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公開番号2025047847
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-03
出願番号2023156600
出願日2023-09-22
発明の名称2成分型シーリング材組成物の攪拌方法
出願人シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト
代理人個人
主分類C09K 3/10 20060101AFI20250327BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】本発明は、樹脂中空体を含む2成分型シーリング材組成物を充分に混合することができ、かつ、そのような組成物の硬化後に時間経過に伴って増加することがあった表面凹凸と外観劣化を防止することができる攪拌方法を提供することを目的とする。
【解決手段】樹脂中空体を含む基剤と、硬化剤とを備えた2成分型シーリング材組成物を攪拌するための攪拌方法であって、混合容器と、回転軸と、ボトムパドルおよびサイドパドルとを有する攪拌装置を用いて2成分型シーリング材組成物を混合し、基剤を混合容器に供給したときの平均基剤液面高さLL(mm)、一対のサイドパドルの高さH(mm)、ボトムパドルの平均半径X(mm)、攪拌時の温度における基剤の初期粘度A(Pa・S)、摂氏5℃における基剤の初期粘度B(Pa・S)、BをAで除した値の三乗根C、Y=(LL-H)×Cが、0.2X≦Y≦0.4Xの式を満たす。
【選択図】図5

特許請求の範囲【請求項1】
樹脂中空体を含む基剤と、硬化剤とを備えた2成分型シーリング材組成物を攪拌するための攪拌方法であって、前記攪拌方法は、
前記2成分型シーリング材組成物が供給される有底筒状の混合容器と、この混合容器の中心部に駆動装置によって回転自在に設けられた回転軸と、この回転軸の下端部に設けられたボトムパドルおよび該ボトムパドルの両端部からそれぞれ上記混合容器の内壁に沿って上端部まで伸びる一対のサイドパドルとを有する攪拌装置を用いて前記2成分型シーリング材組成物を混合し、
前記基剤を前記混合容器に供給したときの平均基剤液面高さLL(mm)、前記一対のサイドパドルの高さH(mm)、前記ボトムパドルの平均半径X(mm)、攪拌時の温度における前記基剤の初期粘度A(Pa・S)、摂氏5℃における前記基剤の初期粘度B(Pa・S)、BをAで除した値の三乗根C、Y=(LL-H)×Cが、下記式1:
式1 0.2X≦Y≦0.4X
を満たすことを特徴とする攪拌方法。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記樹脂中空体は、基剤100質量部に対して、0.8~10質量部の含有量で含まれる請求項1に記載の攪拌方法。
【請求項3】
攪拌前の前記2成分型シーリング材組成物の全体積R(L)に対する、前記一対のサイドパドルが通過する最も低い位置から最も高い位置までの高さに存在する前記2成分型シーリング材組成物の体積S(L)が、下記式2:
式2 13≦Z=100×(R-S)/R≦23
を満たす、請求項2に記載の攪拌方法。
【請求項4】
樹脂中空体を含む基剤と、硬化剤とを備えた2成分型シーリング材組成物を請求項1に記載の攪拌方法により攪拌するステップと、前記攪拌された2成分型シーリング材組成物を対象物に適用するステップを含む、シーリング材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、2成分型シーリング材組成物の攪拌方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
シーリング材は、建築物等において各種部材間の接合部や隙間を充填し、水密性又は気密性等を確保する目的で幅広く使用されている。例えば、特許文献1には、加水分解性シリル基を有する重合体と、樹脂中空体と、炭酸カルシウムと、二酸化ケイ素とをそれぞれ所定量で含有する2成分型シーリング材組成物が開示されている。特許文献1に記載の2成分型シーリング材組成物は、シーリング材の表面の凹凸が目立ちにくく意匠性に優れ、作業性や耐久性にも優れることを狙って開発されたものである。
【0003】
シーリング材組成物が2成分型である場合、施行現場において、攪拌羽根を有する攪拌機を用いて2成分型シーリング材組成物を均一に混合して硬化させるのが一般的である。例えば、特許文献2には、回転軸までの距離が互いに異なる一対の攪拌羽根又は上下の長さが互いに異なる一対の攪拌羽根を有するパドルを備えた混合機を用いて、ウレタン系の2成分型シーリング材を攪拌する方法が開示されている。
【0004】
一方で、樹脂中空体を含むシーリング材組成物は、硬化後に得られるシーリング材の表面に凹みが生じて外観不良を発生させてしまうことがあることがわかっている。そのような凹みの発生を防止する方法としては、例えば、特許文献3に、変成シリコーン樹脂と、可塑剤と、硬化促進剤と、無機充填材と、有機充填材とを含有する建築用シーリング材であって、有機充填材としてポリアクリロニトリル樹脂からなる中空フィラーを用い、該中空フィラーの含有量が、0.1~0.6質量%であり、該中空フィラーの真比重が0.1~0.5であるものが開示されている。特許文献3は、中空フィラーの樹脂組成、含有量及び真比重等を限定することにより、シーリング材の表面に凹みが発生するのを抑制しようとしたものであると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開第2021-127357号広報
特開第2006-204980号公報
特開第2014-15530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、特許文献1に記載の2成分型シーリング材組成物を特許文献2に記載の方法で攪拌することによってシーリング材を調製したところ、得られたシーリング材は、混合した直後には問題がなくても、時間経過に伴って表面に凹凸が増加し、外観が劣化する場合があることを確認した。また、凹凸の発生を防止するために攪拌羽根の高さを低くすると、混合が不十分となってしまうことを確認した。他方で、特許文献3に記載されているように樹脂中空体の樹脂組成、配合量及び真比重を限定する方法では、シーリング材に所望の物性を付与できなくなってしまう場合がある。そこで、本発明は、樹脂中空体を含む2成分型シーリング材組成物を十分に混合することができ、かつ、そのような組成物の硬化後に時間経過に伴って増加することがあった表面凹凸と外観劣化を防止することができる攪拌方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、一実施形態において本発明は下記の構成を有する。
[1]
樹脂中空体を含む基剤と、硬化剤とを備えた2成分型シーリング材組成物を攪拌するための攪拌方法であって、前記攪拌方法は、
前記2成分型シーリング材組成物が供給される有底筒状の混合容器と、この混合容器の中心部に駆動装置によって回転自在に設けられた回転軸と、この回転軸の下端部に設けられたボトムパドルおよび該ボトムパドルの両端部からそれぞれ上記混合容器の内壁に沿って上端部まで伸びる一対のサイドパドルとを有する攪拌装置を用いて前記2成分型シーリング材組成物を混合し、
前記基剤を前記混合容器に供給したときの平均基剤液面高さLL(mm)、前記一対のサイドパドルの高さH(mm)、前記ボトムパドルの平均半径X(mm)、攪拌時の温度における前記基剤の初期粘度A(Pa・s)、摂氏5℃における前記基剤の初期粘度B(Pa・s)、BをAで除した値の三乗根C、Y=(LL-H)×Cが、下記式1:
式1 0.2X≦Y≦0.4X
を満たすことを特徴とする攪拌方法。
[2]
前記樹脂中空体は、基剤100質量部に対して、0.8~10質量部の含有量で含まれる[1]に記載の攪拌方法。
[3]
攪拌前の前記2成分型シーリング材組成物の全体積R(L)に対する、前記一対のサイドパドルが通過する最も低い位置から最も高い位置までの高さに存在する前記2成分型シーリング材組成物の体積S(L)が、下記式2:
式2 13≦Z=100×(R-S)/R≦23
を満たす[1]又は[2]に記載の攪拌方法。
[4]
樹脂中空体を含む基剤と、硬化剤とを備えた2成分型シーリング材組成物を[1]~[3]のいずれかに記載の攪拌方法により攪拌するステップと、前記攪拌された2成分型シーリング材組成物を対象物に適用するステップを含む、シーリング材の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の攪拌方法は、樹脂中空体を含む基剤と硬化剤とを備えた2成分型シーリング材組成物を十分に混合することができ、かつ、そのような組成物の硬化後に時間経過に伴って発生することがあった表面凹凸と外観劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に係る攪拌方法に用いられる攪拌装置を模式的に示す図である。
本発明の一実施形態に係る方法に用いられる攪拌装置のパドルを模式的に示す図である。
実施例で用いた攪拌装置の写真である。
各実施例及び比較例において調製した2成分型シーリング材組成物を5℃の雰囲気下で攪拌及び打設したシーリング材の表面の写真である。
各実施例及び比較例において調製した2成分型シーリング材組成物を23℃の雰囲気下で攪拌及び打設したシーリング材の表面の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルはアクリル又はメタクリルを表す。
また、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特に断りのない限り、各成分はその成分に該当する物質をそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。成分が2種以上の物質を含む場合、成分の含有量は、2種以上の物質の合計の含有量を意味する。
本明細書において、特に断りのない限り、各成分はその製造方法について特に制限されない。例えば、従来公知の方法が挙げられる。また、各成分として市販品を使用することができる。
本明細書において、加水分解性シリル基を有する重合体(A)を単に「重合体(A)」又は「成分(A)」と称する場合がある。樹脂中空体(B)を単に「成分(B)」と称する場合がある。炭酸カルシウム(C)、二酸化ケイ素(D)についても同様である。
(【0011】以降は省略されています)

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