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公開番号2025044425
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-02
出願番号2023151980
出願日2023-09-20
発明の名称座屈拘束ブレース
出願人日鉄エンジニアリング株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類E04B 1/58 20060101AFI20250326BHJP(建築物)
要約【課題】主芯材に付加される軸力を適切に副芯材に伝達させることを可能としつつ、必要とする溶接作業及び溶接金属を削減可能な座屈拘束ブレースを提供する。
【解決手段】長尺状の主芯材10と、主芯材10の長手方向の両端に配置される副芯材20であって、主芯材10の長手方向に沿う姿勢で、且つ、主芯材10の長手方向の両端に位置する板状部分12の板面に直交する姿勢で配置される、長尺状かつ板状の副芯材20と、主芯材10の面外変形を規制する拘束部材30と、を備えた座屈拘束ブレース1であって、主芯材10における板状部分12と、副芯材20と、の交線に沿って延在する直線状溶接線W1を備え、直線状溶接線W1は、主芯材10の長手方向に沿う荷重が付加された場合に、直線状溶接線W1に作用するせん断力の分布に応じた形状となっていることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
長尺状の主芯材と、
前記主芯材の長手方向の両端に配置される副芯材であって、前記主芯材の長手方向に沿う姿勢で、且つ、前記主芯材の長手方向の両端に位置する板状部分の板面に直交する姿勢で配置される、長尺状かつ板状の副芯材と、
前記主芯材の面外変形を規制する拘束部材と、
を備えた座屈拘束ブレースであって、
前記主芯材における前記板状部分と、前記副芯材と、の交線に沿って延在する直線状溶接線を備え、
前記直線状溶接線は、前記主芯材の長手方向に沿う荷重が付加された場合に、前記直線状溶接線に作用するせん断力の分布に応じた形状となっている、
ことを特徴とする座屈拘束ブレース。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記直線状溶接線は、
前記主芯材の長手方向の内方側に位置する内方側部分と、
前記内方側部分よりも、前記主芯材の長手方向の外方側に位置する外方側部分と、
を含み、
前記外方側部分は、前記内方側部分よりも細く形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の座屈拘束ブレース。
【請求項3】
前記主芯材の長手方向において、前記直線状溶接線の前記外方側部分の端部である外方側端部と、前記主芯材の端縁とは、離間している、
ことを特徴とする請求項2に記載の座屈拘束ブレース。
【請求項4】
前記主芯材の長手方向において、前記直線状溶接線の前記内方側部分の長さは、前記副芯材の長さの40%以下である、
ことを特徴とする請求項2に記載の座屈拘束ブレース。
【請求項5】
前記直線状溶接線の前記内方側部分の脚長は、前記外方側部分の脚長の1.5倍以上である、
ことを特徴とする請求項2に記載の座屈拘束ブレース。
【請求項6】
前記内方側部分には、開先が設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の座屈拘束ブレース。
【請求項7】
前記内方側部分と前記外方側部分との境界には、外周面が球状である球状部が形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の座屈拘束ブレース。
【請求項8】
前記直線状溶接線の太さは、前記主芯材の長手方向の内方側から外方側にかけて段階的に細くなるように変化する、
ことを特徴とする請求項1に記載の座屈拘束ブレース。
【請求項9】
前記直線状溶接線の太さは、前記主芯材の長手方向の内方側から外方側にかけて連続的に細くなるように変化する、
ことを特徴とする請求項1に記載の座屈拘束ブレース。
【請求項10】
前記副芯材の端部であって、前記主芯材の長手方向の内方側の端部の周囲に位置する回し溶接線を更に備え、
前記直線状溶接線は、前記回し溶接線に連続して形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の座屈拘束ブレース。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、座屈拘束ブレースに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
建物における制振の用途に、座屈拘束ブレースが用いられることがある。座屈拘束ブレースとして、長尺状の主芯材と、前記主芯材の長手方向の両端に配置される副芯材であって、前記主芯材の長手方向に沿う姿勢で、且つ、前記主芯材の長手方向の両端に位置する板状部分の板面に直交する姿勢で配置される、長尺状かつ板状の副芯材と、前記主芯材の面外変形を規制する拘束部材と、を備えたものがある。地震時の振動荷重により主芯材に圧縮軸力が生じて主芯材が板厚方向に変位すると、拘束部材がその荷重を受け止めることで、主芯材の座屈の進展が抑制される。主芯材の座屈が進展しないことで、地震に対する制振効果が向上する。このような座屈拘束ブレースの従来例として、例えば、設置対象である構造物に接続される接続部を座屈拘束ブレースの両端に備え、その接続部を、主芯材の板状の両端と、当該主芯材の板状の両端の表裏両面に立設された板状の副芯材とに配置したものがある(例えば、特許文献1)。特許文献1では、接続部を主芯材と副芯材との双方に配置することで、座屈拘束ブレースの軸力を主芯材と副芯材とで分担できるようになっている。
ちなみに、特許文献1の座屈拘束ブレースでは、拘束部材と主芯材との間に充填材が充填されており、主芯材と副芯材とを接合する溶接部が充填材と干渉することを抑えるために、溶接部と充填材との間に緩衝部材が配置されている。これにより、例えば、主芯材に圧縮力が付加されることで溶接部が変位した際には、緩衝部材が変形することで、溶接部の変位を吸収する。このことで、溶接部と充填材とが干渉することを抑えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第7253665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の座屈拘束ブレースでは、主芯材と副芯材とを溶接する溶接部が、全長に亘って同じ太さとなっている。換言すれば、主芯材と副芯材との接合強度が、溶接部の全長に亘って同じとなっている。そのため、例えば、十分な接合強度の溶接金属線を形成するために、複数回の溶接パスで溶接金属線を形成しようとすると、溶接パスの回数だけ作業時間が必要となるとともに、パス回数に応じた量の溶接金属が必要となっていた。
しかしながら、発明者らの検討の結果、座屈拘束ブレースの軸力を主芯材と副芯材とで分担する場合、主芯材から副芯材への応力伝達には、主芯材の長手方向に沿って直線状に延在する溶接部のうち、特に内方側の部分が支配的に寄与していることが判明した。そのため従来のように、溶接部が全長に亘って同じ太さとなっていると、溶接作業の無駄や溶接金属の無駄が存在するという課題がある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、主芯材に付加される軸力を適切に副芯材に伝達させることを可能としつつ、副芯材を主芯材に溶接する際の溶接作業の時間及び溶接金属の量を削減可能な座屈拘束ブレースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<1>本発明の態様1に係る座屈拘束ブレースは、長尺状の主芯材と、前記主芯材の長手方向の両端に配置される副芯材であって、前記主芯材の長手方向に沿う姿勢で、且つ、前記主芯材の長手方向の両端に位置する板状部分の板面に直交する姿勢で配置される、長尺状かつ板状の副芯材と、前記主芯材の面外変形を規制する拘束部材と、を備えた座屈拘束ブレースであって、前記主芯材における前記板状部分と、前記副芯材と、の交線に沿って延在する直線状溶接線を備え、前記直線状溶接線は、前記主芯材の長手方向に沿う荷重が付加された場合に、前記直線状溶接線に作用するせん断力の分布に応じた形状となっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、主芯材に付加される軸力を適切に副芯材に伝達させることを可能としつつ、副芯材を主芯材に溶接する際の溶接作業の時間及び溶接金属の量を削減可能な座屈拘束ブレースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態に係る座屈拘束ブレースの側面図である。
実施形態に係る座屈拘束ブレースの平面図である。
図1に示すIII-III部の断面図である。
図1に示すIV-IV部の断面図である。
図1に示すV-V部の断面図である。
座屈拘束ブレースにおける、主芯材と副芯材との溶接部に付加されるせん断力の分布図である。
図1に示す溶接部周辺の拡大図の第1例である。
図1に示す溶接部周辺の拡大図の第2例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(座屈拘束ブレースについて)
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る座屈拘束ブレースを説明する。座屈拘束ブレースは、例えば、建物における柱と梁とからなる構造物を補強するために用いられる。
図1は、実施形態に係る座屈拘束ブレース1の側面図である。
図2は、実施形態に係る座屈拘束ブレース1の平面図である。
図3は、図1に示すIII-III部の断面図である。
図4は、図1に示すIV-IV部の断面図である。
図5は、図1に示すV-V部の断面図である。
図6は、座屈拘束ブレース1における、主芯材10と副芯材20との溶接部Wに付加されるせん断力の分布図である。
図7は、図1に示す溶接部W周辺の拡大図の第1例である。
図8は、図1に示す溶接部W周辺の拡大図の第2例である。
座屈拘束ブレース1は、図1~図5に示すように、主芯材10と、副芯材20と、拘束部材30と、充填材40と、アンボンド材50と、を備える。
【0010】
主芯材10は、長尺状の部材である。本実施形態において、主芯材10は、例えば、鋼板により構成された長尺状かつ板状の部材である。主芯材10は、両端部が建物の構造物に取り付けられることで、建物を補強する。本実施形態において、主芯材10は、鋼板(平鋼)から形成されている。なお主芯材10は、SN材(建築構造用圧延鋼材)や、LYP材(極低降伏点鋼材)等の降伏点の低い鋼材にて形成されていることが好ましい。この場合、主芯材10の降伏による地震エネルギー吸収性が良好になる。
(【0011】以降は省略されています)

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