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公開番号
2025044908
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-02
出願番号
2023152728
出願日
2023-09-20
発明の名称
インシュレータ構造
出願人
本田技研工業株式会社
,
株式会社松尾製作所
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
H02K
3/34 20060101AFI20250326BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】コイルエンドの体格を低減するとともに上層以降の整列性を確保することができるインシュレータ構造を提供する。
【解決手段】インシュレータ38は、外周片41と、ティース軸方向Dt1で外周片41と対向する内周片42と、外周片41と内周片42とをつなぐ巻回部43と、を備え、外周片41、内周片42および巻回部43で囲まれる空間を巻線32の収納部45とし、内周片42のモータ軸方向Da一側には、突出部46,47と、内周側凹部49と、を有し、突出部46,47のモータ径方向Dr内側の端部には、モータ軸方向Daから見て、モータ周方向Dc他側に向かうほどモータ径方向Dr外側に位置するように傾斜する突部傾斜面48を有し、インシュレータ38のモータ軸方向Da一側には、モータ軸方向Daから見て、突部傾斜面48の延長部分に沿うように傾斜する傾斜溝部52を有している。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
モータ周方向に並ぶ複数のティースの各々に装着されるインシュレータの構造において、
ティースにおけるモータ径方向に沿うティース軸方向の一端側に設けられる外周片と、
前記ティースにおける前記ティース軸方向の他端側に設けられ、前記ティース軸方向で前記外周片と対向する内周片と、
前記ティース軸方向から見て前記ティースの外周を覆い、前記外周片と前記内周片とをつなぐとともに巻線が巻回される巻回部と、を備え、
前記外周片における前記内周片側を向く第一対向面と、前記内周片における前記外周片側を向く第二対向面と、前記巻回部の外側面と、で囲まれる空間を前記巻線の収納部とし、
前記内周片のモータ軸方向一側には、前記モータ周方向一側に配置されて前記巻回部よりも前記モータ軸方向一側に突出する突出部と、前記モータ周方向で前記突出部を避けて配置されて前記突出部に対して前記モータ軸方向で凹み、前記内周片の前記モータ径方向内側と外側とに渡って前記巻線を挿通可能とする内周側凹部と、を有し、
前記突出部の前記モータ径方向内側の端部には、前記モータ軸方向から見て、前記モータ周方向一側から他側に向かうほど前記モータ径方向外側に位置するように傾斜し、前記モータ周方向他側への延長部分を前記内周側凹部と交差させる突部傾斜面を有し、
前記インシュレータの前記モータ軸方向一側には、前記モータ軸方向から見て、前記突部傾斜面の前記延長部分に沿うように傾斜し、前記巻線を挿入可能とする傾斜溝部を有していることを特徴とするインシュレータ構造。
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【請求項2】
前記巻回部は、前記モータ径方向と交差する断面において、前記モータ軸方向一側の軸方向端面と前記モータ周方向他側の周方向端面との間の角部に面取り形状が形成され、
前記インシュレータの前記モータ軸方向一側には、前記モータ径方向と交差する前記断面において、面取り形状に沿うように傾斜し、前記モータ軸方向から見て、前記傾斜溝部の前記モータ周方向他側への延長方向に連なり、前記巻線を挿入可能とする第二傾斜溝部を有していることを特徴とする請求項1に記載のインシュレータ構造。
【請求項3】
前記突出部、前記傾斜溝部および前記第二傾斜溝部は、前記モータ軸方向から見て、前記ティースの中心軸線を対称軸として対称をなすように一対設けられていることを特徴とする請求項2に記載のインシュレータ構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インシュレータ構造に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、低炭素社会又は脱炭素社会の実現に向けた取り組みが活発化し、車両においてもCO2排出量の削減やエネルギー効率の改善のために、電動化技術に関する研究開発が行われている。
例えば車両用駆動モータ等の回転電機において、主流の埋込磁石式に対し、巻線界磁式を採用することがある。巻線界磁式モータは、ロータに永久磁石に替わってコイルを配置し、このコイルに電流を流すことで、ロータに磁束を発生させる。巻線界磁式モータは、ロータの磁束量を調整可能とすることで、高効率な運転が期待されるとともに、永久磁石を使用しないことで、レアアースの安定供給に対する懸念もない。
【0003】
すなわち、モータのステータおよびロータの少なくとも一方は、円環状の環状部と、環状部の径方向内側又は外側に放射状に突出する複数のコア(ティース)と、各コアの外周に導線を巻回したコイルと、を備えている。
例えば特許文献1には、インシュレータにおける巻線を巻回する巻回部に、巻線の巻き始め部をモータ径方向外側から内側へ導くように収容する案内溝を有する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-187073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の技術においては、案内溝を有するために巻回部の厚さが増加し、コイルエンド体格を増加させるとともに、上層以降の整列性が悪化する虞がある。
【0006】
そこで本発明は、コイルエンドの体格を低減するとともに上層以降の整列性を確保することができるインシュレータ構造を提供することを目的とする。そして、延いてはエネルギー効率の改善に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の解決手段として、本発明の第一の態様は、モータ周方向に並ぶ複数のティースの各々に装着されるインシュレータの構造において、ティースにおけるモータ径方向に沿うティース軸方向の一端側に設けられる外周片と、ティースにおけるティース軸方向の他端側に設けられ、ティース軸方向で外周片と対向する内周片と、ティース軸方向から見てティースの外周を覆い、外周片と内周片とをつなぐとともに巻線が巻回される巻回部と、を備え、外周片における内周片側を向く第一対向面と、内周片における外周片側を向く第二対向面と、巻回部の外側面と、で囲まれる空間を巻線の収納部とし、内周片のモータ軸方向一側には、モータ周方向一側に配置されて巻回部よりもモータ軸方向一側に突出する突出部と、モータ周方向で突出部を避けて配置されて突出部に対してモータ軸方向で凹み、内周片のモータ径方向内側と外側とに渡って巻線を挿通可能とする内周側凹部と、を有し、突出部のモータ径方向内側の端部には、モータ軸方向から見て、モータ周方向一側から他側に向かうほどモータ径方向外側に位置するように傾斜し、モータ周方向他側への延長部分を内周側凹部と交差させる突部傾斜面を有し、インシュレータのモータ軸方向一側には、モータ軸方向から見て、突部傾斜面の延長部分に沿うように傾斜し、巻線を挿入可能とする傾斜溝部を有していることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、インシュレータの内周片におけるモータ軸方向一側に、導線の絡げ部等としての突出部を形成するとともに、突出部を避けた位置に内周側凹部を形成し、突出部のモータ径方向外側の端部にはモータ径方向外側(巻回部側)に傾斜した突部傾斜面を形成し、突部傾斜面の延長方向には、巻線を通過させる内周側凹部と巻線を挿入する傾斜溝部とを形成した。内周片よりもモータ径方向内側の渡り領域から巻回部に向けて巻線を導入する際には、突部傾斜面に沿って巻線を巻回部側に導入することで、巻線が直線状に延びて内周側凹部を通過するとともに傾斜溝部に挿入される。このように、巻線の巻き始め部を傾斜溝部に格納し、内周片側(モータ径方向内側)から巻回部に向かって巻線をガイドすることで、巻線の加工性を向上させることができる。さらに、モータ径方向内側から外側へ向かう傾斜があることで、巻線の巻回部への密着性を向上させてスロット内へ巻線が飛び出すことを防止させ、上層以降の整列性を確保し、コイルエンドの体格を低減することができる。
【0009】
本発明の第二の態様は、上記第一の態様において、巻回部は、モータ径方向と交差する断面において、モータ軸方向一側の軸方向端面とモータ周方向他側の周方向端面との間の角部に面取り形状が形成され、インシュレータのモータ軸方向一側には、モータ径方向と交差する断面において、面取り形状に沿うように傾斜し、モータ軸方向から見て、傾斜溝部のモータ周方向他側への延長方向に連なり、巻線を挿入可能とする第二傾斜溝部を有していることを特徴とする。
この構成によれば、傾斜溝部の延長方向に連通する第二傾斜溝部に巻線を挿入可能とし、第二傾斜溝部は巻回部の面取り形状に沿うように断面視で傾斜させることで、内周片よりもモータ径方向内側の渡り領域から巻回部に向けて巻線を導入した際、巻線が巻回部の断面視の角部に滑らかに合流する。これにより、巻線の巻き始め部における屈曲や湾曲を抑え、巻線とインシュレータとの密着性を向上させることで、スロット内へ巻線が飛び出すことを防止させ、上層以降の整列性を確保し、コイルエンドの体格を低減することができる。
【0010】
本発明の第三の態様は、上記第二の態様において、突出部、傾斜溝部および第二傾斜溝部は、モータ軸方向から見て、ティースの中心軸線を対称軸として対称をなすように一対設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、突出部、傾斜溝部および第二傾斜溝部がモータ周方向で対称をなすように一対設けられることで、巻回部に対する巻線の巻き始め部の方向がCCW(反時計回り)かCW(時計回り)かによらず、スロット内へ巻線が飛び出すことを防止させ、上層以降の整列性を確保し、コイルエンドの体格を低減することができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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