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公開番号
2025088722
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-11
出願番号
2024179579
出願日
2024-10-15
発明の名称
測定機器、計測システム、計測方法および計測プログラム
出願人
株式会社小野測器
代理人
弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類
G01H
9/00 20060101AFI20250604BHJP(測定;試験)
要約
【課題】計測データの削減を図りつつ、元の信号の復元率を高くする。
【解決手段】時間的に変化する被測定信号a(t)を前処理する前処理部40と、前処理部40が前処理した前処理信号s(t)を第1ランダム行列Φに基づいて、ランダムに測定するランダム測定部1とを備え、前処理部40は、被測定信号a(t)を特定周波数だけ下側に周波数シフトした信号に対してダウンサンプリングする。また、ランダムに測定したランダム測定値をベクトル表現したランダム測定ベクトルyをランダム測定部1から受信する受信部55と、ランダム測定ベクトルyを、第1ランダム行列Φと基底ベクトル{Ψ
i
}を列とするn×nの直交基底行列ψとその係数xとの積Φψxで表現したとき、正則化係数λ0として、直交基底行列ψの係数x={x
i
}を推定する推定部61と、を有する計測演算装置を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
時間的に変化する被測定信号を前処理する前処理部と、
前記前処理部が前処理した前処理信号を所定の第1ランダム行列Φに基づいて、ランダムに測定するランダム測定部とを備え、
前記前処理部は、前記被測定信号を特定周波数だけ下側に周波数シフトした信号に対してダウンサンプリングする
ことを特徴とする測定機器。
続きを表示(約 2,600 文字)
【請求項2】
前記前処理部は、前記被測定信号を所定の帯域幅で通過させるバンドパスフィルタと、該バンドパスフィルタの出力信号を特定周波数だけ上下に周波数シフトさせる乗算器と、該乗算器の出力信号の下側周波数の信号成分のみ通過させるLPFと、該LPFの出力信号をダウンサンプリングするダウンサンプリング部とを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の測定機器。
【請求項3】
回転機器の回転位置または回転速度の情報を取得する回転情報取得部をさらに備え、
前記ランダム測定部は、前記回転位置または前記回転速度に同期してランダムに測定する
ことを特徴とする請求項2に記載の測定機器。
【請求項4】
時間的に変化する被測定信号を前処理する前処理部と、該前処理部が前処理した前処理信号を所定の第1ランダム行列Φに基づいて、ランダムに測定するランダム測定部と、前記ランダムに測定したランダム測定値をベクトル表現したランダム測定ベクトルyと前記第1ランダム行列Φとを計測演算装置に送信する送信部とを備え、前記前処理部は、前記被測定信号を特定周波数だけ下側に周波数シフトした信号に対してダウンサンプリングする測定機器と、
前記ランダム測定ベクトルyを前記測定機器から受信する受信部と、前記ランダム測定ベクトルyを、前記第1ランダム行列Φと基底ベクトル{Ψ
i
}を列とするn×nの直交基底行列ψとその係数xとの積Φψxで表現したとき、正則化係数λ0として、式(1)、式(2)で定義した式(3)が最小となるように、直交基底行列ψの係数x={x
i
}を推定する推定部と、を有する計測演算装置と、
を通信可能に接続した計測システム。
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【請求項5】
前記推定部が係数xを推定する前の第1期間に、予め、前記ランダム測定ベクトルyおよび任意の第2ランダム行列に基づいて、最も誤差が少ない正則化係数λにおける交差検証の標準偏差以内で最大値になるように、前記正則化係数λ0を事前決定する正則化係数設定部と、
前記第2ランダム行列を、前記第1ランダム行列Φとして前記測定機器に設定させる設定部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の計測システム。
【請求項6】
前記第1期間で測定する被測定信号は、計測用センサで測定する信号であり、
前記第1期間の後の第2期間に、前記ランダム測定部がランダムに測定する被測定信号は、前記計測用センサよりも周波数特性が悪い汎用センサで測定するものであり、
前記第2期間に、前記ランダム測定部が出力するランダム測定ベクトルyを前記汎用センサの周波数特性で補正する周波数補正部をさらに備え、
前記推定部は、前記第2期間、前記周波数補正部の出力データを用いて、前記直交基底行列ψの係数x={xi}を推定する
ことを特徴とする請求項5に記載の計測システム。
【請求項7】
前記第1ランダム行列Φは、前記被測定信号をランダムに間引いたことを示す行列であり、
最も誤差が少ない正則化係数λにおける交差検証の標準偏差以内で最大値になる前記正則化係数λ0を決定する正則化係数設定部をさらに備える
ことを特徴とする請求項4に記載の計測システム。
【請求項8】
時間的に変化する被測定信号を所定のサンプリング周波数で、第1期間に逐次測定する逐次測定部と、
前記逐次測定部で測定した離散時間信号を離散フーリエ変換し、フーリエ係数を出力するDFT演算部と、
前記被測定信号または前記離散時間信号を前処理する前処理部と、
前記前処理部が前処理した前処理信号を用いて、所定の第1ランダム行列Φでランダムに測定または選択した第1ランダム測定値を出力するランダム測定値出力部と、
前記第1ランダム測定値をベクトル表現した第1ランダム測定ベクトルy1を、前記第1ランダム行列Φと基底ベクトル{Ψ
i
}を列とするn×nの直交基底行列ψとその係数xとの積Φψxで表現し、正則化係数λ0としたとき、式(4)、式(5)で定義した式(6)が最小となるように、直交基底行列ψの係数x={x
i
}を推定する推定部と、
前記第1ランダム測定ベクトルy1および前記第1ランダム行列Φに基づいて、最も誤差が少ない正則化係数λにおける交差検証の標準偏差以内で最大値になる前記正則化係数λ0を決定する正則化係数設定部とを有し、
前記前処理部は、前記被測定信号を特定周波数だけ下側に周波数シフトした信号に対してダウンサンプリングするものであり、
前記誤差は、前記推定部で推定した係数xと前記フーリエ係数とを用いて演算した、前記離散時間信号と前記第1ランダム測定値とのパワーの差分であり、
前記差分が所定範囲内である
ことを特徴とする計測システム。
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【請求項9】
前記パワーの差分は、前記係数xと前記フーリエ係数との差の二乗和である
ことを特徴とする請求項8に記載の計測システム。
【請求項10】
前記パワーの差分は、前記係数xを用いて演算したパワーと、前記フーリエ係数を用いて演算したパワーとの差分である
ことを特徴とする請求項8に記載の計測システム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定機器、計測システム、計測方法および計測プログラムに関し、例えば、超音波ホーンの振動を評価する測定機器に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
超音波ホーンや回転機器等の振動機器は、材料や構造により共振点を有する。スペクトル分布で共振特性を評価することが多い。また、これらの振動機器は、材料の欠陥、疲労や経年変化などにより必然的に故障する。故障が生じると、機器のダウンタイムにつながり、経済的損失が生まれてしまう。そのため、回転機器の故障診断を行い、健康な状態に保つことが重要となる。振動機器の振動評価や故障診断は様々なセンシング方法により行われている。
【0003】
例えば、非特許文献1には、圧縮センシング技術と、計測開始時間をランダムとして一定周波数での計測する手法(Random Start Uniform Sampling Method,以降RSUSM)とを組み合わせた技術が開示されている。圧縮センシング理論は、計測データがある基底(例えば、フーリエ基底)に対してスパース性を有すること、基底がインコヒーレントであること(Random sampling を行うこと)という条件を満たすなら、通常必要とされるよりもはるかに少ない測定データから信号を正確に復元することができる技術である。これにより、非特許文献1の技術では、モニタリングに必要な計測データを削減している。
また、特許文献1には、センサにIDを振り、サーバシステムで集中管理をしつつ、状況に合わせて温度補整や直線性を補整処理する計測データ提供サービスシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
加藤由幹,“サブナイキストサンプリングと圧縮センシングを用いたプロペラの故障診断”,日本機械学会第19回評価・診断に関するシンポジウム,2021年12月2-3日(開催日)
【特許文献】
【0005】
特許第6252669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1で使用している圧縮センシング理論は、計測データがフーリエ基底に対してスパース性を有することが必要である。しかしながら、周波数スペクトルが広がってしまい(つまり、スパース性が低い)、必要な精度で元の信号を復元することができないことがある。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、計測データの削減を図りつつ、元の信号の復元率を高くすることができる測定機器、計測システム、計測方法および計測プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
時間的に変化する被測定信号を前処理する前処理部と、前記前処理部が前処理した前処理信号を所定の第1ランダム行列Φに基づいて、ランダムに測定する測定部とを備え、前記前処理部は、前記被測定信号を特定周波数だけ下側に周波数シフトした信号に対してダウンサンプリングすることを特徴とする測定機器。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、計測データの削減を図りつつ、元の信号の復元率を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の第1実施形態である計測システムの構成図である。
本発明の第1実施形態で使用される測定対象を評価する評価対象設備を示す構成図である。
本発明の第1実施形態である計測システムで使用される前処理部の構成図である。
前処理部における各部の波形の一例を示す図である。
パラメータ設定期間(第1期間T1)とパラメータ設定後の計測期間(第2期間T2)との関係を説明するための図である。
本発明の第1実施形態である計測システムの動作を説明するためのフローチャートである。
本発明の第2実施形態である計測システムの構成図である。
本発明の第2実施形態である計測システムの動作を説明するためのフローチャートである。
本発明の第2実施形態である計測システムで計測した周波数スペクトルを示す図である。
本発明の第3実施形態である計測システムの構成図である。
本発明の第4実施形態である計測システムの構成図である。
本発明の第5実施形態である計測システムの構成図である。
本発明の第5実施形態で使用される測定対象を評価する評価対象設備を示す構成図である。
回転速度の高低による測定信号の差異を説明するための図である。
被測定信号の時間変化を示す図である。
回転機器の回転位相の時間変化を示す図である。
測定信号と回転位相との関係を示す図である。
本発明の第6実施形態の計測システムの構成図である。
計測用マイク、高周波計測用マイクおよびMEMS製の汎用マイクの周波数特性を示す図である。
本発明の第7実施形態である計測システムの構成図である。
本発明の比較例である計測システムの構成図である。
本発明の変形例である計測システムで使用される前処理部の構成図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
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