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公開番号
2025042726
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-28
出願番号
2023149829
出願日
2023-09-15
発明の名称
箱桁橋の柱頭部及び箱桁橋の柱頭部の構築方法
出願人
三井住友建設株式会社
代理人
弁理士法人大島特許事務所
主分類
E01D
21/00 20060101AFI20250321BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約
【課題】箱桁の幅寸法が橋脚の幅寸法よりも大きい場合に、大型のブラケットユニットを用いることなく、箱桁橋の柱頭部を構築可能にする。
【解決手段】箱桁橋10の柱頭部8は、橋脚3の上端に一体に構築され、橋脚3の側面3aから両側方へ張り出す1対の張出部16を有する横桁17と、橋脚3の両側面3aの上部から張出部16の下方を側方へ延出するように橋脚3に一体に構築され、対応する張出部16を支持する1対の追加梁19とを有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
箱桁橋の柱頭部であって、
橋脚の上端に一体に構築され、前記橋脚から両側方へ張り出す1対の張出部を有する横桁と、
前記橋脚の両側面の上部から前記張出部の下方を側方へ延出するように前記橋脚に一体に構築され、対応する前記張出部を支持する1対の追加梁と、を有する、箱桁橋の柱頭部。
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【請求項2】
前記追加梁のそれぞれが、先端側ほど小さい高さを有するテーパー形状をしている、請求項1に記載の箱桁橋の柱頭部。
【請求項3】
前記追加梁の橋軸方向の幅寸法及び前記横桁の橋軸方向の寸法が、前記追加梁が接続する前記橋脚の上側部分の橋軸方向の寸法以下である、請求項1に記載の箱桁橋の柱頭部。
【請求項4】
前記追加梁のそれぞれが、延出方向に分割された複数のハーフプレキャスト部材と、前記ハーフプレキャスト部材の内側に打設された現場打ちコンクリート部とにより構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の箱桁橋の柱頭部。
【請求項5】
前記現場打ちコンクリート部の内部に鉄筋が組み立てられている、請求項4に記載の箱桁橋の柱頭部。
【請求項6】
橋脚の上端に一体に構築され、前記橋脚から両側方へ張り出す1対の張出部を有する横桁と、前記橋脚の両側面の上部から前記張出部の下方を側方へ延出するように前記橋脚に一体に構築され、対応する前記張出部を支持する1対の追加梁と、を有する箱桁橋の柱頭部の構築方法であって、
前記追加梁のそれぞれを延出方向に分割してなる複数のハーフプレキャスト部材を用意するステップと、
前記橋脚の側方に前記ハーフプレキャスト部材を配置する配置ステップと、
前記橋脚の側方に配置された前記ハーフプレキャスト部材の内部にコンクリートを打設する打設ステップと、
前記配置ステップと前記打設ステップとを繰り返し、1対の前記追加梁を構築する構築ステップと、
前記橋脚及び1対の前記追加梁の上に前記横桁を構築するステップと、を含む箱桁橋の柱頭部の構築方法。
【請求項7】
前記配置ステップを繰り返し、前記橋脚の側方に複数の前記ハーフプレキャスト部材を配置した後、前記打設ステップにおいて、複数の前記ハーフプレキャスト部材の内部にコンクリートを打設する、請求項6に記載の箱桁橋の柱頭部の構築方法。
【請求項8】
前記配置ステップの後かつ前記打設ステップの前に、前記ハーフプレキャスト部材の内側に鉄筋篭を配置して鉄筋を組み立てる組立ステップを更に含む、請求項6又は7に記載の箱桁橋の柱頭部の構築方法。
【請求項9】
前記配置ステップの後に、前記ハーフプレキャスト部材を貫通するように設けられた1次緊張材を緊張することによって前記ハーフプレキャスト部材を前記橋脚に取り付ける1次緊張ステップを更に含む、請求項6又は7に記載の箱桁橋の柱頭部の構築方法。
【請求項10】
前記打設ステップの後に、前記追加梁の上部に2次緊張材を配置し、前記2次緊張材を緊張する2次緊張ステップを更に含む、請求項9に記載の箱桁橋の柱頭部の構築方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱桁橋の柱頭部及びその構築方法に関し、詳細には、橋脚から両側方へ張り出すように構築される箱桁橋の柱頭部及びその構築方法に関する。
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【背景技術】
【0002】
コンクリート箱桁橋の架設方法として、橋脚上に一体に構築された箱桁の一部をなす柱頭部から橋軸方向の両側へ所定長さの施工ブロックごとに箱桁を張り出して構築してゆく、いわゆる片持張出架設工法がある。片持張出架設工法では、移動作業車の配置スペースを確保するために、柱頭部が、橋脚上に構築される大断面部(横桁)と、横桁から橋軸方向の両側に張り出す1対の張出部(箱桁基部)とを備えるように構築される。
【0003】
横桁と1対の張出部とを備える柱頭部を構築するためには、橋脚の橋軸方向の両面に大がかりなブラケットを設ける必要がある。このブラケットの組み立てを不要にするために、小さな柱頭部から橋体(橋桁)の張出架設を可能にした柱頭部の構築方法が提案されている(特許文献1)。この構築方法では、橋の側面視で、柱頭部上に構築される右向きの架設作業車の主構は規定幅に設定され、左向きの架設作業車の主構は、規定よりも狭い幅に設定され、右向きの架設作業車の主構の内部に入り組ませて配置される。両作業車は橋体の張出架設に合わせて前進し、左向きの架設作業車の主構は、右向きの架設作業車の主構から抜け出た後、規定幅に変更される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-218316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の従来技術は、橋軸方向の寸法が小さい柱頭部から桁橋部の最初の部分を構築するためのものである。すなわち、この技術は、橋脚の橋軸方向寸法と同じ寸法の柱頭部を構築した後に初めて使えるようになり、柱頭部が構築されたことを前提とするものである。
【0006】
ところで、箱桁橋においては、橋脚の幅(橋軸直角方向の寸法)が箱桁の幅(橋軸直角方向の寸法)よりも小さく設計されることがある。また、平行に延びる2つの箱桁橋が共通の橋脚によって支持される場合、橋脚の幅が両箱桁の幅よりも小さくなることがある。
【0007】
上床版の張出部が柱頭部において橋脚から側方へ張り出す場合、橋脚の上側部にブラケットユニットを架設し、ブラケットユニット上に支保工や足場を構築して柱頭部の上床版張出部を構築する方法がある。箱桁自体の幅が橋脚の幅よりも大きい場合にこの方法を転用することが考えられる。しかし、箱桁自体の幅が橋脚の幅よりも大きい場合、上床版張出部だけを構築する場合に比べてブラケットユニットが支えるべき荷重が大きくなる。そのため、ブラケットユニットが非常に大型化する、或いは、大型のブラケットユニットを支持するために橋脚自体の設計を見直す必要が生じる。
【0008】
本発明は、以上の背景に鑑み、箱桁の幅が橋脚の幅よりも大きい場合に、大型のブラケットユニットを用いることなく構築可能な箱桁橋の柱頭部、及び、その構築方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、箱桁橋(10)の柱頭部(8)であって、橋脚(3)の上端に一体に構築され、前記橋脚から両側方へ張り出す1対の張出部(16)を有する横桁(17)と、前記橋脚の両側面(3a)の上部から前記張出部の下方を側方へ延出するように前記橋脚に一体に構築され、対応する前記張出部を支持する1対の追加梁(19)と、を有する。
【0010】
この態様によれば、追加梁を先に構築し、追加梁を利用して横桁の張出部を構築することができる。よって、大型のブラケットユニットを用いることなく箱桁橋の柱頭部を構築することができる。また、箱桁橋から伝達されるせん断力が柱頭部の横桁だけでなく追加梁をも通って橋脚に伝わる。つまり、せん断力の流れが滑らかになり、横桁のせん断応力が低減される。そのため、箱桁の幅が橋脚の幅よりも大きくても、せん断耐力を確保するために横桁の橋軸方向寸法を橋脚よりも大きくする必要がない。
(【0011】以降は省略されています)
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