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公開番号2025058409
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023168324
出願日2023-09-28
発明の名称ホイールナットの緩み検知装置
出願人株式会社アンセイ
代理人弁理士法人ぱてな
主分類G01L 5/24 20060101AFI20250402BHJP(測定;試験)
要約【課題】製造コストの低廉化を実現可能であり、既存の大型自動車に用いる場合でも高額な改造費用が必要でなく、取扱いが容易であり、走行前の目視の必要がなく、かつ運転者等が大型自動車の走行中でもホイールナットが緩む事態に気付くことができるホイールナットの緩み検知装置を提供する。
【解決手段】緩み検知装置は、大型自動車1に用いられ、センサユニット100を具備している。センサユニットは、ハウジング11と、ホイールナット37と同期回転する環状部61aを有するナットリング61と、第1制御装置15とを備えている。第1制御装置15は、緩む方向に回転するホイールナット37と同期して環状部61aが回転することにより、検出信号を出力する検知部15c、15dと、検出信号によって警告信号をレシーバ200に送信可能な送信部38と、検知部15c、15d及び送信部38を制御する第1制御部15a、15bとを有している。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
大型自動車に用いられ、センサユニットを具備したホイールナットの緩み検知装置であって、
前記大型自動車は、複数本のホイールボルトが固定され、各前記ホイールボルトの軸部が突出するハブと、
タイヤが組付けられて車輪を構成するホイールであって、各前記ホイールボルトと同数のホイールボルト穴が貫設され、各前記軸部がそれぞれ前記ホイールボルト穴に挿通されてそれぞれホイールナットによって螺合されることにより、前記ハブに固定される前記ホイールと、を備え、
前記センサユニットは、隣り合う少なくとも2個の前記軸部が挿通され、各前記軸部がそれぞれ前記ホイールナットによって螺合されることにより、前記ホイールに固定されるハウジングと、
前記ハウジングによって隠蔽され、各前記軸部の軸心と同軸の環状をなす環状部を有し、各前記環状部が各前記ホイールナットと同期回転可能に各前記ホイールナットに装着されるナットリングと、
前記ハウジング内に設けられ、電池を含み、前記電池の電力によって作動する第1制御装置であって、緩む方向に回転する前記ホイールナットと同期して前記環状部が回転することにより、検出信号を出力する検知部と、前記検出信号によって警告信号をレシーバに送信可能な送信部と、前記検知部及び前記送信部を制御する前記第1制御部とを有することを特徴とするホイールナットの緩み検知装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ホイールナットの緩み検知装置は前記レシーバを具備し、
前記レシーバは、外部電源によって作動する第2制御装置を備え、
前記第2制御装置は、前記警告信号を受信する受信部と、前記警告信号によっていずれか一つの前記ホイールナットの緩みを報知する報知部と、前記受信部及び前記報知部を制御する第2制御部とを有している請求項1記載のホイールナットの緩み検知装置。
【請求項3】
前記送信部と前記受信部とはペアリングされる請求項2記載のホイールナットの緩み検知装置。
【請求項4】
各前記ナットリングは、前記環状部に固定された永久磁石を含み、
前記検知部は、各前記永久磁石の磁気の変化に応じて前記検出信号を出力する磁気センサである請求項1又は2記載のホイールナットの緩み検知装置。
【請求項5】
前記磁気センサは、各前記永久磁石の磁気の変化に応じて前記検出信号を出力するホール素子である請求項4記載のホイールナットの緩み検知装置。
【請求項6】
前記第1制御部は、少なくとも一つの前記検出信号の検出値が第1閾値より低ければ、前記送信部に前記警告信号を送信させる請求項5記載のホイールナットの緩み検知装置。
【請求項7】
前記第1制御部は、前記検出値が前記第1閾値より高ければ低電力モードとなり、前記検出値が前記第1閾値より低ければ通常電力モードとなる請求項6記載のホイールナットの緩み検知装置。
【請求項8】
前記磁気センサは、前記永久磁石の接近又は離隔によって導通状態と非導通状態とが入れ替わって前記検出信号を出力する磁気リードスイッチである請求項4記載のホイールナットの緩み検知装置。
【請求項9】
各前記環状部は前記検知部を押圧可能な押圧部を含み、
前記検知部は、前記押圧部の押圧又は非押圧によって導通状態と非導通状態とが入れ替わって前記検出信号を出力するメカニカルスイッチである請求項1又は2記載のホイールナットの緩み検知装置。
【請求項10】
前記第1制御部は、前記電池の電圧が第2閾値より低ければ、前記送信部に特定信号を送信させ、
前記第2制御部は、前記受信部が前記特定信号を受信すれば、前記報知部が前記電池の寿命を報知する請求項2記載のホイールナットの緩み検知装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、大型自動車に用いられるホイールナットの緩み検知装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
中型トラック、大型トラック、観光バス等の大型自動車は、複数対のハブと、各ハブに固定される複数対のホイールとを備えている。各ハブは、6本、8本又は10本のホイールボルトが固定され、各ホイールボルトの軸部が車両の外側に向かって水平に突出している。各ホイールは、タイヤが組付けられて車輪を構成する。各ホイールは、各ホイールボルトと同数のホイールボルト穴が貫設され、各軸部がそれぞれホイールボルト穴に挿通されてそれぞれホイールナットによって螺合される。こうして、各ハブに車輪が固定される。
【0003】
左右の後輪は、それぞれ左右のハブに1本ずつ固定されている場合(シングルホイール)と、図27に示すように、内側のホイール97と、外側のホイール99とが固定されている場合(ダブルホイール)とがある。すなわち、左右の前輪はそれぞれ左右のハブに1本のホイールで固定されるが、左右の後輪はそれぞれ左右のハブ93に2本のホイール97、99で固定される。
【0004】
ダブルホイールの場合、内側のホイール97のハブ取付部97aにはホイールボルト95と同数のホイールボルト穴97bが貫設され、ハブ取付部97aは車体の外側に向けて突出している。内側のホイール97にはタイヤ92が組付けられ、ホイール97及びタイヤ92が内側の車輪W1を構成している。外側のホイール99のハブ取付部99aにもホイールボルト95と同数のホイールボルト穴99bが貫設され、ハブ取付部99aは車体の内側に向けて突出している。外側のホイール99にはタイヤ94が組付けられ、ホイール99及びタイヤ94が外側の車輪W2を構成している。ハブ取付部97aのホイールボルト穴97b及び外側のホイール99のホイールボルト穴99bを挿通した各ホイールボルト95の軸部95aにそれぞれワッシャ96を介してホイールナット98が螺合される。こうして、一つのハブ93に内側の車輪W1及び外側の車輪W2が固定される。
【0005】
近年、大型自動車では、走行中にいずれか一つのホイールナットが緩み、車輪が脱落する事故が増加している。特に、左側の車輪が脱落しやすく、さらにダブルホイールの車輪が脱落しやすいようである。このため、例えば特許文献1~3の緩み検知装置が提案されている。
【0006】
特許文献1、2のホイールナットの緩み検知装置は、軸部の軸心と同軸の環状をなす環状部と、環状部から延びる指示体とからなる。環状部はホイールナットと同期回転可能にホイールナットに装着される。2個の環状部が指示体によって接続された緩み検知装置も公知である。
【0007】
これらのホイールナットの緩み検知装置は、ホイールナットを軸部に対して正しく螺合した状態において、環状部がホイールナットに装着される。大型自動車がある程度走行し、いずれか一つのホイールナットが軸部に対して仮に緩んだ場合、環状部がそのホイールナットと同期して回転する。この場合、指示体が指す方向や指示体の形状は、ホイールナットが緩む前の状態に対して変化しているため、大型自動車の運転者等は、走行前に指示体を視認することにより、ホイールナットの緩みを車両の脱輪に先立って知ることができる。そのため、運転者等は、緩んだホイールナットを走行前に増し締め等することができ、車輪の脱落を未然に防止することが可能である。
【0008】
特許文献3のホイールナットの緩み検知装置は、ハブの全周に延びるリング状のスペーサ状部材を有するセンサユニットと、情報処理装置とを備えている。スペーサ状部材は、ハブが有するホイールボルトと同数のホイールボルト穴が貫設され、各軸部がそれぞれホイールボルト穴に挿通されてそれぞれホイールナットによって螺合される。スペーサ状部材には、各ホイールボルト穴間に歪センサが設けられている。センサユニットは、各歪センサに電力を供給する電池と、第1通信装置とも設けられている。情報処理装置は、センサユニットの第1通信装置と通信可能な第2通信装置を有するとともに、歪センサの検出データから各ホイールナットの締結状態の異常を判定する締結状態判定手段を有している。また、情報処理装置は、表示部を有している。
【0009】
このホイールナットの緩み検知装置では、センサユニットは、例えばハブと車輪のホイールとの間に挟持され、各ホイールナットを各軸部に対して正しく螺合することによって装着される。情報処理装置は大型自動車の運転室等に搭載される。大型自動車がある程度走行し、いずれか一つのホイールナットが軸部に対して緩んだ場合、センサユニットの各歪センサの検出データが第1通信装置によって情報処理装置の第2通信装置に送信される。情報処理装置は、締結状態判定手段が各検出データによってそのホイールナットの締結状態の異常を判定し、運転室に搭載され得る表示部がこの結果を表示する。このため、運転者等は、走行中でもその判定結果を確認することにより、ホイールナットの緩みを知ることができる。そのため、運転者等は、走行前にそのホイールナットを増し締め等することにより、車輪の脱落を未然に防止することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
実用新案登録第3146831号公報
特許第5706985号公報
特許第6466223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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