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公開番号2025042233
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-27
出願番号2023149115
出願日2023-09-14
発明の名称ホウレンソウおよびその製造方法
出願人学校法人東京農業大学,国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
代理人個人,個人
主分類A01H 5/00 20180101AFI20250319BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】ホウレンソウにおけるシュウ酸の含有量を低下させることのできる技術を提供する。
【解決手段】ホウレンソウは、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性が低下もしくは阻害され、および/または、特定の遺伝子が発現抑制もしくは欠損されており、ホウレンソウの製造方法は、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を低下もしくは阻害する工程、および/または、特定の遺伝子を発現抑制もしくは欠損させる工程を含む。
【選択図】図6

特許請求の範囲【請求項1】
ホウレンソウであって、
アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性が低下もしくは阻害され、
および/または、
下記(a)~(f)のいずれか1つの遺伝子が発現抑制もしくは欠損されている、
ホウレンソウ:
(a)配列番号1または配列番号2で示される塩基配列からなる遺伝子、
(b)配列番号1または配列番号2で示される塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(c)配列番号1または配列番号2で示される塩基配列において、1~数個の塩基が欠失、置換または付加された塩基配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(d)配列番号3または配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子、
(e)配列番号3または配列番号4で示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(f)配列番号3または配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1~数個のアミノ酸残基が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載のホウレンソウにおいて、
下記(g)~(l)のいずれか1つの遺伝子が発現抑制もしくは欠損されている、
ホウレンソウ:
(g)配列番号1で示される塩基配列からなる遺伝子、
(h)配列番号1で示される塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(i)配列番号1で示される塩基配列において、1~数個の塩基が欠失、置換または付加された塩基配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(j)配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子、
(k)配列番号3で示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(l)配列番号3で示されるアミノ酸配列において、1~数個のアミノ酸残基が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
【請求項3】
ホウレンソウの製造方法であって、
アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を低下もしくは阻害する工程、
および/または、
下記(a)~(f)のいずれか1つの遺伝子を発現抑制もしくは欠損させる工程を含む、
ホウレンソウの製造方法:
(a)配列番号1または配列番号2で示される塩基配列からなる遺伝子、
(b)配列番号1または配列番号2で示される塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(c)配列番号1または配列番号2で示される塩基配列において、1~数個の塩基が欠失、置換または付加された塩基配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(d)配列番号3または配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子、
(e)配列番号3または配列番号4で示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(f)配列番号3または配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1~数個のアミノ酸残基が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ホウレンソウに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
ホウレンソウは、ビタミン類やミネラルを豊富に含有する栄養価の高い野菜であり、世界中で食されている。しかしながら、非特許文献1に開示されているように、ホウレンソウは、シュウ酸の含有量が極めて高いため、尿中のシュウ酸を増加させて腎結石形成に寄与する可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Shi, A. et al., Euphytica, 2016 212(1), 17-28.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ホウレンソウの低シュウ酸化が望まれる一方で、現段階において、ホウレンソウ個体の遺伝子機能改変に関する報告はなく、ホウレンソウの低シュウ酸化に寄与する遺伝子の同定に関する報告もない。このため、ホウレンソウにおけるシュウ酸の含有量を低下させることのできる技術が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、ホウレンソウが提供される。このホウレンソウは、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性が低下もしくは阻害され、および/または、下記(a)~(f)のいずれか1つの遺伝子が発現抑制もしくは欠損されている:
(a)配列番号1または配列番号2で示される塩基配列からなる遺伝子、
(b)配列番号1または配列番号2で示される塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(c)配列番号1または配列番号2で示される塩基配列において、1~数個の塩基が欠失、置換または付加された塩基配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(d)配列番号3または配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子、
(e)配列番号3または配列番号4で示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(f)配列番号3または配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1~数個のアミノ酸残基が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
この形態のホウレンソウによれば、シュウ酸の含有量を低下させることができる。
【0007】
(2)上記(1)に記載のホウレンソウにおいて、下記(g)~(l)のいずれか1つの遺伝子が発現抑制もしくは欠損されていてもよい:
(g)配列番号1で示される塩基配列からなる遺伝子、
(h)配列番号1で示される塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(i)配列番号1で示される塩基配列において、1~数個の塩基が欠失、置換または付加された塩基配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(j)配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子、
(k)配列番号3で示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(l)配列番号3で示されるアミノ酸配列において、1~数個のアミノ酸残基が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
この形態のホウレンソウによれば、シュウ酸の含有量をさらに低下させることができる。
【0008】
(3)本開示の他の形態によれば、ホウレンソウの製造方法が提供される。このホウレンソウの製造方法は、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を低下もしくは阻害する工程、および/または、下記(a)~(f)のいずれか1つの遺伝子を発現抑制もしくは欠損させる工程を含む:
(a)配列番号1または配列番号2で示される塩基配列からなる遺伝子、
(b)配列番号1または配列番号2で示される塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(c)配列番号1または配列番号2で示される塩基配列において、1~数個の塩基が欠失、置換または付加された塩基配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(d)配列番号3または配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子、
(e)配列番号3または配列番号4で示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
(f)配列番号3または配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1~数個のアミノ酸残基が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
この形態のホウレンソウの製造方法によれば、シュウ酸の含有量が低下したホウレンソウを製造できる。
【0009】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能である。例えば、低シュウ酸化されたホウレンソウ、低シュウ酸化されたホウレンソウを含む食品、ホウレンソウのシュウ酸含有量を低下させる方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
葉物野菜におけるシュウ酸の含有量の測定結果を示すグラフ。
PDS遺伝子の発現抑制に伴う植物体の白化を示す説明図。
VIGSによる葉の表現型を示す説明図。
VIGS処理したPDS遺伝子の発現量を示すグラフ。
標的遺伝子の探索に用いた遺伝子を示す説明図。
VIGS処理した標的遺伝子の発現量とシュウ酸の含有量とを示す説明図。
改良日本におけるAAO1遺伝子発現量とシュウ酸含有量とを対応させて示す説明図。
新日本におけるAAO1遺伝子発現量とシュウ酸含有量とを対応させて示す説明図。
ジャスティスにおけるAAO1遺伝子発現量とシュウ酸含有量とを対応させて示す説明図。
統計処理の結果を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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