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公開番号2025086206
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-06
出願番号2023200111
出願日2023-11-27
発明の名称メタン製造方法及びメタン製造システム
出願人東京瓦斯株式会社,国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C07C 1/12 20060101AFI20250530BHJP(有機化学)
要約【課題】メタン製造システムを高効率で動作維持可能に制御することを可能とする。
【解決手段】メタン製造方法は、供給された電気エネルギーを用いて水電解装置における水電解により水素を生成する工程と、生成された水素と、二酸化炭素とをメタン合成装置において反応させてメタンを合成し、メタンを合成する際に発生した反応熱を前記水電解装置に伝導させる工程と、前記水電解装置から自己発熱によって発生する余剰熱量と前記メタン合成装置から前記水電解装置に伝導した熱エネルギー量の合計が、前記水電解装置における水電解反応において必要となる熱エネルギー量と等しくなるように前記水電解装置に供給する電気エネルギー量を調整する工程と、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
供給された電気エネルギーを用いて水電解装置における水電解により水素を生成する工程と、
生成された水素と、二酸化炭素とをメタン合成装置において反応させてメタンを合成し、メタンを合成する際に発生した反応熱を前記水電解装置に伝導させる工程と、
前記水電解装置から自己発熱によって発生する余剰熱量と前記メタン合成装置から前記水電解装置に伝導した熱エネルギー量の合計が、前記水電解装置における水電解反応において必要となる熱エネルギー量と等しくなるように前記水電解装置に供給する電気エネルギー量を調整する工程と、
を備えたメタン製造方法。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記水電解装置に供給する電気エネルギー量を調整する工程では、前記水電解装置における温度に基づいて前記水電解装置における水電解反応において必要となる熱エネルギー量を算出し、前記メタン合成装置における温度に基づいて前記メタン合成装置から前記水電解装置に伝導した熱エネルギー量を算出する請求項1に記載のメタン製造方法。
【請求項3】
前記水電解装置に供給する電気エネルギー量を調整する工程では、
前記水電解装置における水電解反応において必要となる熱エネルギー量から、前記水電解装置から自己発熱によって発生する余剰熱量と、前記メタン合成装置から前記水電解装置に伝導する熱エネルギー量の両方を減じた値の絶対値が、所定値よりも大きい場合に、前記水電解装置に供給する電気エネルギー量を調整する請求項1に記載のメタン製造方法。
【請求項4】
前記水電解装置から自己発熱によって発生する余剰熱量は、前記水電解装置の自己発熱量と、前記水電解装置の保温に必要な熱エネルギー量と、の差により算出し、前記メタン合成装置から前記水電解装置に伝導した熱エネルギー量は、前記メタン合成装置の発熱量と、前記メタン合成装置の保温に必要な熱エネルギー量と、の差により算出する請求項1に記載のメタン製造方法。
【請求項5】
供給された電気エネルギーを用いて水電解により水素を生成する水電解装置と、
前記水電解装置において生成された水素と、二酸化炭素とを反応させてメタンを合成するメタン合成装置と、を備え、
前記水電解装置では、前記メタン合成装置においてメタンを合成する際に発生した反応熱を前記水電解装置に伝導させて、前記水電解装置から自己発熱によって発生する余剰熱量と前記メタン合成装置から前記水電解装置に伝導した熱エネルギー量の合計が、前記水電解装置における水電解反応において必要となる熱エネルギー量と等しくなるように前記水電解装置に供給する電気エネルギー量を調整するように制御する制御装置と、
を備えるメタン製造システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、メタン製造方法及びメタン製造システムに関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水電解部と、サバチエ反応部と、二酸化炭素供給部と、水素ガス供給部とを積層して一体化したメタン合成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-89713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メタン合成は発熱反応で、水電解は吸熱反応であるため、システム全体の効率を高めるためにメタン合成の際に発生した反応熱を利用して水電解を行うことがある(例えば特許文献1参照)。
【0005】
しかし、装置の経年変化、周囲環境の変化等により、水電解装置における吸熱量が変化したり、メタン合成の際の反応熱が変化すると、水電解装置が熱過剰・熱不足となってしまい、効率が悪くなってしまう場合がある。
【0006】
本開示は上記事実を考慮し、メタン製造システムを高効率で動作維持可能に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一態様は、供給された電気エネルギーを用いて水電解装置における水電解により水素を生成する工程と、生成された水素と、二酸化炭素とをメタン合成装置において反応させてメタンを合成し、メタンを合成する際に発生した反応熱を前記水電解装置に伝導させる工程と、前記水電解装置から自己発熱によって発生する余剰熱量と前記メタン合成装置から前記水電解装置に伝導した熱エネルギー量の合計が、前記水電解装置における水電解反応において必要となる熱エネルギー量と等しくなるように前記水電解装置に供給する電気エネルギー量を調整する工程と、を備えたメタン製造方法である。
【0008】
第一態様のメタン製造方法では、水電解装置から自己発熱によって発生する余剰熱量とメタン合成装置から水電解装置に伝導した熱エネルギー量の合計が、水電解装置における水電解反応において必要となる熱エネルギー量と等しくなるように水電解装置に供給する電気エネルギー量を調整するので、水電解装置に供給する電気エネルギー量を一定にした場合と比較して、水電解装置が熱過剰・熱不足となることを抑制することが可能となる。これにより、メタン製造システムを高効率で動作維持可能に制御することが可能となる。
【0009】
第二態様は、第一態様において、前記水電解装置に供給する電気エネルギー量を調整する工程では、前記水電解装置における温度に基づいて前記水電解装置における水電解反応において必要となる熱エネルギー量を算出し、前記メタン合成装置における温度に基づいて前記メタン合成装置から前記水電解装置に伝導した熱エネルギー量を算出する。
【0010】
これにより、水電解装置における温度と、メタン合成装置における温度に応じて、水電解装置に供給する電気エネルギー量を調整することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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