TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025038740
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-19
出願番号
2023145527
出願日
2023-09-07
発明の名称
アンギュラ玉軸受および回転機構
出願人
NTN株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
F16C
19/16 20060101AFI20250312BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】玉同士の逆すべりが生じても、玉の摩耗を抑制することが可能であることに加え、コスト低減を図ることができるアンギュラ玉軸受および回転機構を提供する。
【解決手段】アンギュラ玉軸受1は、内輪2および外輪3と、これら内輪2と外輪3間に介在される複数の玉4とを備えた保持器なしのアンギュラ玉軸受である。玉4の表面粗さが0.06μmRa以下であり、かつ潤滑剤の動粘度(40℃)が46cst以上220cst以下である。前記潤滑剤がグリースである場合、グリースのちょう度が1号~00号である。玉4の表面粗さが0.04μmRa以下であり、かつ潤滑剤の動粘度(40℃)が68cst以上150cst以下であることがより好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
内輪および外輪と、これら内輪と外輪間に介在される複数の玉とを備えた保持器なしのアンギュラ玉軸受であって、
前記玉の表面粗さが0.06μmRa以下であり、かつ潤滑剤の動粘度(40℃)が46cst以上220cst以下であるアンギュラ玉軸受。
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のアンギュラ玉軸受において、前記潤滑剤がグリースであり、このグリースのちょう度が1号~00号であるアンギュラ玉軸受。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のアンギュラ玉軸受において、前記玉の等級が40以下となるアンギュラ玉軸受。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のアンギュラ玉軸受において、前記玉の表面粗さが0.04μmRa以下であり、かつ潤滑剤の動粘度(40℃)が68cst以上150cst以下であるアンギュラ玉軸受。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のアンギュラ玉軸受において、前記玉の材質が軸受鋼であるアンギュラ玉軸受。
【請求項6】
請求項5のアンギュラ玉軸受において、前記玉に表面固化処理が施されているアンギュラ玉軸受。
【請求項7】
請求項6のアンギュラ玉軸受において、前記表面硬化処理が浸窒処理であるアンギュラ玉軸受。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のアンギュラ玉軸受を備えた回転機構。
【請求項9】
請求項8に記載の回転機構であって、前記内輪と軸を一体化させた回転機構。
【請求項10】
請求項8に記載の回転機構であって、前記外輪とハウジングを一体化させた回転機構。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ロボットまたは建設機械の減速機の主軸受部に使用されるアンギュラ玉軸受および回転機構に関し、コンパクトでかつ、高負荷容量化、高剛性化に特化した技術に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
保持器なし(総玉)の転がり軸受として、以下の従来技術がある(特許文献1)。
この転がり軸受は、内外輪の間に多数の転動体のみが配置され、転動体はマルテンサイト系ステンレス鋼で構成され、かつ前記転動体の表面にHv1200~1500の窒化層を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-92686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ロボットまたは建設機械の減速機等の主軸受部に使用される軸受は、一般的に長寿命、高モーメント剛性に加え、コンパクト化が必要であることから、一定の軸受サイズ内で定格荷重の向上が要求され、玉サイズの拡大または玉数の増加が必要となる。
玉サイズの拡大は、軌道輪が薄肉化となるため、軸受剛性が低下する課題がある。一方、玉数を増やすために、保持器を用いずに総玉とする手法がある。しかし、総玉の場合、接触する隣同士の玉の間で相対すべり速度が逆向きとなるので、玉同士の接触域で「逆すべり」が発生するため、玉の摩耗を抑制する工夫が課題である。
【0005】
前記従来技術では、その課題の解決手段として、玉の表面に窒化層を設け、表面硬度をHV1200~1500と非常に硬くすることで玉の摩耗を抑制することを特徴としているが、この表面硬度の窒化玉は熱処理コストが高いことが課題である。
【0006】
本発明の目的は、玉同士の逆すべりが生じても、玉の摩耗を抑制することが可能であることに加え、コスト低減を図ることができるアンギュラ玉軸受および回転機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のアンギュラ玉軸受は、内輪および外輪と、これら内輪と外輪間に介在される複数の玉とを備えた保持器なしのアンギュラ玉軸受であって、
前記玉の表面粗さが0.06μmRa以下であり、かつ潤滑剤の動粘度(40℃)が46cst以上220cst以下である。
【0008】
保持器なし、所謂、総玉のアンギュラ玉軸受とし、玉の充填率が保持器ありのアンギュラ玉軸受よりも向上することにより、相対的に負荷容量、モーメント剛性が向上する。保持器なしとした場合、玉は相対的な公転速度差により、玉同士が接触し、接触する隣同士の玉の間で相対すべり速度が逆向きとなるため、玉同士の接触域で「逆すべり」が発生する。
【0009】
この構成によると、「逆すべり」に対して、動粘度が最適な潤滑剤と最適な玉の表面粗さを組合わせることで、玉表面の摩耗が抑制されることがわかった。つまり玉の表面粗さが算術平均粗さで0.06μm以下であり、かつ潤滑剤の動粘度(40℃)が46cst以上220cst以下の範囲において、玉間の油膜がよく形成され、玉の摩耗に関して実施可能に抑制される。このような動粘度が最適な潤滑剤と最適な玉の表面粗さを組合わせる構成は、玉の表面に特殊な熱処理を加える従来技術等に比べてコスト低減を図れる。
【0010】
前記潤滑剤がグリースであり、このグリースのちょう度が1号~00号であってもよい。
前記ちょう度はJIS分類で表記された値である。
潤滑剤がグリースの場合、玉間にグリースが流入しやすいものが玉の摩耗の抑制効果が高いことがわかった。玉間へのグリースの流入のしやすさは、具体的にちょう度分類で変わる。ちょう度が高い(軟らかい)ほど玉間へのグリースの流入性はよくなり、ちょう度が低い(硬い)ほどグリースの流入性は悪くなる。ちょう度分類が1号~00号の範囲にあるグリースは相対的に玉間への流入性がよくなり、玉の摩耗の抑制効果をさらに高めることができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
他の特許を見る