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公開番号2025040028
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-24
出願番号2023146673
出願日2023-09-11
発明の名称地下水の処理方法および処理システム
出願人東亜建設工業株式会社
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類C02F 1/66 20230101AFI20250314BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】大気に排出されることが望まれていない二酸化炭素を有効利用して、水素イオン濃度指数が高いアルカリ性の地下水を簡易に効率よく中性化できる地下水の処理方法および処理システムを提供する。
【解決手段】水素イオン濃度指数がpH9以上のアルカリ性の地下水Wが存在する地盤Gに揚水管2を挿設する。そして、送気装置4により揚水管2の下部に設けられている注入口2bから揚水管2の管内に、施工現場の空気よりも二酸化炭素の体積割合の高い気体Cを注入して、揚水管2の管内に多数の気泡を発生させ、多数の気泡による見かけ比重の低下によって地下水Wを上昇させて揚水し、気泡に含まれる二酸化炭素と揚水中または揚水後のアルカリ性の地下水Wとを中和反応させて、その地下水NWの水素イオン濃度指数を低下させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水素イオン濃度指数がpH9以上のアルカリ性の地下水が存在する地盤に揚水管を挿設し、送気装置により前記揚水管の下部に設けられている注入口から前記揚水管の管内に、施工現場の空気よりも二酸化炭素の体積割合の高い気体を注入して、前記揚水管の管内に多数の気泡を発生させ、多数の前記気泡による見かけ比重の低下によって前記地下水を上昇させて揚水し、前記気泡に含まれる二酸化炭素と揚水中または揚水後のアルカリ性の前記地下水とを中和反応させて、その地下水の水素イオン濃度指数を低下させることを特徴とする地下水の処理方法。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記気体に、前記送気装置から排出される排気を含む請求項1に記載の地下水の処理方法。
【請求項3】
水素イオン濃度指数を低下させた前記地下水を前記地盤中に戻す請求項1または2に記載の地下水の処理方法。
【請求項4】
前記地盤から水素イオン濃度指数がpH9以上のアルカリ性の土砂を掘削し、その掘削した前記土砂と水素イオン濃度指数を低下させた前記地下水とを撹拌混合してスラリー状の前記土砂を作製し、そのスラリー状の前記土砂と施工現場の空気よりも二酸化炭素の体積割合の高い気体とを混合して、その気体に含まれる二酸化炭素とアルカリ性の前記土砂とを中和反応させ、水素イオン濃度指数を低下させたスラリー状の前記土砂を前記地盤の掘削箇所に送泥して前記掘削箇所を埋め戻す請求項1または2に記載の地下水の処理方法。
【請求項5】
前記地盤から掘削した前記土砂を解砕して細粒化し、その細粒化した前記土砂を用いてスラリー状の前記土砂を作製する請求項4に記載の地下水の処理方法。
【請求項6】
スラリー状の前記土砂を前記掘削箇所に送泥する送泥管の管内で、スラリー状の前記土砂と前記気体とを管中混合する請求項4に記載の地下水の処理方法。
【請求項7】
水素イオン濃度指数がpH9以上のアルカリ性の地下水が存在する地盤に挿設される揚水管と、前記揚水管の下部に設けられている注入口に接続された送気装置とを備え、
前記送気装置によって、前記注入口から前記揚水管の管内に、施工現場の空気よりも二酸化炭素の体積割合の高い気体が注入されることで前記揚水管の管内に多数の気泡が発生し、前記多数の気泡による見かけ比重の低下によって前記地下水が上昇して揚水され、前記気泡に含まれる二酸化炭素と揚水中または揚水後のアルカリ性の前記地下水とが中和反応して、その地下水の水素イオン濃度指数が低下する構成であることを特徴とする地下水の処理システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、地下水の処理方法および処理システムに関し、さらに詳しくは、大気に排出されることが望まれていない二酸化炭素を有効利用して、水素イオン濃度指数が高いアルカリ性の地下水を簡易に効率よく中性化できる地下水の処理方法および処理システムに関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
鉱滓が埋設された水域に近い土地では、水素イオン濃度指数が高いアルカリ性の地下水が地中に保持されている場合がある。このような土地を無対策で放置した場合には、アルカリ性の地下水が水域に流出する恐れがある。このような土地を改変する場合には、従来では、鉱滓が混合しているアルカリ性の土砂を掘削する。そして、揚水管と送気装置を使用してエアリフトによりアルカリ性の地下水を地上に揚水している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
揚水したアルカリ性の地下水は、そのままの状態では公共用水域や下水道に排水することはできない。そのため、従来では、揚水したアルカリ性の地下水に中和剤を添加することで、地下水を中性化していた。土地の改変工事では多量の地下水を揚水することになるため、揚水後の地下水の中性化に比較的多くのコストと時間を要していた。また、アルカリ性の土砂はそのままの状態では掘削箇所に埋め戻すことはできない。そのため、従来では、アルカリ性の土砂は廃棄物処理場などで埋立処分等を行う場合が多く、アルカリ性の土砂の処理にも比較的多くのコストを要していた。
【0004】
また、建設業界では、施工における地球温暖化の原因とされている二酸化炭素(CO
2
)の排出量の低減や、発電装置や建設機械などの排気に含まれる二酸化炭素を有効利用することが課題になっている。そのため、施工現場などで生じる大気に排出されることが望まれていない二酸化炭素を、アルカリ性の土地の改変に有効利用して、二酸化炭素を地下水や地中に固定することができれば、非常に有益である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2005-307575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、大気に排出されることが望まれていない二酸化炭素を有効利用して、水素イオン濃度指数が高いアルカリ性の地下水を簡易に効率よく中性化できる地下水の処理方法および処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の地下水の処理方法は、水素イオン濃度指数がpH9以上のアルカリ性の地下水が存在する地盤に揚水管を挿設し、送気装置により前記揚水管の下部に設けられている注入口から前記揚水管の管内に、施工現場の空気よりも二酸化炭素の体積割合の高い気体を注入して、前記揚水管の管内に多数の気泡を発生させ、多数の前記気泡による見かけ比重の低下によって前記地下水を上昇させて揚水し、前記気泡に含まれる二酸化炭素と揚水中または揚水後のアルカリ性の前記地下水とを中和反応させて、その地下水の水素イオン濃度指数を低下させることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため本発明の地下水の処理システムは、水素イオン濃度指数がpH9以上のアルカリ性の地下水が存在する地盤に挿設される揚水管と、前記揚水管の下部に設けられている注入口に接続された送気装置とを備え、前記送気装置によって、前記注入口から前記揚水管の管内に、施工現場の空気よりも二酸化炭素の体積割合の高い気体が注入されることで前記揚水管の管内に多数の気泡が発生し、前記多数の気泡による見かけ比重の低下によって前記地下水が上昇して揚水され、前記気泡に含まれる二酸化炭素と揚水中または揚水後のアルカリ性の前記地下水とが中和反応して、その地下水の水素イオン濃度指数が低下する構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、揚水管を用いてアルカリ性の地下水を揚水する際に、揚水管の管内に、二酸化炭素の体積割合の高い気体を注入して、揚水管の管内に多数の気泡を発生させる。そして、多数の気泡による見かけ比重の低下によって地下水を上昇させて揚水し、気泡に含まれる二酸化炭素と揚水中または揚水後のアルカリ性の地下水とを中和反応させる。これにより、大気に排出されることが望まれていない二酸化炭素を有効利用して、地下水の水素イオン濃度指数を効果的に低下させることができ、アルカリ性の地下水の中性化を簡易に効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の地下水の処理システムの実施形態を模式的に例示する説明図である。
本発明の地下水の処理システムの別の実施形態を模式的に例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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