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公開番号2025057900
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023167733
出願日2023-09-28
発明の名称艶消し性および日射反射性に優れたポリカーボネート樹脂組成物
出願人住化ポリカーボネート株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C08L 69/00 20060101AFI20250402BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ポリカーボネート樹脂が本来有する耐熱性、耐衝撃性等を損なうこと無く、艶消し性及び日射反射性に優れる成形品を作製できるポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)60~99.5質量%と、共重合体樹脂(B)0.5~40質量%からなる樹脂組成物100質量部に対して、エラストマー(C)を0.1~20質量部、および近赤外線反射顔料(D)を0.1~20質量部含有することを特徴とする、艶消し性および日射反射性に優れたポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリカーボネート樹脂(A)60~99.5質量%と、共重合体樹脂(B)0.5~40質量%からなる樹脂組成物100質量部に対して、エラストマー(C)を0.1~20質量部、および近赤外線反射顔料(D)を0.1~20質量部含有することを特徴とする、艶消し性および日射反射性に優れたポリカーボネート樹脂組成物。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
共重合体樹脂(B)が、オレフィンに由来する構成単位およびエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を含む共重合体樹脂である、請求項1に記載の艶消し性および日射反射性に優れたポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項3】
共重合体樹脂(B)が、エチレングリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレングリシジル(メタ)アクリレート-ビニルアセテート共重合体、または、エチレングリシジル(メタ)アクリレート-メチルアクリレート共重合体である、請求項2に記載の艶消し性および日射反射性に優れたポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項4】
共重合体樹脂(B)100質量%中、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有割合が4質量%以下、メチルアクリレートに由来する構成単位の含有割合が28質量%以下である請求項1に記載の艶消し性および日射反射性に優れたポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項5】
エラストマー(C)が、アクリル系コアシェルエラストマーである、請求項1に記載の艶消し性および日射反射性に優れたポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項6】
エラストマー(C)が、メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体、または、メチルメタアクリレート-ブタジエン共重合体である、請求項5に記載の艶消し性および日射反射性に優れたポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項7】
近赤外線反射顔料(D)がクロム、鉄、コバルト、チタン、アンチモン、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、カルシウムおよびマグネシウムから選ばれた2種以上の元素を含む複合酸化物顔料である、請求項1に記載の艶消し性および日射反射性に優れたポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1または2に記載の艶消し性および日射反射性に優れたポリカーボネート樹脂組成物の成形品であって、JIS K5675-2011に準じて測定した日射反射率が12%以上であり、JIS K5675-2011に準じて測定したグロスが50%以下である成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、艶消し性および日射反射性に優れたポリカーボネート樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂(PC)は、耐衝撃性、耐熱性、透明性に優れており、電気/電子、光学、建材、医療、食品、車両などの各分野において幅広く使用されている。一方、表面が鏡面の場合は光線の透過率は高くなるが、光源から正反射の方向位置では反射光が強くなりグレアを生じる場合がある。例えば、屋外用の建材などでは反射光が眩しくなり過ぎて、実用上の障害をもたらす場合があった。
【0003】
近年、自動車分野、家具、家電分野などで、高級感を出すために艶消し状の外観に対する需要が高まってきている。また、意匠面だけでなく、例えば自動車内装部品では計器周辺の成形品表面に光沢があると、反射光により計器が見えにくくなり、運転の妨げとなる懸念があるため、安全面からも艶消し状の外観が求められている。さらに、車載機器に日光が当たると温度上昇により機器障害をもたらす場合があるため、艶消し状の外観と同時に日射反射性能も求められるようになった。
【0004】
艶消し状の外観を得る方法として、エンボスロールによって表面に凹凸を形成させる方法や、射出成形用金型の内面に微細な凹凸を設ける方法が提案されている。しかし、鏡面成形品の成形に切り替える際に、ロールや金型の交換といった設備面の対応が必要となることから、全体としての生産効率が悪化するといった問題があった。塗装を施すことにより艶消し状の外観を得る方法も知られている。しかし、塗装の際に埃などが吸着しやすく、またコストが高くなるという問題があった。
【0005】
特許文献1には、樹脂自体を改質する技術として、熱可塑性樹脂に微粒子を分散させる方法が提案されている。しかし、艶消し性は得られるものの、機械的強度が低下するという問題があった。
【0006】
特許文献2には、樹脂に微粒子を分散した材料を表面層とし、これを基材と一体成形する方法が提案されている。しかし、追加の設備、例えば、押出成形であれば多層押出設備、射出成形であれば2色成形機や2色金型が必要となり、コストの上昇につながるという問題があった。
【0007】
特許文献3および4には、日射反射性能を付与するために、酸化チタン、雲母、酸化アルミニウムなどのフィラーを成形品の表面に薄く積層する方法が提案されている。しかし、良好なフィラー分散性を得るのが難しいため成形品の外観が損なわれることがあった。
【0008】
特許文献5には、顔料を溶剤に分散させた塗料を成形品の表面に塗布する方法が提案されている。しかし、有機溶剤を用いる必要があるため環境に負荷が掛かる場合があった。
【0009】
特許文献6には、成形品の表面に金属蒸着や金属層を積層するなどの二次加工を施す方法が提案されている。しかし、金属蒸着等を行うための特別な工程が必要であるためコスト上昇の要因となる場合があった。
【0010】
このように特許文献1~6に記載の従来技術は、いずれも良好な艶消し性と日射反射性を兼ね備える材料としての要求を充分に満足し得るものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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