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公開番号
2025040099
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-24
出願番号
2023146798
出願日
2023-09-11
発明の名称
坩堝及び坩堝を使用した炭化珪素粉末の前駆体の製造方法
出願人
SECカーボン株式会社
代理人
弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類
C04B
35/52 20060101AFI20250314BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】加熱の際の温度特性を向上させた坩堝を提供する。
【解決手段】坩堝は、底及び前記底の周縁から上方に延びる側壁を有する容器を備える坩堝であって、前記容器は、黒鉛を主成分とし、前記側壁が延びる方向である縦方向の縦熱伝導率が、前記縦方向と直交する横方向の横熱伝導率より大きく、SiC単結晶の製造に使用する炭化珪素粉末の前駆体の製造に使用される。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
底及び前記底の周縁から上方に延びる側壁を有する容器を備える、坩堝であって、
前記容器は、
黒鉛を主成分とし、
前記側壁が延びる方向である縦方向の縦熱伝導率が、前記縦方向と直交する横方向の横熱伝導率より大きく、
SiC単結晶の製造に使用する炭化珪素粉末の前駆体の製造に使用されることを特徴とする、坩堝。
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【請求項2】
前記容器は、異方性コークス材料を含む押出成形材から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の坩堝。
【請求項3】
前記側壁の厚みは、10mm以上20mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の坩堝。
【請求項4】
コークスとバインダーピッチと混捏した混捏物を取得する第一工程と、
前記混捏物からブロック体を成形する第二工程と、
前記ブロック体を加熱して黒鉛化する第三工程と、
黒鉛化した前記ブロック体を加工して、底及び前記底の周縁から上方に延びる側壁を備える容器を備える坩堝を成形する第四工程と、
前記坩堝を使用して、SiC単結晶の製造に使用する炭化珪素粉末の前駆体を製造する第五工程と、を含み、
前記側壁が延びる方向である縦方向の縦熱伝導率が、前記縦方向と直交する横方向の横熱伝導率より大きいことを特徴とする、方法。
【請求項5】
前記コークスは異方性コークスを含み、
前記第二工程における成形は、押出成形器を使用して行われることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記坩堝の形成過程で高純度化処理を行っておらず、
前記坩堝における不純物の総質量が、坩堝全体の5wt%以下であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、SiC単結晶の製造に使用する炭化珪素粉末の前駆体の製造方法と、前記前駆体の製造に使用される坩堝に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、SiC単結晶の製造に使用する炭化珪素粉末の前駆体を製造する目的で、黒鉛坩堝が使用されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-240869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SiC単結晶の製造に使用する炭化珪素粉末の前駆体を製造するには、炭素原料と珪素原料の混合物の入った黒鉛坩堝を、高温に加熱する。加熱の際、坩堝内での原料(混合物)はできる限り均一に加熱されなければならない。生産効率の点から、できる限り短い時間で昇温することが望ましい。本発明が解決しようとする課題は、原料の温度均一性または加熱時間の短縮など、加熱の際の温度特性を向上させた坩堝を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、底及び前記底の周縁から上方に延びる側壁を有する容器を備える坩堝であって、
前記容器は、
黒鉛を主成分とし、
前記側壁が延びる方向である縦方向の縦熱伝導率が、前記縦方向と直交する横方向の横熱伝導率より大きく、
SiC単結晶の製造に使用する炭化珪素粉末の前駆体の製造に使用される。
【0006】
「SiC単結晶の製造に使用する炭化珪素粉末」とは、SiC単結晶を昇華法等で製造する際の原料をいう。「炭化珪素粉末」の前駆体は、自然から採掘されるものではなく、工業的に生産されるものである。「炭化珪素粉末の前駆体」は、上述したように、炭素原料と珪素原料の混合物の入った坩堝を高温に加熱して製造される。
【0007】
炭素原料と珪素原料の混合物を入れる坩堝は、前記縦熱伝導率が前記横熱伝導率より大きい特性を有する。よって、坩堝を加熱したとき、坩堝の熱は横方向に比べて、縦方向に早く伝わる。その結果、坩堝内の上部に位置する原料(混合物)と、坩堝内の下部に位置する原料(混合物)との間の温度差が小さくなり、より均一に加熱される。そして、坩堝を規定温度まで加熱するとき、坩堝はより短い時間で規定温度に到達する。
【0008】
前記容器は、押出成形材から構成されても構わない。さらに、前記容器は、異方性コークス材料を含んでいても構わない。異方性コークス材料とは、詳細は後述するが、一粒のコークスの外形の中で最も長い長径φLと、この長径φLに直交する面における、コークスの外径である短径φSとしたとき、φL/φSで表されるアスペクト比が1.1以上であるコークスをいう。本明細書では、異方性コークス材料を、「ニードルコークス」と言うこともある。
【0009】
詳細は後述するが、従来、ニードルコークスを原料にした黒鉛材料は、アスペクト比が1.1未満であるアモルファスコークスを原料とした黒鉛材料に比べて空隙や割れを含みやすいことが知られていた。他方で、坩堝には、被加熱材料である原料を坩堝内に閉じ込めておく密閉性が求められる。そのため、従来、アモルファスコークスを原料とした黒鉛坩堝が炭化珪素粉末の前駆体の製造に使用されてきた。
【0010】
しかしながら、本発明者らは、ニードルコークスを原料にした黒鉛坩堝を使用しても、炭素原料又は珪素原料が坩堝から漏出する量を抑えられることに気付いた。そして、ニードルコークスを原料にした坩堝は、坩堝を加熱する際の良好な温度特性と、不純物の少ない高純度材料という優れた特徴を発揮する。
(【0011】以降は省略されています)
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