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公開番号2025040351
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-24
出願番号2023147233
出願日2023-09-11
発明の名称プロセス開発支援システムおよびプロセス開発支援方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類C12M 1/00 20060101AFI20250314BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】大スケールでの実験データが不足する場合であっても、大スケールでの特有の培養条件を踏まえた小スケールの実験条件を作成可能なプロセス開発支援システムの提供。
【解決手段】本発明に係るプロセス開発支援システムSは、培養対象を第一スケールの培養設備および第一培養条件で培養実験して得られる複数のパラメータの変化量に関する情報を含む実験データと、前記第一スケールの培養設備よりも大きい第二スケールの培養設備の少なくとも形状の情報を含む第二スケールの設備情報とに基づいて、前記培養対象を前記第二スケールの培養設備および第二培養条件で培養する場合のシミュレーションを行い、その結果に基づいて前記第二培養条件と前記複数のパラメータとの関係性を示す条件範囲情報を出力する演算部41と、これらに基づいて、第一スケールの培養設備における培養実験の培養条件を出力する計画部42と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第一スケールの培養設備において培養対象を第一培養条件で培養実験した場合における前記第一スケールの培養設備内の状態を示す複数のパラメータの変化量に関する情報を含む実験データと、前記第一スケールの培養設備よりも大きい第二スケールの培養設備に関する少なくとも形状の情報を含む設備条件に関する情報である第二スケールの設備情報と、を記憶する記憶部と、
前記実験データと前記第二スケールの設備情報とに基づいて、前記第二スケールの培養設備において前記培養対象を第二培養条件で培養する場合における前記複数のパラメータと同一のパラメータの変化量に関するシミュレーションを行い、前記シミュレーションの結果に基づいて前記第二培養条件と前記複数のパラメータとの関係性を示す情報である条件範囲情報を出力する演算部と、
前記実験データおよび前記条件範囲情報に基づいて、前記第一スケールの培養設備における培養実験の培養条件を出力する計画部と、
を備えることを特徴とするプロセス開発支援システム。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記計画部は、前記条件範囲情報と前記実験データとに基づいて、第一スケールの培養設備から第二スケールの培養設備へのスケールアップのプロセス開発における重要パラメータを特定し、当該重要パラメータの情報に基づいて、前記第一のスケールにおける培養実験の培養条件を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のプロセス開発支援システム。
【請求項3】
前記第一培養条件は、前記第一スケールの培養設備を制御するための複数の運転条件の項目の設定値の情報を含み、
前記計画部は、前記実験データおよび前記条件範囲情報に基づいて、前記培養実験における前記設定値を変化させる範囲を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のプロセス開発支援システム。
【請求項4】
前記計画部は、前記実験データに含まれる前記複数のパラメータの情報と前記条件範囲情報に含まれる前記複数のパラメータの情報とに基づいて、前記第二スケールの培養設備において前記培養対象を培養する場合の影響の大きさに関する情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のプロセス開発支援システム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記第一スケールの培養設備の複数の候補に関する第一設備情報を記憶しており、
前記計画部は、前記第一設備情報のうち前記培養実験に利用する培養設備に関する情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のプロセス開発支援システム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記第二スケールの培養設備の複数の候補に関する第二設備情報を記憶しており、
前記計画部は、前記複数のパラメータと同一のパラメータの範囲および挙動の情報と、前記重要パラメータの情報と、前記第二設備情報とから、前記第二スケールの培養設備として利用する培養設備の候補に関する情報を出力する
ことを特徴とする請求項2に記載のプロセス開発支援システム。
【請求項7】
前記第一培養条件が、粘度、各種成分濃度、温度、pH、溶存酸素濃度、攪拌の回転速度、通気量、圧力のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のプロセス開発支援システム。
【請求項8】
前記設備条件が、培養槽の縦横比、ならびに、通気装置、攪拌機、pH調整設備および溶存酸素濃度をコントロールする制御装置およびそれらの仕様のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のプロセス開発支援システム。
【請求項9】
前記演算部は、前記第二培養条件および前記第二スケールの設備情報に基づいて、第二スケールの培養設備で培養を行った際の各種パラメータのふるまいをシミュレートするものであり、
前記各種パラメータが、剪断力、溶存酸素濃度のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のプロセス開発支援システム。
【請求項10】
前記第二スケールの培養設備の候補の情報と当該候補それぞれの仕様および利用に関する情報とを格納するデータベースと、
前記第二スケールの培養設備の条件が入力される入力部と、
前記入力部に入力された情報と前記データベースに格納される情報とに基づいて、前記第二スケールの培養設備の候補のうち、前記入力部に入力された条件に関連する培養設備の候補を1つ以上抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された培養設備の候補と当該候補のそれぞれの利用に関する情報を提案する提案出力部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のプロセス開発支援システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセス開発支援システムおよびプロセス開発支援方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
SDG’sや気候変動問題、カーボンニュートラルの実現などの文脈から、持続的な経済成長と社会課題の解決の両立が求められている。ものづくりの分野では石油製品代替の必要性が求められる中で、バイオテクノロジーの進展によってスマートセル化などによる生物機能を最大限活用したバイオものづくり(微生物などを用いた物質生産)が注目されている。
【0003】
バイオものづくりの産業化にはまず、生物自体スマートセル化などの生物機能を最大限生かした微生物開発が出発点となる。その後、数千Lを超える培養槽での培養の工業化に向けた、培養条件の決定のためのプロセス開発とスケールアップ化技術が必要となる。
【0004】
特に、プロセス開発では物質生産できる微生物などが選択された後に、生産するための培養条件を決定するため、数mL~数Lレベルでの小スケールの実験を実施する。ここでは生産に向け培地や酸素の供給、培養環境を整える要件を見出す必要がある。そのため、制御可能なパラメータ項目を複数の条件や範囲の組み合わせにより最適な培養条件を導き出す。
【0005】
しかしながら、この組み合わせは膨大な数となるため、時間やコストを鑑みて、一般的には経験値によってごく限られた条件の範囲の組み合わせで培養条件を探索する。
そこで、組み合わせが多数あることに対してコンピュータによる最適な培養条件の効率的な探索が行われる場合がある。関連する先行技術として、特許文献1に記載の技術がある。
【0006】
なお、特許文献1には、「細胞を培養する複数のプロセス条件を発生させるプロセス条件発生工程と、プロセス条件発生工程で、発生させた前記複数のプロセス条件の各々に対して、細胞の培養予測結果を取得する培養結果予測工程と、培養結果予測工程で得られた培養予測結果から、最適なプロセス条件を見出す最適化プロセス条件取得工程と、を有する細胞培養プロセス探索方法」が開示されている。
【0007】
また、小スケールの実験にて得られた培養条件は数百L、数千L以上の容量を持つ大スケールの培養槽で生産性を確認する。特に、このスケールアップにおいては幾何学的形状を相似に保ち、化学工学的に投入動力などの計算によって操作因子を一定に保った条件を揃えて実施するケースが一般的である。しかしながら、この検討だけでは微生物の性能を十分に発揮させられず、生産性が下がってしまうことがある。そこで、実際はエンジニアの過去の経験により、酸素の供給や攪拌数のコントロールなどで感覚的にチューニング、フィッティングを実施し、対応している。ただし、これには時間と労力がかかり、また、原因が特定できない状況もしばしばある。さらに、原因が特定されない状態で生産性が下がるため、再度、小スケール実験に戻って検証する手戻りが発生し、大スケールでの実験数が増えるだけでなく、時間を相当に要する。
【0008】
さらに、小スケールの限られた条件での範囲の組み合わせによって得られた培養条件では、同様の条件にした場合であっても、培養槽の条件が異なることやスケールが大きくなることで環境条件のばらつきが生じる。そのため、大きいスケールの条件が反映されず、生産性が損なわれる場合がある。
そこで、小スケールと大スケールの結果をフィードバックするサイクルを効率化する技術が開発されている。関連する先行技術として、特許文献2に記載の技術がある。
【0009】
なお、特許文献2には、「より大きな第2のスケールにおける生物のパフォーマンスを予測する際に使用される第1のスケールのパフォーマンスデータを生成するように前記生物用の第1のスケールの実験をデザインするコンピュータ実装方法であって、前記方法は、a.前記第2のスケールにおけるある生物の第1の株のパフォーマンスパラメータに対する第2のスケールの条件の寄与に少なくとも部分的に基づいて第1のスケールのスクリーニング条件を決定する工程であって、ここで、前記第1のスケールのスクリーニング条件は、第1のスケールにおいて再現できない第2のスケールの条件の1つまたはそれを超える代用物を含む、工程;b.前記第2のスケールにおける前記生物の代謝のコンピュータモデリングに少なくとも部分的に基づいて第1のスケールのスクリーニングパラメータを決定する工程;およびc.前記第1のスケールのスクリーニングパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記生物の第2の株を前記第1のスケールのスクリーニング条件下において実験的にスクリーニングするための実験をデザインする工程を含む」ことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
国際公開第2021/166824号
特表2022-531464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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