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公開番号2025040916
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-25
出願番号2023191580
出願日2023-11-09
発明の名称発泡構造を備えないポリ塩化ビニル系人工皮革及びその製造方法
出願人南亞塑膠工業股分有限公司,NAN YA PLASTICS CORPORATION
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類D06N 3/06 20060101AFI20250317BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】本発明は、発泡構造を備えないポリ塩化ビニル系人工皮革及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
ポリ塩化ビニル系人工皮革は、ベース層及び表地層を含む。表地層は、ポリ塩化ビニル樹脂及び高分子可塑剤を含む表地組成物で形成される。高分子可塑剤は、二塩基酸原料と二価アルコール原料との重縮合反応を行った後に、末端封止脂肪酸で末端封止されて形成される。末端封止脂肪酸は、バイオマス由来の脂肪酸であり、その化学構造にはC8~C22長い炭素鎖を有し、長い炭素鎖の一端にカルボキシル基を有し、長い炭素鎖の他端にカルボキシル基を有しない。本発明で高分子可塑剤における二価アルコール原料の残留量は300ppm未満であり、高分子可塑剤の酸価は1mgKOH/g未満である。それによって、匂いの品質が優れた人工皮革を製造することができる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ベース層と、
前記表地層は表地組成物で形成され、且つ前記ベース層に形成された表地層と、を備え、
前記表地組成物の総重量を100重量部として、前記表地組成物は、
ポリ塩化ビニル樹脂25重量部~65重量部と、
高分子可塑剤20重量部~60重量部と、を含み、
前記高分子可塑剤は、二塩基酸原料と二価アルコール原料との重縮合反応を行った後に、末端封止脂肪酸で末端封止されて形成され、
前記末端封止脂肪酸は、バイオマス由来の脂肪酸であり、前記末端封止脂肪酸の化学構造にはC8~C22長い炭素鎖を有し、前記長い炭素鎖の一端にカルボキシル基を有し、前記長い炭素鎖の他端にカルボキシル基を有しなく、
前記高分子可塑剤における前記二価アルコール原料の残留量は300ppm未満であり、前記高分子可塑剤の酸価は1mgKOH/g未満であることを特徴とする、発泡構造を備えないポリ塩化ビニル系人工皮革。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記末端封止脂肪酸は、ラウリン酸(lauric acid)、ステアリン酸(stearic acid)、パルミチン酸(palmitic acid)、リノール酸(linoleic acid)、n-カプリル酸(n-caprylic acid)、カプリン酸(capric acid)、ミリスチン酸(myristic acid)からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の発泡構造を備えないポリ塩化ビニル系人工皮革。
【請求項3】
前記重縮合反応において、前記二塩基酸原料の第1の開始モル数は、前記二価アルコール原料の第2の開始モル数より低い、請求項1に記載の発泡構造を備えないポリ塩化ビニル系人工皮革。
【請求項4】
前記表地組成物は、安定剤3重量部~5重量部を更に含み、
前記安定剤は、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛、カプリル酸亜鉛からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の発泡構造を備えないポリ塩化ビニル系人工皮革。
【請求項5】
前記表地層と前記ベース層との間に、発泡層が含まれていなく、前記表地層にも発泡によるフォームポアを含まない、請求項1に記載の発泡構造を備えないポリ塩化ビニル系人工皮革。
【請求項6】
ベース層を提供することと、
表地組成物で形成された表地層を、前記ベース層の一面に形成することと、を含み、
前記表地組成物の総重量を100重量部として、前記表地組成物は、ポリ塩化ビニル樹脂25重量部~65重量部と、高分子可塑剤20重量部~60重量部と、を含み、
前記高分子可塑剤は、二塩基酸原料と二価アルコール原料との重縮合反応を行った後に、末端封止脂肪酸で末端封止されて形成され、
前記末端封止脂肪酸は、バイオマス由来の脂肪酸であり、前記末端封止脂肪酸の化学構造にはC8~C22長い炭素鎖を有し、前記長い炭素鎖の一端にカルボキシル基を有し、前記長い炭素鎖の他端にカルボキシル基を有しなく、
前記高分子可塑剤における前記二価アルコール原料の残留量は300ppm未満であり、前記高分子可塑剤の酸価は1mgKOH/g未満であることを特徴とする、発泡構造を備えないポリ塩化ビニル系人工皮革の製造方法。
【請求項7】
前記高分子可塑剤は、
前記二塩基酸原料と前記二価アルコール原料とを混合して、反応液体を形成すると共に、加熱で前記重縮合反応を行うことによって、化学構造の末端に過量の水酸基(-OH基)を有する高分子ポリエステルポリオールを形成する、エステル化工程と、
バイオマス由来の末端封止脂肪酸を前記反応液体に添加して、前記高分子ポリエステルポリオールにある過量の水酸基を末端封止して、前記重縮合反応を終止すると共に、前記高分子可塑剤を形成する、末端封止工程と、
で形成される、請求項6に記載の発泡構造を備えないポリ塩化ビニル系人工皮革の製造方法。
【請求項8】
前記二塩基酸原料の前記エステル化工程で供給される時の第1の開始モル数は、前記二価アルコール原料の前記エステル化工程で供給される時の第2の開始モル数より低い、請求項7に記載の発泡構造を備えないポリ塩化ビニル系人工皮革の製造方法。
【請求項9】
前記末端封止脂肪酸の前記末端封止工程で供給される時の第3の開始モル数は、前記二価アルコール原料の前記第2の開始モル数から前記二塩基酸の前記第1の開始モル数を引いた値より高く、
前記第3の開始モル数は、前記引いた値の1.5倍~3倍である、請求項8に記載の発泡構造を備えないポリ塩化ビニル系人工皮革の製造方法。
【請求項10】
前記二塩基酸原料の前記第1の開始モル数:前記二価アルコール原料の前記第2のモル数:前記末端封止脂肪酸の前記第3の開始モル数(モル比)は、0.27~0.31:0.32~0.35:0.06~0.09である、請求項9に記載の発泡構造を備えないポリ塩化ビニル系人工皮革の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ塩化ビニル系人工皮革に関し、特に、発泡構造を備えないポリ塩化ビニル系人工皮革及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
ポリ塩化ビニル(PVC)は、人工皮革の生産や開発において主要な原材料であり、自動車の内装に広く使用されている。重合度の高いポリ塩化ビニルは、溶融温度が高く、そのメルトの流動性が低いため、加工し難いという問題がある。
【0003】
ポリ塩化ビニルのメルトの流動性を改善して、加工温度を低くし、生産加工を容易にするために、ポリ塩化ビニル材料に可塑剤を添加する必要がある。しかし、従来の技術で使用されたフェノール酸系可塑剤は刺激臭を放出することがあり、また、発泡剤などの他の添加剤をポリ塩化ビニル加工過程に添加すると、刺激臭が放出されることがある。
【0004】
また、人工皮革の表面特性を改善するため、通常、合成皮革の表面が表面処理が施される。既存の表面処理方法は主に溶剤型の表面処理剤が使用されている。
【0005】
ただし、溶剤型の表面処理剤には臭いレベルが高い問題がある。既存の表面処理を施した人工皮革は、一般的な自動車臭気試験方法であるPV3900C3に基づいて測定された臭いレベルが4.0以上となり、使用者の快適性に大きな影響する。なお、既存の溶剤型の表面処理剤はほとんど刺激性を有する溶剤(例えば、トルエン及びキシレン)を含むため、身体の健康に害を及ぼす可能性がある。
【0006】
さらに、従来の技術のポリ塩化ビニル人工皮革(PVC人工皮革とも呼ばれる)には通常、緻密的な表地層と、レザーの手触りを提供するための発泡層と、が含まれている。しかし、既存の発泡層が発泡剤で形成された発泡構造であるため、依然として刺激臭を放出することがある。
【0007】
近年では、PVC人工皮革の臭気レベルを改善するための研究も数多く行われている。
【0008】
CN107190521Aには、ベース層、PVCレザー層、ペイント層を順に備えた臭いの薄いポリ塩化ビニル人工皮革が開示されている。本特許文献で使用される可塑剤には、エポキシ化大豆油およびフェノール酸系可塑剤が含まれる。レザーの手触りを提供するために、本特許文献は依然として発泡剤を使用して発泡構造を作成している。CN107366166Aは、ポリ塩化ビニル表地層と、ポリ塩化ビニル発泡層と、ポリ塩化ビニル表地層にコーティングされた水性ペイント層と、を含む非生殖毒性ポリ塩化ビニル人工皮革を開示する。水性ペイント層はN-メチルピロリドン及びN-メチルピロリドンを含まなく、低VOCと低臭気という環境保護要件を同時に満たす。しかしながら、レザーの手触りを提供するために、本特許文献は依然として発泡剤を使用して発泡構造を作成している。
【0009】
前記従来の技術におけるポリ塩化ビニル系人工皮革は依然として発泡剤で発泡(特に、化学発泡)して、発泡構造を生成するため、前記従来の技術で製造されたポリ塩化ビニル系人工皮革は依然として、刺激臭を有することがある。
【0010】
ポリ塩化ビニル系人工皮革の技術分野において、車内環境を改善し、高級車の要求を満たすように、ポリ塩化ビニル系人工皮革の臭いレベルを更に低減させる技術的方案を更に開発する必要がある。
(【0011】以降は省略されています)

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