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公開番号2025088717
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2024166385
出願日2024-09-25
発明の名称自立型包装袋の製造方法、当該自立型包装袋の製造に用いられるシール部材及び当該自立型包装袋の製造方法により製造された自立型包装袋
出願人株式会社細川洋行
代理人弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類B31B 70/64 20170101AFI20250604BHJP(紙,板紙または紙と同様の方法で加工される材料からなる物品の製造;紙,板紙または紙と同様の方法で加工される材料の加工)
要約【課題】段差部付近のシールを確実に十分に行うことができ、段差部の外観に優れ、内容物の漏れの発生を防ぐことができる、フィルムの重なりに基づく段差部を有する自立型包装袋及び製造方法を提供する。
【解決手段】一対の平面部11と、下部に逆V字形状に2つ折りされた底面部12から構成され、側部シール部22と底面部シール部21を有し、前記一対の平面部11が重なる2層部TLと、前記一対の平面部11と前記底面部12とが重なる4層部FLとのフィルムの重なりに基づく段差部31、32を有し、加熱加圧及び冷却を含む第1シール工程にて、段差部31,32の少なくとも一部を含む領域を未シール部25とする底面部シール部21を形成し、未シール部25を第2シール工程以降においてシールする、自立型包装袋の製造方法、当該製造方法で用いられるシール部材、当該製造方法で製造された自立型包装袋SPB。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
一対の平面部と、下部に逆V字形状に2つ折りした底面部から構成され、側部シール部と底面部シール部を有し、前記一対の平面部が重なる2層部と、前記一対の平面部と前記底面部とが重なる4層部とのフィルムの重なりに基づく段差部を有する自立型包装袋の製造方法であって、
第1シール工程にて、前記段差部の少なくとも一部を含む領域を未シール部としたまま加熱加圧し、その後冷却して前記底面部シール部を形成し、該未シール部を第2シール工程以降において加熱加圧及び冷却してシールすることを特徴とする、
前記自立型包装袋の製造方法。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記一対の平面部及び前記底面部は、ポリエステル系樹脂を含有する熱融着層を備えているフィルムからなる、請求項1に記載の自立型包装袋の製造方法。
【請求項3】
一対の平面部と、下部に逆V字形状に2つ折りした底面部から構成され、側部シール部と底面部シール部を有し、前記一対の平面部が重なる2層部と、前記一対の平面部と前記底面部とが重なる4層部とのフィルムの重なりに基づく段差部を有する自立型包装袋の製造方法に用いられるシール部材であって、
第1シール工程にて、前記段差部の少なくとも一部を含む領域を未シール部とする前記底面部シール部を形成するための加熱シール金型であることを特徴とする、
前記シール部材。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の自立型包装袋の製造方法により製造された自立型包装袋。
【請求項5】
一対の平面部と、下部に逆V字形状に2つ折りした底面部から構成され、側部シール部と底面部シール部を有し、前記一対の平面部が重なる2層部と、前記一対の平面部と前記底面部とが重なる4層部とのフィルムの重なりに基づく段差部を有し、
加熱加圧後に冷却する1組のシール治具を複数組有する製袋機を用いる、自立型包装袋の製造方法であって、
前記段差部には、最後の1組のシール治具でのみシールされる領域が存在することを特徴とする、
前記自立型包装袋の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自立型包装袋の製造方法、当該自立型包装袋の製造に用いられるシール部材及び当該自立型包装袋の製造方法により製造された自立型包装袋に関するものである。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
合成樹脂等のフィルム材料からなる包装袋は多く知られている。
このような包装袋を構成する積層体としては、最内層に熱融着が可能な合成樹脂からなるシール層を設けたものが知られている。このような積層体を用い、所望の領域を加熱加圧することで熱融着してシール部を形成し、袋状として包装袋が形成されている。
【0003】
包装袋に自立性を持った、図12に示す従来自立型包装袋SPB-Cが知られている。図12に示す従来自立型包装袋SPB-Cは、一対の平面部11の下部に逆V字状に2つ折りされた底面部12を有し、従来底面部シール部21Cと平面部の両側部の側部シール部22を形成することで包装袋とされたものである。
【0004】
従来自立型包装袋SPB-Cは、平面部11の両側部に側部シール部22を有している。また、下部には、船形の従来底面部シール部21Cを有しており、側部シール部22、従来底面部シール部21Cにより平面部11と底面部12が接合されている。
図12に示す従来自立型包装袋SPB-Cは、図13(a)に示すように、1対の平面部形成用フィルム11の下部に逆V字状に2つ折りされた底面部形成用フィルム12を配置し、図13(b)に示すように、平面部形成用フィルム11の2枚のフィルムの下部に底面部形成用フィルム12を挟み込み、図13(c)に示すように、最初に従来底面部シール部21Cを形成し、図13(d)に示すように、両側部に側部シール部22を形成することで得ることができる。この際、逆V字状に2つ折りされた底面部形成用フィルム12の両端には切除部13が設けられており、側部シール部22において、一対の平面部11の最内層の融着層同士が切除部13を介してシールされている。
【0005】
また、これら各シール部は、それぞれ、加熱加圧後に冷却することを1組としたシール治具により形成される。なお、加熱加圧後に冷却を行うことなく、包装袋の全ての各部のシールを連続で加熱加圧し続けた場合、余熱にて必要ない箇所まで熱融着してしまう。このため、加熱加圧後には、冷却を施す必要がある。
【0006】
図12に示す従来自立型包装袋SPB-Cは、自立型包装袋の平面部11を構成する1対の平面部形成用フィルム11からなる2層部TLと、1対の平面部形成用フィルム11と、2つ折されて2重となった底面部形成用フィルム12からなる4層部FLがあり、2層部TLと4層部FLの境界が、フィルムの重なりに基づく段差部である。段差部には、底面部形成用フィルム折線14に起因する第1段差部31と、底面部形成用フィルム12に設けられた切除部13に起因する第2段差部32が存在する。図14は、従来自立型包装袋SPB-Cにおける2層部TLと4層部FLの境界に形成される第1段差部31の断面図である。
図12に示すように、側部シール部22及び従来底面部シール部21Cは、第1段差部31、第2段差部32を跨ぐシール部である。特に、第1段差部31において従来底面部シール部21Cは、側部シール部22と重なる段差部の全領域をシールしているが、段差部の厚み差によりシールバーからの圧力に差が生じるため、段差部付近の2層部TL側のシールが不十分となり、密着が不十分となる場合がある。その場合、この部分から内容物が漏れてしまうおそれがあった。特に従来底面部シール部21Cは、主に4層部FLをシールしているため、段差部付近において、より詳細には、図14に示す4層部FLと2層部TLの境界に形成される第1段差部31における2層部TL側において十分な圧力がかかりにくく、シールが不十分になりやすかった。なお、図12における26は、従来底面部シール部21Cの中の未シール部であり、従来底面部シール部21Cを全面シールした場合にしわが発生するのを防止するために設けた未シール部であり、従来底面部未シール部26である。
このような問題を解決するため、種々の提案がなされている。
【0007】
特許文献1には、2つ折りにされた底面シートを挟んで、一対の側面シートが積層された積層体を形成する積層工程と、積層体の側面シート及び底面シートを接着する接着工程とを備え、接着工程は、積層体の底面シートが位置する4層部分を加熱加圧して、下部接着部を接着する第1接着工程と、積層体の底面シートが位置しない2層部分を加熱加圧して側部接着部を接着する第2接着工程と、積層体の底面シートが位置しない2層部分における底面シートが位置する4層部分との境界部分を加熱加圧して、側部接着部における下部接着部との境界部分を接着する第3接着工程とを備える、包装袋の製造方法が開示されている。特許文献1は、液漏れが抑制された包装袋の製造方法を提供することを課題としている。
特許文献1において、最内層の熱融着層を形成する合成樹脂フィルムが融点を有する樹脂から構成されていれば、各シール工程においてそれぞれの加熱加圧後に冷却を行っても、融点以上に加熱するたびに樹脂が溶融するため、重点的に何度もシールを行うことで、強固なシールを確保することができる。包装袋として多用されているポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム製の包装袋は、このシール機構に基づくものである。
【0008】
一方、包装袋としては、シップ薬等の有効成分を内容物中に含有する医薬品や医薬部外品、香料や香辛料を内容物中に含有する食品及び化粧品等を封入する際に用いられる包装袋がある。このような包装袋は、内容物に含有される香料、香辛料又は有効成分の袋への吸着量を低減させ、内容物中の香料、香辛料又は有効成分の含有量を所望の値に維持する必要性が高く求められる。
このため、最内層の熱融着層として高い非吸着性を有する樹脂を用いた積層体により、包装袋が形成される場合がある。この熱融着層として用いる非吸着フィルムとして、特許文献2ではガラス転移点が70~90℃である非晶性のポリエステル共重合体からなる層が開示されている。これにより、優れた非吸着性とシール強度との両方を達成でき、かつ成膜が容易であるとされている。
【0009】
熱融着層を形成するフィルムとして、非晶性の高いポリエステル系樹脂を用いた包装袋の場合、融点以上まで加熱することでシールを行うことは可能である。しかしながら、ポリエステル系樹脂の融点は、250℃近傍と非常に高く、ポリエステル系樹脂の融点以上に加熱すると、隣接する層も溶融してしまい、包装袋を安定して製造することが困難であり、製造された包装袋に不具合が生じるおそれがあった。
このため、シール工程の加熱温度を、非晶性の高いポリエステル系樹脂の融点未満とすることで、軟化させて接着させる方法がある。
【0010】
この方法を用い、自立型包装袋を製造する場合、段差部のシール工程において、加熱加圧後に冷却を行った場合には、ポリエステル系樹脂の非晶性部分の結晶化が進んでしまい、次のシール工程にて再度加熱を行っても、結晶化した分子は非晶状態に戻ることなく高い結晶性を維持する。このため、加熱加圧及び冷却を含む最初のシール工程において、接着が不十分であった場合には、それ以降何度加熱加圧によるシールを行っても接着が不十分なままポリエステル分子の結晶化度が上がっていってしまい、十分な接着を行うことができず、特許文献1に記載の製造方法では強固なシールを確保できないおそれがある。
(【0011】以降は省略されています)

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