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公開番号
2025047845
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-03
出願番号
2023156598
出願日
2023-09-22
発明の名称
偽造防止印刷物及びインキ組成物
出願人
独立行政法人 国立印刷局
代理人
主分類
B41M
3/14 20060101AFI20250327BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約
【課題】可視波長領域における色相が明るく、デザイン時の色相制限を小さくすることができ、色相再現範囲が広く、偽造抵抗力が高く、簡便な手段で形成された特定の分光反射率を示す印刷領域を有する偽造防止印刷物及びインキ組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る偽造防止印刷物は、基材上に形成された印刷部を有する偽造防止印刷物であって、印刷部は、可視波長領域における最大反射率が40%以上であり、波長領域900nm~950nmにおける平均分光反射率が85%以上であり、波長領域830nm~850nmにおける平均分光反射率が、波長領域900nm~950nmにおける平均分光反射率より30%以上低く、2種以上の着色剤を含むインキ組成物を用いて形成された印刷領域を含む偽造防止印刷物である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基材上に形成された印刷部を有する偽造防止印刷物であって、
前記印刷部は、
可視波長領域における最大反射率が40%以上であり、
波長領域900nm~950nmにおける平均分光反射率が85%以上であり、
波長領域830nm~850nmにおける平均分光反射率が、波長領域900nm~950nmにおける平均分光反射率より30%以上低い印刷領域を有する、
前記偽造防止印刷物。
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【請求項2】
請求項1に記載の前記偽造防止印刷物を印刷するためのインキ組成物であって、
前記インキ組成物が、チタニルフタロシアニン系顔料を含む少なくとも1種以上の着色剤を含むインキ組成物。
【請求項3】
前記チタニルフタロシアニン系顔料の含有量が、インキ組成物全量に対して0.3質量%以上25質量%以下である、請求項2に記載のインキ組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造防止印刷物及びインキ組成物に関する。より詳しくは、可視波長領域における最大反射率が40%以上であり、波長領域900nm~950nmにおける平均分光反射率が85%以上である印刷領域を有する偽造防止印刷物及びこのような印刷領域を形成するインキ組成物に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
一般的な印刷インキを作製し印刷領域を形成した場合、前記印刷領域は、可視波長領域の光を吸収し、赤外波長領域の光を透過することが知られている。そのため、偽造防止印刷物を作製する際には、赤外波長領域の光を吸収する機能を持たせた印刷領域を形成し、赤外波長領域の光を照射することで、真偽判別が行われている。赤外波長領域の光を吸収する機能を持たせた印刷領域を形成するために使用する印刷インキとしては、近赤外波長領域の光を吸収する材料であるカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)やITO等を含む印刷インキが用いられている。
【0003】
一方で、プリンタ、カラー複写機、スキャナ等の印刷機器やデジタル機器の発展により、貴重印刷物等の偽造防止印刷物についても、精巧な複製物を容易に作製することが可能となっている。そのため、種々の偽造防止技術により偽造抵抗力を高めた偽造防止印刷物が提案されている。
【0004】
特許文献1には、基材の少なくとも一部に、第1のインキによって印刷された第1の印刷領域と、第2のインキによって印刷された第2の印刷領域によって画像が形成された偽造防止印刷物であって、第1の印刷領域及び第2の印刷領域は、可視光領域では等色として視認され、第1の印刷領域は、波長領域780~1000nmの反射率が80%以上の特性を有し、第2の印刷領域は、波長領域780~830nmの反射率が20~60%で、かつ、波長領域900~1000nmの反射率が80%以上の特性を有し、第1の印刷領域及び第2の印刷領域は、赤外領域における第1の波長下において第2の印刷領域のみが視認され、第1の波長とは異なる第2の波長下において第1の印刷領域及び第2の印刷領域の双方とも視認されないことを特徴とする偽造防止印刷物が開示されている。この偽造防止印刷物は、(i)赤外線透過吸収ペアインキ又はメタメリックインキ等の公知の技術とは異なり、特殊な波長領域のみの分光反射率を変化させることで偽造を防止するものであるため、偽造防止抵抗力の高い印刷物を提供でき、(ii)カーボンブラック等の黒濃度の高い材料を用いることなく一般的な着色顔料の選択により赤外領域の分光反射率の特徴を再現できるため、デザイン性の自由度の高い印刷物を提供でき、(iii)ペアインキを用いた印刷物とすることで、近赤外光領域の特定の二波長における、波長ごとの異なる赤外画像を視認して真偽判別できるため、容易に真偽判別が行える、という効果を奏する。
【0005】
特許文献2には、基材に熱溶融性インキ層を形成してなる感熱転写材において、上記熱溶融性インキ層が近赤外線吸収剤(ただし、カーボンブラックを除く)を含む層であって、前記近赤外線吸収剤が700nmの波長の光を吸収するフタロシアニン系化合物であり、前記近赤外線吸収剤が、ブロム化銅フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、ハロゲン化コバルトフタロシアニン、チタンフタロシアニン、ハロゲン化チタンフタロシアニン、鉛フタロシアニン、ハロゲン化鉛フタロシアニン、アルミニウムフタロシアニン、ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン、1塩化アルミニウムフタロシアニン、1塩化アルミニウムハロゲン化フタロシアニンの群から選ばれた1種もしくは2種以上の化合物である、感熱転写材が開示されている。この感熱転写材を用いた記録物は、肉眼では通常の記録物として観察できるが、赤外線吸収検出装置を用いると特殊な記録物であることが判別できるので、各種製品、証券、預金通帳、証明用カード等の照合や改ざん防止などに有効である、という効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2011-178009号公報
特開平1-30788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
偽造防止印刷物としては、これまで、赤外領域において吸収を示すカーボンブラックを含むインキ組成物を印刷に用いたものが多く知られている。このようなインキ組成物から形成された偽造防止印刷物は、可視波長領域から近赤外領域の全波長域において吸収を示すことから、可視波長領域で印刷層を視認した場合、暗い色相になる傾向にあるためデザイン上の制約があり、また、赤外領域ではどの波長でも常に吸収を示すため、真偽判別する手段も容易である。さらに、カーボンブラックは、市販品として容易に入手することが可能であり、印刷物の作製が容易に行えることから、偽造抵抗力が弱くなってきている。
【0008】
本発明が解決しようとする課題の1つは、可視波長領域における色相が明るく、デザイン時の色相制限を小さくすることができ、色相再現範囲が広く、偽造抵抗力が高く、簡便な手段で形成された特定の分光反射率を示す印刷領域を有する偽造防止印刷物を提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする課題の1つは、可視波長領域における色相が明るく、デザイン時の色相制限を小さくすることができ、色相再現範囲が広く、偽造抵抗力が高く、特定の分光反射率を示す印刷領域を簡便な手段で形成することができるインキ組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、(i)可視波長領域の最大反射率が特定の範囲にあり、特定の波長領域における平均分光反射率が特定の範囲にあり、特定の波長領域における平均分光反射率が特定の関係を有する印刷領域P1を有する偽造防止印刷物、及び(ii)可視波長領域の最大反射率が特定の範囲にあり、特定の波長領域における平均分光反射率が特定の範囲にあり、特定の波長領域における平均分光反射率が特定の関係を有する印刷領域P3を形成するインキ組成物によって、上記課題の解決が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)
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