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公開番号2025083974
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-02
出願番号2023197687
出願日2023-11-21
発明の名称変性セルロース繊維及び変性セルロース微細繊維
出願人大王製紙株式会社
代理人弁理士法人永井国際特許事務所
主分類D21H 11/20 20060101AFI20250526BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】用途が著しく制限されることのない新たなセルロース微細繊維又はセルロース微細繊維の原料となるセルロース繊維を提供する。
【解決手段】多価カルボン酸基で変性され、第1解離酸量/第2解離酸量が0.25~1.0であり、第1解離酸量が0.35mmol/g以上であることを特徴とする変性セルロース繊維である。また、この変性セルロース繊維の平均繊維径が100nm以下であることを特徴とする変性セルロース微細繊維である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
多価カルボン酸基で変性され、
第1解離酸量/第2解離酸量が0.25~1.0であり、第1解離酸量が0.35mmol/g以上である、
ことを特徴とする変性セルロース繊維。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
カルバメート化されている、
請求項1に記載の変性セルロース繊維。
【請求項3】
分散液(濃度0.2質量%)の全光透過率が65%以上で、分散液(濃度1.0質量%)のB型粘度が40000cP以上である、
請求項1に記載の変性セルロース繊維。
【請求項4】
前記多価カルボン酸が、クエン酸である、
請求項1に記載の変性セルロース繊維。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の変性セルロース繊維の平均繊維径が100nm以下である、
ことを特徴とする変性セルロース微細繊維。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、変性セルロース繊維及び変性セルロース微細繊維に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、物質をナノメートルレベルまで微細化し、物質が持つ従来の性状とは異なる新たな物性を得ることを目的としたナノテクノロジーが注目されている。化学処理、粉砕処理等によりセルロース系原料であるパルプから製造されるセルロース微細繊維は、強度、弾性、熱安定性等に優れているため、ろ過材、ろ過助剤、イオン交換体の基材、クロマトグラフィー分析機器の充填材、樹脂及びゴムの配合用充填剤等としての工業上の用途や、口紅、粉末化粧料、乳化化粧料等の化粧品の配合剤の用途に用いられることが期待されている。また、セルロース微細繊維は、水系分散性に優れているため、食品、化粧品、塗料等の粘度の保持剤、食品原料生地の強化剤、水分保持剤、食品安定化剤、低カロリー添加物、乳化安定化助剤などの多くの用途における利用が期待されている。
【0003】
従来、このようなセルロース微細繊維を得るためには、セルロース繊維を高圧式ホモジナイザー、高速回転式ホモジナイザー、超音波ホモジナイザーなどで機械的に解繊する方法が採用されていた(例えば、特許文献1等参照。)。しかしながら、これらの方法では、解繊を進めるために大きなエネルギーが必要であった。そこで、この解繊にかかるエネルギーを減らすために、TEMPO酸化法によって解繊する方法が提案された。しかしながら、この方法には経済性の点で難があり、また、脱石油化が課題となる。そこで、現在では、リン酸エステル化法なども提案されている。しかしながら、この技術のみに依存するとなると、海洋汚染等の問題の原因になる可能性がある。したがって、他の新たな技術の提案が必要とされている。
【0004】
ところで、セルロース繊維を変性する前記方法とは異なる技術としては、セルロース繊維をクエン酸で変性する方法が既に存在している(特許文献2,3参照)。しかしながら、特許文献2の提案は、要するに蒸解によってクエン酸変性を行うものであり、分散液の粘度が低いものとなるため、用途が著しく限定されてしまう。また、特許文献3の提案は、分散液の透明度が低いものになるという問題を有している。この点、特に食品や化粧品等の用途においては、分散液の透明度が高いことが求められており、セルロース微細繊維の用途を広げるうえで、透明度を高めるとの課題は避けて通ることはできないものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-216021号公報
特開2015-140403号公報
特開2019-189792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、用途が著しく制限されることのない新たなセルロース微細繊維又はセルロース微細繊維の原料となるセルロース繊維を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記課題を解決するために、セルロース繊維をクエン酸で変性する方法に着目した。クエン酸は自然由来の物質であり、また、中性に近い条件での反応が可能で、しかも低い温度条件での反応が可能であるなど、様々なメリットを有しているためである。しかしながら、前記したように従来のクエン酸変性によるセルロース微細繊維は、用途が著しく制限されるものであった。
【0008】
そこで、本発明者等は独自に種々研究を重ねた結果、クエン酸変性するとセルロース繊維が架橋し易くなり、セルロース繊維が架橋すると、繊維が太くなるため、粘度や透明度が低下することを知見した。そして、このような知見に基づいて想到するに至ったのが、以下に示す手段である。
【0009】
なお、特許文献3は、「セルロースナノファイバーとは、字義からは数nm~数百nm の繊維径(又は繊維幅)のものを指すと考えられるが、本明細書においては、そのようなサイズに限定されることはない。例えば、3000nm程度までの繊維径のものをも含むものとする。」としており、セルロースナノファイバーの繊維径を自由に調節することができるように記載している。しかしながら、前記したようにクエン酸変性するとセルロース繊維が架橋し易くなり、繊維径を小さくするのが難しくなる。もちろん繊維径を小さくすることができないわけではないが、そのためには過剰な薬品使用など反応条件を厳しいものとする必要があり、セルロース繊維の繊維長が極めて短くなって、結局、粘度が低下してしまう。
【0010】
(請求項1に記載の手段)
多価カルボン酸基で変性され、
第1解離酸量/第2解離酸量が0.25~1.0であり、第1解離酸量が0.35mmol/g以上である、
ことを特徴とする変性セルロース繊維。
(【0011】以降は省略されています)

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