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公開番号2025066978
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-24
出願番号2023176585
出願日2023-10-12
発明の名称インクジェット記録装置
出願人キヤノン株式会社
代理人個人
主分類B41J 2/01 20060101AFI20250417BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】 背景画像用インクとカラーインクを積層させて画像を形成する場合、画像の品位が低下するという課題がある。
【解決手段】 本発明装置は、反応液とインク1と背景画像用インクの画像データに基づいて制御の判定を行う判定手段と、判定手段において所定の画像領域内で下記条件1~3の全てを満たしたと判定した場合には、インク1と前記背景画像用インクの着弾時間差が第1の時間となるように制御し、判定手段において所定の画像領域内で下記条件1~3のうちいずれか1つでも満たさないと判定した場合には、インク1と前記背景画像用インクの着弾時間差が第2の時間となるように制御する制御手段と、を有し、第1の時間が前記第2の時間よりも大きい。条件1:反応液の画像データが存在しない。条件2:インク1の画像データが存在する。条件3:背景画像用インクの画像データが存在する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
記録媒体に対して配列した吐出口からインク滴を吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドから吐出されインク中に含まれる色材と反応し凝集させる反応液と、
前記記録ヘッドから吐出され少なくとも色材を含むインク1と、
前記インク1の吐出よりも後に前記記録ヘッドから吐出される少なくとも固形物を含む背景画像用インクと、を用いたインクジェット記録装置において、
前記反応液と前記インク1と前記背景画像用インクの画像データに基づいて制御の判定を行う判定手段と、
前記判定手段において所定の画像領域内で下記条件1~3の全てを満たしたと判定した場合には、前記インク1と前記背景画像用インクの着弾時間差が第1の時間となるように制御し、前記判定手段において所定の画像領域内で下記条件1~3のうちいずれか1つでも満たさないと判定した場合には、前記インク1と前記背景画像用インクの着弾時間差が第2の時間となるように制御する制御手段と、を有し、
前記第1の時間が前記第2の時間よりも長いことを特徴とするインクジェット記録装置。
条件1:前記反応液の画像データが存在しない。
条件2:前記インク1の画像データが存在する。
条件3:前記背景画像用インクの画像データが存在する。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記背景画像用インクは白インク、メタリックインク、クリアインクのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
記録媒体に対して配列した吐出口からインク滴を吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドから吐出されインク中に含まれる固形物と反応し凝集させる反応液と、
前記記録ヘッドから吐出され少なくとも色材を含むインク1と、
前記インク1の吐出よりも後に前記記録ヘッドから吐出される少なくとも固形物を含むインク2と、を用い、前記記録媒体に対して前記吐出口が配列する方向と交差する方向へ相対的な走査を行いながら画像を形成するインクジェット記録装置において、
前記反応液と前記インク1と前記インク2の画像データに基づいて制御の判定を行う判定手段と、
前記判定手段において所定の画像領域内で下記条件1~3の全てを満たしたと判定した場合には、前記インク1と前記インク2の着弾時間差が第1の時間となるように制御し、前記判定手段において所定の画像領域内で下記条件1~3のうちいずれか1つでも満たさないと判定した場合には、前記インク1と前記インク2の着弾時間差が第2の時間となるように制御する制御手段と、を有し、
前記第1の時間が前記第2の時間よりも長いことを特徴とするインクジェット記録装置。
条件1:前記反応液の画像データが存在しない。
条件2:前記インク1の画像データが存在する。
条件3:前記背景画像用インクの画像データが存在する。
【請求項4】
前記判定手段に用いる前記インク1の画像データに、1バンド内におけるRGB入力データを用いることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記判定手段に用いる前記インク1の画像データに、1バンド内における色変換処理後の入力データを用いることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記判定手段に用いる前記インク1の画像データに、1バンド内における量子化処理後の入力データを用いることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
前記判定手段に用いる前記インク1の画像データに、1バンド内におけるインデックス展開処理後の入力データを用いることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
前記判定手段において前記第1の時間が選択された場合に、前記制御手段は前記第2の時間に比べて前記記録ヘッドの往復動作間における待機時間を増加させるように制御することを特徴とした請求項1~7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項9】
前記判定手段において前記第1の時間が選択された場合に、前記制御手段は前記記録ヘッドの往路もしくは復路のどちらかでのみ吐出動作を行うように制御することを特徴とした請求項1~8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項10】
前記判定手段において前記第1の時間が選択された場合に、前記制御手段は前記第2の時間と比べて少ない吐出口列数から吐出動作を行うように制御することを特徴とした請求項1~9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、色材などの固形分を含むインクと背景画像用のインクを用いて画像形成を行うインクジェット記録装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1によると、透明色の記録媒体に画像形成を行う場合に、記録媒体上に白インクを形成した後にカラーインクを形成する「表刷り」と、記録媒体上にカラーインクを形成した後に白インクを形成する「裏刷り」と呼ばれる画像形成方法があることが開示されている。特許文献1のように、背景画像用インクとカラーインクを積層させて画像を形成する場合において、下地層として形成するインクの粘度状態によって上地層を形成した際の画像形状が変化することがわかっている。
【0003】
例えば上記特許文献に記載の「表刷り」において、下地層となる背景画像用インクが充分に高粘度化されていない状態で上地層となるカラーインクを形成しようとした場合、カラーインクが下地層の背景画像用インク層内に埋没してしまいドット径が広がらずエリアカバレッジが不足する。これによってカラーインクの本来の発色効果を得ることができずポスター画像などの色味が低下してしまう。
【0004】
一方で、上記特許文献に記載の「裏刷り」においても、先に形成したカラーインクの粘度状態が低いことによって後から付与される背景用画像インクによってカラーインク画像が乱されるという課題があることがわかっている。
【0005】
これらの課題に対して乾燥条件の強化などの手段により下地層となるインクを充分に高粘度化することが有効であることがわかっている。(特許文献2)他にもインク中の色材や固形分と反応しインク層を高粘度化する手段も有効であることがわかっている。これらの手段を用いて下地層を充分に高粘度化すれば、後から形成するカラーインクが埋没することなく背景画像用インクの上で濡れ広がりエリアカバレッジを満足させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2003-285427号公報
特開2016-52786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、背景画像用インクとカラーインクの組み合わせによっては濡れ広がりすぎることにより画像の縁部などで滲んでしまったり、細線画像などカラーインクのドット径を小さくしたいような画像に対しては不適切となってしまう。
【0008】
また、裏刷りにおいても水分を吸収しにくい記録媒体上に対して先に形成したカラーインクを高粘度化させいようと反応液を付与したとしても、インクと反応液が不均一に接触することにより記録媒体上のインクドット形状が反応液によって崩れ、特にインクの付与量が小さい領域において粒状性などの画像品位が低下するといった課題が新たに発生した。
【0009】
本発明の目的は、背景画像用インクとカラーインクを積層させて形成する場合において、印刷物の用途に合わせた高品位な画像を出力することができるインクジェット記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体に対して配列した吐出口からインク滴を吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドから吐出されインク中に含まれる固形物と反応し凝集させる反応液と、前記記録ヘッドから吐出され少なくとも色材を含むインク1と、前記インク1の吐出よりも後に前記記録ヘッドから吐出される少なくとも固形物を含む背景画像用インクと、を用い、前記記録媒体に対して前記吐出口が配列する方向と交差する方向へ相対的な走査を行いながら画像を形成するインクジェット記録装置において、前記反応液と前記インク1と前記背景画像用インクの画像データに基づいて制御の判定を行う判定手段と、前記判定手段において所定の画像領域内で下記条件1~3の全てを満たしたと判定した場合には、前記インク1と前記背景画像用インクの着弾時間差が第1の時間となるように制御し、前記判定手段において所定の画像領域内で下記条件1~3のうちいずれか1つでも満たさないと判定した場合には、前記インク1と前記背景画像用インクの着弾時間差が第2の時間となるように制御する制御手段と、を有し、前記第1の時間が前記第2の時間よりも大きいことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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