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公開番号2025084855
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2025029845,2022575208
出願日2025-02-27,2021-07-12
発明の名称冷間圧延焼鈍鋼板及びその製造方法
出願人アルセロールミタル
代理人弁理士法人川口國際特許事務所
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250527BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】高い機械的特性の組み合わせを有する冷間圧延焼鈍鋼板を提供する。
【解決手段】重量%でC:0.03~0.18%、Mn:6.0~11.0%、Al:0.2~3%、Mo:0.05~0.5%、B:0.0005~0.005%、S≦0.010%、P≦0.020%、N≦0.008%を含む組成を有する鋼で作製され、組成の残りが、鉄及び不可避不純物であり、前記鋼板が、表面分率で、25%~55%の残留オーステナイト、45%~75%のフェライト、5%未満のフレッシュマルテンサイト、比率([C]A×[Mn]2 A)/(C%×Mn%)が、19.0~41.0重量%であり、C%及びMn%が、重量%での炭素及びマンガンの公称値であるような、重量パーセントで表される、オーステナイト中の炭素[C]A及びマンガン[Mn]A含有量を特徴とする、マンガンの不均質な再分配を含む微細構造を有する、冷間圧延焼鈍鋼板である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
冷間圧延焼鈍鋼板であって、重量パーセントで:
C:0.03~0.18%
Mn:6.0~11.0%
Al:0.2~3%
Mo:0.05~0.5%
B:0.0005~0.005%
S≦0.010%
P≦0.020%
N≦0.008%
を含む組成を有する鋼で作製され、以下の元素のうちの1つ以上を重量百分率で含み:
Si≦1.20%
Ti≦0.050%
Nb≦0.050%
Cr≦0.5%
V≦0.2%
前記組成の残りが、鉄及び製錬から生じる不可避不純物であり、
前記鋼板が、表面分率で、
25%~55%の残留オーステナイト、
45%~75%のフェライト、
5%未満のフレッシュマルテンサイト、
比率([C]

×[Mn]


)/(C%×Mn%)が、19.0~41.0重量%であり、C%及びMn%が、重量%での炭素及びマンガンの公称値であるような、重量パーセントで表される、オーステナイト中の炭素[C]

及びマンガン[Mn]

含有量、
3×10

/mm

を下回る炭化物密度、並びに
-30以上の勾配を有するマンガン分布を特徴とする、マンガンの不均質な再分配
を含む微細構造を有する、冷間圧延焼鈍鋼板。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
炭素含有量が0.05%~0.15%である、請求項1に記載の冷間圧延焼鈍鋼板。
【請求項3】
マンガン含有量が、6.0%~9%である、請求項1又は2に記載の冷間圧延焼鈍鋼板。
【請求項4】
アルミニウム含有量が、0.7%~2.2%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の冷間圧延焼鈍鋼板。
【請求項5】
引張強度が、950MPa以上であり、一様伸びUEが、12.0%以上であり、全伸びTEが、15%以上であり、YS、UE、TS及びTEが、以下の式(YSxUE+TSxTE)/(C%xMn%)>34000を満たし、C%及びMn%が、重量%で炭素及びマンガンにおける公称値である、請求項1~4のいずれか一項に記載の冷間圧延焼鈍鋼板。
【請求項6】
降伏強度が、780MPa以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の冷間圧延焼鈍鋼板。
【請求項7】
LME指数が、0.36未満である、請求項1~6のいずれか一項に記載の冷間圧延焼鈍鋼板。
【請求項8】
鋼が、0.4未満の炭素当量Ceqを有し、前記炭素当量が、
Ceq=C%+Si%/55+Cr%/20+Mn%/19-Al%/18+2.2P%-3.24B%-0.133xMn%xMo%
として規定され、元素が重量パーセントで表される、請求項1~7のいずれか一項に記載の冷間圧延焼鈍鋼板。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の冷間圧延焼鈍鋼板で作製された2つの鋼部品の抵抗スポット溶接部であって、前記抵抗スポット溶接部が、少なくとも30daN/mm

のα値を有する、抵抗スポット溶接部。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、良好な溶接性を有する高強度鋼板及びそのような鋼板を得る方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
自動車用車体構造部材の部品及び車体パネルなどの様々な品目を製造するために、DP(デュアルフェーズ)鋼又はTRIP(変態誘起塑性)鋼で作製された薄板を使用することが知られている。
【0003】
自動車産業における主要な課題のうちの1つは、安全要件を無視することなく、地球環境保全の観点から車両の燃費を改善するために車両の重量を減少させることである。これらの要件を満たすために、降伏強度及び引張強度が改善され、延性及び成形性が良好な鋼板を有する新しい高強度鋼が製鋼産業によって継続的に開発されている。
【0004】
機械的特性を改善するために行われた開発のうちの1つは、鋼中のマンガン含有量を増加させることである。マンガンの存在は、オーステナイトの安定化のおかげで鋼の延性を増加させるのに役立つ。しかし、これらの鋼は、脆性の弱さを呈する。この問題を克服するために、ホウ素としての元素が添加される。これらのホウ素添加化学作用は、熱間圧延段階では非常に強靭であるが、ホットバンドは、硬すぎてさらに加工することができない。ホットバンドを軟化させる最も効率的な方法は、バッチ焼鈍であるが、それは、靭性の損失につながる。
【0005】
これらの機械的要件に加えて、そのような鋼板は、液体金属脆化(LME)に対する良好な耐性を示さなければならない。亜鉛又は亜鉛合金コーティングされた鋼板は、耐食性に非常に効果的であり、したがって自動車産業において広く使用されている。しかしながら、特定の鋼のアーク溶接又は抵抗溶接が、液体金属脆化(「LME」)又は液体金属助長割れ(「LMAC」)と呼ばれる現象に起因する特定の割れの発生を引き起こす可能性があることを経験してきている。この現象は、拘束、熱膨張又は相変態から生じる印加応力又は内部応力下で、下にある鋼基材の粒界に沿った液体Znの浸透を特徴とする。炭素又はケイ素のような元素の添加は、LME耐性に有害であることが知られている。
【0006】
自動車産業は通常、以下の式:
LME指数=%C+%Si/4
に従って計算されるいわゆるLME指数の上限値を制限することによって、そのような抵抗性を評価し、式中、%C及び%Siは、それぞれ鋼中の炭素及びケイ素の重量百分率を表す。
【0007】
刊行物WO2020011638は、炭素含有量が低減された中及び中間マンガン(3.5~12%の間のMn)冷間圧延鋼を提供するための方法に関する。2つの工程経路が記載されている。第1のものは、冷間圧延鋼板の単一の変態区間焼鈍に関するものである。第2のものは、冷間圧延鋼板の二重焼鈍に関するものであり、第1のものは、完全オーステナイトであり、第2のものは、変態区間である。焼鈍温度の選定のおかげで、引張強度及び伸びの良好な妥協点が得られる。焼鈍温度を下げることにより、オーステナイトの富化が得られ、これは良好な破断厚さ歪み値を含意する。しかし、本発明で使用される炭素及びマンガンの量が少ないと、鋼板の引張強度が980MPa以下の値に制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2020/011638号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の目的は、上述の問題を解決し、引張強度が950MPa以上であり、一様伸びUEが12.0%以上であり、全伸びTEが15%以上であり、YS、UE、TS及びTEが、以下の式(YSxUE+TSxTE)/(C%xMn%)>34000を満たし、TEが%で表される鋼板の全伸びであり、引張強度TSがMPaで表され、降伏強度YSがMPaで表され、一様伸びUEが%で表され、C%及びMn%がC及びMn鋼の公称重量%である、高い機械的特性の組み合わせを有する冷間圧延焼鈍鋼板を提供することである。
【0010】
好ましくは、冷間圧延焼鈍鋼板は、780MPa以上の降伏強度を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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