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公開番号2025080121
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-23
出願番号2023193152
出願日2023-11-13
発明の名称全固体電池の製造方法
出願人日産自動車株式会社,ルノー エス.ア.エス.,RENAULT S.A.S.
代理人IBC一番町弁理士法人
主分類H01M 10/0585 20100101AFI20250516BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】リチウム析出型の全固体電池において、充放電容量を改善しうる手段を提供する。
【解決手段】正極活物質を含有する正極活物質層を有する正極と、負極集電体を有し、充電時に前記負極集電体上にリチウム金属が析出する負極と、前記正極および前記負極の間に介在し、固体電解質を含有する固体電解質層と、前記負極集電体と前記固体電解質層との間に介在し、リチウム反応性材料を含む負極中間層と、を有する発電要素を備えた、全固体電池の製造方法であって、未充電状態である全固体電池前駆体に対して、所定の容量まで充電を行う第1工程と、前記第1工程を経た前記全固体電池前駆体を、所定の保持温度および保持時間で保持する第2工程と、を含む、全固体電池の製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
正極活物質を含有する正極活物質層を有する正極と、
負極集電体を有し、充電時に前記負極集電体上にリチウム金属が析出する負極と、
前記正極および前記負極の間に介在し、固体電解質を含有する固体電解質層と、
前記負極集電体と前記固体電解質層との間に介在し、リチウム反応性材料を含む負極中間層と、
を有する発電要素を備えた、全固体電池の製造方法であって、
前記全固体電池と同じ構成を有し未充電状態である全固体電池前駆体に対して、容量C[mAh/cm

]まで充電を行う第1工程と、
前記第1工程を経た前記全固体電池前駆体を、保持温度T[℃]および保持時間t[時間]で保持する第2工程と、を含み、この際、
前記容量C[mAh/cm

]は、下記式:
Cx<C≦(Cx+Cy)
を満たし、ここで、Cx[mAh/cm

]は、前記負極中間層の単位面積当たりの前記リチウム反応性材料の容量であり、Cy[mAh/cm

]は、前記負極中間層の単位面積当たりの空隙に基づく容量であり、
前記保持温度T[℃]および前記保持時間t[時間]は、下記式:
(T[℃]+273)×ln(t[時間])≧1100を満たす、全固体電池の製造方法。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記容量C[mAh/cm

]は、Cx+0.3×Cy≦C≦Cx+0.7×Cyを満たす、請求項1に記載の全固体電池の製造方法。
【請求項3】
前記容量C[mAh/cm

]は、Cx+0.3×Cy≦C≦Cx+0.6×Cyを満たす、請求項2に記載の全固体電池の製造方法。
【請求項4】
前記保持温度T[℃]は、40℃以上である、請求項1に記載の全固体電池の製造方法。
【請求項5】
前記保持温度T[℃]は、60℃以上である、請求項4に記載の全固体電池の製造方法。
【請求項6】
前記保持時間t[時間]は、40時間以上である、請求項1に記載の全固体電池の製造方法。
【請求項7】
前記保持温度T[℃]および前記保持時間t[時間]は、下記式:
(T[℃]+273)×ln(t[時間])≦1350をさらに満たす、請求項1に記載の全固体電池の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、全固体電池の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電解質に酸化物系や硫化物系の固体電解質を用いた全固体電池(全固体リチウム二次電池)に関する研究開発が盛んに行われている。固体電解質は、固体中でイオン伝導が可能なイオン伝導体を主体として構成される材料である。このため、全固体電池においては、従来の液系リチウム二次電池のように可燃性の有機電解液に起因する各種問題が原理的に発生しないという利点がある。また一般に、高電位・大容量の正極材料、大容量の負極材料を用いると電池の出力密度およびエネルギー密度の大幅な向上が図れる。
【0003】
全固体電池の1種として、充電過程において負極集電体上にリチウム金属を析出させる、いわゆるリチウム析出型のものが知られている。リチウム析出型の全固体電池の充電過程においては、固体電解質層と負極集電体との間にリチウム金属が析出して負極活物質層であるリチウム金属層が形成される。このようなリチウム析出型の全固体電池は、エネルギー密度や出力特性に優れる反面、リチウム金属層からのデンドライトにより全固体電池の短絡やそれに起因する容量低下が生じやすい。
【0004】
この問題に対して、特許文献1には、負極集電体と固体電解質層との間に、無定形炭素などを含む負極中間層を設ける技術が開示されている。当該文献によれば、この負極中間層がリチウム金属層の保護層として機能するとともに、リチウム金属層からのデンドライトの成長を抑制する結果、全固体電池の短絡および容量低下が抑制できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-96610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らが検討したところ、上記文献に記載された技術を適用したとしても、十分な充放電容量が得られない場合があることが判明した。
【0007】
そこで本発明は、リチウム析出型の全固体電池において、充放電容量を改善しうる手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態は、正極活物質を含有する正極活物質層を有する正極と、負極集電体を有し、充電時に前記負極集電体上にリチウム金属が析出する負極と、前記正極および前記負極の間に介在し、固体電解質を含有する固体電解質層と、前記負極集電体と前記固体電解質層との間に介在し、リチウム反応性材料を含む負極中間層と、を有する発電要素を備えた、全固体電池の製造方法であって、前記全固体電池と同じ構成を有し未充電状態である全固体電池前駆体に対して、容量C[mAh/cm

]まで充電を行う第1工程と、前記第1工程を経た前記全固体電池前駆体を、保持温度T[℃]および保持時間t[時間]で保持する第2工程と、を含み、この際、前記容量C[mAh/cm

]は、下記式:Cx<C≦(Cx+Cy)を満たし、ここで、Cx[mAh/cm

]は、前記負極中間層の単位面積当たりの前記リチウム反応性材料の容量であり、Cy[mAh/cm

]は、前記負極中間層の単位面積当たりの空隙に基づく容量であり、前記保持温度T[℃]および前記保持時間t[時間]は、下記式:(T[℃]+273)×ln(t[時間])≧1100を満たす、全固体電池の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リチウム析出型の全固体電池において、充放電容量が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態である積層型(内部並列接続タイプ)の全固体リチウム二次電池(積層型二次電池)の全体構造を模式的に表した断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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