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公開番号
2025081427
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-27
出願番号
2025021296,2022555412
出願日
2025-02-13,2021-09-30
発明の名称
耐放射線劣化性無機酸化物フレーク
出願人
新日本繊維株式会社
代理人
個人
主分類
C03C
12/00 20060101AFI20250520BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】耐放射線劣化性に優れる無機酸化物フレークを提供すること。
【解決手段】SiO
2
,Al
2
O
3
,CaO,及びFe
2
O
3
を主成分とする無機酸化物フレークにおいて、
酸化物換算による上記無機酸化物フレーク中の、
i)SiO
2
及びAl
2
O
3
の合計を40質量%以上70質量%以下、
ii)Al
2
O
3
/(SiO
2
+Al
2
O
3
)(質量比)を0.15~0.40の範囲、
iii)Fe
2
O
3
を16質量%以上25質量%以下、
iv)CaOを5質量%以上30質量%以下、とすることにより、耐放射線劣化性に優れる無機酸化物フレークが得られた。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
SiO
2
,Al
2
O
3
,CaO,及びFe
2
O
3
を主成分とする無機酸化物フレークであって、
酸化物換算による前記無機酸化物フレーク中の、
i)SiO
2
及びAl
2
O
3
の合計は40質量%以上70質量%以下であり、
ii) Al
2
O
3
/(SiO
2
+Al
2
O
3
)(質量比)は0.15~0.40の範囲であり、
iii)Fe
2
O
3
は16質量%以上25質量%以下であり、
iv)CaOは5質量%以上30質量%以下である、
耐放射線劣化性
無機酸化物フレーク。
続きを表示(約 140 文字)
【請求項2】
熱可塑性樹脂又は熱可塑性ゴムに、請求項1の無機酸化物フレークを配合した組成物。
【請求項3】
熱硬化樹脂又は硬化性ゴムに、請求項1の無機酸化物フレークを配合した組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の組成物よりなるライニング材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な無機酸化物フレークに関する。さらに詳しくは、耐放射線劣化性に優れた無機酸化物フレークに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ガラスフレークは、今日、工業用材料として広く利用されている。
例えば、ライニング材を構成する熱硬化性樹脂にガラスフレークを配合すると、ライニング塗膜層の内部への腐食物質の浸透が抑制されるため、ライニング材の防食性能が著しく向上する。このため、ガラスフレークは重防食ライニング材の副原料として欠かせないものである。
この他、ガラスフレークはガラス繊維と同様に熱可塑性樹脂の強化材や充てん材として用いられる。ガラス繊維強化樹脂は成型品の機械強度や熱収縮に異方性が生じやすいのに対し、ガラスフレーク強化樹脂の成型品はそのような異方性が小さく、寸法精度に優れる。このため、精密機器用材料の副原料としてもガラスフレークは欠かせない。
近年では、化学耐久性の改善されたガラスフレーク(例えば、国際特許公開 WO 2010/024283 A1(特許文献1)、対応米国特許公開 US 2011/0151261 A1(特許文献2))、可視光吸収性能を高めたガラスフレーク(例えば、国際特許公開 WO 2004/076372 A1(特許文献3)、対応米国特許公開 US 2006/0048679 A1(特許文献4))など、使用目的に応じ、特性を改善したガラスフレークが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際特許公開 WO 2010/024283 A1
米国特許公開 US 2011/0151261 A1
国際特許公開 WO 2004/076372 A1
米国特許公開 US 2006/0048679 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ガラスフレークは基材がガラスであるため、放射線に暴露されると劣化するという欠点を有する。ガラスフレークの耐放射線劣化性が向上すれば、原子力発電設備や宇宙機器など、長期にわたり放射線に曝露される設備、機器、部品、部材への使用が可能になり、用途がさらに広まると思われる。
そこで、本発明者は、ガラスフレークに代わる、耐放射線劣化性に優れる新規な無機酸化物フレークの開発に取り組んだ。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その結果、本発明者は、無機酸化物からなるフレークにおいて、そのフレーク中の、SiO
2
及びAl
2
O
3
の合計含量が特定範囲にあり、SiO
2
とAl
2
O
3
の合計に占めるAl
2
O
3
の比率が特定範囲にあり、さらに、Fe
2
O
3
とCaOの各々の含量が特定範囲にあるものが、耐放射線劣化性に優れるフレークとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、SiO
2
,Al
2
O
3
,CaO,及びFe
2
O
3
を主成分として含む無機酸化物フレークであって、
酸化物換算での上記無機酸化物フレーク中の、
i)SiO
2
とAl
2
O
3
の合計が40質量%以上70質量%以下であり、
ii) SiO
2
とAl
2
O
3
の合計に占めるAl
2
O
3
の割合(質量比)が0.15~0.40の範囲であり、
iii)Fe
2
O
3
は16質量%以上25質量%以下であり、
iv)CaOは5質量%以上30質量%以下である、ことを特徴とするものである。
本発明の無機酸化物フレークは、耐放射線劣化性に優れるため、放射線被照射部を構成する材料の強化材又は充填材に適している。
本発明は他の態様として、フライアッシュ、銅スラグ、鉄鋼スラグなどの産業廃棄物を原料とする耐放射線劣化性に優れる無機酸化物フレークの製造方法を提供するものである。
以後の説明にて、上記i)~iv)を、「組成に係る本発明の4要件」と略記することがある。
【0006】
本発明の無機酸化物フレークは、原料となる各種無機酸化物の配合物を溶融し、その溶融物をフレーク化して得られる。ここで、原料配合物(以下、単に配合物と略称することがある)の成分比と、その溶融物より得られるフレークの成分比に実質的な差は見られない。よって、原料配合物の成分比をもってフレークの成分比とすることができる。
本発明の無機酸化物フレークは、フレーク中のSiO
2
,Al
2
O
3
,Fe
2
O
3
,及びCaOの割合が、上記範囲に収まるよう、原料を配合したのち、その配合物を溶融して得られる。以後、原料配合物の溶融物を単に溶融物と称することがある。
【0007】
本発明の無機酸化物フレーク中のSiO
2
及びAl
2
O
3
の合計の含有量は40質量%以上70質量%以下である。なお、以下の説明にて、SiO
2
をS成分と略称し、SiO
2
の含有量を[S]と表示する場合がある。同様に、Al
2
O
3
をA成分と略称し、Al
2
O
3
の含有量を[A]と表示する場合が有る。[S]及び[A]の合計が、上記範囲外、すなわち40質量%未満、又は70質量%超のいずれの場合にも、配合物の溶融温度が高くなり過ぎるか、溶融物の粘度が高くなるか又は逆に低くなり過ぎ、フレーク化しにくくなる。
【0008】
本発明の無機酸化物フレークにおいて、SiO
2
とAl
2
O
3
の合計に占めるAl
2
O
3
の割合([A]/([A]+[S]))(質量比)は0.15~0.40の範囲であることが必要である。SiO
2
とAl
2
O
3
の合計に占めるAl
2
O
3
の割合が、0.15未満、又は0.40超のいずれの場合も、配合物を溶融するのが困難であるか、又は溶融物をフレーク化するのが困難となる。
【0009】
本発明の無機酸化物フレークにおいて、Fe
2
O
3
の含有量は16質量%以上であることが必要である。Fe
2
O
3
の含有量が16質量%未満であると、当該フレークの耐放射線劣化性が劣る。他方その含有量が25質量%を超えると、溶融物の粘性が低すぎ、溶融物をフレーク化するのが困難となる。よって、無機酸化物フレークのFe
2
O
3
の含有量は25質量%以下とすることが好ましい。
以後、Fe
2
O
3
をF成分と略称し、Fe
2
O
3
の含有量を[F]と表示することがある。
【0010】
本発明の無機酸化物フレークにおいて、CaOの含有量は5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。CaOの含有量が5質量%未満であると、配合物の溶融開始温度が高くなってしまい、無機酸化物フレーク製造に要するエネルギーが増大し好ましくない。CaOの含有量は、好ましくは10質量%以上である。他方、CaOの含有量が30質量%超であると溶融物の粘性が低すぎ、フレーク化するのが困難となる。以後、CaOをC成分と略称し、CaOの含有量を[C]と表示することがある。
(【0011】以降は省略されています)
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