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公開番号
2025062597
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-14
出願番号
2024227545,2022503458
出願日
2024-12-24,2020-07-10
発明の名称
カチオン性ポロキサマー及び形質導入におけるこれらの使用
出願人
オズ バイオサイエンシズ
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
15/87 20060101AFI20250403BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】 ウイルスベクターによる標的細胞の形質導入の増強を可能とする。
【解決手段】 本発明は、添加剤単独として導入された又はナノ粒子と共に製剤化されたカチオン性ブロック共重合体を用いたウイルスベクターによる標的細胞の形質導入の増強方法に関する。方法は、標的細胞をウイルス及びカチオン性ブロック共重合体と接触させることのステップを含む。この添加剤の構造は、重合体の骨格中に異なる領域を提示する親水性及び疎水性領域の両方を組み込んでいる。この重合体の構築は、ウイルス形質導入のさらなる増強に寄与するカチオン性化学的機能によって終結される。また、本発明は、本発明の方法において使用することができる新規カチオン性ポロキサマーにも関する。さらに、本発明の別の実施形態は、これらの重合体を用いて鉄ベースのナノ粒子のコロイド安定化及び形質導入効率向上におけるこれらの使用に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
カチオン性ポロキサマーを用いたウイルスベクターの標的細胞への形質導入方法。
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
前記カチオン性ポロキサマーを、単独で使用又はナノ粒子と共に製剤化することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カチオン性ポロキサマーを、単独又は前記カチオン性ポロキサマーを含むいずれかの組成物で使用することを特徴とする、請求項1及び2に記載の方法。
【請求項4】
前記標的細胞を、ウイルスベクター及びカチオン性ポロキサマーと接触させる工程を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記標的細胞は、ウイルスとの接触前に、ウイルスとの接触と同時に又はウイルスとの接触後に前記カチオン性ポロキサマーと接触する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記カチオン性ポロキサマー及び前記ウイルス粒子を、混合物として前記細胞上に同時に、又は順次添加する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ウイルス、前記カチオン性ポロキサマー及び前記細胞の前記接触は、5秒~3ヶ月の範囲、好ましくは、10分~2週間の範囲、より好ましくは、20分~1週間の範囲、さらにより好ましくは0.5時間~120時間の範囲であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記カチオン性ポロキサマーを、0.01~500mg/ml、好ましくは0.05~300mg/mL、より好ましくは1~200mg/mL、さらにより好ましくは5~150mg/mLのストック濃度で提供する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記カチオン性ポロキサマーをナノ粒子との製剤化で使用する場合、前記ナノ粒子は、磁性ナノ粒子である、請求項2~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ウイルス、前記細胞及び前記アジュバントを10秒~96時間、好ましくは、1分~48時間、より好ましくは5分~4時間接触させた場合、磁場のさらなる工程が適用されることを特徴とする、請求項2又は9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本書類に記載の方法は、添加剤単独として導入又はナノ粒子(本文中、化学的アジュバントとも呼ぶ)と共に製剤化されたカチオン性ブロック共重合体を用いたウイルスベクターによる標的細胞の形質導入の増強に関する。方法は、標的細胞をウイルス及びカチオン性ブロック共重合体と接触させるステップを含む。この添加剤の構造は、重合体の骨格中に異なる領域である親水性及び疎水性領域の両方を組み込んでいる。この重合体の構築は、ウイルス形質導入のさらなる増強に寄与するカチオン性化学的機能によって終結される。本発明は、本発明の方法において使用することができる新規カチオン性ポロキサマーにも関する。さらに、本発明の別の実施形態は、これらの重合体を用いて鉄ベースのナノ粒子のコロイド安定化及び形質導入効率向上におけるこれらの使用に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
遺伝子及び細胞応用において、ウイルスの使用は、ほとんどの細胞、特に初代細胞の遺伝子改変のための選択方法である。このベクターの種類、特にレトロウイルスは、感染細胞における安定な遺伝子発現を可能とし、すぐに、研究及び治療応用の両方のための重要な礎になる。
【0003】
近年、レンチウイルス(LV)ベクターは、増殖しているか否かに関わらず、ヒト又は他の哺乳類細胞を感染させるために首尾良く使用されてきた。殆どの場合、これらの手順の成功は、糖タンパク質を有する偽型LVの使用を必要とする。したがって、かかるベクターは、標的細胞の染色体に安定に組み込むことができる。同じ方法では、アデノウイルス及びアデノ随伴ウイルスは、遺伝子改変又は様々な細胞及び組織の操作と同様に広範に使用されてきた。
【0004】
現在、これらに限定されないが、リンパ球、免疫細胞、リンパ細胞株、幹細胞及び初代造血幹細胞を含む治療用細胞に遺伝子を送達するためにレンチウイルス又はアデノウイルス若しくはアデノ随伴ウイルス、又はより通常ウイルスを含む高効率的形質導入条件の発見に関心が高まっている。最近の臨床的進歩は、初代リンパ球、造血腫瘍細胞又は達成困であることが既知である多能性幹細胞に遺伝子材料を導入することに基づく。かかる細胞に対する研究では、往々にして高濃度及び高純度グレードウイルス調製物の使用は充分に効率的であることを暗示している。結果として、親細胞の大規模形質導入は、ウイルス産生のアップスケール及び高ウイルス力価及び高濃度ウイルス保存液を得るための精巧な処理を要する。したがって、かかる最適化は、重要な財務コストを暗示する。
【0005】
必要とされるウイルス産生量、結果として臨床治験コストを減らすために、ウイルス形質導入効率を向上することは最重要である。さらに、感染のより低い感染効率(MOI)による研究では、親細胞当たりの複数のウイルス複製物の挿入に対する変異原性リスクを低減するだろう。
【0006】
本文では、表現「など(such as)」は、非限定的であると理解されるべきであり、それの後に記載される要素が本発明の範囲内に完全に適合しうることを言及されていない他のもの中で引用されたほんの例であることを暗示する「例など(such as an example)」と理解されるべきである。
【0007】
いくつかのストラテジーが使用されて、ウイルスを含む形質導入手順の効率を向上した。
【0008】
第一改良ポイントは、ベクターそれ自体に依存する。ウイルス調製物の純度及び品質、感染効率(MOI)(宿主、-例えば、細胞の数に対する感染性病原体、-例えば、感染ウイルス粒子-の数の比)及びウイルス構築は、形質導入の最適効率を達成するように制御するために重要なパラメータである。事実、いくつかの研究は、ウイルスにおける内在性阻害物質の存在は、形質導入手順における効率の低下を説明し得ることを報告している。これらの懸念の回避の助けとなるかもしれない高濃度及び精製ウイルス調製物の使用は、これまで、超遠心分離法、又は限外ろ過ストラテジーにより得られていた。また、効率的な形質導入手順は、ウイルス適用前の最適な細胞密度、制限した細胞継代数及び細胞培養培地組成物の注意深い管理も必要とする。
【0009】
ウイルスベクターの純度及び品質に関する問題に加えて、ウイルス遺伝子導入効率を限定するいくつかの基本的な生物物理学的制約が存在する。事実、いくつかのグループは、ウイルスの時間をかけた拡散及び迅速な不活化は比較的低い実測効率の主要原因であることを実証した。生物活性を失う前にほんの数ミクロン拡散することができるウイルス粒子を用いて、初期活性ウイルス粒子の大部分は、これらが標的細胞と相互作用しうる前に不活化され、基本的に形質導入効率の達成可能な水準を制限する。
【0010】
機械的又は物理的アプローチは、標的細胞に達しながらなお感染性であるウイルス粒子数を増加することを可能とした。とりわけ、遠心分離(又はスピノキュレーション)技術(A.B.Bahnson et al.;J.Virol.Methods 1995,54:131-143)、フロースルー形質導入(S.Chuck et al.;Hum. Gene Ther.1996,7:743-750)、又は磁性ナノ粒子(MNP)の使用(Sloutskin A.et al.;J Virol Methods.2014,206:128-32)を、細胞表面上への活性ウイルス粒子濃度を増加することができる技術として引用することができる。これらの技術は、共通して、対流性要素をウイルスの大量輸送に添加することによって活性ウイルス-細胞相互作用の可能性及び頻度を増大した。原理的にカチオン性磁性ナノ粒子を使用するMagnetofection(商標)技術は、インビトロ、エクスビボ及びインビボでの多種多様な生物モデルにおけるウイルス感染及びウイルス吸着を共に促進、増強及び同時に起こすことができた(C.Plank,et al.;Adv Drug Del Rev 2011,63:1300-1331)。効率的であることが証明されたが、それらの費用及び困難なスケールアップは、どうしたものか大規模インビボ臨床設定における成分としてのそれらの可能性を限定する。
(【0011】以降は省略されています)
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