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公開番号2025040748
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-25
出願番号2023147741
出願日2023-09-12
発明の名称全輪駆動車の制御装置
出願人株式会社SUBARU
代理人個人
主分類B60K 17/348 20060101AFI20250317BHJP(車両一般)
要約【課題】トルクスプリット式の全輪駆動車において、デファレンシャル(ハイポイドギヤ)の初期慣らしを促進することが可能な全輪駆動車の制御装置を提供する。
【解決手段】TCU70は、ハイポイドギヤ47aを含んで構成されるリヤデファレンシャル47の初期慣らしが未終了であり、かつ、車両の運転状態が所定の初期慣らし促進制御実行条件を満足していると判断した場合に、トランスファクラッチ41の締結力を増大する初期慣らし促進制御を実行する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
締結力に応じて従駆動輪に伝達されるトルクを調節するトランスファクラッチと、
ハイポイドギヤを含んで構成され、左右輪の回転差を許容しつつ、前記トランスファクラッチを介して伝達されるトルクを左右輪に振り分けるデファレンシャルと、
車両の運転状態に基づいて前記トランスファクラッチの締結力を制御するコントロールユニットと、を備え、
前記コントロールユニットは、前記デファレンシャルの初期慣らしが未終了であり、かつ、車両の運転状態が所定の初期慣らし促進制御実行条件を満足していると判断した場合に、前記トランスファクラッチの締結力を増大する初期慣らし促進制御を実行することを特徴とする全輪駆動車の制御装置。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記初期慣らし促進制御を実行するか否かを運転者に確認する情報を提示する提示手段と、
前記初期慣らし促進制御を実行する旨、又は、実行しない旨の運転者からの入力を受け付ける入力受付手段と、をさらに備え、
前記コントロールユニットは、さらに、初期慣らし促進制御を実行する旨の入力が受け付けられた場合に、前記初期慣らし促進制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の全輪駆動車の制御装置。
【請求項3】
走行路の状況を含む車両の外部環境を検知する運転支援装置をさらに備え、
前記コントロールユニットは、走行路が直進路又は略直進路であり、かつ、車速が所定の速度範囲内である場合に、前記所定の初期慣らし促進制御実行条件が満足されていると判断することを特徴とする請求項2に記載の全輪駆動車の制御装置。
【請求項4】
前記コントロールユニットは、使用を開始してからの前記デファレンシャルの回転回数と該デファレンシャルに入力されるトルクとの乗算値の積算値が所定のしきい値未満の場合に、前記デファレンシャルの初期慣らしが未終了であると判断することを特徴とする請求項3に記載の全輪駆動車の制御装置。
【請求項5】
前記デファレンシャルは、前記トランスファクラッチを介して伝達されるトルクを左右後輪に振り分けるリヤデファレンシャルであることを特徴とする請求項4に記載の全輪駆動車の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、全輪駆動車の制御装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、エンジンにより直接的に駆動される駆動輪と、エンジンにトランスファクラッチを介して接続される従動輪とを有し、トランスファクラッチの締結力を走行状態等に応じて制御することにより、従動輪側へのトルク配分を調節し得るように構成された全輪駆動(AWD:All Wheel Drive)車(又は4輪駆動(4WD)車)が実用化されている。
【0003】
このような、トランスファクラッチを用いたカップリング形式の全輪駆動車(トルクスプリット式の全輪駆動車)では、トランスファクラッチの締結圧(締結力)を調節(解放~締結)することにより、駆動輪側と従動輪側とのトルク配分比を、(駆動輪側)100:(従動輪側)0~50:50の間で可変できる。例えば、FFベースの場合には、前後トルク配分比を、(フロント)100:(リヤ)0~50:50の間で可変できる。
【0004】
また、エンジン等で発生したトルク(駆動力)は変速機によって変換された後、デファレンシャルを介して車両の駆動輪に伝達される。デファレンシャルは、ハイポイドギヤ等を含んで構成され、駆動軸の回転数を減速するとともに、車両旋回時に、内側の車輪(旋回内輪)と外側の車輪(旋回外輪)との速度差(回転差)を許容しつつ内外輪に駆動力を振り分けることにより、車両の操縦性を向上させる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-28279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、デファレンシャルを構成するギヤ(特にハイポイドギヤ)は、組み立て時や工場出荷時等の新品状態では歯面の慣らしや馴染みが付いていないため、使用開始後、デファレンシャル(特にハイポイドギヤ歯面)の初期慣らしが終了するまでは(初期馴染みが付くまでは)、デファレンシャル(特にギヤ摺動部)の発熱による昇温が大きく、連続して高負荷の運転状態(例えばトーイング等)が続くと高温になりやすい。
【0007】
なお、デファレンシャル(ハイポイドギヤ)が高温になり、オイルも高温になると、オイルの粘度が低下して油膜切れが起こり、ギヤ歯面の異常摩耗やスコーリングが発生するとともに、オイルの早期劣化による潤滑性能の低下や樹脂・ゴム部品の高温劣化による寿命低下を招くおそれがある。
【0008】
一方、例えば、FF車ベースのトルクスプリット式の全輪駆動車では、定常走行時等にリヤ側(後輪側)へのトルク配分がなくなるため(又は小さくなるため)、リヤデファレンシャル(ハイポイドギヤ)の初期慣らしが進み難いという問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、トルクスプリット式の全輪駆動車において、デファレンシャル(ハイポイドギヤ)の初期慣らしを促進することが可能な全輪駆動車の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る全輪駆動車の制御装置は、締結力に応じて従駆動輪に伝達されるトルクを調節するトランスファクラッチと、ハイポイドギヤを含んで構成され、左右輪の回転差を許容しつつ、トランスファクラッチを介して伝達されるトルクを左右輪に振り分けるデファレンシャルと、車両の運転状態に基づいてトランスファクラッチの締結力を制御するコントロールユニットとを備え、コントロールユニットが、デファレンシャルの初期慣らしが未終了であり、かつ、車両の運転状態が所定の初期慣らし促進制御実行条件を満足していると判断した場合に、トランスファクラッチの締結力を増大する初期慣らし促進制御を実行することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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