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公開番号
2025051215
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-04
出願番号
2023160220
出願日
2023-09-25
発明の名称
シーリング材の劣化検出方法および劣化検出システム
出願人
大和ハウス工業株式会社
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
G01N
17/00 20060101AFI20250328BHJP(測定;試験)
要約
【課題】外壁面に壁基材に複数のタイルが配列された化粧材が設けられていた場合であっても、その外壁の内部に配置されたシーリング材の劣化を検出することができるシーリング材の劣化検出方法を提供する。
【解決手段】シーリング材22の劣化を検出する劣化検出方法は、化粧材30の表面から、シーリング材22に電磁波Bを照射し、シーリング材22で反射した反射波Cから、シーリング材22の硬さの変化に応じて変化する反射波Cの成分が検出可能となる電磁波Bの周波数を設定する。化粧材30の表面から、シーリング材22に、設定された周波数の電磁波Bを照射し、シーリング材22で反射した反射波Cを受信する。反射波Cの成分に基づいて、シーリング材22の劣化を判定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
建物の外壁を構成するサイディングボードの間にシーリング材が配置された外壁基材と、前記外壁基材に複数のタイルが配列された化粧材とを有した外壁に対して、前記シーリング材の劣化を検出する劣化検出方法であって、
前記化粧材の表面から、前記シーリング材に電磁波を照射し、前記シーリング材で反射した反射波から、前記シーリング材の硬さの変化に応じて変化する前記反射波の成分が検出可能となる前記電磁波の周波数を設定する周波数設定工程と、
前記化粧材の表面から、前記シーリング材に、設定された前記周波数の前記電磁波を照射し、前記シーリング材で反射した前記反射波を受信する照射受信工程と、
前記反射波の成分に基づいて、前記シーリング材の劣化を判定する劣化判定工程と、を備えることを特徴とする建物の外壁のシーリング材の劣化検出方法。
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【請求項2】
前記反射波の成分は、前記設定した周波数における前記電磁波の振幅に対する反射波の振幅比と、前記設定した周波数における前記電磁波に対する反射波の位相差とのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のシーリング材の劣化検出方法。
【請求項3】
前記反射波の成分は、前記振幅比と前記位相差とを、複素変換した実部と虚部のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のシーリング材の劣化検出方法。
【請求項4】
前記照射受信工程において、前記シーリング材の長手方向に沿って、前記電磁波を照射しながら、前記シーリング材の長手方向に沿った複数の位置において、前記反射波を受信し、
前記劣化判定工程において、前記複数の位置において受信した複数の前記反射波の成分から、前記シーリング材の劣化を判定することを特徴とする請求項1に記載のシーリング材の劣化検出方法。
【請求項5】
建物の外壁を構成するサイディングボードの間にシーリング材が配置された外壁基材と、前記外壁基材に複数のタイルが配列された化粧材とを有した外壁に対して、前記シーリング材の劣化を検出する劣化検出システムであって、
前記劣化検出システムは、前記化粧材の表面から、前記シーリング材に、電磁波を照射し、前記シーリング材で反射した反射波を受信する照射受信装置であり、前記シーリング材の硬さの変化に応じて変化する前記反射波の成分が検出可能となる前記電磁波の周波数が設定された照射受信装置と、
前記シーリング材の劣化を検出するための演算を行う演算装置と、を備え、
前記演算装置は、前記照射受信装置から受信した前記シーリング材の前記反射波の成分に基づいて、前記シーリング材の劣化を判定することを特徴とするシーリング材の劣化検出システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外壁を構成するサイディングボードの間にシーリング材が配置された外壁基材と、外壁基材に複数のタイルが配列された化粧材とを有した外壁に対して、シーリング材の劣化を検出する劣化検出方法および劣化検出システムに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の外壁を構成するサイディングボードの間には、外壁内部に雨水等が浸入することを防止するためにシーリング材が配置されている。シーリング材は、熱や紫外線で硬化し、外壁の変形や収縮膨張に対して追従性が低下して、ひび割れや、切れに至る劣化プロセスをたどる。劣化が進行すると、壁内への雨水の浸入により雨漏れおよび劣化範囲の拡大につながるため、劣化を早期に発見し、メンテナンス(打替え)するのが一般的である。
【0003】
通常、シーリング材の劣化診断は、ひび割れや、切れを目視で確認する方法があるが、この段階では、シーリング材は既に寿命に到達しており、雨水の浸入等で被害が拡大している可能性があり、早期発見にはなり得ない。
【0004】
一方、劣化のプロセスを考慮すると、シーリング材の硬さから劣化の程度を調べることが考えられ、デュロメータ(ゴム硬度計)を用い、シーリング材への押針深さで劣化の程度を知る方法が提案されている。
【0005】
たとえば、特許文献1には、シーリング材の劣化を検出する方法として、シーリング材に測定針を差し込んで、測定針に作用する荷重から、シーリング材の劣化を判定する方法が開示されている。この他にも、たとえば、特許文献2には、電磁波を用いて、外壁材の内部の劣化診断を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-129004号公報
特開2020-183919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示す技術は、シーリング材に測定針を接触させることにより、劣化を判定するため、たとえば、外壁の外壁面に複数のタイルが配列された化粧材が敷設されている場合には、外壁からシーリング材が露出していないため、シーリング材を測定針に接触させることができない。
【0008】
このような点から、たとえば、特許文献2に示す技術を利用したとしても、電磁波の反射波から、外壁材の水分を検出することにより、外壁の内部の木材の腐食等の劣化は検出できるが、シール材の劣化を検出するには至らない。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、外壁に複数のタイルが配列された化粧材が設けられていた場合であっても、その外壁の内部に配置されたシーリング材の劣化を検出することができるシーリング材の劣化検出方法および劣化検出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、シーリング材が劣化すると、シーリング材の硬さが変化し、変化するシーリング材の硬さは、シーリング材に照射した電磁波の反射波の成分とに相関があることが解った。タイルが配列された化粧材は、シーリング材とは分子構造が異なり、硬さ等の機械的な特性も異なることから、照射する電磁波を特定すれば、その特定した周波数の電磁波は化粧材を透過し、シーリング材で反射させることができるとの知見を得た。また、シーリング材で反射した反射波(電磁波)は、特定した周波数で反射する成分を有することから、この反射波も化粧材を透過し、この反射波の成分から、シーリング材の劣化を検出することができるとの新たな知見を得た。
(【0011】以降は省略されています)
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