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公開番号
2025087857
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-10
出願番号
2025036281,2023085382
出願日
2025-03-07,2018-02-15
発明の名称
トランスフェリン受容体トランスジェニックモデル
出願人
デナリ セラピューティクス インコーポレイテッド
,
Denali Therapeutics Inc.
代理人
個人
,
個人
,
個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
15/62 20060101AFI20250603BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】キメラトランスフェリン受容体(TfR)ポリヌクレオチド、ポリペプチド、キメラTfRトランスジェニック動物モデル、及びその用途を提供する。
【解決手段】天然マウストランスフェリン結合部位と、特定のアミノ酸配列を有する異種頂端ドメインとを含むキメラトランスフェリン受容体(TfR)ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、並びにキメラTfRトランスジェニック動物モデル及び血液脳関門を通過できる治療薬を同定するために前記動物モデルを使用する方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
発明の詳細な説明
【背景技術】
【0001】
発明の背景
血液脳関門(BBB)は、末梢から脳へのほとんどの高分子の移行を阻止するため、脳への曝露が必要とされる大分子治療薬の使用を制限する。トランスフェリン受容体(TfR)は、BBBで高度に発現され、受容体媒介性トランスサイトーシスを介してBBBを通過させて上述のような治療薬を輸送するために使用することができる。潜在的な治療薬がBBBを通過する能力を評価する目的で、マウスTfRが完全長のヒトTfR cDNAに置換されたマウスモデルが以前に開発された。しかしながら、これらのトランスジェニックマウスは不健康であり、異常に高いTfR発現、少ない赤血球数、及び高い血清鉄濃度を示した。Yu et al.,Science Trans.Med.,6(261):261ra154(2014)(非特許文献1)。結果として、これらの既存のマウスモデルは、脳疾患を治療するためにBBBを通過することができる治療薬を評価するためのツールとしての使用には適しておらず、内因性TfRの発現及び表現型をより呈するモデルが必要とされる。
続きを表示(約 4,300 文字)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0002】
Yu et al.,Science Trans.Med.,6(261):261ra154(2014)
【発明の概要】
【0003】
発明の簡単な概要
一態様では、本開示は、非ヒト哺乳動物トランスフェリン結合部位、及び配列番号1と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を有する異種頂端ドメインを含む、キメラトランスフェリン受容体(TfR)ポリペプチドをコードする核酸配列を含むポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、異種頂端ドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、異種頂端ドメインは、配列番号7、配列番号8、または配列番号9のアミノ酸配列を含む。
【0004】
いくつかの実施形態では、非ヒト哺乳動物トランスフェリン結合部位は、天然(例えば、TfRの膜貫通及び/または細胞内ドメインと同種由来)トランスフェリン結合部位であり、例えば、天然マウストランスフェリン結合部位である。いくつかの実施形態では、キメラTfRポリペプチドは、配列番号3との少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、または少なくとも85%、90%、または95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、キメラTfRポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キメラTfRポリペプチドの異種頂端ドメインをコードする核酸配列の領域は、配列番号2との少なくとも70%のヌクレオチド配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、キメラTfRポリペプチドの異種頂端ドメインをコードする核酸配列の領域は、配列番号2のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、キメラTfRをコードするポリヌクレオチドは、マウストランスフェリン受容体遺伝子のエクソンとイントロンとを含み、及び異種頂端ドメインをコードする核酸配列は、マウストランスフェリン受容体遺伝子の頂端結合ドメインに取って代わるようにマウストランスフェリン受容体遺伝子の第4のエクソンの後に配置されている。
【0005】
別の態様では、非ヒト哺乳動物トランスフェリン結合部位と、配列番号1と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を有する異種頂端ドメインとを含むキメラTfRポリペプチドが本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、キメラTfRポリペプチドは、天然頂端ドメインのみが異種頂端ドメインによって置換されている天然TfRポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、キメラTfRポリペプチドは、天然TfR結合部位と、例えば、頂端ドメインに加えて少なくとも1つのドメインまたはその領域が非天然アミノ酸配列を含む、天然TfR結合部位に対して異種である頂端結合ドメインとを含む。いくつかの実施形態では、異種頂端ドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、異種頂端ドメインは、配列番号7、配列番号8、または配列番号9のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キメラTfRは、配列番号3との少なくとも80%、90%、95%、または98%のアミノ酸配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、キメラTfRポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列を含む。
【0006】
さらなる態様では、上記のようなキメラトランスフェリン受容体を発現する宿主細胞が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、キメラトランスフェリン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、マウス細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞によって発現されるキメラTfRポリペプチドは、(a)TfRポリペプチドの内因性頂端ドメインに代わる異種頂端ドメインと、(b)内因性トランスフェリン結合部位とを含む。いくつかの実施形態では、異種頂端ドメインは、配列番号1と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、内因性TfRの頂端ドメインのみが異種頂端ドメインによって置換されているキメラTfRを発現する。いくつかの態様では、宿主細胞は、内因性TfR結合部位と、例えば、頂端ドメインに加えて少なくとも1つのドメインまたはその領域が非天然アミノ酸配列を含む、異種頂端ドメインとを含むキメラTfRを発現する。いくつかの実施形態では、異種頂端ドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞内の異種頂端ドメインをコードする核酸配列は、配列番号2のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、マウス細胞である。いくつかの実施形態では、細胞内の頂端ドメインをコードする核酸配列は、マウストランスフェリン受容体遺伝子の第4のエクソンの後に配置されている。いくつかの実施形態では、宿主細胞はエクスビボにある。いくつかの実施形態では、宿主細胞は胚性幹細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞のゲノムは、天然TfRの頂端ドメインの欠失を含む。
【0007】
さらなる態様では、本開示は、キメラTfRポリペプチドを発現する非ヒトトランスジェニック動物を提供し、キメラTfRポリペプチドは、非ヒトトランスジェニック動物にとって内因性であるTfRポリペプチドの頂端ドメインに取って代わる異種頂端ドメインを含む。いくつかの実施形態では、非ヒトトランスジェニック動物のゲノムは、非ヒトトランスジェニック動物の内因性TfRの頂端ドメインに代わる異種頂端ドメインをコードするトランスフェリン受容体遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、非ヒトトランスジェニック動物は、非ヒトトランスジェニック動物のTfRの天然ドメインに代わる異種頂端ドメインと、天然トランスフェリン結合部位とを含む、キメラTfRを発現する。いくつかの実施形態では、非ヒトトランスジェニック動物は、内因性トランスフェリン受容体の頂端ドメインのみが、異種頂端ドメインによって置換されているキメラトランスフェリン受容体を発現する。いくつかの実施形態では、非ヒトトランスジェニック動物は、内因性TfR結合部位と、例えば、頂端ドメインに加えて少なくとも1つのドメインまたはその領域が非天然アミノ酸配列を含む、内因性TfR結合部位に対して異種である頂端結合ドメインとを含むキメラTfRポリペプチドを発現する。いくつかの実施形態では、非ヒトトランスジェニック動物は、上記のような宿主細胞を含む。いくつかの実施形態では、トランスジェニック動物はげっ歯類である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック動物は、マウスまたはラットである。いくつかの実施形態では、トランスジェニック動物は、キメラTfRについてホモ接合性である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック動物は、キメラTfRについてヘテロ接合性である。
【0008】
別の態様では、キメラTfRに結合する頂端ドメイン結合ポリペプチド(ADBP)をスクリーニングする方法が本明細書に提供され、この方法は、候補ADBPを上記のキメラTfRポリペプチドと接触させるステップと、キメラTfRポリペプチドに結合する候補ADBPの量を決定するステップとを含む。いくつかの実施形態では、候補ADBPを、キメラTfRポリペプチドと接触させるステップは、ADBPを、キメラTfRポリペプチドを発現する宿主細胞と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、候補ADBPを、キメラTfRポリペプチドと接触させるステップは、ADBPを、キメラTfRポリペプチドを発現する内皮と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、内皮は血液脳関門内皮である。いくつかの実施形態では、キメラTfRポリペプチドに結合する候補ADBPの量は、イムノアッセイによって決定される。いくつかの実施形態では、キメラTfRポリペプチドに結合する候補ADBPの量は、表面プラズモン共鳴によって決定される。いくつかの実施形態では、接触させるステップは、インビボで実施される。いくつかの実施形態では、候補ADBPは、エフェクター分子と結合している。いくつかの実施形態では、エフェクター分子は、小分子、RNA、DNA、またはポリペプチドである。いくつかの実施形態では、エフェクター分子は、ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、抗体またはその抗原結合フラグメントである。
【0009】
さらに別の態様では、キメラTfRポリペプチドに結合するADBPの量を測定する方法が本明細書に提供され、この方法は、ADBPを上記に開示されたキメラTfRポリペプチドと接触させるステップと、キメラTfRポリペプチドに結合したADBPの量をイムノアッセイまたは表面プラズモン共鳴によって決定するステップとを含む。
【0010】
さらに別の態様では、血液脳関門を通過するADBPをスクリーニングする方法が本明細書に提供され、この方法は、(a)配列番号1との少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する頂端ドメインに結合するADBPを、本明細書に開示される非ヒトトランスジェニック動物に投与するステップと、(b)非ヒトトランスジェニック動物の脳内のADBPの存在または活性を測定するステップとを含む。いくつかの実施形態では、ADBPは、エフェクター分子と結合している。いくつかの実施形態では、エフェクター分子は、小分子、RNA、DNA、またはポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、抗体またはその抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態では、決定するステップは、定量的イムノアッセイを実施することを含む。いくつかの実施形態では、測定するステップは、脳内のエフェクター分子のレベルを決定するために、動物の脳または脳組織を、エフェクター分子に結合する薬剤と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、測定するステップは、エフェクター分子の薬力学的(PD)効果を測定することを含む。いくつかの実施形態では、エフェクター分子は、抗BACE1抗体またはその抗原結合フラグメントであり、測定するステップは、脳内の可溶性ABeta40のレベルを測定することを含む。いくつかの実施形態では、エフェクター分子は、脳内の標的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントである。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
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