混合物と第1のポリエチレンとを混錬したフラフ又はプレペレットを得る第1のコンパウンド工程と、
前記フラフ又はプレペレットと第2のポリエチレンとを混錬してペレットを得る第2のコンパウンド工程と、
前記ペレットと第3のポリエチレンとをドライブレンドした後にインフレーション成形するインフレーション工程とを含むことを特徴とするリサイクルフィルムの製造方法。
【請求項10】
前記コンパウンド工程を、高圧水蒸気の存在下及び/又は亜臨界状態の水の存在下で行うことを特徴とする請求項8又は9に記載のリサイクルフィルムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃プラスチック混合物を含有するリサイクルフィルム及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
使用済みの使い捨ておむつ等の吸収性物品については、高齢化に伴い廃棄処分量が増加する見込みであること、また高分子吸水材料により水分を多く含むことに起因して、ごみとして焼却処分する場合には時間を要し温室効果ガスの増加につながるおそれがある。そのため、吸収性物品の構成材料のリサイクル技術の開発が種々検討されている。
【0003】
ところで、吸収性物品の構成材料(主成分)は、高分子吸水材料、紙パルプ及びその他プラスチック(以下「廃プラスチック混合物」と称する)に大別される。この中で、高分子吸水材料及び紙パルプについてはリサイクルの目途がある程度たっており、残る廃プラスチック混合物のリサイクル技術の開発が望まれている。
【0004】
例えば、特許文献1には、屎尿を含む使用済み吸収性物品からパルプ繊維を分離し、再生パルプ繊維を得る第一の工程、パルプ繊維を分離した残りの吸収性物品の構成素材を、固形燃料化して、固形燃料を得る第二の工程、および第一の工程において発生した有機物を含む排水を微生物燃料電池に供給して、電力を得るとともに前記排水を浄化する第三の工程を含む、屎尿を含む使用済み吸収性物品のリサイクル方法が提案されている。
【0005】
また、特許文献2には、複数の前記使用済み吸収性物品を、少なくとも複数の前記フィルムと前記吸収体材料とに分離する材料分離工程と、分離された前記複数のフィルムを、フィラーの含有率に応じて複数の種類のリサイクル用フィルムに分別するフィルム分別工程と、分別された前記複数の種類のリサイクル用フィルムを用いて、前記フィラーの含有率に応じた複数の種類のリサイクル樹脂ペレットを形成するペレット形成工程と、を備える、リサイクル製品を製造する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018-089579号公報
特開2018-171780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のリサイクル方法では、屎尿を含む使用済み吸収性物品の処理率が90質量%以上であるものの、パルプ繊維を分離した残りの吸収性物品の構成素材(廃プラスチック混合物に相当)は、固形燃料としてサーマルリサイクルされており、物としてリサイクル(マテリアルリサイクル)されない。
【0008】
特許文献2に記載のリサイクル製品を製造する方法では、使用済み吸収性物品の吸収体材料と分離した複数のフィルム(廃プラスチック混合物に相当)を用いて、リサイクル樹脂ペレット及びリサイクルフィルムを形成するマテリアルリサイクルであるものの、そのためには複雑な分別工程を経る必要がある。また、当該方法では、比重による分別であるため、十分な分別がされず、フィルムの品質の確保が難しい。また、比重による分別は通常、水を使用するため、リサイクルの際は十分に乾燥をする必要がある。
【0009】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、複雑な分別工程を経ずに回収された廃プラスチック混合物を用いたマテリアルリサイクルとしてのリサイクルフィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、特定の相溶化剤を用いることで、複雑な分別工程を経ずに(固形燃料としての分別レベルで)、吸収性物品を構成する紙パルプ及び高分子吸水材料と分別され、回収された廃プラスチック混合物(及びポリエチレンを混合した樹脂混合物)を用いて、フィルムを成形できる(マテリアルリサイクルができる)ことを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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