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公開番号2025051058
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-04
出願番号2023159960
出願日2023-09-25
発明の名称積層体及びその製造方法、包装袋、並びに包装体
出願人TOPPANホールディングス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B32B 7/12 20060101AFI20250328BHJP(積層体)
要約【課題】環境負荷を低減しつつ、引裂き性に優れる積層体を提供すること。
【解決手段】基材フィルム、プライマー層、接着剤層、及びシーラントフィルムをこの順に備え、上記接着剤層に接着している静電インク組成物の印刷面を備える積層体であって、上記接着剤層は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含む無溶剤型の接着剤組成物、その硬化物、又はこれらの混合物を含み、上記接着剤層の接着強度が1.0N/15mm幅以上である、積層体を提供する。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
基材フィルム、プライマー層、接着剤層、及びシーラントフィルムをこの順に備え、前記接着剤層に接着している静電インク組成物の印刷面を備える積層体であって、
前記接着剤層は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含む無溶剤型の接着剤組成物、その硬化物、又はこれらの混合物を含み、
前記接着剤層の接着強度が1.0N/15mm幅以上である、積層体。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記ポリイソシアネート成分は、ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体を含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
引裂き強度が0.9N以下である、請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項4】
前記印刷面のインク被覆率が500%以下である、請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項5】
前記ポリイソシアネート成分は、前記ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体とは異なるポリイソシアネートをさらに含む、請求項2に記載の積層体。
【請求項6】
前記ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体は、ヘキサメチレンジイソシアネートの2官能誘導体とヘキサメチレンジイソシアネートの3官能誘導体とを含む、請求項2に記載の積層体。
【請求項7】
前記2官能誘導体の含有率よりも前記3官能誘導体の含有率の方が高い、請求項6に記載の積層体。
【請求項8】
前記ポリオール成分に対する前記ポリイソシアネート成分の質量比が1以上である、請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項9】
前記ポリオール成分はポリエーテルポリオールを含む、請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項10】
前記接着剤組成物は表面改質剤を含む、請求項1又は2に記載の積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、積層体及びその製造方法、包装袋、並びに包装体に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
飲料、及び食料品等を収容して密封保存する包装袋が知られている。包装袋としては、薄いフィルム又はシートを用いたパッケージが用いられている。このような包装袋には、製品、ブランド、製造元等の種々の情報が印刷されている。このような印刷の手段として、静電インク組成物を用いるデジタル印刷機が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、PETフィルム等の第一の可撓性基材にプライマー樹脂を塗布して塗布面を得ること、当該塗布面にデジタル印刷機(HP社製,Indigo20000ラベル及びパッケージ用デジタル印刷機)を用いて静電印刷を行うこと、及び、架橋組成物を塗布することが提案されている。このようなデジタル印刷による静電インク層を含む積層体では、接着強度が低下することが知られている。そこで、特許文献2では、レトルト処理等の高温熱水条件下においても、各層間の接着強度を十分高く維持することが可能な積層体として、ポリオール、ポリイソシアネート及びエポキシ化合物の硬化物を接着剤層とすることが提案されている。
【0004】
一方で、環境負荷低減の観点から、有機溶剤を含有しない接着剤の開発が進められている。例えば、特許文献3では、ポリイソシアネート成分とポリオール成分を含む二液硬化型無溶剤型接着剤、並びに、食品、飲料、医薬品及び医薬部外品等の包装用の複合フィルムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2018-530478号公報
国際公開第2021/024981号
特開2011-162656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
静電インク組成物を用いるデジタル印刷は小ロットでの対応が可能であるため、デジタル印刷を施した積層体が種々の包装袋の材料として用いられている。しかしながら、デジタル印刷機によって設けられる静電インク層はプライマー層又は接着剤層との接着強度が十分でない場合があり、外力が加わった際に、静電インク層と、プライマー層又は接着剤層との間の引裂き性が悪くなる懸念がある。例えば、層間の接着が十分でない積層体を引き裂くと、静電インク層とプライマー層又は接着剤層との間で層間剥離が発生することがある。このような層間剥離は、積層体を引き裂く際の外力を十分に基材の引き裂きのために利用することができないために生じる。したがって、層間の接着が十分でない積層体は引裂き時に層間剥離が起きやすく、引裂き性が悪くなると考えられる。
【0007】
また、従来の有機溶剤型の接着剤層は、有機溶剤を使用するため、環境への負荷が懸念される。そこで、本開示では、静電インク層を備える積層体において、環境負荷を低減しつつ、引裂き性に優れる積層体及びその製造方法を提供する。また、このような積層体を備える包装袋、及び包装体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一側面は、基材フィルム、プライマー層、接着剤層、及びシーラントフィルムをこの順に備え、前記接着剤層に接着している静電インク組成物の印刷面を備える積層体であって、前記接着剤層は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含む無溶剤型の接着剤組成物、その硬化物、又はこれらの混合物を含み、前記接着剤層の接着強度が1.0N/15mm幅以上である、積層体を提供する。
【0009】
デジタル印刷機による静電インク組成物は、他のインクに比べて強度が劣るため、静電インク層に隣接する接着剤層の接着強度が低くなり、引き裂きの際に層間剥離が生じやすく、これが引裂き性を悪化させる要因の一つになると考えられる。上記積層体は、接着剤層の接着強度が1.0N/15mm幅以上であることで、接着剤層と静電インク層とが十分に接着し、無溶剤型の接着剤層を有する積層体であっても、引裂き性に優れる。また、無溶剤型の接着剤層であることで、環境負荷を低減することができる。
【0010】
本開示の一側面は、基材フィルムの一方面側にプライマー層を形成する工程と、前記プライマー層に静電インク組成物を印刷して印刷面を得る工程と、前記印刷面とシーラントフィルムを含む基材とを、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含む無溶剤型の接着剤組成物を用いて接着する工程と、前記接着剤組成物を硬化又は半硬化して、接着強度が1.0N/15mm幅以上の接着剤層を形成する工程と、を有する、積層体の製造方法を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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