TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025049813
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-04
出願番号2023158262
出願日2023-09-22
発明の名称水分測定方法、制御装置及び振動乾燥装置
出願人シンフォニアテクノロジー株式会社
代理人個人
主分類G01N 21/3554 20140101AFI20250327BHJP(測定;試験)
要約【課題】周辺環境の影響を受ける状況下で乾燥された材料の水分量を短時間で測定できるようにする。
【解決手段】測定対象材料のサンプルに近赤外線を照射して、当該測定対象材料主要成分の帰属波長を含む波長帯、複数の水の吸収波長を含む波長帯、及び測定対象材料の温度と吸光度の相関が高くかつ水の吸収と相関が高い波長帯と相関の無い波長帯、の何3つの波長帯の少なくとも2つの波長帯を含むように測定波長を選択して、各波長帯の吸光度を取得し、その吸光度と、実測によって得られる水分基準値を用いて、波長毎の回帰係数を求めて検量線を作成するようにした。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
測定対象材料のサンプルに近赤外線を照射して、当該測定対象材料の主要成分の帰属波長を含む波長帯、複数の水の吸収波長を含む波長帯、及び前記測定対象材料の温度と吸光度の相関が高くかつ前記水の吸収と相関が高い波長帯と相関の無い波長帯、の3つの波長帯のうち少なくとも2つの波長帯を含むように測定波長を選択して、前記各波長帯の吸光度を取得し、その吸光度と、実測によって得られる水分基準値を用いて、波長毎の回帰係数を求めて検量線を作成する、ことを特徴とする、水分測定方法。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
水分未知の測定対象物が所定ラインを流れるものであり、作成した前記検量線に基づいてインラインで水分測定を行うことを特徴とする、請求項1に記載の水分測定方法。
【請求項3】
周囲環境が変化する状況下で、その変化した直後の水分未知の測定対象材料に対して、当該測定対象材料について予め請求項1に記載の方法によって作成した検量線により、当該測定対象材料の水分を算出することを特徴とする、請求項2に記載の水分測定方法。
【請求項4】
請求項1~3に記載の水分測定方法によって測定した水分量と目標水分量とに基づき、水分量を制御するための条件設定部へのフィードバックが可能であることを特徴とする、制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の制御装置を備え、前記条件設定部の出力結果に基づき乾燥条件を調整されることを特徴とする、振動乾燥装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥直後で温度分布や水分分布が生じる測定対象物の水分を短時間で高精度に測定する際に有用となる水分測定方法、制御装置及び振動乾燥装置に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
水分量を測定する必要があるものの一つに振動乾燥装置がある。振動乾燥装置は、振動搬送機能と熱風の送風機能を備え、材料を均一に流動化させて乾燥する装置であり、所定の水分を得るために搬送速度や振幅などの振動条件や熱風の温度、風量といった多数の乾燥条件を調整する必要がある。
【0003】
従来、この種の振動乾燥装置では、一台の振動乾燥装置で複数の異なる材料やグレードを入替えて使用することが多く、入替えた際に乾燥条件を調整している。また、定期的に抜き取り検査を行い、材料水分が目標値から外れた場合に乾燥条件を再調整している。これらの乾燥条件の調整は乾燥減量法やカールフィッシャー法により手作業で水分測定し、乾燥後の材料が所定水分に収まるように経験的に上記乾燥条件(パラメータ)の調整を繰り返している。このため、手戻りが発生すること等も含めて調整に時間を要し、ノウハウを有した熟練者が必要となる。これらの問題を解決するために、乾燥条件調整の自動化による省人、省力化が望まれている。
【0004】
そこで、小型かつ安価な構成で材料に非接触かつ短時間での測定を可能にするために、近赤外線の吸収を利用した水分測定法(近赤外分光法)を採用することが一つの手段として考えられる。波長800nm-2500nmの近赤外線は分子の振動や回転運動に基づき吸収される。この吸収に必要なエネルギーは分子構造によって異なるので、分子固有の吸収が起こる。従って、物質の吸収スペクトルから物質の成分を定量することができる。具体的には、近赤外線を物質に照射し、物質からの透過光、もしくは反射光を測定して吸光度を求め、多変量解析等の統計手法を用いて物質の成分を定量することが可能である。
【0005】
このような近赤外線分光法を開示したものとして、特許文献1~3に示すものが知られている。
【0006】
特許文献1は、赤外線水分計に関するもので、近赤外線における水の吸収波長とその波長に対して両側の2つの比較波長の透過、もしくは反射光を測定し、水の吸収波長の信号を2つの比較波長の信号和で除算した値に絶乾時の材料特性に対する2つの比較波長の出力依存性から算出した補正関数を乗算した値を用いて、被測定対象物の材料特性のばらつきによって生じる出力信号変化の影響を低減している。
【0007】
特許文献2は、バターの製造方法およびバター成分の測定方法に関するもので、フーリエ変換型の分光器を用い、水の吸収波長帯を含む1300nm-1600nm及び1800nm-2100nmの反射光を用いて算出した吸光度の一次微分スペクトルを用いてPLS回帰でバターの水分を算出している。
【0008】
特許文献3は、近赤外分光分析による温度推定法および蛋白質含有量推定法に関するもので、材料温度の影響を低減するためにサンプルの対象成分吸収に関係がない波長帯で温度を推定し、推定温度に基づいて適した温度範囲のデータを含めた検量線を選択して水分を求めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開昭58-7547号
WO2009/041252号
特開平5-60685号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、乾燥条件調整の自動化を実現するためには、乾燥冷却直後における測定対象物の温度分布や水分分布、近赤外線の浸透深さを総合的に考慮する必要がある。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許