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公開番号
2025044160
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-01
出願番号
2024160570
出願日
2024-09-18
発明の名称
混紡繊維品のリサイクルプロセスにおける化学物質の回収プロセス
出願人
サンコ テキスタイル イスレットメレリ サン ベ ティク エーエス
,
SANKO TEKSTIL ISLETMELERI SAN. VE TIC. A.S.
代理人
弁理士法人三栄国際特許事務所
主分類
C07C
27/02 20060101AFI20250325BHJP(有機化学)
要約
【課題】ポリエステル-綿繊維品をリサイクルする公知のプロセスの欠点を解決すること、並びに、公知の繊維品リサイクル解重合プロセスから生じる、解重合溶液および他の溶液および混合物から回収されるポリエステルモノマーの純度を高める方法を提供すること。
【解決手段】混紡繊維品中のポリエステルの解重合反応から生じるアルカリ性解重合液から、NaOH、ポリエステルモノマー、染料および副生成物を回収するプロセス。このプロセスは、水、固体NaOH、染料および他の液体生成物からなる混合物中の溶液を濃縮し、混合物からエチレングリコールを抽出し、固体NaOHを溶解し、固体染料を回収し、テレフタル酸を回収することを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
混紡繊維品中のポリエステルのアルカリ性解重合反応から生じるNaOH、染料含有ポリエステルモノマーの回収プロセスであって、ポリエステルモノマー、NaOH、および必要に応じて染料を含む水性アルカリ性解重合液(1)を供給するステップと、水、固体 NaOH、および解重合反応の固体生成物および液体生成物を含む濃縮混合物(2)にするために前記水性アルカリ性解重合液(1)を濃縮するステップと、前記濃縮混合物(2)から有機溶媒でEGを抽出するステップと、最初にTPAを溶解し次にTPAをナトリウム塩または酸として沈殿させるために、EGの抽出から残った固体部分(4)のpHを変更するステップとを含むことを特徴とする化学物質の回収プロセス。
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【請求項2】
a)解重合反応生成物を含む前記濃縮混合物(2)を得るために前記水性アルカリ性解重合液(1)から水の一部を蒸発させるステップと;
b)EG、水およびNaOHを含む液相(3)およびNaOH、Na
2
TPA、必要に応じて染料を含む固体部分(4)を得るために前記濃縮混合物(2)を有機溶媒で抽出するステップと;
c)前記固体部分(4)の少なくともNa
2
TPAを、pH9.5~11.0のアルカリ溶液に溶解し、前記アルカリ溶液中に染料を含む固形分(10)を存在させるステップと;
d)精製アルカリ溶液(11)および固体染料を得るために前記アルカリ溶液から染料を含む前記固形分(10)を分離するステップと;
e)前記精製アルカリ溶液(11)からTPAを沈殿させるステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の化学物質の回収プロセス。
【請求項3】
さらに、Na
2
TPA(12)を沈殿させるために前記精製アルカリ溶液(11)にNaOHを添加するステップe1)を含むことを特徴とする請求項2に記載の化学物質の回収プロセス。
【請求項4】
さらに、TPA(13’)を沈殿させるために前記精製アルカリ溶液(11)にHClを添加するステップe2)を含むことを特徴とする請求項2に記載の化学物質の回収プロセス。
【請求項5】
前記固体Na
2
TPA(13)は前記精製アルカリ溶液から分離され、前記精製アルカリ溶液は混紡繊維品の解重合反応に使用されることを特徴とする請求項3に記載の化学物質の回収プロセス。
【請求項6】
前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の化学物質の回収プロセス。
【請求項7】
溶媒、EG、水およびNaOHを含む有機相(3)を蒸発させて液体部分(5)およびNaOH(6)を生成し、前記NaOHを混紡繊維品の解重合反応に使用することを特徴とする請求項1または2に記載の化学物質の回収プロセス。
【請求項8】
前記液体部分(5)を蒸留して溶媒(7)およびEGと水の混合物(8)を生成し、前記溶媒を抽出ステップb)で再利用することを特徴とする請求項7に記載の化学物質の回収プロセス。
【請求項9】
前記水性アルカリ性解重合液(1)から蒸発した水は、前記固体部分(4)に添加され、前記固体部分(4)中のNa
2
TPAを溶解することを特徴とする請求項1または2に記載の化学物質の回収プロセス。
【請求項10】
前記水性アルカリ性解重合液(1)から、真空下、100℃未満の温度で水分を蒸発させ、得られた濃縮混合物(2)の固形分含有量が50~80重量%となるようにすることを特徴とする請求項1または2に記載の化学物質の回収プロセス。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、混紡繊維品のリサイクルプロセスで得られる化学物質、すなわち染料を含む化学製品を回収するプロセスに関する。より詳細には、本発明は、ポリエステルのアルカリ解重合によるポリエステル混紡織物のリサイクルプロセスで得られるNaOH、ポリエステルモノマーおよび染料を回収および単離するプロセスに関する。本発明のプロセスは、ポリエステルフィラメントまたは繊維およびセルロース短繊維、特に綿短繊維を含む織物からセルロース短繊維を回収し、リサイクルするリサイクルプロセスに特に適している。本発明はまた、繊維品からバット染料を回収するプロセスに関する。
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【背景技術】
【0002】
繊維産業は、石油化学製品および天然資源を大量に使用するため、また、衣服の寿命を縮めながら消費を増加させる現在の傾向のため、環境に大きな影響を及ぼしている。ファッションの分野では、織物、使用済み衣服、アパレルなどからの廃繊維品をリサイクルすることが重要な課題となっている。廃繊維品のリサイクルコストには、廃繊維品の回収だけでなく、大規模に経済的に持続可能な廃繊維品の適切な処理方法を定義することも含まれる。ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、および綿は、最も広く使用されている人造繊維および天然繊維である。廃繊維品を処理する公知の方法には、解重合によって廃繊維品からポリエステルを除去するステップと、解重合生成物を回収してさらに処理するステップ、例えば再利用可能なポリエステルを再び得るステップが含まれる。
【0003】
特許文献1は、ポリコットン廃繊維品、すなわち綿成分とポリエステル成分を含む繊維品をリサイクルする方法を記載しており、この方法では、繊維品は、水酸化ナトリウム溶液中などにおける塩基性加水分解によってポリエステル成分の解重合反応に供される。テレフタル酸の回収は、テレフタル酸沈殿、テレフタル酸分離、テレフタル酸洗浄、晶析、テレフタル酸乾燥のステップを経て行われる。
【0004】
2023年2月13日に出願された本出願人名義の特許文献2は、本明細書に参照により組み込まれているが、ポリエステルフィラメントまたはポリエステル繊維およびセルロース短繊維、特に綿短繊維を含むポリコットン繊維品、特に織物および衣服をリサイクルするプロセスを開示している。
【0005】
特許文献2のプロセスは、ポリエステルをアルカリ性解重合溶液で解重合するステップを含み、その結果、ポリエステルはモノマーに分解され、セルロース繊維の構造は、元のポリコットン織物からポリエステル部分を除いた構造に実質的に対応する。ポリエステルの解重合後に漂白液で処理繊維品を漂白するステップと、処理繊維品を漂白した後に洗浄液で処理繊維品を洗浄するステップも含む。
【0006】
特に、特許文献2の発明は、ポリエステル繊維とセルロース繊維、好ましくは綿繊維を含む廃混紡繊維品をリサイクルするプロセスに関するものであり、このプロセスは、塩基性水溶液中でのポリエステルの解重合を含み、以下のステップを含む:
a)反応室に当該繊維品を一定量供給するステップ;
b)溶液の重量に対する繊維品の重量で、1/2~1/20の範囲の浴比に従って当該塩基性解重合溶液を一定量供給するステップ;
c)当該量の解重合溶液を当該繊維品に循環させて、当該ポリエステルを対応するモノマーに解重合させ、当該繊維品から当該ポリエステルモノマーを除去するステップ;
d)前記解重合溶液を前記反応室から除去するステップ;
ここで、ステップc)における当該解重合溶液の温度は、101℃~160℃であり、好ましくは120℃~160℃であり、より好ましくは130℃~140℃である。
ここで
e)繊維品が静止状態にあり、溶液が繊維品を通して循環され、ポリエステル材料を実質的に含まないセルロース短繊維、好ましくは綿短繊維を含む処理済み繊維品を提供する。
反応は100分~150分、より好ましくは120分実施され、解重合溶液は反応器内の繊維品にポンプで送られ、繊維品は静止した、すなわち静的状態に保持される。
【0007】
言い換えれば、特許文献2のプロセスでは、ポリエステルのエステル結合をモノマー(テレフタル酸二ナトリウム塩(Na
2
TP)、およびエチレングリコール(EG))への開裂を可能にする反応条件下で、反応室内で静止状態に保たれた廃混紡繊維品のポリエステル繊維を、解重合するための解重合溶液を反応室に供給し、その結果、特にインディゴ染料およびその他のバット染料などの染料が織物から実質的に剥離または除去され、織物のセルロース短繊維の解重合が劇的に減少する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2022/195433号
欧州特許出願第23156251号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解重合溶液、または反応液、ならびに漂白溶液および洗浄溶液には、NaOH、TPA、Na
2
TP、EGなどの化学物質、およびインディゴ染料、反応染料、硫化染料などの染料が含まれている。
【0010】
当該溶液(解重合溶液、漂白溶液、洗浄溶液)は、プロセスにおいて複数回再利用することができ、その際、各サイクル後に化学物質(すなわち、Na
2
TPA、EG、および染料)の濃度が増加する。本出願人は、サイクル数の増加が、染料を含む上記の化学物質を回収するための溶液の処理性にプラスの効果を与えることに気付いた。
(【0011】以降は省略されています)
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