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公開番号2025046049
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-02
出願番号2023154204
出願日2023-09-21
発明の名称軸受装置
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F16C 41/00 20060101AFI20250326BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】転がり軸受の第一の軌道輪と第二の軌道輪のうちの第一の軌道輪の軌道面側の内周又は外周に対してセンサユニットのホルダが嵌合された軸受装置において、第一の軌道輪とホルダの嵌合による両者の変形を低減する。
【解決手段】第一の軌道輪4と、第二の軌道輪5と、第一の軌道輪4と第二の軌道輪5との間に配置された複数の転動体6とを有する転がり軸受1と、センサ10と、センサ10を保持するホルダ9とを有するセンサユニット2と、を備え、ホルダ9が、径方向に延びる環状側部11と、環状側部11から軸方向に突き出た嵌合部12とを有し、ホルダ9が金属板によって形成されており、第一の軌道輪4が、軌道面部15と、ホルダ9の転動体6側を軸方向に受ける段部18と、嵌合部12に嵌め合う周面部19とを含む内周16又は外周を有する軸受装置において、ホルダ9と第一の軌道輪4とを接合する溶接部22が設けられている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第一の軌道輪と、第二の軌道輪と、前記第一の軌道輪と前記第二の軌道輪との間に配置された複数の転動体とを有する転がり軸受と、
センサと、前記センサを保持するホルダとを有するセンサユニットと、を備え、
前記ホルダが、径方向に延びる環状側部と、前記環状側部から軸方向に突き出た嵌合部とを有し、
前記ホルダが金属板によって形成されており、
前記第一の軌道輪が、軌道面部と、前記ホルダの転動体側を軸方向に受ける段部と、前記嵌合部と嵌め合う周面部とを含む内周又は外周を有する軸受装置において、
前記ホルダと前記第一の軌道輪とを接合する溶接部が設けられていることを特徴とする軸受装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記第一の軌道輪の前記周面部と前記ホルダの前記嵌合部とがすきまばめされている請求項1に記載の軸受装置。
【請求項3】
前記第一の軌道輪が、前記周面部から前記第一の軌道輪の幅の一端まで連続する面取り部を有し、
前記溶接部が、前記面取り部と前記ホルダとを接合しかつ前記幅の一端よりも軸方向一端側へ食み出ないように設けられている請求項1又は2に記載の軸受装置。
【請求項4】
前記ホルダの前記嵌合部が、前記第一の軌道輪の幅の一端よりも転動体側に寄った位置に配置された板端を有し、
前記溶接部が、前記板端と前記第一の軌道輪とを接合しかつ前記幅の一端よりも軸方向一端側へ食み出ないように設けられている請求項1又は2に記載の軸受装置。
【請求項5】
前記第一の軌道輪が、前記第一の軌道輪の幅の一端で径方向に延びる端面部と、前記端面部から軸方向に窪んだ凹状を成しかつ前記周面部を含む内周又は外周に交差する切欠き部とを有し、
前記ホルダが、前記嵌合部から径方向に延びかつ前記切欠き部に収まる突板部を有し、
前記溶接部が、前記突板部と前記切欠き部とを接合しかつ前記端面部よりも軸方向一端側へ食み出ないように設けられている請求項1又は2に記載の軸受装置。
【請求項6】
第一の軌道輪と、第二の軌道輪と、前記第一の軌道輪と前記第二の軌道輪との間に配置された複数の転動体とを有する転がり軸受と、
センサと、前記センサを保持するホルダとを有するセンサユニットと、を備え、
前記ホルダが、径方向に延びる環状側部と、前記環状側部から軸方向に突き出た嵌合部とを有し、
前記ホルダが金属板によって形成されており、
前記第一の軌道輪が、軌道面部と、前記ホルダの転動体側を軸方向に受ける段部と、前記嵌合部に嵌め合う周面部とを含む内周又は外周を有する軸受装置において、
前記第一の軌道輪が、前記第一の軌道輪の幅の一端で径方向に延びる端面部と、前記端面部から軸方向に窪んだ凹状を成しかつ前記周面部を含む内周又は外周に交差する切欠き部とを有し、
前記嵌合部が、前記切欠き部と同位相で軸方向に窪んだ凹状板縁を有し、
前記凹状板縁及び前記切欠き部に軸方向に重なる押え板と、前記切欠き部とを接合する溶接部が設けられており、
前記押え板及び前記溶接部が、前記端面部よりも軸方向一端側へ食み出ないように設けられていることを特徴とする軸受装置。
【請求項7】
前記第一の軌道輪の前記周面部と前記ホルダの前記嵌合部とがすきまばめされており、
前記ホルダが、前記押え板と前記凹状板縁との周方向の係合によって回り止めされている請求項6に記載の軸受装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、転がり軸受とセンサユニットとを備える軸受装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、転がり軸受の状態を検出するためのセンサ等を基板に実装して回路基板に構成し、その回路基板をホルダに保持させてセンサユニットに組み立て、そのセンサユニットを軌道輪に固定した軸受装置が知られている。
【0003】
その回路基板に電力を供給する発電機のステータをセンサユニットに設ける場合、そのホルダにステータのヨーク機能をもたせる場合がある。また、軸受の振動を検出する場合等、軸受の状態検出においてホルダを軌道輪と同軸に配置することが好ましい場合もある。このような場合、そのホルダを環状体とし、軌道輪に同軸に配置するために嵌合することが行われている。そして、ホルダと軌道輪の固定手段として、軌道輪の内外周の一方に対するホルダの嵌合固定が採用されている。
【0004】
また、交流直流変換の電源回路を基板に実装したり、無線通信回路を基板に実装したり、複数のセンサを基板に実装したりする等、センサユニットの高機能化を図るために回路基板の面積を大きくしたい場合もある。このような場合、ホルダには、径方向に延びる側板部と、側板部の軌道輪側から軸方向に延びる環状板部とを設け、側板部に回路基板を取り付け、環状板部を軌道輪に圧入する構造を採用することにより、回路基板の面積を大きく得つつ、センサユニットの軸方向の幅を抑えることも行われている。
【0005】
前述のようなホルダは、軌道輪に対する圧入、センサの安定した位置決め等の目的に適した強度を確保するため、一般に金属板によって形成されており、特に、ホルダにヨーク機能をもたせる場合、鉄系の磁性体製のものである。
【0006】
例えば、特許文献1の軸受装置では、断面L字形のホルダが軌道輪に取り付けられている。ホルダは、発電機のステータにおけるヨークを兼ねている。回路基板は、温度センサ等の複数のセンサを含む制御基板になっている。軌道輪に形成された段付き端部の周面にホルダの環状板部が嵌め合わされると共に、ホルダの転動体側が段付き端部の段差面に軸方向に突き合わされている。これにより、ホルダと軌道輪が同軸に配置されると共に、ホルダの転動体側への変位が規制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2003-307435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ホルダの環状板部と軌道輪の段付き端部の周面との圧入嵌合によってホルダが軌道輪に固定される場合、段付き端部の周面に対するホルダの引き抜き耐力を圧入で確保するには、段付き端部の周面とホルダの環状板部間において径方向の締め代を相応に確保する必要がある。ホルダを形成する金属板には、センサの位置決め、圧入等の目的に適した板厚を確保する必要もある。これらのことから、前述の径方向の締め代が過大になると、互いの圧入が難しくなり、また、圧入時の押圧荷重で軌道面部の変形やホルダの変形を招き、転がり軸受やセンサユニットの性能面に悪影響を及ぼす可能性がある。特に、金属板製のホルダをプレス成形した場合、ホルダの公差幅が機械加工に比して大きくなるため、圧入作業が難しくなる懸念が高まる。
【0009】
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、転がり軸受の第一の軌道輪と第二の軌道輪のうちの第一の軌道輪の軌道面側の内周又は外周に対してセンサユニットのホルダが嵌合された軸受装置において、第一の軌道輪とホルダの嵌合による両者の変形を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための第一の手段として、この発明は、第一の軌道輪と、第二の軌道輪と、前記第一の軌道輪と前記第二の軌道輪との間に配置された複数の転動体とを有する転がり軸受と、センサと、前記センサを保持するホルダとを有するセンサユニットと、を備え、前記ホルダが、径方向に延びる環状側部と、前記環状側部から軸方向に突き出た嵌合部とを有し、前記ホルダが金属板によって形成されており、前記第一の軌道輪が、軌道面部と、前記ホルダの転動体側を軸方向に受ける段部と、前記嵌合部に嵌め合う周面部とを含む内周又は外周を有する軸受装置において、前記ホルダと前記第一の軌道輪とを接合する溶接部が設けられていることを特徴とする軸受装置、という構成1を採用した。
(【0011】以降は省略されています)

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