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公開番号
2025090158
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-17
出願番号
2023205213
出願日
2023-12-05
発明の名称
制御装置、制御方法、及びプログラム
出願人
日本電気株式会社
代理人
個人
主分類
H04B
7/08 20060101AFI20250610BHJP(電気通信技術)
要約
【課題】チャネル変動が大きい環境においてもビームフォーミングの性能劣化を抑制する。
【解決手段】制御装置は、推定チャネル行列を用いてビームフォーミングウェイトを生成する1つ又は複数のウェイト生成方法に基づき、前記1つ又は複数のウェイト生成方法にそれぞれ対応する1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイトを生成し、チャネル行列に基づかない1つ又は複数の他のウェイト生成方法に基づいて、前記1つ又は複数の他のウェイト生成方法にそれぞれ対応する1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトを生成し、前記推定チャネル行列と実際のチャネル行列との誤差に関する指標値を算出し、前記指標値に基づき、前記1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイト及び前記1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトの一部又は全部を、使用対象ウェイト候補として選択する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
参照信号に基づいて推定されたチャネル行列を受け取り、前記推定されたチャネル行列を用いてビームフォーミングウェイトを生成する1つ又は複数のウェイト生成方法に基づいて、前記1つ又は複数のウェイト生成方法にそれぞれ対応する1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイトを生成し、DFT(Discrete Fourier Transform)ビームフォーミング及び離散角度ビームフォーミングの少なくとも1つを含み且つチャネル行列に基づかない、1つ又は複数の他のウェイト生成方法に基づいて、前記1つ又は複数の他のウェイト生成方法にそれぞれ対応する1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトを生成する、ウェイト生成部と、
前記推定されたチャネル行列と実際のチャネル行列との誤差に関する指標値を算出する算出部と、
前記指標値に基づいて、前記1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイト及び前記1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトの一部又は全部を、使用対象候補であるウェイト候補として選択するウェイト決定部と、
を具備する制御装置。
続きを表示(約 2,100 文字)
【請求項2】
前記算出部は、前記誤差に関する少なくとも1つの評価値に基づいて、前記指標値を算出し、
前記少なくとも1つの評価値は、前記参照信号が受信された時刻からウェイト生成基準タイミングまでの経過時間に応じた値と、一方が前記参照信号を送信し他方が前記参照信号を受信する第1無線装置と第2無線装置との間の通信スループットと、前記第1無線装置と前記第2無線装置との間で伝送されたデータの受信品質とのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記経過時間と前記推定されたチャネル行列の時間相関との積を前記指標値として算出する、
請求項2記載の制御装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記経過時間と前記推定されたチャネル行列に含まれる素波の数との積を前記指標値として算出する、
請求項2記載の制御装置。
【請求項5】
前記ウェイト決定部は、前記指標値に基づいて、前記1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイト及び前記1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトのうちの1つのビームフォーミングウェイトを、前記ウェイト候補として選択し、前記ウェイト候補を使用対象ビームフォーミングウェイトとして決定する、
請求項2から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記ウェイト決定部は、少なくとも1つの閾値によって分けられる2つ以上の数値範囲と各数値範囲に応じたビームフォーミングウェイト種別との対応関係と前記指標値とに基づいて、前記対応関係にて前記指標値を含む数値範囲に対応するビームフォーミングウェイト種別のビームフォーミングウェイトを、前記ウェイト候補として選択する、
請求項5記載の制御装置。
【請求項7】
前記ウェイト決定部は、
前記指標値が閾値より小さい場合、前記1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイトのうちの1つを、前記ウェイト候補として選択し、
前記指標値が閾値より大きい場合、前記1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトのうちの1つを、前記ウェイト候補として選択する、
請求項6記載の制御装置。
【請求項8】
前記ウェイト決定部は、機械学習モデルを含み、
前記機械学習モデルは、前記指標値を受け取り、前記ウェイト候補を出力する、
請求項5記載の制御装置。
【請求項9】
制御装置によって実行される制御方法であって、
参照信号に基づいて推定されたチャネル行列を受け取り、前記推定されたチャネル行列を用いてビームフォーミングウェイトを生成する1つ又は複数のウェイト生成方法に基づいて、前記1つ又は複数のウェイト生成方法にそれぞれ対応する1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイトを生成し、DFT(Discrete Fourier Transform)ビームフォーミング及び離散角度ビームフォーミングの少なくとも1つを含み且つチャネル行列に基づかない、1つ又は複数の他のウェイト生成方法に基づいて、前記1つ又は複数の他のウェイト生成方法にそれぞれ対応する1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトを生成することと、
前記推定されたチャネル行列と実際のチャネル行列との誤差に関する指標値を算出することと、
前記指標値に基づいて、前記1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイト及び前記1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトの一部又は全部を、使用対象候補であるウェイト候補として選択することと、
を含む制御方法。
【請求項10】
参照信号に基づいて推定されたチャネル行列を受け取り、前記推定されたチャネル行列を用いてビームフォーミングウェイトを生成する1つ又は複数のウェイト生成方法に基づいて、前記1つ又は複数のウェイト生成方法にそれぞれ対応する1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイトを生成し、DFT(Discrete Fourier Transform)ビームフォーミング及び離散角度ビームフォーミングの少なくとも1つを含み且つチャネル行列に基づかない、1つ又は複数の他のウェイト生成方法に基づいて、前記1つ又は複数の他のウェイト生成方法にそれぞれ対応する1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトを生成することと、
前記推定されたチャネル行列と実際のチャネル行列との誤差に関する指標値を算出することと、
前記指標値に基づいて、前記1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイト及び前記1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトの一部又は全部を、使用対象候補であるウェイト候補として選択することと、
を含む処理を、制御装置に実行させるプログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
大容量通信を実現させる手法として、多数のアンテナを有する基地局がユーザ(無線端末)との間で無線通信を行う、大規模MIMO(Multi-Input Multi-Output)が知られている。大規模MIMOは、massive MIMOとも呼ばれる。大規模MIMOは、例えば、第5世代移動通信(5G)システム等のマルチプルアクセス・セルラーシステムの上り回線(アップリンク)および下り回線(ダウンリンク)に使用され得る。大規模MIMOの基地局は、通信相手のユーザに合わせてビームフォーミング(BF: Beamforming)を行う。このとき、ビームフォーミングウェイトは、あらかじめ定められた特定の方向にビームの指向性を向けることができる。他のビームフォーミングウェイトは、基地局からユーザへ、または、ユーザから基地局へ送信された参照信号に基づいて推定された、ユーザと基地局との間のチャネル応答(Channel response)に基づいて生成することができる。この他のビームフォーミングウェイトによるビームフォーミングは、一般に、上記の特定の方向にビーム指向性を持つビームフォーミングよりも高い性能が得られる。しかしながら、チャネルが時間・周波数方向に変動する場合には、参照信号を伝送した時刻・周波数でのチャネル応答とビームフォーミングを用いて実際に送受信する時刻・周波数でのチャネル応答との差異によって、ビームフォーミングの性能が劣化することが知られている。
【0003】
このチャネル変動によるビームフォーミング性能の劣化抑制技術として、チャネル予測技術が知られている(非特許文献1)。このチャネル予測技術は、時間領域の変動に対しては、過去のチャネル推定値と最新のチャネル推定値とを用いて、最新の推定時刻よりも未来の時刻におけるチャネル応答を予測する。各時刻におけるチャネル推定値に対して、素波(elementary wave)ごとの遅延時間及び複素振幅を抽出し、複数の時刻間で同じ遅延時間を有する素波の複素振幅の変化を外挿することによって、その素波の未来の複素振幅を予測し、予測した素波を合成することで、未来のチャネル応答を予測する。素波は、マルチパス成分に対応する。予測したチャネル応答に基づいてビームフォーミングウェイトを決定することによって、時間的に変動するチャネルに対して追従したビームフォーミングが可能となる。この結果として、ビームフォーミングの性能劣化を抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Y. Takano, Y. Ogawa, T. Nishimura, T. Ohgane, J. Hagiwara, “Channel Prediction of Wideband OFDM Systems in a Millimeter-Wave Band Using Delay-Domain Multipath Detection,” 2020 International Workshop on Antenna Technology (iWAT), pp. 1-4, 2020.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、チャネルの変動が大きい通信環境では、非特許文献1のチャネル予測技術による予測精度が低下する可能性がある。このため、予測したチャネル状態と実際のチャネル状態との誤差が大きくなり、ビームフォーミングの性能が劣化する可能性がある。
【0006】
本開示の目的は、チャネル変動が大きい環境においてもビームフォーミングの性能劣化を抑制できる、制御装置、制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様では、制御装置は、
参照信号に基づいて推定されたチャネル行列を受け取り、前記推定されたチャネル行列を用いてビームフォーミングウェイトを生成する1つ又は複数のウェイト生成方法に基づいて、前記1つ又は複数のウェイト生成方法にそれぞれ対応する1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイトを生成し、DFT(Discrete Fourier Transform)ビームフォーミング及び離散角度ビームフォーミングの少なくとも1つを含み且つチャネル行列に基づかない、1つ又は複数の他のウェイト生成方法に基づいて、前記1つ又は複数の他のウェイト生成方法にそれぞれ対応する1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトを生成する、ウェイト生成部と、
前記推定されたチャネル行列と実際のチャネル行列との誤差に関する指標値を算出する算出部と、
前記指標値に基づいて、前記1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイト及び前記1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトの一部又は全部を、使用対象候補であるウェイト候補として選択するウェイト決定部と、
を具備する。
【0008】
他の態様では、制御装置によって実行される制御方法は、
参照信号に基づいて推定されたチャネル行列を受け取り、前記推定されたチャネル行列を用いてビームフォーミングウェイトを生成する1つ又は複数のウェイト生成方法に基づいて、前記1つ又は複数のウェイト生成方法にそれぞれ対応する1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイトを生成し、DFT(Discrete Fourier Transform)ビームフォーミング及び離散角度ビームフォーミングの少なくとも1つを含み且つチャネル行列に基づかない、1つ又は複数の他のウェイト生成方法に基づいて、前記1つ又は複数の他のウェイト生成方法にそれぞれ対応する1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトを生成することと、
前記推定されたチャネル行列と実際のチャネル行列との誤差に関する指標値を算出することと、
前記指標値に基づいて、前記1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイト及び前記1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトの一部又は全部を、使用対象候補であるウェイト候補として選択することと、
を含む。
【0009】
他の態様では、プログラムは、
参照信号に基づいて推定されたチャネル行列を受け取り、前記推定されたチャネル行列を用いてビームフォーミングウェイトを生成する1つ又は複数のウェイト生成方法に基づいて、前記1つ又は複数のウェイト生成方法にそれぞれ対応する1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイトを生成し、DFT(Discrete Fourier Transform)ビームフォーミング及び離散角度ビームフォーミングの少なくとも1つを含み且つチャネル行列に基づかない、1つ又は複数の他のウェイト生成方法に基づいて、前記1つ又は複数の他のウェイト生成方法にそれぞれ対応する1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトを生成することと、
前記推定されたチャネル行列と実際のチャネル行列との誤差に関する指標値を算出することと、
前記指標値に基づいて、前記1つ又は複数のチャネル依存ビームフォーミングウェイト及び前記1つ又は複数のチャネル非依存ビームフォーミングウェイトの一部又は全部を、使用対象候補であるウェイト候補として選択することと、
を含む処理を、制御装置に実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、チャネル変動が大きい環境においてもビームフォーミングの性能劣化を抑制できる、制御装置、制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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