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公開番号2025085409
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-05
出願番号2023199268
出願日2023-11-24
発明の名称安定化された農薬粒剤
出願人北興化学工業株式会社
代理人弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類A01N 25/12 20060101AFI20250529BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】散布性、効果、保存性が安定化された農薬粒剤を提供することである。
【解決手段】(a)農薬活性成分、(b)鹸化度60~100モル%のポリビニルアルコール、(c)pKa4以下のブレンステッド酸、(d)膨潤力試験(JBAS-104-77)における膨潤度が2~5mL/2gの含水層状ケイ酸塩鉱物からなる農薬粒剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(a)農薬活性成分、(b)鹸化度60~100モル%のポリビニルアルコール、(c)pKa4以下のブレンステッド酸、(d)膨潤力試験(JBAS-104-77)における膨潤度が2~5mL/2gの含水層状ケイ酸塩鉱物からなることを特徴とする農薬粒剤。
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
(b)ポリビニルアルコールの鹸化度が80~90モル%、平均重合度が500~2000であることを特徴とする請求項1に記載の農薬粒剤。
【請求項3】
(e)C10~18脂肪族炭化水素系アニオン系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の農薬粒剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、育苗箱、セルトレイ、水田または畑等に直接散布する農薬粒剤に適用される技術であり、散布時は水滴の存在する植物体表面に付着し難く、散布後は土壌中の水分により粒剤が徐々に崩壊することで十分な効果を発現し、なおかつ輸送、保管時の振動等により崩壊、粉立ちしない、散布性、効果、保存性の優れた農薬粒剤に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
農薬製剤の剤型として、粒剤、粉剤、水和剤、錠剤(ジャンボ剤)、パック剤、フロアブル剤、水溶剤、液剤、乳剤等が知られている。なかでも粒剤は、比較的安価に製造でき、施用時のドリフトが少ない、適量の施用が容易である等の理由により広く使用されている。さらに、近年は、経済性だけでなく、ドリフト抑制、省力化、減農薬化等、環境面への負荷を低減した農薬粒剤が求められている。このような課題を解決するための手段として、製剤硬度改良、農薬活性成分の溶出制御、長期保管安定性が挙げられ、これまで以下に例示する研究がなされてきた。
【0003】
特開2016-210763号公報(特許文献1)では、プロピリスルフロンと固体担体とを含有する農薬粒剤であって、該農薬粒剤10グラムとイオン交換水90グラムとを混合したときの25℃におけるpHが7.0~9.0の範囲とすることでプロピリスルフロンの十分な効果を施用直後から長期間持続させる農薬粒剤が提案されている。
【0004】
国際公開第2014/024625号(特許文献2)では、トリシクラゾールおよびベントナイトを含有する農薬固形組成物であって、該農薬固形組成物中のベントナイトの含有量が40重量%以上であり、かつ該農薬固形組成物の20重量%水分散液のpHが4.5以下とすることでトリシクラゾールが溶出制御された農薬固形組成物が提案されている。
【0005】
特開2000-143403号公報(特許文献3)では、農薬活性成分、リグニンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンスチリルフエニルエーテル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び担体を含有してなり、水難溶性の農薬活性成分の溶出が促進された農薬粒剤が提案されている。
【0006】
特開平7-179302号公報(特許文献4)では、農薬活性成分、ナトリウムモンモリロナイト、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびアルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル型界面活性剤およびポリカルボン酸型界面活性剤の群からなる界面活性剤の一種以上を含有してなり、高湿度条件下での保存において、粒子硬度の低下が軽減された農薬粒剤が提案されている。
【0007】
特開2003-95806号公報(特許文献5)では、イネいもち病防除活性成分、ベントナイト、ノニオン性界面活性剤、ノニオン性水溶性高分子および鉱物質担体を含有してなり、処理時における即効性と長期にわたる残効性を併せ持ち、防除剤処理直後から長期間高い防除効果を発揮しえる粒状農薬組成物が提案されている。
【0008】
上記した特許文献は、いずれも硬度改良あるいは溶出制御機能を付与することを目的として、ベントナイトおよび水溶性高分子物質としてポリビニルアルコール類が使用されている。しかし、ベントナイトは水膨潤性が大きく、水分との接触により粒剤が溶け易くなり、ポリビニルアルコール類は、親水性の高さから水分を含むと接着性を帯びる。本性質は、植物体表面に水滴が多く存在している条件下で粒剤を散布した際、植物体に粒剤が付着し、薬剤と高濃度接触することで薬害が発生する問題を生じる。さらに、農薬粒剤を散布する際の気象条件は、高温多湿な条件で散布する場合もあり、そのような条件においては特に粒剤が植物体に付着し易くなり、薬害リスクはさらに高まる。すなわち、上記した特許文献では、保存性、効果、植物体付着性に由来する散布性の面でバランスのとれた農薬粒剤という観点からは、改善の余地を残すものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2016-210763号公報
国際公開第2014/024625号
特開2000-143403号公報
特開平7-179302号公報
特開2003-95806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような従来の欠点に鑑み、植物体表面に水滴が存在する様な高温多湿条件下でも製剤硬度低下が抑制されるため散布時に粉化せず、なおかつ粒自体も表面の水分により植物体に付着せず、かつ散布後には土壌中の水分で徐々に崩壊する水中崩壊性を有し、輸送、保管時の衝撃に耐え得る性能を備えた、散布性、効果、保存性の優れた農薬粒剤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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