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公開番号
2025072397
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-09
出願番号
2025006416,2023580660
出願日
2025-01-16,2022-07-05
発明の名称
拡縮可能な電解セルおよびスタックならびにそれを高速に製造する方法
出願人
エヴォロー インコーポレイテッド
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C25B
15/08 20060101AFI20250430BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】拡縮可能で高速な製造のために設計された電解セル、及び複数の電解セルを備える電解槽スタックを提供する。
【解決手段】膜、アノード電極、カソード電極、アノード流れ場、カソード流れ場、および双極プレートアセンブリを含む電解セル:ここで、双極プレートアセンブリは、y軸に整列したアノード流れ場の前縁部に隣接して配置された複数の反復する水送達ウィンドウを備え、各水送達ウィンドウは、アノード流れ場のy軸に沿ったウィンドウ長に関連付けられ、電解セルは、水送達ウィンドウの数、有効直径またはウィンドウ長が、電解槽セルの目標閾値未満の水流抵抗、水温上昇、またはセル出口酸素体積分率を維持するように選択されるように、構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
膜、アノード電極、カソード電極、アノード流れ場、カソード流れ場、および双極プレートアセンブリを含む電解セル:
ここで、双極プレートアセンブリは、y軸に整列したアノード流れ場の前縁部に隣接して配置された複数の反復する水送達ウィンドウを備え、
各水送達ウィンドウは、アノード流れ場のy軸に沿ったウィンドウ長に関連付けられ、
電解セルは、水送達ウィンドウの数、有効直径またはウィンドウ長が、電解槽セルの目標閾値未満の水流抵抗、水温上昇、またはセル出口酸素体積分率を維持するように選択されるように、構成される。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
双極プレートアセンブリは、1つ以上の酸素収集ウィンドウおよび水素収集ウィンドウを備え、
水送達ウィンドウおよび酸素収集ウィンドウの合計の数は、水素収集ウィンドウの数に等しいかまたはそれよりも多い、請求項1に記載の電解セル。
【請求項3】
各水送達ウィンドウの有効直径が、その関連するウィンドウ長の5%~110%である、請求項1に記載の電解セル。
【請求項4】
アノード流れ場の前縁部に垂直なx軸に沿ったアノード流れ場の寸法が、各水送達ウィンドウについて同じである、請求項1に記載の電解セル。
【請求項5】
各水送達ウィンドウに関連するウィンドウ長が、アノード流れ場の厚さに基づいて選択されて、(a)定格水素生成出力で100cm/s未満のアノード流れ場の前縁部における水の平均速度を維持する、または(b)定格水素生成出力で5bar差未満の水圧降下を維持する、請求項1に記載の電解セル。
【請求項6】
電解セルが、寿命の終わりにおけるセル温度上昇を50℃未満に維持するように、またはアノード流れ場の後縁部における酸素体積分率を95%未満に維持するように、選択された水ストイキを使用するように構成されている、請求項1に記載の電解セル。
【請求項7】
カソード流れ場が、カソード流れ場内の水素流速ベクトルがアノード流れ場の前縁部と概ね平行になるように配置される、請求項1に記載の電解セル。
【請求項8】
双極プレートアセンブリが、双極プレートおよび流体分配フレームを備え、
双極プレートアセンブリの中央領域が流体分配フレームおよび2つの双極プレートによって少なくとも部分的に境界付けられ、カソード流れ場、カソード電極、上記膜、アノード電極またはアノード流れ場のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の電解セル。
【請求項9】
フレームと、アノード流れ場に隣接する双極プレートとの間に配置された水シールをさらに備える、請求項8に記載の電解セル。
【請求項10】
流体分配フレームまたは水シールのうちの少なくとも1つが、1つ以上の水送達ウィンドウからアノード流れ場の前縁部へのx-y平面内の水流の広がりを可能にするように構成され、それによって、アノード流れ場の平均速度の±50%以内の前縁水速度分布を提供する、請求項9に記載の電解セル。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の参照による組み込み
本出願は、2021年7月5日に出願された米国特許仮出願第63/218,446号、および2022年2月18日に出願された米国特許仮出願第63/311,773号に基づき、35U.S.C119条(e)に基づく優先権の利益を主張し、そのすべての内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 4,400 文字)
【0002】
発明の属する分野
本開示は、電気化学セルに関し、より詳細には、拡縮可能(scalable)で高速な製造のために設計された電気化学セルおよびスタックに関する。
【背景技術】
【0003】
電気化学セルは、電気を使用して化学反応を誘導するか、または化学反応を使用して電気を生成するための装置である。電気が出力である場合、セルは、化学製品に応じて、燃料電池またはエキスパンダ電池とみなすことができる。電気が入力である場合、セルは、化学製品に応じて、電解槽セル、コンプレッサセル、または浄化セルとみなされ得る。例えば、電解槽は電気エネルギーを取り込み、水をその構成要素に分解することによって、水素などの燃料に電気エネルギーを貯蔵する。対照的に、燃料電池は本質的に、逆方向に動く電解槽として考えられ得、水素および酸素がセルに提供され、次いで、これらの分子を組み合わせて水を形成し、プロセスにおいて電気エネルギーを放出する。これらの装置の基本的な要素は2つの電極、イオン伝導性電解質、および2つの電極を分離するイオン透過性層であるが、電解槽または燃料電池を膜レス構成で動作させることも可能である。電気化学セルはまた、電極間にセパレータを含み、製品がセルの内部で混合するのを防ぐことができる。固体電解セルの場合、膜およびセパレータは、一体化された固体のイオン伝導層に組み合わされてもよい。完全な電気化学セルはまた、反応物質を電極に送達するための流れ場、反応物質を互いにおよび環境から隔離するためのシール、ならびに、双極プレートとも呼ばれる1つ以上の不透過性セパレータプレートを含むことができ、不透過性セパレータプレートは、スタック中の隣接するセルから1つのセルを隔離するための、およびある実施形態ではセルの熱管理のための別個の冷却流体を収容するためのものである。
【0004】
プロトン交換膜、アニオン交換膜、固体酸化物セラミック膜、ならびに水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムなどの液体アルカリ溶液を含む、様々な電解質を電気化学セルに使用することができる。異なる電解質は異なる動作条件を必要とし、それぞれが、それ自体の利点および制限を有する。プロトンおよびアニオン交換膜電解質の利点としては、比較的低い動作温度と、ユニット化層電解質/膜を使用して構成することができるセルとを挙げることができる。そのような膜を使用する電解槽は、苛性溶液または水蒸気ではなく、供給原料として純粋な液体の水を使用して動作することができる他の電解槽セルと比較して明確な利点を有し、それによって、実際にシステムのバランスを大幅に単純化する。そのような電解槽はまた、カソード上で液状水なしで操作することができ、低蒸気相水分含有量を有する水素ガスの生成を可能にする。
【0005】
地球規模の気候変動に対する二酸化炭素の影響は、十分に実証されている。地球規模の気候変動に対処するための社会の努力が加速することにつれて、人間のエネルギー使用の大部分またはすべてを深く非炭素化する必要性が明らかになり、緊急になっている。炭素を含まないエネルギー担体として水素を使用することは、電気で直接脱炭素することが困難または不可能な人間産業の一定のセグメントに到達するために不可欠である。そのようなセグメントの例としては、鉄鋼生産、肥料製造、建設、ならびにトラック輸送、海上輸送および航空輸送などの重量輸送が挙げられる。これらのセグメントに加えて、水素のエネルギー密度と安定した貯蔵特性は、季節規模のエネルギー貯蔵の最も有望な候補となり、再生可能な電力のみを使用する送電網の回復力の確立をもたらした。これは、エネルギー使用を無炭素源に完全に変換するために必要となるであろう。これらの利点および他の利点は、「グリーン水素」の製造に高いレベルの関心を引き寄せた。
【0006】
水素は、再生可能な電気(風力、太陽光、水力など)からの電気分解によって生成される場合、「グリーン」のラベルが与えられる。将来の世界的なエネルギーシステムにおいて、グリーン水素の潜在的な需要を満たすために必要な規模は、大変なものである。電解槽の生産能力はそのような需要を満たすために、次の10年間で何桁も増加し、それらの費用は10倍以上減少する必要がある。これまで、水素電解槽の製造は、小さなシステムと、研究開発のために設計されたセルおよびスタックに基づく限られた展開とを有する、ニッチ産業であった。社会の最終的な必要性に見合った速度でセルおよびスタックを製造し、組み立てるために必要な製造速度については、わずかな考慮しか払われていない。
【発明の概要】
【0007】
革新的な電解槽技術の緊急の必要性を認識し、本出願の発明者らは拡縮可能なスタック圧縮システムとともに、拡縮可能な電解セルおよびスタック、ならびに高速製造方法を開発した。本出願の実施形態は、広範囲の電気化学セルスタックサイズを製造するための資本コストを最小限に抑え、水電解槽を含む電気化学セルの迅速な製造を可能にする。
【0008】
水電解の基本プロセスは、正に帯電したアノードに水を供給し、アノードと負に帯電したカソードとの間にイオンを伝導することを含む。酸素ガスはアノードで生成され、水素ガスは海抜0Mでの室温でカソードで生成される。アノードとカソードとの間で伝導される特定のイオンは、使用される電解質に依存する。酸性セルでは、正に帯電したヒドロニウムイオンがアノードからカソードに伝導される。アルカリセルでは、負に帯電した水酸化物イオンがカソードからアノードに伝導される。両方の系において、全反応は同じである:(2)H
2
O(l) → (2)H
2
(g)+O
2
(g)。反応を駆動するために電気を供給しなければならない。液状水への水素の塩基性反応のための開回路または熱中性の電圧は1.481であり、したがって、反応を進行させるために、液状水を供給された水素電解セルに1.481より高い電圧を印加しなければならない(以下で論じるように、反応が許容可能な速度で進行するためには、通常、過電圧が必要である)。セルのサイズ(すなわち、活性領域)は、所与の印加電圧における1つのセルからの水素/酸素生成の速度を決定する。特定の印加電圧に必要とされる総電流はセルのサイズ(すなわち、活性領域)に比例し得る。実際のシステムでは、複数のセルを互いの上に「スタック」して、生産能力を増加させることができる。このセルのスタックは、反応を駆動するために、より高い電圧(セル数の整数倍)を印加する必要性をもたらす。例えば、1000cm
2
の単セルは500cm
2
の2つのスタックセルと同じ水素フローを生成することができるが、500cm
2
スタックは2倍の電圧と1/2倍の電流を必要とする。必要な電圧および電流を選択する際の柔軟性は、総電解システムの設計および費用において重要な考慮事項であり得る。例えば、高電流および低電圧用の電源は、必要とされる導電体のサイズおよびそれらの構成に必要とされる追加材料のために、高電圧および低電流用の電源よりも高価であり得る。
【0009】
反応が進行することにつれて、水が消費され、水素+酸素ガスが生成されるので、反応を供給するために、水がセルに連続的に供給されなければならない。化学量論は、化学反応の「バランス」に関する用語である。電気化学セルにおいて、用語「化学量論」または「ストイキ(stoich)」は、全反応を正確にバランスさせるのに必要な量に対する、セルに供給される反応物の比率を指す。例えば、2の水ストイキで動作する電解セルは、セルから出る水素および酸素を生成するために必要とされる水の量の2倍の量をその投入量として有する。1ストイキでシステムの質量を保存すると、1時間当たり1kgの水素生成は、1時間当たり約8kgの酸素生成および1時間当たり約9kgの水消費に関連することを示す。電解槽は、典型的にはセル内のあらゆる場所で適切な反応物を確実にするために、1を超える最小水ストイキで運転することができる。例えば、水流ストイキが1のとき、セルに提供された水の全てがアノード上で酸素に変換され、セル出口での酸素分率は100%になる(すなわち、セルから出る水がない)。この状態は、不安定であり得、出口付近のセルのアノード欠乏に起因する損傷をもたらし得る。また、それは、セルを出るすべてが気相であるので、出口での高い流体速度および圧力損失をもたらし得る。したがって、プロセス条件は、セル出口における酸素蒸気分率を所与の閾値未満に維持するように選択することができる。例えば、40%未満の出口酸素分率により、水の入口から出口への流れ場速度は2倍未満増加し得る。40%未満の酸素分率を維持するためには、100以上の水ストイキが必要とされ得る。
【0010】
電気分解プロセスは100%の効率ではなく、結果として、入力電気の一部は水素として貯蔵される化学エネルギーではなく、セル内の熱に変換される。これは、実用的な水素出力流量のために必要とされる熱中性電圧(1.481)より大きい電圧をもたらす。この系の省エネルギーは、熱くなるセルに供給される電力の割合(電圧×電流)が[1-(1.481/V
cell
)]に等しくなり得ることを示すことができる。実用的な電解セルは1.8Vで動作することができ、その結果、[1-(1.481/1.8)]=~18%の電力はセルに送られ、水素ではなく熱に変換される。したがって、実際の電解セルは、動作中に冷却を必要とし、この冷却を達成するための効率的な方法は、セルを冷却するためにプロセス水自体を利用することであり得る。セルの動作条件に応じて、セルのピーク温度が許容可能な閾値未満に維持され、セル内の温度勾配も許容可能であることを確実にするために、比較的高い流量の水が必要とされ得る。この流量はまた、1よりもはるかに大きい水ストイキを表し得る。例えば、1.8Vで動作し、投入エネルギーの18%を熱に放出し、2.7W/cm
2
で動作するセルでは、セル全体で10℃未満の昇温を維持するために、約160の水ストイキが必要とされ得る。上述した設計上の考慮点から、セルへの水の流量は、適切な反応物の必要性、または適切な温度制御の必要性のいずれか高い方によって決定される。
(【0011】以降は省略されています)
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