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公開番号
2025065321
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-17
出願番号
2025017860,2022501094
出願日
2025-02-05,2021-02-19
発明の名称
美容器具
出願人
株式会社 資生堂
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61H
7/00 20060101AFI20250410BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】ハリの低下やたるみといった顔の老化の改善剤や顔の老化改善のための既知の手法とは異なる新たなメカニズムを利用した老化の改善のための方法を提供することを課題とする。
【解決手段】肌のたるみと、立毛筋との間の関連に着目し、立毛筋細胞を賦活化又は増殖させることにより、たるみ、シワ、又はこけを改善する美容方法を提供する。
【選択図】図15
特許請求の範囲
【請求項1】
撮影部、伸展方向調節機構を備えたプローブ部、情報処理部を備えた美容器具であって、
情報処理部が、撮影部で撮影された画像を画像処理して、毛の流れを決定し;
情報処理部が、毛の流れに基づき伸展方向を決定し;
プローブ部の伸展方向調節機構が、決定された伸展方向にプローブ部の角度を調節する
を含む、前記美容器具。
続きを表示(約 360 文字)
【請求項2】
マッサージのための皮膚伸展方向を決定するための装置であって、
顔画像を撮影する撮影部;
撮影された顔画像を分析して、毛の流れ及び/又は毛の流れに沿った伸展方向を決定する情報処理部;及び
毛の流れ及び/又は毛の流れに沿った伸展方向を表示する出力部;
を含む、前記装置。
【請求項3】
撮影部、情報処理部及び出力部を含む、マッサージのための皮膚伸展方向を決定するための装置を制御するためのプログラムであって、
情報処理部を作動して、撮影部で撮影された顔画像を分析し、毛の流れ及び/又は毛の流れに沿った伸展方向を決定させる指令;
決定された毛の流れ及び/又は毛の流れに沿った伸展方向を出力部に表示させる指令
を含む、前記プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は立毛筋細胞を賦活化することによる美容器具に関する。
続きを表示(約 5,300 文字)
【背景技術】
【0002】
肌のたるみは見た目年齢への影響が大きく、肌のハリを維持し、たるみを改善することは、美容上の大きな課題である。肌のハリが失われることで、たるみ、シワ、又はこけが現れ、これにより老けた印象を与える。肌のハリは、主に真皮層の厚さに起因しており、ハリのある肌には、真皮層を充填するコラーゲンやエラスチンといった弾性線維が豊富に含まれている。加齢や紫外線への曝露などの影響により、真皮線維芽細胞の機能が低下し、マトリクスメタロプロテイナーゼが活性化することが知られている。これにより、コラーゲンやエラスチンをはじめとする弾性線維が減少することで真皮層が菲薄化し、皮膚からハリが失われてたるみ、シワ、又はこけが生じる。一方で肌のハリ低下の原因は必ずしも真皮層の厚さのみにあるわけではなく、表情筋の衰えや皮下脂肪の増大などによりハリが失われて、たるみ、シワ、又はこけが生じることも知られている。従来の美容方法では、たるみの改善を達成するために、真皮線維芽細胞の賦活化によりコラーゲンや弾性線維等を増加させること、或いはコラーゲンや弾性線維等の分解を抑制することに注力してきており、真皮線維芽細胞の賦活作用や、コラーゲン産生促進作用又は分解抑制作用を有する成分が発見され、化粧料に応用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-144499号公報
特開2013-014555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまで見出されてきたたるみのメカニズムとは異なる新たなメカニズムを利用した、たるみを改善する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、これまで知られているハリの低下やたるみといった顔の老化の原因を突き止めるために鋭意研究を行ったところ、驚くべきことに、皮膚のたるみや弾力と立毛筋量との間の関連を見出した。さらに、研究をすすめたところ、立毛筋には、幹細胞様の細胞が存在しており、物理刺激を加えることで幹細胞様の細胞が増殖することを見出した。
さらに、本発明者らは立毛筋に存在する幹細胞様細胞がアドレナリン受容体を発現しており、アドレナリン受容体を作動させることで幹細胞様細胞を賦活化及び/又は増殖できることを見出し、本発明に至った。
【0006】
そこで本発明は、以下に関する:
[1] 立毛筋細胞を賦活化及び/又は増殖させることを含む、美容方法。
[2] たるみ、シワ、又はこけを改善する、項目1に記載の美容方法。
[3] 立毛筋細胞が、皮膚に対する物理刺激又は立毛筋細胞のアドレナリン受容体を介した刺激により増殖する、項目1又は2に記載の美容方法。
[4] 物理刺激が、立毛筋の走行方向への伸展刺激である、項目3に記載の美容方法。
[5] 立毛筋細胞のアドレナリン受容体を介した刺激が、カテコールアミン系化合物の皮膚投与による刺激である、項目3に記載の方法。
[6] 立毛筋細胞のアドレナリン受容体を介した刺激が、情動刺激による生体内でのノルアドレナリン放出による刺激である、項目3に記載の方法。
[7] 立毛筋内に存在する幹細胞様細胞の活性を指標とする、たるみ、シワ、又はこけ改善処理のスクリーニング方法。
[8] 前記幹細胞様細胞が、CD34陽性細胞である、項目7に記載のスクリーニング方法。
[9] 前記スクリーニング方法が、以下の:
皮膚器官培養を行う工程;
皮膚器官に対し、候補処理を行う工程;
立毛筋内に存在する幹細胞様細胞の活性を測定する工程;
を含む、項目7又は8に記載のスクリーニング方法。
[10] 前記候補処理が、候補薬剤を含む溶液中での皮膚器官の培養である、項目9に記載のスクリーニング方法。
[11] 候補薬剤を含む溶液中でのアドレナリン受容体発現細胞を培養する工程、
アドレナリン受容体発現細胞の活性を測定する工程
を含む、アドレナリン受容体発現細胞の活性を指標としたたるみ、立毛筋細胞賦活化剤のスクリーニング方法。
[12] 前記アドレナリン受容体発現細胞が、平滑筋細胞、心筋細胞、神経細胞、及びアドレナリン受容体の遺伝子導入細胞からなる群から選択される、項目11に記載の立毛筋細胞賦活化剤のスクリーニング方法。
[13] 立毛筋細胞賦活化剤が、たるみ、シワ、又はコケ改善剤である、項目11又は12に記載のスクリーニング方法。
[14] 平滑筋細胞が、血管筋細胞、立毛筋細胞、及び子宮筋細胞からなる群から選ばれる、項目12に記載の方法。
[15] カンゾウエキスを含む、平滑筋細胞の賦活用組成物。
[16] さらにキイチゴエキスを含む、項目15に記載の賦活用組成物。
[17] 前記平滑筋細胞が、血管筋細胞、立毛筋細胞、及び子宮筋細胞からなる群から選ばれる、項目15又は16に記載の賦活用組成物。
[18] 項目15~17のいずれか一項に記載の平滑筋細胞の賦活用組成物を含む、たるみ、シワ、又はこけ改善用組成物。
[19] 撮影部、伸展方向調節機構を備えたプローブ部、情報処理部を備えた美容器具であって、
情報処理部が、撮影部で撮影された画像を画像処理して、毛の流れを決定し;
情報処理部が、毛の流れに基づき伸展方向を決定し;
プローブ部の伸展方向調節機構が、決定された伸展方向にプローブ部の角度を調節する
を含む、前記美容器具。
[20] マッサージのための皮膚伸展方向を決定するための装置であって、
顔画像を撮影する撮影部;
撮影された顔画像を分析して、毛の流れ及び/又は毛の流れに沿った伸展方向を決定する情報処理部;及び
毛の流れ及び/又は毛の流れに沿った伸展方向を表示する出力部;
を含む、前記装置。
[21] 撮影部、情報処理部及び出力部を含む、マッサージのための皮膚伸展方向を決定するための装置を制御するためのプログラムであって、
情報処理部を作動して、撮影部で撮影された顔画像を分析し、毛の流れ及び/又は毛の流れに沿った伸展方向を決定させる指令;
決定された毛の流れ及び/又は毛の流れに沿った伸展方向を出力部に表示させる指令
を含む、前記プログラム。
【発明の効果】
【0007】
ハリの低下やたるみ、シワ、又はこけといった顔の老化の改善について、新たなメカニズムを利用することにより、効果的に老化の改善を図ることができる。また、新たなメカニズムに着目することで、新規のスクリーニング方法を提供することができ、かかるスクリーニング方法により選択された新たな薬剤を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、円柱状に取得された皮膚切片を、そのまま又は表皮側から圧力を付与した状態でX線CT撮影を行い、圧力を付与した状態の3次元表示について、移動量をヒートマップとして示した画像である。
図2Aは、円形状の皮膚の座標を示す。図2Bは、円形試料に対し、上面から圧力を付したことを示す図である。図2Cは、若齢者群と高齢者群の対象の皮膚における垂直方向への変形に対する抵抗性を示すグラフである。
図3Aは、円形状の皮膚に上面から圧力を付した場合の皮膚の移動度をヒートマップとして示した図である。図3Bは、円形試料のヒートマップ画像と、円形試料内の構造を重ね合わせて示す。
図4は、押圧前後において3次元再構築された皮膚組織における各組織の変形率を表すグラフである。
図5Aは、若齢者の対象から得られた試料及び高齢者の対象から得られた試料において、一定の皮膚領域に存在する立毛筋を示す。図5Bは、若齢者群の対象と、高齢者群の対象における、一定の皮膚領域あたりの立毛筋の量を示すグラフである。
図6は、皮膚試料を、CD49f/CD34マーカーで染色した蛍光顕微鏡写真を示す。若齢者の対象と、高齢者の対象とを比較した場合に、若齢者の対象においてCD49f/CD34マーカーで二重陽性となる細胞が多く存在した。図6Bは、若齢者の対象と、高齢者の対象とにおける、CD49f/CD34マーカー(幹細胞マーカー)で二重陽性となる細胞の密度を示す。
図7は、皮膚試料において、伸展刺激を加えなかった皮膚と伸展刺激を加えた皮膚におけるCD34(幹細胞マーカー)陽性細胞の変化を示す。図7Aは、組織染色の結果であり、図7Bは、蛍光顕微鏡下での染色の結果を示す。
図8Aは、X線CTを行い3次元再構築された産毛の毛包と立毛筋との関係を示す。毛包と立毛筋の配向が一致しており、立毛筋の配向が毛の流れと一致していることを示す。図8Bは、ヒトの顔面における毛の流れを示す。図8Cは、額部における毛の流れの違いと、その割合を示す。
図9は、顔のダイナミックベルトを示す模式図である。
図10は、たるみ改善度を著効、有効、緩効、無効と4段階に分類した場合の割合を示す。
図11Aは、培養平滑筋細胞においてCD49f/CD34マーカー(幹細胞マーカー)で染色された細胞を示す。図11Bは培養平滑筋細胞においてCD34、ADRA1で染色された細胞を示す。図11Cは皮膚試料においてCD34、ADRA1で染色された細胞を示す。
図12Aは、培養平滑筋細胞においてフェニレフリン刺激の有無における、CD49f/CD34マーカー(幹細胞マーカー)二重陽性細胞を示す。図12Bは、フェニレフリンの濃度依存的な、CD49f/CD34マーカー(幹細胞マーカー)二重陽性細胞数の増殖率を示す。
図13は、カンゾウエキスが平滑筋細胞を賦活化することを示すグラフである。
図14は、カンゾウエキスが平滑筋細胞を賦活化する一方、キイチゴエキスは平滑筋細胞を賦活化させないことを示す(図14A)が、カンゾウエキスとキイチゴエキスを併用した際に、キイチゴエキスはカンゾウエキスの効力を阻害しないことを示すグラフである(図14B)。
図15Aは、本発明に係る美容機器10の模式図を示す。図15Bは、本発明に係る美容器10の構成を示すブロック図である。
図16Aは、本発明に係るマッサージのための皮膚伸展方向を決定するための装置の構成を示すブロック図を示す。図16Bは、かかる装置においてインターネットに接続された外部装置において情報処理が行われるシステムの構成を示すブロック図を示す。
図17は、マッサージのための皮膚伸展方向を決定するための装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の1の態様は、立毛筋細胞を増殖させることを含む、美容方法に関する。立毛筋細胞を増殖させて、立毛筋を賦活化することにより肌のたるみが改善することから、たるみ改善方法ということができる。また、たるみや皮膚粘弾性の低下は、肌のはりの低下、シワ又はこけに関与し、老けた印象をあたえることから、本発明の美容方法は、はり、シワ、又はこけの改善方法、又は老化改善方法ともいうことができる。
【0010】
立毛筋とは、毛包部と真皮上層との間に存在する平滑筋の一種である。立毛筋は交感神経により支配されており、寒冷ストレスや、恐怖、驚きなどの情緒性ストレスにより収縮する。毛根は皮膚表面に対し斜め方向に生えており、これにより毛の流れを作り出している。また、立毛筋は毛または毛包に略平行に配向しているため、毛または毛包の走行方向を、立毛筋の走行方向ということもできる。立毛筋が収縮すると、毛根が皮膚表面に対し垂直方向になるように動くことで毛が逆立ち、いわゆる鳥肌と呼ばれる状態を形成する。本発明者らによる円柱状皮膚試料に対する押圧試験により、顔面の皮膚には、変形刺激に対する抵抗について方向性があることが示されており(図2)、かかる抵抗性には立毛筋が関与することが示された(図3)。立毛筋量と、皮膚のたるみ又は粘弾性とが相関する(実施例2)。立毛筋は加齢とともに減少することから(図5)、立毛筋量を増加させることで、皮膚のたるみ又は粘弾性にかかわる現象、例えば、はり、シワ、又はこけの改善することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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