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公開番号
2025039545
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-21
出願番号
2024152784
出願日
2024-09-05
発明の名称
大型ターボ過給式2ストロークユニフロー掃気内燃機関のシリンダ内に燃料を噴射するための燃料弁、及びそのような燃料弁を備えた機関
出願人
エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・フィリアル・アフ・エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・エスイー・ティスクランド
代理人
個人
主分類
F02M
47/00 20060101AFI20250313BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約
【課題】パイロット噴射とメイン噴射との間の迅速かつ正確な切り替えを可能にする燃料弁を提供する。
【解決手段】クロスヘッド式大型2ストロークターボ過給式ユニフロー掃気式内燃機関の燃焼室に液体燃料を噴射するための燃料弁(30)、及び、そのような燃料弁を備えるクロスヘッド式大型2ストロークターボ過給式ユニフロー掃気内燃機関。この燃料弁(30)は、供給される燃料の圧力によって離座する、弾性的に付勢された弁部材(35)を使用すると共に、油圧媒体として燃料を使用する油圧制御システムを使用して、パイロット燃料噴射又はメイン燃料噴射のいずれかを実行するように構成される。またこの燃料弁(30)は、外部から供給される燃料圧力が噴射イベントを実行する程度に上昇したときにパイロット噴射を実行するかメイン噴射を実行するかを決定するための電子制御弁によって制御される。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
クロスヘッド式大型2ストロークターボ過給式ユニフロー掃気式内燃機関の燃焼室に液体燃料を噴射するための燃料弁であって、
・ 燃料入口ポートと、
・ 燃料制御ポートと、
・ 1つ又は複数の主ノズル孔と、
・ 1つ又は複数のパイロットノズル孔と、
・ 閉位置と開位置との間で変位可能であり、閉位置と開位置との間に中間位置を持つ弁部材と、
を備え、前記弁部材は、前記閉位置の方に弾性的に付勢されると共に、前記弁部材の第1の面に作用する前記燃料入口ポートの燃料圧力によって前記開位置の方に液圧付勢され、
前記弁部材は、前記閉位置において、前記1つ又は複数の主ノズル孔への燃料の流れに対して閉じていると共に、前記1つ又は複数のパイロットノズル孔への燃料の流れに対しても閉じており、
前記弁部材は、前記中間位置において、前記1つ又は複数の主ノズル孔への燃料の流れに対して閉じているが、前記1つ又は複数のパイロットノズル孔への燃料の流れに対しては開いており、
前記弁部材は、前記開位置において、前記1つ又は複数の主ノズル孔への燃料の流れに対して開いており、前記1つ又は複数のパイロットノズル孔への流れに対しても開いており、
前記燃料弁は更に、前記中間位置から前記開位置への前記弁部材の変位を選択的に邪魔する機構を備え、前記機構は、
・ 第1燃料チャンバ内の燃料圧力に曝される第2の面を有する邪魔部材と、
・ 少なくとも第1の位置と第2の位置を有する電子制御弁と、
を備え、前記電子制御弁は好ましくはソレノイド弁であり、また前記電子制御弁は、
・ 前記第1の位置において、前記燃料入口ポートの燃料圧力が前記第1燃料チャンバ内にもたらされることを生じさせ、
・ 前記第2の位置において、前記燃料制御ポートの燃料圧力が前記第1燃料チャンバ内にもたらされることを生じさせる、
ように構成され、
前記邪魔部材は、邪魔位置と非邪魔位置との間で変位可能であり、前記邪魔位置において前記邪魔部材は前記弁部材の前記中間位置から前記開位置への変位を妨害し、前記非邪魔位置において前記邪魔部材は前記弁部材の前記中間位置から前記開位置への変位を妨害せず、更に前記邪魔部材は、
・ 前記燃料入口ポートの燃料圧力が前記第1燃料チャンバ内にもたらされるときに前記邪魔位置へと動き、
・ 前記燃料制御ポートの燃料圧力が前記第1燃料チャンバ内にもたらされるときに前記非邪魔位置へと動く、
ように構成される、
燃料弁。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
前記第1燃料チャンバは、前記燃料入口ポート及び前記燃料制御ポートに流体的に接続している、請求項1に記載の燃料弁。
【請求項3】
前記第1燃料チャンバは、流量制限部を含む導管を介して前記燃料入口ポートに恒久的に接続され、前記電子制御弁は、前記第2の位置で前記第1燃料チャンバを前記燃料制御ポートに接続する、請求項1又は2に記載の燃料弁。
【請求項4】
前記電子制御弁は、前記第1の位置で前記第1燃料チャンバを前記燃料入口ポートに接続し、前記第2の位置で前記第1燃料チャンバを前記燃料制御ポートに接続する、請求項1から3のいずれかに記載の燃料弁。
【請求項5】
前記弁部材の前記第1の面のサイズは、前記邪魔部材の前記第2の面のサイズよりも小さい、前記請求項のいずれかに記載の燃料弁。
【請求項6】
前記邪魔部材は、ボア内にぴったりと嵌め込まれたプランジャと、前記第2の面の反対側の第3の面とを有し、前記弁部材は、前記第1の面の反対側に位置し、前記第3の面と対向する第4の面を有する、前記請求項のいずれかに記載の燃料弁。
【請求項7】
前記邪魔部材が前記邪魔位置にあり、前記弁部材が前記中間位置にあるとき、前記第4の面は前記第3の面に当接する、請求項6に記載の燃料弁。
【請求項8】
前記変位可能な弁部材は、前記閉位置において前記弁座に着座し、前記開位置及び前記中間位置において前記弁座から離座する、請求項7に記載の燃料弁。
【請求項9】
長手方向軸を有する縦長の燃料弁ボディを有し、前記燃料弁ボディは近位端及び遠位端を有し、前記ノズルは前記遠位端に配置される、先行する請求項のいずれかに記載の燃料弁。
【請求項10】
前記ノズルはノズルボディを備え、前記ノズルボディは、前記長手方向軸に沿って前記ノズルボディの近位端の基部から前記ノズルボディの閉じた遠位端に至る領域を有し、前記基部は好ましくは前記燃料弁ハウジングの前記遠位端に取り付けられている、請求項9に記載燃料弁。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願の開示事項(以下、本開示という)大型ターボ過給式2ストロークユニフロー掃気内燃機関のシリンダ内に液体燃料を噴射するための燃料弁、及びそのような燃料弁を備えた機関に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景】
【0002】
大型ターボ過給式2ストロークユニフロー掃気クロスヘッド内燃機関は、通常、コンテナ船などの大型外航船や発電所の原動機として使用される。
【0003】
このタイプの機関のシリンダには、シリンダカバー即ちシリンダの上部の中央に排気弁が1つだけ設けられ、シリンダライナの下部にはピストン制御の掃気ポートがリング状に設けられている。シリンダ内のガス輸送方向は常に下から上に向かっており、それゆえユニフロー掃気という呼称がある。掃気ポートは斜めに配置されている。これは、燃焼室内のガスに渦巻きを発生させるためである。
【0004】
シリンダカバーには、中央に配置された排気弁の周りに、2つ又は3つの燃料弁が配置されている。燃料弁のノズルは燃焼室内に突出している。燃料弁は、シリンダカバーの周辺部に配置される。つまり中心部には配置されない。ノズルのノズル孔は、燃焼室内へと、渦(スワール)の方向を向くように配されており、シリンダ壁から遠ざかる方向に向けられる。時には、ノズルの1つのノズル孔が燃焼室内の渦に逆らうように向けられることもある。
【0005】
ノズルは燃料弁の前端部(遠位端)に取り付けられている。燃料弁は、縦長のハウジングを有する。このハウジングはシリンダカバーを貫通しており、後端部(近位端)がシリンダカバーの上面から突出し、前端部(遠位端)のノズルは燃焼室内に突出している。
【0006】
クロスヘッド式大型2ストロークディーゼル機関用の既知のノズルは、通常ノズルボディを有する。このノズルボディは、まっすぐな主孔を有する円筒部を有する。この主孔は、ノズルボディの近位端にあるノズルの基端から、ノズルボディの先端部(遠位端)の近傍に位置するノズル孔へと通じる。先端部又は遠位端は丸くても平らでもよいが、閉じている。これは、(ピストンが上死点にあるとき、すなわち圧縮着火機関の燃料噴射の瞬間、ピストンの上面がノズルの先端に非常に近いため、)ノズル孔がピストンに対して下向きであってはならないからである。典型的には、各ノズルは3~7個のノズル孔を備えている。これらは全て主孔に接続されている。主噴射とパイロット噴射の両方を行うことができる燃料弁は、通常、主孔に接続された1つ又は2つの小さなパイロットノズル孔を更に備えている。これらの弁は、通常、変位可能な弁部材を有し、弁部材のリフト量が小さい場合はパイロットノズル孔のみが、リフト量が大きい場合はパイロットノズル孔と主ノズル孔の両方が開口する。
【0007】
典型的には、液体燃料を噴射するための公知の燃料弁は、ノズルへの燃料の流れを制御するために、円錐形の弁座と、これに協働する軸方向に変位可能な弁針を備えている。弁針の前方部分は、主孔内に隙間なく受容される遠位部円筒からなり、弁針が閉位置にあるときにノズル孔を閉鎖するためのスライド弁として作用する。それによって、いわゆるサックボリューム、つまり、ノズル内の主孔によって形成される空間内の燃料の残留量(residual volume,RV)を著しく減少させる。このようなスライド弁構造がなければ、メインボア内(及びノズル孔内)の残留燃料量は、燃料噴射終了後に燃焼室内に滴下し、燃料消費、信頼性、及び排出ガスに悪影響を及ぼす。
【0008】
KR102057802は、燃料が供給される燃料通路と、燃料通路と連通するメイン噴射孔と、パイロット噴射孔とを含む弁本体と、弁本体に弾性的に支持されて移動し、燃料供給モードに応じてメイン噴射孔とパイロット噴射孔とを選択的に開閉する単一の弁針を有する弁部とを備える二元燃料機関用の燃料弁を開示している。弁部の移動距離は、弁本体内に加えられる押圧力によって決定される。弁針は、燃料供給モードがディーゼルモードの場合、メイン噴射孔とパイロット噴射孔を同時に開き、燃料供給モードがガスモードの場合、パイロット噴射孔のみを開く。パイロット噴射のみになるようにストロークを制限するには、燃料弁に設けられた変位可能な閉塞プランジャに高圧の作動油を作用させる。従って、この既知の燃料弁は、燃料供給系への接続に加えて、高圧油圧系への接続を必要とし、従って、機関にそのような油圧系を設ける必要があり、シリンダの3つ又は4つの燃料弁の各々を、二重壁配管を介して高圧油圧系に接続し、各燃料弁を、高圧作動油を扱うことができる油圧弁を有する弁ブロックに接続する必要がある。この弁では、作動油が燃料に混入したり、逆に燃料に混入したりしないようにする必要があるため、燃料弁にシールや圧力バリアなどの混入対策を施す必要がある。これらの要件は、燃料弁を高価にし、必要な追加装備のために機関を高価にし、燃料と作動油が混合するリスクが常に存在するため信頼性が低い。
【0009】
US4285471Aは、内燃機関用の燃料噴射ノズルを開示している。この燃料噴射ノズルは、第1の組の燃料噴射開口と、前記第1の組の噴射開口に加圧燃料を適用するための燃料入口手段とを有するノズル本体と;前記ノズル本体内の摺動可能な弁針と;前記弁針を前記第1の組の噴射開口との閉鎖関係に移動させるために、前記弁針が開くのに抗して前記弁針に閉鎖力を加える手段と;前記ノズルボディ内に摺動可能に配置され、前記弁針の一方の側に作用する制御ピストンと;前記ノズルボディ内のスプリングチャンバと;前記スプリングチャンバ内の前記弁針に面する側の関連流体圧力源から加圧された制御流体を前記制御ピストンに印加するための前記ノズルボディ内の入口手段と;前記燃料噴射ノズルから前記第1の組の噴射開口部を通って吐出される燃料とは独立して前記制御流体圧力を制御するための手段と;を備える。
【摘要】
【0010】
上記の点に鑑み、本発明の目的は、上記の問題点を克服するか、少なくとも軽減した、クロスヘッド式大型2ストロークユニフロー掃気内燃機関に液体燃料を噴射するための燃料弁を提供することにある。
(【0011】以降は省略されています)
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