TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025042970
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-28
出願番号
2023150209
出願日
2023-09-15
発明の名称
蓄熱性熱伝導材料
出願人
三菱マテリアル株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C09K
5/06 20060101AFI20250321BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】狭小部に隙間なく充填可能な流動性を有し、かつ、熱伝導性が高く蓄熱量が大きい蓄熱性熱伝導材料を提供する。
【解決手段】蓄熱材料と、熱伝導性フィラーと、ベース樹脂と、一次粒子が互いに連結した連結粒子と、を含み、前記蓄熱材料と前記ベース樹脂との合計量を100質量部とした時に、前記連結粒子を2質量部以上、15質量部以下の範囲で含むことを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
蓄熱材料と、熱伝導性フィラーと、ベース樹脂と、一次粒子が互いに連結した連結粒子と、を含み、
前記蓄熱材料と前記ベース樹脂との合計量を100質量部とした時に、前記連結粒子を2質量部以上、15質量部以下の範囲で含むことを特徴とする蓄熱性熱伝導材料。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
前記蓄熱材料は、炭素原子数が16以上のアルカン、または脂肪酸を含むことを特徴とする請求項1に記載の蓄熱性熱伝導材料。
【請求項3】
前記熱伝導性フィラーは、セラミックス粒子を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱性熱伝導材料。
【請求項4】
前記ベース樹脂は、1分子中に水酸基を2以上有するポリオールと、前記ポリオールの前記水酸基と反応可能な官能基を1分子中に2以上有するイソシアネートからなるポリウレタンを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱性熱伝導材料。
【請求項5】
前記連結粒子は、平均粒子径が70nm以下の前記一次粒子が融着して数珠状にネットワークを形成したものであり、比表面積が35m
2
/g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱性熱伝導材料。
【請求項6】
前記蓄熱性熱伝導材料は、更に分散剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱性熱伝導材料。
【請求項7】
前記分散剤は、非イオン系界面活性剤を含むことを特徴とする請求項6に記載の蓄熱性熱伝導材料。
【請求項8】
前記蓄熱性熱伝導材料は、硬化前の粘度が500Pa・s以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱性熱伝導材料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱性熱伝導材料に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
発熱体と放熱部材との間に設けられ、熱を伝搬させる伝熱材料は、例えば、グリースタイプ、ギャップフィラータイプ、シートタイプなど、様々な形態のものが知られている。これらの伝熱材料を用いることで、例えば、発熱体で生じた熱を、金属筐体やヒートシンクなどの放熱部材から効率よく放熱することができる。こうした伝熱材料は、発熱体と放熱部材との間に設置することで、発熱体と放熱部材との間の熱抵抗を小さくすることができる。
【0003】
自動車部品等の分野では、近年電気自動車(EV)等の自動車用動力電源としてリチウムイオン電池(LIB)等の市場が拡大しているが、このようなリチウムイオン電池(LIB)等の二次電池のバッテリケースでは、コンパクト化や高出力化等によって充放電時の際に二次電池で生じた熱が筺体内に滞留しやすくなり、短時間で二次電池の使用限界温度に到達してしまうという問題がある。特に、自動車部品等においては、自動車の室内温度が40℃以上に達するような熱的に厳しい環境下に曝されることがあり、このような高温条件下では、二次電池が直ぐに使用限界温度に達してしまい、電池の連続作動時間が短時間になるといった問題が生じている。
【0004】
このため、このような二次電池等に対する放熱設計の開発が早急に求められている。とりわけ、リチウムイオン二次電池においては、使用限界温度を超えるような高温状態が長く続く場合には、電池の破損が生じる恐れがある。したがって、電池の温度上昇を抑制、緩和する熱対策が急務となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このように熱的に厳しい周囲環境条件でも使用されるために周囲環境との温度差が得られ難い部品に対しての放熱対策には、蓄熱材の利用が有効である。特許文献1では、熱可塑性ベースポリマーと熱伝導性フィラーと蓄熱材との組み合わせによって、所定硬度の成形体を確保して放熱対象物との密着性を高め、そして、熱的に厳しい周囲環境温度(雰囲気温度)の影響により周囲環境との温度差が得られ難い条件となる放熱対象物に対してもその温度上昇を抑制、緩和する効果を高くしている。
【0006】
特に、リチウムイオン電池等を放熱対象物とするものであれば、電池の作動温度の範囲内に相変化温度を有する潜熱を利用した蓄熱材の使用により、電池の作動温度領域内で電池の温度上昇を緩和できる。このとき蓄熱材のみでは蓄熱容量の限界を超えると再び温度上昇するために放熱効果が限定されてしまうが、熱伝導性フィラーが含まれていることで、熱伝導経路が確保されるために放熱性が高まり作動可能時間の延長を可能としている(例えば、特許文献1を参照)。
【0007】
また、こうした蓄熱性熱伝導材料を発熱部位に注入して使用する用途において、流動性を有するグリースタイプの蓄熱性熱伝導材料が提案されている。こうしたグリースタイプの蓄熱性熱伝導材料においては、各種電子機器の構成部品の微細化が進むにつれて、より狭い空間に、空隙を生じさせることなく注入、充填を行うことが可能なものが求められている。例えば、特許文献2には、熱可塑性ベースポリマーに蓄熱物質、熱伝導性フィラー、プロセスオイルを添加して、低硬度かつ高熱伝導率とされる蓄熱性熱伝導材料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第6893741号公報
特許第7211923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2に開示された流動性を有する蓄熱性熱伝導材料は、熱可塑性ベースポリマーが含まれているため、蓄熱材が溶融した状態での粘度が高く、高密度に配列された微細な部品どうしの狭い隙間などに空隙を生じることなく注入することは困難であるという課題があった。また、蓄熱性や熱伝導率の向上に寄与しないプロセスオイルの配合割合を高めて組成物の硬度を低下させているため、蓄熱性や熱伝導率の向上効果が限定的であり、また、プロセスオイルがブリードアウトしてしまうという懸念もあった。
【0010】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、狭小部に隙間なく充填可能な流動性を有し、かつ、熱伝導性が高く蓄熱量が大きい蓄熱性熱伝導材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
他の特許を見る