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公開番号
2025059949
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-10
出願番号
2023170378
出願日
2023-09-29
発明の名称
筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具
出願人
株式会社パイロットコーポレーション
代理人
個人
,
個人
主分類
C09D
11/16 20140101AFI20250403BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】 耐ボタ落ち性能に優れ、良好な筆跡をもたらすことができる筆記具用水性インキ組成物および、それを用いた筆記具の提供。
【解決手段】 本発明によれば、着色剤と、界面活性剤と、水と、を含んでなる筆記具用水性インキ組成物であって、20℃における、前記インキ組成物の表面張力をγ(mN/m)、前記インキ組成物のペン芯に対する動的前進接触角をθaとしたとき、式(1):
γcosθa≧25.5 (1)
を満たす、筆記具用水性インキ組成物が提供される。このインキ組成物は、くし歯状のインク貯留部を有する筆記具に好適に組み合わせることができる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
着色剤と、界面活性剤と、水と、を含んでなる筆記具用水性インキ組成物であって、20℃における、前記インキ組成物の表面張力をγ(mN/m)、前記インキ組成物のペン芯に対する動的前進接触角をθaとしたとき、式(1):
γcosθa≧25.5 (1)
を満たすことを特徴とする、筆記具用水性インキ組成物。
続きを表示(約 530 文字)
【請求項2】
前記インキ組成物が、式(2):
γcosθa≦37.0 (2)
をさらに満たす、請求項1に記載のインキ組成物。
【請求項3】
20℃における前記インキ組成物の表面張力γが35mN/m~65mN/mである、請求項1または2に記載のインキ組成物。
【請求項4】
前記界面活性剤が、ポリオキシアルキレングリコール構造を有する界面活性剤である、請求項1または2に記載のインキ組成物。
【請求項5】
20℃における前記インキ組成物の粘度が10.0mPa・s以下である、請求項1または2に記載のインキ組成物。
【請求項6】
前記インキ組成物の総質量を基準とした前記界面活性剤の含有率が、0.001~1.0質量%である、請求項1または2に記載のインキ組成物。
【請求項7】
くし歯状のインキ保留部を具備してなり、かつ請求項1または2に記載のインキ組成物を収容してなることを特徴とする、筆記具。
【請求項8】
前記インキ保留部が、アクリロニトリルスチレン樹脂またはアクリロニトリルブチレンスチレン樹脂からなる、請求項7に記載の筆記具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
筆記具には、インキ流量を調節するインキ流量調節体(以下、場合により、ペン芯と表すことがある。)を介してペン先が軸筒端部に取り付けられ、前記軸筒内にインキ組成物を収容するインキ貯蔵体が備えられた構造を有するものがある。この種の筆記具は、ペン先上向き状態や横置き状態から、筆記するためにペン先下向き状態にした場合に、インキ貯蔵体に収容されたインキ組成物がインキ貯蔵体の内壁を伝ってペン先方向へ流下し、ペン芯を介して紙面に移動することで筆記が可能となる。インキ組成物がペン芯を介してペン先へと導かれるときのインキ組成物の移動のしやすさは、その筆記具の筆記性能に大きく影響を与えるものであり、これをインキ移動性と称する。
【0003】
筆記具においてこのインキ移動性が適切に調整されていない場合には、インキ組成物が導かれずインキ貯蔵体内に留まってしまったり、逆にペン先からインキ組成物が垂れ落ちてしまう、いわゆるボタ落ちが起こることがある。また、振とうなどによってインキ組成物に発泡が生じた場合にも、インキ移動性は損なわれることがあるため、発泡を抑制することも望まれる。
【0004】
ペン芯内におけるインキ移動性や、インキ貯蔵体内におけるインキ反転性は、インキ組成物の表面張力や粘度などにも依存するため、界面活性剤などによって調整されることが多いが、過剰に界面活性剤を添加した場合には、インキ組成物に発泡も起こりやすくなる。インキ貯蔵体内におけるインキ組成物のインキ移動性と発泡性を抑制することも検討され、インキ組成物の泡立ち性と消泡率とに着目しながらインキ反転性を検討したインキ組成物も知られている(特許文献1)。
【0005】
しかしながら、インキ組成物のボタ落ちが起きると、意に反して周囲を汚損してしまうことから、インキ組成物のボタ落ちを防止することは非常に重要である。このため、インキ移動性を十分に維持しながら、さらにボタ落ちを抑制したインキ組成物が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-015875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、優れた筆跡を形成することができる、ボタ落ちが抑制された筆記具用水性インキ組成物および、それを用いた筆記具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]
着色剤と、界面活性剤と、水と、を含んでなる筆記具用水性インキ組成物であって、20℃における、前記インキ組成物の表面張力をγ(mN/m)、前記インキ組成物のペン芯に対する動的前進接触角をθaとしたとき、式(1):
γcosθa≧25.5 (1)
を満たすことを特徴とする、筆記具用水性インキ組成物。
[2]
前記インキ組成物が、式(2):
γcosθa≦37.0 (2)
をさらに満たす、[1]に記載のインキ組成物。
[3]
20℃における前記インキ組成物の表面張力γが35mN/m~65mN/mである、[1]または[2]に記載のインキ組成物。
[4]
前記界面活性剤が、ポリオキシアルキレングリコール構造を有する界面活性剤である、[1]~[3]のいずれかに記載のインキ組成物。
[5]
20℃における前記インキ組成物の粘度が10.0mPa・s以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のインキ組成物。
[6]
前記インキ組成物の総質量を基準とした前記界面活性剤の含有率が、0.001~1.0質量%である、[1]~[5]のいずれかに記載のインキ組成物。
[7]
くし歯状のインキ保留部を具備してなり、かつ[1]~[6]のいずれかに記載のインキ組成物を収容してなることを特徴とする、筆記具。
[8]
前記インキ保留部が、アクリロニトリルスチレン樹脂またはアクリロニトリルブチレンスチレン樹脂からなる、[7]に記載の筆記具。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ボタ落ちが十分に抑制され、良好な筆跡をもたらすことができる筆記具用水性インキ組成物および、それを用いた筆記具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
表面張力と動的前進接触角の余弦との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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