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公開番号
2025089827
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-16
出願番号
2023204728
出願日
2023-12-04
発明の名称
ポリアセタール共重合体の製造方法
出願人
ポリプラスチックス株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08G
2/10 20060101AFI20250609BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】プロトン酸を重合触媒として使用してポリアセタール共重合体を製造する場合であっても、色相及び熱安定性に優れるポリアセタール共重合体が得られる、ポリアセタール共重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】主モノマー(a)としてトリオキサンと、コモノマー(b)としてトリオキサンと共重合し得る化合物とを、重合触媒(c)としてプロトン酸を使用して共重合し、粗ポリアセタール共重合体を得る工程、粗ポリアセタール共重合体と、環に酸素原子を含む環状化合物(d)とを混合して混合物を得る工程、及び混合物に、所定の塩基性化合物(e)を添加しつつ、押出機に投入して溶融混練を行う工程、を含む、ポリアセタール共重合体の製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
主モノマー(a)としてトリオキサンと、コモノマー(b)として前記トリオキサンと共重合し得る化合物とを、重合触媒(c)としてプロトン酸を使用して共重合し、粗ポリアセタール共重合体を得る工程、
前記粗ポリアセタール共重合体と、環に酸素原子を含む環状化合物(d)とを混合して混合物を得る工程、及び
前記混合物に、塩基性化合物(e)として、アルカリ金属元素又は第2族元素(Beを除く。)の炭酸塩、炭酸水素塩若しくはカルボン酸塩、又は10g/L水溶液のpHが10以上の窒素含有有機化合物を添加しつつ、押出機に投入して溶融混練を行う工程、を含む、ポリアセタール共重合体の製造方法。
続きを表示(約 980 文字)
【請求項2】
前記環状化合物(d)が、環状エーテル又は環状ホルマールである、請求項1に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
【請求項3】
前記環状化合物(d)が、1,3-ジオキソラン又はテトラヒドロフランである、請求項1又は2に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
【請求項4】
前記重合触媒(c)として、下記一般式(1)で表されるヘテロポリ酸を使用する、請求項1又は2に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
H
m
[M
1
x
・M
2
y
O
Z
]・nH
2
O ・・・一般式(1)
〔一般式(1)中、M
1
はP、Si、B及びGeより選択される元素からなる中心元素を表す。M
2
はW、Mo及びVより選択される1種以上の配位元素を表す。xは1以上10以下の整数を示し、yは6以上40以下の整数を表し、zは10以上100以下の整数を表し、mは1以上の整数を表し、nは0以上50以下の整数を表す。〕
【請求項5】
前記ヘテロポリ酸が、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイモリブドタングステン酸、及びケイモリブドタングストバナジン酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
【請求項6】
前記アルカリ金属元素又は第2族元素(Beを除く。)の炭酸塩、炭酸水素塩若しくはカルボン酸塩又はその水和物が、アルカリ金属元素の炭酸塩、炭酸水素塩若しくはカルボン酸塩又はその水和物である、請求項1又は2に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
【請求項7】
前記コモノマー(b)が、1,3-ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4-ブタンジオールホルマール、1,3-ジオキサン、及びエチレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアセタール共重合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリアセタール共重合体は、機械的性質、耐薬品性、摺動性等のバランスに優れ、かつ、その加工が容易であることにより、エンジニアリングプラスチックとして、電気・電子部品、自動車部品その他の各種機械部品を中心として広く利用されている。
【0003】
ポリアセタール共重合体は、トリオキサンを主モノマーとし、該トリオキサンと共重合し得る化合物をコモノマーとして共重合する共重合体(コポリマー)である。そして、ポリアセタール共重合体(コポリマー)の製造方法として、トリオキサンを主モノマーとし、少なくとも一つの炭素-炭素結合を有する環状エーテル及び/又は環状ホルマールをコモノマーとするカチオン共重合が知られている。共重合に用いるカチオン活性触媒としては、中でも三フッ化ホウ素、又は三フッ化ホウ素と有機化合物、例えばエーテル類との配位化合物は、トリオキサンを主モノマーとする重合触媒として最も一般的であり、工業的にも広く用いられている。
【0004】
しかし、三フッ化ホウ素系化合物等の一般に使用される重合触媒では、重合に比較的多量(例えば全モノマーに対し40ppm又はそれ以上)の触媒を必要とする。そのため、重合後の触媒失活処理を十分に行い難く、また、失活化させたとしても触媒に由来する物質が共重合体中に残存し、共重合体の分解が促進される等の問題が生じる場合がある。また、重合収率は低く未反応モノマーが数%から数十%残っている。そのため触媒の失活はトリエチルアミン等の塩基性化合物を含む多量の高温水溶液中で処理するのが一般的であり、その際に未反応のモノマーは処理液中に溶出する。触媒失活後に共重合体を未反応モノマーが溶解した処理液と分離洗浄した後に乾燥する工程等、煩雑な工程を必要とするものであり、経済的にも課題を含むものであった。
【0005】
一方、上記のようにして失活した後の重合生成物には、熱的に不安定な末端が存在する。そのため、トリエチルアミン水溶液などを用いた末端の不安定部分を加水分解することによる精製安定化処理が必要であり、その分、工数が増え、コスト増加の原因にもなる。
【0006】
そこで、上記のような問題を解決するため、重合触媒としてヘテロポリ酸又はその酸性塩を使用することが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平1-170610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のように、重合触媒としてヘテロポリ酸等のプロトン酸又はその酸性塩を使用してポリアセタール共重合体を製造することにより、上記諸問題を解決することができ、一定の成果が得られた。しかし、そのようなポリアセタール共重合体を製造においては、成形時の流動性の低下及びそれに由来する成形品の外観不良等問題があり、改善の余地が残されていた。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その課題は、プロトン酸を重合触媒として使用してポリアセタール共重合体を製造する場合であっても、成形時の流動性及び成形品の表面性に優れる、ポリアセタール共重合体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、共重合後の粗ポリアセタール共重合体に環に酸素原子を含む環状化合物の溶液を混合することにより、プロトン酸を重合触媒で使用する際の長所である重合収率の良さを保ちつつ、成形時の流動性低下及び成形品の外観不良を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
前記課題を解決する本発明の一態様は以下の通りである。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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