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公開番号2025066798
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-23
出願番号2025010055,2021105951
出願日2025-01-23,2021-06-25
発明の名称グルコシノレート含有植物粉末、及びグルコシノレート含有植物粉末の製造方法
出願人カゴメ株式会社
代理人
主分類A23B 7/02 20060101AFI20250416BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】本発明における課題は、グルコシノレート含有量の高いグルコシノレート含有植物粉末を提供することである。
【解決手段】当該課題の解決手段は、グルコシノレート含有植物粉末の製造方法であって、それを構成するのは、少なくとも、加熱、並びに乾燥及び粉砕である。加熱工程で加熱されるのは、グルコシノレート含有植物であり、当該加熱は、水蒸気又は過熱水蒸気により行われる。当該グルコシノレート含有植物は、アブラナ科野菜であることが好ましい。前記グルコシノレート含有植物のグルコラファニン含有量は、当該グルコシノレート含有植物1gあたり、1.0mg以上であることが好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
グルコシノレート含有植物粉末であって、当該グルコシノレート含有植物粉末が含有するのは、少なくとも、グルコラファニンであり、 当該緑色植物グルコシノレート含有植物粉末のグルコラファニン含有量は、当該グルコシノレート含有植物粉末1gあたり、5mg以上である。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
請求項1のグルコシノレート含有植物粉末であって、当該グルコシノレート含有植物粉末におけるミロシナーゼ活性は、1unit/g未満である。
【請求項3】
請求項1又は2のグルコシノレート含有植物粉末であって、当該グルコシノレート含有植物粉末は、実質的にスルフォラファンを含有しない。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかのグルコシノレー
ト含有植物粉末であって、 当該グルコシノレート含有植物粉末の粒子径は、 d10が30μm以上であり、 d50が60μm以上であり、 d90が100μm以上であり、かつ、 当該グルコシノレート含有植物粉末を水へ分散させたときの粒子径は、 d10が25μm以下であり、 d50が50μm以下であり、かつ、 d90が130μm以下である。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかのグルコシノレート含有植物粉末であって、当該グルコシノレート含有植物粉末の色調は、 L値が15以上、かつ25以下であり、 a値が-5.5以上かつ、-3以下であり、 b値が9以上、かつ12以下である。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかのグルコシノレート含有植物粉末であって、当該グルコシノレート含有植物粉末は、 賦形剤を含有しない。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかのグルコシノレート含有植物粉末であって、前記グルコシノレート含有植物は、 アブラナ科野菜である。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかのグルコシノレート含有植物粉末であって、当該グルコシノレート含有植物粉末の嵩密度は、 0.3以上である。
【請求項9】
請求項1、並びに3乃至8の何れかのグルコシノレート含有植物粉末であって、当該グルコシノレート含有植物粉末が含有するのは、さらに、ミロシナーゼ含有組成物である。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明が関係するのは、グルコシノレート含有植物粉末、およびその製造方法である。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、健康志向の高まりの下、人々が注目するのは、飲食品の栄養成分、及び機能性成分である。様々な飲食品がある中で、青汁飲料は手軽に野菜の栄養成分を摂取できるものとして、広く認知されている。一般に青汁は、大麦若葉やケール等、緑色植物を原料として用いることによりつくられている。これらの原料を飲食に適した形態に加工するため、これまで種々の検討がなされてきた。
【0003】
一方で、注目されている食品由来の機能性成分の一つは、グルコシノレート(以下、「GSL」ともいう。)である。GSLを含有するのは、植物であり、例えば、ブロッコリー、キャベツ、ダイコン等のアブラナ科野菜である。GSLの摂取は、がんや肝障害などの様々な疾病を予防、改善することが知られている。摂取したGSLは、イソチオシアネート(以下、「ITC」ともいう。)に変換され、ITCが活性本体として前述の予防、改善効果を示す。このグルコシノレートについても、これまで素材化のための種々の検討がなされてきた。
【0004】
特許文献1に記載されているのは、十字花科植物を含む食品、及び抽出物であり、十字花科植物の種子を発芽させ一定期間栽培して得た新芽を含む食品が得られている。
【0005】
また、特許文献2に記載されているのは、植物粉末であり、一定の温度、時間により乾燥し、粉砕することにより、天然の植物素材が得られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表第2000-502245号公報
特表第2013-544092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明における課題は、グルコシノレート含有量の高い、グルコシノレート含有植物粉末を提供することである。従来の青汁等の緑色植物粉末に内在するのは、グルコシノレート含量の低さである。グルコシノレートは、加工工程によって減衰する。さらには、粉末形態において、分散性を高めるために賦形剤を用いることで、その単位当たりの含有量は低下する。飲食用として、グルコシノレート含有植物粉末に求められるのは、グルコシノレート含量を増加させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
当該課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討し発見したのは、グルコシノレート含有植物粉末におけるグルコシノレート含有量と、加工工程との関係である。グルコシノレート含有植物に含有されるグルコシノレートは、一般に、植物に内在するミロシナーゼの影響を受け、加工により減衰する。また、ミロシナーゼを失活するために、加熱等を行う手段も取りうるが、その失活方法やタイミングによっても、最終製品におけるグルコシノレート含有量が変化する。さらには、グルコシノレート含有植物粉末の分散性を高めるために一般的な賦形剤を用いると、分散性は高まるが、グルコシノレート含有植物粉末中のグルコシノレート含有量は低下する。そのような観点から本発明を定義すると、次のとおりである。
【0009】
グルコシノレート含有植物粉末の製造方法を構成するのは、少なくとも、加熱、並びに乾燥及び粉砕である。加熱工程で装置によって加熱されるのは、グルコシノレート含有植物である。当該加熱は、水蒸気又は過熱水蒸気により行われる。当該グルコシノレート含有植物は、アブラナ科野菜であることが好ましい。前記グルコシノレート含有植物のグルコラファニン含有量は、当該グルコシノレート含有植物1gあたり、1.0mg以上であることが好ましい。
【0010】
乾燥及び粉砕工程で人又は装置によって乾燥及び粉砕が行われるのは、前記加熱されたグルコシノレート含有植物である。当該乾燥は、当該粉砕と同時、又は当該粉砕の前に行われる。当該乾燥の方法は、少なくとも、熱乾燥を行うことが好ましい。 前記粉砕後のグルコシノレート含有植物乾燥物の粒子径は、d10が25μm以下であり、d50が50μm以下であり、かつ、d90が130μm以下であることが好ましい。さらには、前記造粒後のグルコシノレート含有植物粉末の粒子径は、d10が30μm以上であり、d50が60μm以上であり、かつ、d90が100μm以上であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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